隠れていても兆候は至るところに、、、自らの心身との対話力こそすべて。。。

■見逃すと過労死の恐れ 「隠れ疲労」蓄積に3つのサイン

 長時間労働による「過労死」の問題が相次ぎ、政府は躍起になって働き方改革を推進している。とはいえ、これで労働環境がどこまで改善されるかはわからない。自分自身で過労死から身を守る必要がある。そのためには「隠れ疲労」を見逃してはいけない。「東京疲労・睡眠クリニック」院長の梶本修身氏(大阪市立大学大学院医学講座特任教授)に聞いた。

 仕事や運動をした後は、誰もが「疲れた」と感じる。エネルギーを消費したことで体が疲れてしまったと思っている人がほとんどだろうが、これは大きな勘違いだという。

「仕事や運動くらいでは、エネルギーが枯渇して疲労を起こすことはほとんどありません。それでも疲れたと感じるのは、脳の中にある自律神経の中枢に大きな負担がかかったからです。自律神経は、脈拍、呼吸、血圧、体温、睡眠といったあらゆる身体活動をコントロールしています。仕事や運動によってその自律神経が酷使されると、脳は『疲労感』を自覚させようとします。それ以上、体を動かすなどして自律神経に大きな負荷をかけないようにするためです。疲労というものは実は脳の疲労なのです」

 脳疲労によって発せられる疲労感は“危険信号”といえる。しかし、疲労感という生体アラームを無視してそれ以上の無理を続けると、最悪の場合、過労死を招く結果になりかねない。

■前頭葉が疲れを隠してしまう

 ただ、実際に疲労が蓄積していても、人間は疲労感を覚えないケースがあるという。

「自律神経の中枢が疲弊し、『疲労した』という情報を収集して疲労感として自覚させるのは大脳の前頭葉にある眼窩前頭野という部分です。前頭葉は『意欲や達成感の中枢』と呼ばれていて、人間は他の動物にはみられないほど前頭葉が発達しています。そのため、眼窩前頭野で発した疲労感という生体アラームを意欲や達成感によって隠してしまう。実際は疲労が積み重なっているのに、疲労を感じなくなるのです。これは人体にとって最も危険な状態で、『隠れ疲労』と呼んでいます」

 過労死は、前頭葉が発達して疲労感を隠してしまう人間だけにしか起こらないという。過労死を避けるためには、隠れ疲労が蓄積していないかどうかをチェックすることが重要だ。

?飽きる

 長時間のデスクワークやパソコン作業で脳を使い続け、「飽きた」という感覚を覚えたことが誰にでもあるだろう。この飽きるという感覚は、脳が疲労し始めている最初のサインだという。

「仕事や勉強などで使い続けている特定の脳の神経細胞を休ませてほしいというシグナルです。『飽きた』というサインを無視して作業を続けていると、特定の神経回路が疲弊して機能が低下し、全身がだるいなどの症状が表れるようになります」

 飽きたらすぐに作業は中断して、休息をとることが大切だ。

?寝落ちが増える

 飽きるというサインを無視すると、次は「眠くなる」サインが出る。

「電車で席に座った途端、隣の駅に着くまでの間に眠ってしまったり、大事な会議中なのにウトウトしたりするなど、公的な場で無意識に寝落ちしてしまう場合は、隠れ疲労を抱えているケースが多い。疲労が蓄積してピークに近い状態になると、脳は強制的に意識をシャットダウンして休ませようとするのです」

?毎日の習慣が面倒に感じる

 脳に疲労がたまると「疲れる」というサインが出る。隠れ疲労の場合は疲労を感じないが、無意識のうちに表面に表れるという。

「たとえば、駅から自宅までといった普段は歩いている1キロ程度の区間なのに、『なんとなく、きょうは歩きたくない』と感じてタクシーに乗ってしまう。普段は楽しめる友達や彼女からお誘いがあっても、『きょうは出向くのが、おっくうだ』と感じて断ってしまう。こうした衝動的な『面倒くさい』という感覚は、隠れ疲労が表面化している可能性が高いといえます」

 ◇  ◇  ◇ 

 これら隠れ疲労の3大サインが表れたら、無理はせずに休息をとり、しっかり睡眠をとる。蓄積した疲労を回復させるには、ぐっすり眠ることが何よりも効果的だ。

[日刊ゲンダイDIGITAL]

Posted by nob : 2017年12月17日 06:13

常に人命再優先!

■赤ちゃんポストの慈恵病院、「内密出産」受け入れ検討

 親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)で知られる慈恵病院(熊本市)が、妊婦が匿名で出産し子には後に出自を伝える「内密出産制度」の導入を検討していることが15日、分かった。望まない妊娠で孤立する女性が安全に出産できる態勢を整えたい考えだ。

 内密出産は、妊娠を誰にも知られたくない女性を医療機関が匿名で受け入れることで母子の安全を図り、子どもが一定の年齢になれば母親の身元を知らせる仕組み。ドイツで制度化されている。

 「自宅や車中などでの危険な出産が多い」「子の出自を知る権利が奪われる」など赤ちゃんポストの課題を解決する手段の一つとして熊本市も注目している。慈恵病院はすでに市に実現したいとの意向を伝えた。市は病院側の求めに応じて1月に会合を持つ予定。

 病院の構想では、女性に身元を記した書類に封をして行政機関に預けてもらい、病院では匿名で出産。出産時に女性が亡くなったり重篤な状態になったりしない限り、子どもが一定の年齢になるまで開封せず保管して匿名性を守る。子どもは特別養子縁組をした家庭で育てるという。

[朝日新聞]

Posted by nob : 2017年12月17日 06:10

すべてはバランスに尽きると、、、正解はあくまで自らの心身との対話を重ねていく先にあります。。。

■炭水化物「毎食7割超え」死亡リスク上昇、脂質の摂取多いと死亡リスク低いと調査結果

記事まとめ

* 11月7日付NIKKEI STYLEで『「炭水化物が毎食7割超え」は注意 死亡リスク上昇』掲載
* 元の論文は、世界18の国と地域の13.5万人以上を対象にした食と死亡リスクの観察調査
* 植物油には健康を害する負の作用があると指摘も、砂糖の有害性の米研究打ち切りも話題

日本人が年間13リットルも飲む「植物油」が体を壊す

 先日、興味深い記事が発表されました。それは11月7日付NIKKEI STYLE記事『「炭水化物が毎食7割超え」は注意 死亡リスク上昇』で、8月29日付ランセット誌電子版に掲載された論文を基にした記事です。ちなみに、ランセットは世界五大医学雑誌のひとつです。

 元の論文は、世界18の国と地域の13.5万人以上を対象にした食と死亡リスクの観察調査です。低所得国、中所得国、高所得国を網羅し、人数も多く期間(中央値で7.4年)も長いので、今までに例のない調査といえます。

 記事では主な調査結果として、次の2点を取り上げています。

(1)炭水化物については、最低群(総エネルギーに占める炭水化物の割合の中央値が46.4%)と比較した最高群(同77.2%)の総死亡のリスクは28%高く、摂取量が多いほど死亡リスクは高い傾向が見られました。

(2)脂質については、炭水化物とは反対に、最低群(総エネルギーに占める脂質割合の中央値が10.6%)に比べ最高群(35.3%)の総死亡リスクは23%低くなっていました。

 記事では、この結果を受けて、炭水化物の摂取が非常に多いと死亡リスクが高く、脂質の摂取が多いと死亡リスクが低いことが「意外」と受け止めています。しかし、筆者はこの結果を「意外」とすることにかなりの違和感を覚えます。

●栄養素は単独では働かない
 
 私たちが生きてゆく上で必要な三大栄養素は「たんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)」で、どれもエネルギー源ともなります。これにビタミン、ミネラルを含めた五大栄養素の相互作用で生命活動を維持します。その際に重要なのは、栄養の摂取バランスです。調査では、栄養素を単独で扱っているので誤解しがちですが、実際には栄養素は単独では働かないので、摂取バランスで捉えないとあまり意味がありません。

 栄養の摂取バランスで捉えると、炭水化物の摂取量が多いというのは、その他の栄養素は必然的に少なくなります。脂質もたんぱく質も少ないと考えられます。炭水化物摂取の最高群(同 77.2%)の死亡リスクが高いのは、栄養バランスが悪い、もしくはかなり偏っているためだと考えられます。

 逆に、脂質の摂取量が多い群(35.3%)は、炭水化物が少なくなります。脂質は肉類や卵などに多く含まれます。これらにはたんぱく質も豊富に含まれるので、その摂取量も自動的に増え、摂取される栄養バランスが良くなると考えられます。つまり、死亡リスクの少ない脂質摂取の多い群は、栄養バランスが良いと言い換えられます。

 したがって、この調査結果は決して「意外」なものではなく、栄養の摂取バランスが悪い群は死亡リスクが高く、栄養の摂取バランスが良い群は死亡リスクが低いという栄養学の常識と一致した結果にすぎないのです。

●日本人は栄養バランスの変化と寿命の関係を体現した

 今回の調査の特徴のひとつは、対象に低所得国、中所得国、高所得国を加えたことです。低所得国と高所得国では摂取する栄養バランスの良し悪しに差があることも、平均寿命が違うことも容易に想像ができます。

 低所得国が経済発展し、中所得国、高所得国へと姿を変えると、食糧事情も変化し、栄養バランスも変わり、寿命も延びることは、我々日本人がこの70年の間に体験しています。

 米を主食とした日本人の食生活は、世相の安定した江戸中期以降、少ないおかずで大量の米を食べる炭水化物偏重の食生活が戦前まで続き、その間、平均寿命が50歳を超えることはありませんでした。この食生活が急変するのは、第二次世界大戦以後のことです。

 前述の調査結果の死亡リスクが高い群と符合するように、炭水化物の摂取割合が78%と高率だった1955年の平均寿命は63歳で、脂質の摂取量が増えるとともに寿命は延び続けます。

 平均寿命を延ばす要因は食生活ばかりではありませんが、1955年は高度経済成長の始まりの年であり、経済大国になるにつれ食卓にいろいろな食材が並ぶようになったことは事実です。ちなみに、日本人の平均寿命が50歳を超えたのは1947年で、今からわずか70年前のことです。

●寿命が延びると病気が増える

 摂取する栄養バランスがよくなり寿命は世界のトップクラスまで延びましたが、新たな問題として、病気が増えました。特に慢性疾患である高血圧、脂質異常症、糖尿病は「三大生活習慣病」と呼ばれ、罹患者は増加の一途をたどっています。これらの病気は直ちに死に結びつくものではなく、長い時間をかけて合併症とともに重篤な状態に至るのが特徴です。つまり、ある程度の長生きはできるが、不健康な時間も長いというおかしな時代になっています。

 生活習慣病の原因として、偏った食生活、運動不足、喫煙、過度の飲酒、過度のストレスなどが挙げられますが、なかでも食生活の占める割合は大きく、最近はがんや認知症なども食生活に原因があるケースが指摘され、生活習慣病の範疇に入れる傾向にあります。
 
 栄養豊富な飽食の時代なのに病気が増えているのは、食生活における栄養の質と食の安全性に関する誤った情報に問題があると考えられます。本連載で一貫して指摘しているように、ヘルシーだと誤認識され多量に消費される植物油はその筆頭です。サラダ油やマヨネーズの主原料である大豆の輸入自由化は1961年で、キャノーラ油の原料である菜種の輸入自由化は1971年です。この時期を境に植物油の大量消費が始まっていますが、生活習慣病が急増する時期と一致します。今では一人当たりの植物油の年間消費量は13リットルにも及んでいます。

●調理油以外にも加工食品には大量の“隠れ油”

 糖尿病の原因は炭水化物の過剰摂取にあるといわれますが、上図から読み取れるように炭水化物の摂取量は減り続けており、炭水化物だけでは増える糖尿病の説明がつきません。動物実験の結果から、糖尿病の原因としてキャノーラ油などが指摘されています。これは植物油の消費量の増加と合致します。

 厚生労働省が推奨する「食事バランスガイド」などでは、動物性の脂肪を控え、植物性の脂肪に置き換えることを推奨していますが、こうした一見“常識”とも思える指導が生活習慣病を助長する原因にもなります。植物油には健康を害する隠された負の作用があるからです。

 先日も、砂糖の取りすぎの有害性について指摘しようとした研究を、米国の砂糖業界が50年前に打ち切っていたという事実が報道されたばかりです。

 食材に含まれる成分には、判明している栄養素以外に解明されていない未知の成分があり、人体への影響も解明されていません。栄養の摂取と死亡リスクの関係が解明され、それが公正に発表され、正しく活用されることを望みます。

(文=林裕之/植物油研究家、林葉子/知食料理研究家)

[ビジネスジャーナル]

Posted by nob : 2017年12月13日 15:00

いやはやそこまでですか。。。(驚)

■「若者の恋愛離れ」を考える 「割に合わない嗜好品に」

 街角にクリスマスソングが流れる季節。かつて、当日、誰と過ごすかで盛り上がったが、いまは若者の恋愛への熱意が薄れてきたという。それって本当なの?

■恋しなくてもつながり 牛窪恵さん

 若者の恋愛観を、実際に当事者に話を聞きながら調べ続けてきました。今の20〜30代は、恋愛を必需品ではなくて嗜好(しこう)品と捉えており、手間やリスクを考えると割に合わないもの、と考える人が多くなっていると感じます。

 21世紀に入り、まず変わったのが男性の恋愛観です。景気低迷と将来不安の高まりから、無用な消費を嫌がり、わざわざ恋をしてお金や時間を使いたくない。初めから男女平等の教育を受けており「男が引っ張る」感覚も弱い。

 それでも、少し前まで女性には恋愛願望がみられましたが、最近は男女を問わず「恋愛は面倒」という声が多くなりました。おそらく最大の理由は、常にスマホでネットや人とつながっている「超情報化社会」になったことです。

 まず、満たされやすくなっています。私の大学時代は、授業以外はサークルかバイト、あとはデートぐらいしか楽しみがなかった。でも今は無料の動画やゲームも多く、友人とも常時つながっている。恋をしなくても、いくらでも楽しく過ごせます。性愛への関心も、今はスマホで満たせる。困り事も、助けてくれた誰かにときめく前にスマホが解決してしまい、ロマンチックな瞬間が訪れにくい。

 職場ではハラスメント扱いされるのが心配で誘いにくいし、やっと告白しても、内容を転送されて恥をかいたり。付き合えば、行動がスマホ上で筒抜けで束縛されやすく、別れれば、相手のスマホに自分のデータや画像が残っているからストーカーやリベンジポルノも怖い。これだけの面倒やリスクを背負ってまで、特定の人と深い関係になる必然性が薄れているのです。

 だから、上の世代は「恋愛しない方がおかしい」と自分たちの感覚で見ず、そうした現代的な難しさを理解した上でサポートする必要があります。当の若者には、パートナーを見つける動物的本能を取り戻すため、時々は「スマホ断ち」も大切だと伝えたい。ネットと切れた状態で、「あの人に会いたい」といった自分の自然な感情に、静かに耳を傾ける時間も必要です。

 もともと、昔の日本は西欧型の大恋愛ではなく、一緒に暮らしてから情が移っていくタイプの文化でした。トレンディードラマが全盛だったバブル前後が、むしろ例外的だったのかもしれず、恋愛より情愛を重視するのは決して悪いことではありません。

 ただ、私の経験上も、結婚後に「思っていたのと違う」という瞬間は必ずある。その時、「あれだけ好きになった人だから仕方がない」という割りきりも支えになります。今の若者は賢く先読みしがちですが、人生を納得させるためにも、一度は後先考えずに「燃え上がる恋」をするのも悪くないと思うのですが。(聞き手・吉川啓一郎)

[朝日新聞]

Posted by nob : 2017年12月13日 14:53

運動は健康の源。。。

■運動はがんの進行を抑えるってホント?
「運動とがん」

 がんは長年、日本人の死因第1位の座を独占し続けています。多くの人にとって最も怖い病気でしょう。

 では、がんだと宣告されたら、私たちはどうしたらいいのでしょうか。もちろん、医師と相談しながら、積極的に治療に取り組むことになりますが、自分でできることもあります。そのひとつが「運動」です。

 がんといえば重病です。運動なんかしていいの? と思われるかもしれません。確かに症状や進行度にもよりますが、「運動できる人はした方がいい」というのが最近の定説になっています。

 報告されているエビデンス(科学的根拠)をいくつか紹介しましょう。1つは、大腸がんと診断され、転移のない男性668人を20年間観察した研究です。20年間で258人が死亡し、うち88人は大腸がんが原因でした。「1週間の運動量」を見ると、運動量が多いほど死亡率が低く、最も運動量が多かったグループは、まったく運動しなかった人たちに比べて大腸がんによる死亡リスクが47%も下がっていたそうです(*1)

 前立腺がん患者を追跡調査した米国ハーバード大学の研究でも、「週3時間以上のウォーキング」をしている人たちのがん再発・転移、死亡のリスクは57%下がっていたそうです(*2)。

*1 Arch Intern Med. 2009 Dec 14;169(22):2102-8.
*2 Cancer Res.2011 Jun 1;71(11):3889-95.

 ドクターランナー(事故にそなえて選手と一緒に走る医師)として多くの市民マラソン大会やトライアスロン大会に出場している、よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック(神奈川県横須賀市)院長の奥井識仁さんは、「運動によって大腸がんや前立腺がんの進行は抑えられます。実際、米国にはランニングやウォーキングでがんを抑えようという患者のサークルがいくつもあります」と話します。

 奥井さん自身も、長いこと前立腺がんと運動の研究を続けています。前立腺がんと診断された患者102人(平均74.8歳)に、ホルモン治療と併行してウォーキングを指導しました。8年間で48人が死亡、うち20人(41.7%)は前立腺がんが原因でしたが、「1カ月に120km以上のウォーキング」をしている人たちは、死亡率が半分に抑えられたそうです。

ウォーキングは前立腺がん患者の死亡リスクを抑える
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平均74.8歳の前立腺がん患者に、治療と併行してウォーキングを指導した。1カ月120km以上のウォーキングを実行した人たちは死亡リスクが半減。前立腺がんによる死亡はゼロだった。(データ提供:奧井院長)


 「雨の日も風の日もやる必要はありません。1日6km、月20日を目安に指導しています」(奥井さん)

筋肉の成長に男性ホルモンが使われる?

 では、なぜ運動によって前立腺がんの進行が抑えられるのでしょうか? 奥井さんはテストステロン(主要な男性ホルモン)が筋肉で消費されるからではないか、と考えています。

 前立腺がんはテストステロンをエサにして増殖する性質を持ちます。そのため、治療はテストステロンの分泌を抑えることが基本になります。運動によってテストステロンが筋肉で使われると、前立腺がんのエサになる量が減るのではないか、というのが奥井さんの仮説です。「大腸がんの場合も同じく、運動でIGF(インスリン様成長因子)が筋肉で使われることが、がんの進行を抑える大きな要因になっているように思います」(奥井さん)。

 これらはまだ解決しないといけない問題が多くあります。運動とがん抑制の関係については、いまだにメカニズムがほとんど分かっていないためです。「もっと多くのサンプルを集めて、日本全体で考えていくべきテーマだと思います。米国のように、がん生存者が積極的に治療データを後世の研究のために残して、日本のがん治療に役立てるシステムが必要です」と奥井さんは話します。

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年11月28日 12:03

目指せPPK!

■「ピンピンコロリ」を実現する5つの習慣

長寿国・日本の現実は「寝たきり大国」だ。ほかの国に比べて「ピンピンコロリ」は少なく、「ネンネンコロリ」が際立って多い。なぜなのか。そして、「ピンピンコロリ」を実現するための5つの習慣とは――。

日本は世界でも指折りの長寿国として知られています。しかし、その実態は、最期まで元気に活動して天寿をまっとうするピンピンコロリ(PPK)は少なく、男性は平均9年、女性は同12年も介護された末に死んでいくという、ネンネンコロリ(NNK)が他国に比べて際立って多い「不健康長寿国」なのです。

■病院は決して安全な場所ではない

なぜでしょうか。最大の理由は、病院などの病床数の多さにあります。日本では人口当たりの病床数がアメリカの4倍以上あり、患者の入院期間も3倍近く長いのです。

病床数が多ければ、いざというときすぐに入院できるので安心だと日本人は考えがちですが、後期高齢者の場合、病院のベッドで点滴の針を刺したままトイレにも行かず過ごしたら、間違いなく寝たきりになるでしょう。ベッドがたくさんあってすぐに入院できる一見理想的な環境が、逆に寝たきりの高齢者を増やしている。これが日本の現実です。

また、これも多くの人は誤解していると思いますが、病院は決して安全な場所ではありません。病院に近づけば医療事故や薬害などの危険にさらされます。

たとえば肝臓がん。酒の飲みすぎが原因だと思われがちですが、男性の肝臓がんによる死亡率を見ると、新潟、岩手、秋田など酒どころといわれる県では低く、比率の高い福岡や大阪の3分の1程度でしかありません。実は、肝臓がんは飲酒ではなく、医療事故によるC型肝炎ウイルスの感染が最大の発症要因なのです。

医療事故がどれくらい起こっているか知ったらびっくりすると思います。EUの公式資料によれば、病院の医療事故で死亡した人数は年間約15万人。そのため、EU域内に住む人の約53%が、病院は危険なところだと認識しています。

わが国の実態は公表されていませんが、数十万人規模での医療事故や薬害が起こっていると思われます。

■歯科医にはこまめにかかったほうがいい

では、どうすればNNKを避け、PPKを実現できるのでしょうか。それはなんといっても医師に頼りすぎず、自分の健康は自分で保つのだという気概が持てるような支援環境を公的に整備することです。そのうえで各種の情報を調べ、納得のいく治療を受けるようにしましょう。

一方で、歯医者さんにはこまめにかかったほうがいいようです。私たちの調査では、「かかりつけの歯科医師がいる」と答えた人が長生きでした。どんなメカニズムが働いているのか明確なところはわかりませんが、私は次のような仮説を立てて追跡調査をしています。

まず、歯科医の支援を受けることで望ましい口腔ケアの知識が得られ、高齢になっても歯と口の健康を保つことができる。食は生きることの基本ですから、歯や口が健康であることには大きな意味があります。また、定期的なケアを受けるため、歯医者さんへ「お出かけ」していることも健康長寿には望ましいのです。

■「ピンピンコロリ」を実現する5つの習慣

生活習慣という切り口から見ると、次の5つの習慣を身に付けることがPPKには大事だということがわかってきました。

1、運動。毎日やらなくても週に1回運動していれば、生存率がかなり高くなることが証明されています。

2、質のいい睡眠。

3、朝食。食べないと脳や身体機能が活性化しません。その際、納豆、ヨーグルトなどの発酵食品を食べ腸内細菌を増やして体温を高めると免疫力が高まり、がんになりにくくなります。

4、禁煙。発がん物質を含むたばこは百害あって一利なし、確実に寿命を縮めます。

5、適度な飲酒。私たち研究チームが高齢者1.3万人を対象に3年間追跡調査したところ、男性では毎日飲酒する群、女性では週に1、2回飲酒する群の死亡率が最も低く、逆に死亡率が高かったのは男女とも「ほとんど飲まない」と回答した人たちでした。

■「地域活動にも積極的」がPPKの必須条件

日本では多くの人が誤解しているのがコレステロール値の評価です。高コレステロール群と低コレステロール群では、明らかに前者のほうが長生きです。コレステロールはビタミンDや細胞膜、がん免疫細胞の材料であり、体の中で重要な役割を担っています。その一方、コレステロールを下げる薬の服用により死亡率が高まることが証明されています。

環境や住居も健康長寿に大きな影響を与えます。都市部よりも長野県のような地方で平均寿命が長いのは、水や空気がきれいだというのも理由のひとつ。夏になるとホタルが乱舞するなど、多様な生物が生きられるところでは、人間も長生き。考えてみたら当たり前のことなのです。

日本では毎年約1万7000人がヒートショックで亡くなっていますが、風呂場が寒すぎるなど家の中の温度較差が原因です。これは住宅の断熱・気密性能を向上させる無垢材の活用で改善します。また、クロス張りの壁を珪藻土や土壁に変えればホルムアルデヒドなどの害がなくなり、湿度調整もうまくいくため睡眠の質が高まります。こうした住環境の良質化もPPKのためにはぜひ取り組みたいポイントです。

そして、忘れてはならないのが心の健康。年をとっても生きがいを持ち、地域や趣味の活動にも積極的に参加しているというのはPPKの人の特徴であり、必須条件だともいえます。65歳を過ぎても生きがいを持って働くというのも、要介護にならないための賢明な選択だといっていいでしょう。

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▼これがピンピンコロリの条件だ!

・かかりつけの歯科医師を持つ

・口腔をケアし良好な状態を保つ

・やや太めの体形である

・総コレステロール値が高い

・お出かけが好き

・断熱に優れ土壁を使った健康住宅に住む

首都大学東京名誉教授
放送大学客員教授
星 旦二

[PRESIDENT online]

Posted by nob : 2017年11月23日 15:30

なるほど、、、あらためてダウン。。。(納得)

■ダウンの下にたくさん服を着込むのが残念な理由

リスク対策.com

寒さが本格的になってきました。今回は防寒の話について、アウトドア流防災ガイド・あんどうりす氏が解説します。

 本日は、中間着の断熱についてお話します。

 実は断熱の話は「テントと車中泊、どっちがあったかいと思いますか?」という記事ですでに触れてあります。答えられなかった方、こちら↓をどうぞ。

■「災害対策もかねて、テント泊デビューはいかが?夏のキャンプにも災害時にも使えるテント選びを楽しもう!」(2016年7月21日

 世の中に断熱材はたくさんありますが、動かない空気の層が優秀な断熱材ということを書きました。ですので、中間着として効率よく動かない空気の層を作れば、断熱材になるから暖かいという訳です。

 冬になると、重ね着をします。それは、薄い服でも、重なった服の間に空気の層を作り出すことができ、暖かくなるからです。

 フリースは、風のある日にアウターとして着ると寒いですが、風を防げば、空気を繊維にためこむことができるので、暖かい中間着になります。ウールも発熱機能があるし、加えて、空気をためることができるので、ウールのセーターはあったかいのです。

ダウンジャケット、たくさん服を
着こんだ上に着てませんか?

 ところで、山ではたくさん空気をためる人気の素材なのに、都会では空気をためずに着られている残念素材があります。

 それは、ダウンジャケットです。たくさん服を着込んだ上にダウンを着ている人、いませんかー?

 ダウンはみなさんの体温で暖まると羽をふくらませます。その膨らんだ羽が空気をたくさんつかまえて動かない空気という断熱層を作るから暖かくなる素材です。熱源である体温から離してしまうと、せっかくのダウンの性能が発揮できなくなってしまいます。

 もちろんファッションでどのように着るのもアリですから、普段は寒くてもどんな格好でもいいのです。でも、イザという時は、もしダウンを持っているなら、汗を素早く吸収・発散し、快適な状態を保つインナーのすぐ上に着るか、素肌に直接着てしまってください。羽がふくらむので、少ない衣類で効率良く暖がとれます。

 体温で温めて羽をふくらませるので、体温が普段から低い人、寝たきりの方にダウンの服や布団を用意してあげても暖かくできません。鳥類は37度くらい平均体温があるということなので、しっかりふっくら羽をふくらませますし、体温が高めの元気な子どもが着ると、力士に変身できる仮装の服みたいにダウンをふくらませることができるのはそのためです(笑)。

 布団といえば……当然、羽布布団は肌の近くに着てくださいね。ダウンの中に毛布なんてありえないです。ダウンである意味がなくなります。どうしても毛布を使いたいならダウンの上に置くべきですが、その時に毛布が軽ければいいのですが、重ければせっかく膨らんだ羽をつぶしてしまって、やっぱり意味がなくなります。

 同じことは衣類でもありました。2年前、「インナーダウン」という言葉がでてきました。いよいよ、アウトドアみたいに、みんな、ダウンを効率よく着るように変化してきたのかな!と、喜んだのもつかの間、こんな事例を数多く電車で見てしまいました。

 重たい背広の下にダウン着てるし……。そこには羽がつぶされ、ちっとも空気層ができていないインナーダウンがあったのでした。

 何が違っていたかというと、インナーであることが大事なのではなくて、ダウンをインナーにすることで、体温を伝えて動かない空気という断熱層を作りだすことが大事だったのです。なのに、インナーにすればいいとだけ覚えた方が失敗した例でした。

ダウンの縫い目は水に弱いものも。
雪の日は要注意。絶対濡らしちゃダメ!

 失敗例はまだあります。ダウンはまだまだ理解されていないのかなあと思います。

 レインウェアの記事で、最近、災害現場でのニュースキャスターは全員、アウトドアのレインウェア(透湿防水素材)を着ていることを書きました。でも、大雪の現場ではまだ間違っています。

 雪でもダウンを一番上に着ている方、多いです。寒いといえば、ダウンって感じなんでしょうかね。

 ダウンは、水に濡れると羽をしぼめてしまいます。空気を蓄えられません。こんな時、ダウンをつつむ素材が、透湿防水素材なら濡れません。撥水性能があるものも増えましたが、ダウンが偏らないよう小分けされた縫い目から水が染み込みやすいので、完璧ではありません。そして撥水性能は落ちやすいものでもあります。山では命に関わるので、ダウンは絶対に濡らしてはならないものです。大雪の現場であるなら、濡れないためにダウンは一番外に着る服ではないほうがよいでしょう。

 大雪の中継で、「ダウンを着ていますが、寒いです」とお話しされていることが結構あるのですが、「それはダウンで濡れて水が染みているから寒いのでは……」とつっこみたくなる場面はいまだに多いです。

 ところで、北海道や海外のパウダースノーの場合、撥水性能があればコロコロっと落ちていく感じなので、縫い目から染みてこなければしばらくは大丈夫です。でも、水分を含んだ本州の雪ですと、すぐ染みてきます。雪質によっても判断を変えていただければと思います。

ダウンはきちんと
たたまなくてもOK!

 さて、ダウンは空気を蓄えますが、圧縮すると、空気をためないので、コンパクトに収納できます。だからこそ、シュラフ(寝袋)としても人気です。化繊のシュラフも空気をしっかりためてダウンに劣らない保温性能を持つものが出てきましたが、収納のコンパクトさではまだまだダウンが上という状態です。自然のメカニズムのすごさを感じてしまいます。

 ちなみに、ダウンの収納の仕方、講演後に収納している場面を目撃されると目を白黒されたりします。そして、「この講師、雑にダウンをしまっている」という心の声が聞こえてきます(笑)。

 きちんとたたむと同じ部分がシワになってしまいます。そうすると、そこの断熱性能が劣化します。野外では、そんなことが命に関わる場面もあります。だから、ぐちゃぐちゃに、収納袋につめこむのが正しいアウトドアでの収納方法なのです!雑ではなく、命を守る、正しい、そして楽な収納方法なんです。

 ぐちゃっとしてしまうと「シワは?」と気にされる方も多いようですが、ダウンの性能がいいと、そしてきちんと体温の近くにあると、すぐ膨らんで復活します。ダウンがシワになるなら、たたみ方より、膨らませて着ていないからかもしれません。

 とはいえ、たくさん着るとへたってきます。そんなダウンが家にあれば、お洗濯したのち、部屋着やパジャマにしてあげるのもおすすめです。夜にトイレなどに行ったとき温度差が気にならなくなるくらい、最強あったかパジャマになります。暖房代も節約できます!夜中の授乳も、寒くなかったです!

 ということで、持っている人がたくさんいるダウンの服、ちゃんと動かない空気で断熱層をつくることで、災害時や寒い時、寒くないようにしてください。

 その寒さ、グッズが足りないのではなく、着方がまずいのかもしれません!

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2017年11月22日 09:38

確かに、、、私の心身は共感しています。。。

■「睡眠は90分サイクル」は誤り、眠りの科学は俗説だらけ
『最新の睡眠科学が証明する 必ず眠れるとっておきの秘訣!』

「90分の倍数の睡眠時間をとれば、目覚めがよい」「22時から深夜2時までが睡眠のゴールデンタイム」「7時間睡眠が寿命を延ばす」。知ってる、知ってる、とうなずく人が大半なのかもしれない。が、実はこれらすべて間違い、もしくは不正確な「睡眠神話」なのだそうだ。本書『最新の睡眠科学が証明する 必ず眠れるとっておきの秘訣!』では、「睡眠神話」はじめ、睡眠にかかわる俗説が次々に論破されていく。その過程を読み進めると、私たちはなんとたくさんの根拠のない話に縛られてしまっていることか、と驚くことになるだろう。

 著者は、脳内物質の研究をしていたが、発見した物質がたまたま覚醒にかかわっている物質だったため、睡眠研究の道に入ったという(ちなみに、要約本文でも紹介している、覚醒を維持する「オレキシン」という物質が、著者が発見したものだ)。以後、睡眠について、学問的に研究を積み重ねてきた。著者の提案する、必ず眠れる睡眠法は、「眠りへのこだわりを捨てる」ことを基本に据えた、ごくシンプルな方法だ。けれどそれこそまっとうな方法なのだろう、と自然に納得させられる説得力が、本書にはある。

 また、本書は、病としての不眠の解説や、睡眠薬の種類や使い方にまで言及している。眠りについて真剣に悩んでいる方には、まず本書をおすすめしたい。人間の健康は、よく食べて、よく活動して、よく寝ることで成り立っている。その要素のひとつである「眠り」について、誠実に、真摯に語られた1冊である。(熊倉 沙希子)

本書の要点

(1)睡眠システムと覚醒システムは互いに抑制しあっており、優勢なほうに切り替わるようになっている。この切り替えに影響するのが、体内時計と、睡眠負債という概念である。加えて、覚醒を促す要素としてストレスや情動がある。
(2) 眠りを意識しすぎると、その情動によって覚醒が促されてしまうので、眠りにこだわりすぎないことが安眠へつながる。
(3) 寝ないといけないと意気込まず、寝室で15分眠れなかったら居間にいったん戻り、眠気を感じたら寝室に行く、というふうにするとよい。

要約本文

◆巷にあふれる睡眠神話
◇「睡眠は90分周期」ではない

 睡眠にまつわる話の中には、根拠が乏しいのに多くの人が信じている、「睡眠神話」と呼ぶべきようなものがある。

 そのうちのひとつが、「睡眠のサイクルは90分周期である」というものである。睡眠の状態として、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があることはよく知られている。眠っているときには、この2種類の状態が規則正しく交互に繰り返されるのだ。繰り返しの1単位が「ノンレム睡眠+レム睡眠」であり、それが90分だというのが、「90分周期」という俗説の根拠となっている。

 しかし、じつは、「ノンレム睡眠+レム睡眠」にかかる時間には個人差があり、また日によっても変わってくる。1時間以内のこともあれば120分のこともあるのだ。

 加えて、ノンレム睡眠とレム睡眠が、それぞれ深い眠りと浅い眠りだという言い方も間違っている。それぞれの状態は、質的に全く異なるものなのだ。ノンレム睡眠のあいだは脳の活動が低下しており、そのため筋肉の活動も低下している。自律神経は副交感神経が優位になっているので、心拍数や血圧や、呼吸数も下がっている。一方で、レム睡眠のあいだ、脳は覚醒しているとき以上に強く活動している。自律神経も激しく変動しているが、体が暴走しないように神経系や感覚系は完全に遮断されている。そのため、こちらは金縛りのように体に力が入らない状態となっている。

◇睡眠に「ゴールデンタイム」はない

 よく「22時から深夜2時までが睡眠のゴールデンタイム」であり、そのあいだに「成長ホルモンが活発に分泌される」から、ゴールデンタイムにきちんと眠ろうと言われる。こちらも根拠がない睡眠神話である。

 成長ホルモンが睡眠中に分泌されるのは確かだが、それは特定の時間に起こることではなく、就寝後最初にあらわれるノンレム睡眠のときに起こる。睡眠中、「ノンレム睡眠+レム睡眠」の組み合わせは4~5回繰り返されるが、そのうちで一番深いノンレム睡眠があらわれるのが、就寝後最初のサイクルなのだ。そのときに成長ホルモンが分泌されるので、「何時に寝るか」はじつはあまり関係がない。要は深いノンレム睡眠に入れるかどうかなのである。大切なのは寝る時間帯ではないのだ。

◆睡眠をつくりだす脳、覚醒をつくりだす脳
◇なぜ夜眠くなって、朝起きるのか?

 私たちは、朝起きて、夜眠くなる。このことには、2つの要素がかかわっているという。

 ひとつは、「概日時計」、つまり体内時計である。24時間ぴったりの周期ではないが、おおむね1日周期で、昼夜で覚醒の出力を調整するリズムを刻んでいる。もうひとつは「睡眠負債」である。これは一種の考え方で、起きている時間が続くにつれて脳内になにかが溜まっていって、睡眠をとるとそれが解消されるという概念だ。睡眠物質の存在について研究が進められているが、今のところその正体については明らかになっておらず、物質が存在するにしてもひとつの物質では説明できないということがわかってきている。

◇脳内のシステム

 「概日時計」と「睡眠負債」が睡眠と覚醒に影響を与えているとして、そのとき脳ではどのようなシステムが働いているのだろう。

 睡眠にかかわるのが「視床下部」という領域だ。視床下部は4グラム程度しかない、ごく小さい領域だが、自律神経系の中枢であり、様々なホルモンの分泌をコントロールしている。視床下部の前のほうにある「視索前野」では、睡眠中に、神経細胞から「GABA」という抑制系の神経伝達物質をつくっている。その物質が覚醒にかかわる領域を抑制するため、睡眠という状態がつくりだされるのである。

 一方、覚醒にかかわる領域が、視床下部と隣り合う「脳幹」である。脳幹は、呼吸や血液循環などを統制する中枢であり、生命維持を司る。この中の、「脳幹網様体」という部分には神経細胞が集合しており、ここから脳全体へさまざまな命令が出されている。そのなかで、「モノアミン」や「アセチルコリン」といった神経伝達物質を介した命令は、覚醒状態をつくりだしながら、睡眠にかかわる領域を抑制している。

 睡眠システムと覚醒システムは、お互いに抑制しあっており、どちらかが優勢になるとスイッチがパチンと切り替わるという関係だ。そして、覚醒を適切に維持するための脳内物質が、オレキシンという物質である。

◇時間帯や状態によって眠れないときがある

 体内時計の時刻に合わせて、体は体温や血圧、ホルモン濃度などを調整している。前述のオレキシンも、体内時計の情報を受け、朝に活発になる。

 ただ、この体内時計をもとにした、覚醒のための体の出力は、単純に昼にピークがあって夜に下がるというものではない。午後2~3時ごろは一時的に出力が下がり、毎日の就寝時間の前にはぐんと上がり、寝る直前から急に下がる。

 意外なことだが、就寝数時間前は眠くならない時間帯なのだ。これは、おそらく、就寝時間に向けてどんどん増えている睡眠負債を抑えるために、覚醒のための出力が上がるのだと考えられている。

 しかし、こうした時間帯に関係なく、授業中に眠くなったり、夜中に見たい番組があれば起きることができたりする。これは、モチベーションや気持ちの高ぶり、ストレスによる興奮などが、脳幹の覚醒にかかわる機能や、オレキシンをつくる神経細胞に影響するからである。また、満腹と空腹の場合の血糖値の違いは、オレキシンの生成に影響するため、栄養状態も覚醒に大きくかかわるといえる。このように、睡眠と覚醒には、体内時計と睡眠負債に加え、モチベーション・情動・ストレス・栄養状態も関係しているのだ。

【必読ポイント!】
◆よりよい睡眠をとるためのTips
◇眠りにこだわりを持たない

 よりよい睡眠をとるためのコツを考える前に、不眠のしくみについて著者はページを割いている。

 何か気になることがあって眠れない、というのは自然なことだ。というのは、前述したとおり、感情の高ぶりやストレスが、脳に作用して覚醒状態をつくるからである。この場合、眠れるようになるには、ストレスや不安のもとになっているものを解決するしかない。

「夜に眠れなくて日中に障害がある」ということが週3回以上、3ヵ月以上続くと、臨床上不眠と診断される。眠れない原因が解消されているのに、不眠が続いてしまうのは、「眠れない」ということ自体に意識が向いてしまうからだ。毎日同じ寝室で「眠れない」苦痛を味わうと、いつの間にか寝室と苦痛な体験が結びつき、無意識に操作されてますます眠れなくなってしまうのである。

 以上をふまえると、逆説的に、眠りにこだわりを持たなければ、不眠恐怖をつくらないで済む。睡眠をとらないとうまくいかない、とか、特定の時間に眠らなければ、という思い込みをなるべく排し、眠りに関心を向けすぎないことが安眠への第一歩である。

◇15分眠れなかったら居間に戻る

 ほかにも、本書で紹介されているTipsの中から、いくつかを紹介しよう。

 不眠に陥るのを避けるためには、寝室で眠れない体験を繰り返さないようにするのが大切だ。だからこそ、眠くてしょうがなくなるまで寝室には行かず、また、寝室で15分眠れなかったら居間に戻ってみるとよい。寝つけないのに寝ようとすると、情動が高まって、体が覚醒状態に向かってしまう。

「寝ないといけない」と意気込まず、眠くなったら寝室に行く、15分眠れなかったら居間に戻る、ということを淡々と繰り返す。すると、眠気は溜まっているはずなので、最終的には必ず眠れる。

 ワンルームに住んでいる人は、「寝室」を「寝床」と考えて、同じように15分眠れなかったら寝床を離れるというふうにすればだいじょうぶだ。

◇必要以上に早く寝ようとしない

 スムーズに眠りにつくためには、「いつ寝るか」も大切である。体内時計のくだりで述べたように、夕方から夜にかけて、人間には「眠れない時間帯」がある。溜まってくる睡眠負債に対抗するために、覚醒出力が上がる時間帯である。たとえば、夜11時に寝る人ならば、直前の8時から10時くらいにかけては、一日で一番眠れない時間帯だ。これは「睡眠禁止帯」と呼ばれている。

 そのため、翌朝早く起きなければいけないという場合に、早めに寝ようとすると寝つけなくなってしまう。睡眠禁止帯にあたってしまうからだ。翌朝早く起きる必要がある時にも、普段どおりの時間に寝て、次の日の睡眠で睡眠不足を解消するのがよい。

 また、睡眠禁止帯は、夜に明るい光を浴びると後ろにずれてしまう。体内時計そのものが光によって後ろにずれこむからだ。そうすると、いつも寝る時間が睡眠時間帯に入ってしまって眠れなくなる。睡眠に悩んでいる人は、夕方以降明るい光を浴びるのは避けたほうがよいだろう。

◆眠りのギモン
◇忙しくて寝る時間が取れないときにはどうすれば?

 OECDの調査によると、日本人は世界で2番目に睡眠時間が短い国だという。一律何時間眠れば健康ということはなく、一人ひとり最適な睡眠時間があるものだが、それよりも短い睡眠時間でやりくりしている人は多くいることだろう。

 短い睡眠時間に慣れるという人もいるが、残念ながら、短時間睡眠が習慣になったとしても脳や体が慣れるということはない。夜間の睡眠時間を一定の時間に制限して反応速度を観察する実験でも、日を追うごとに反応は遅くなるだけで、慣れるという現象は起こらなかったという。

 したがって、7時間睡眠が必要な人は、じゅうぶんなパフォーマンスをするには7時間寝るしかない。休日にリズムをくずさないよう「プラス30分以内」に多く寝るか、平日のすき間の時間で短い睡眠をとるしかない。足りない睡眠は別のなにかで代用することはできないのだ。

◇シフトワーカーは不眠になりやすい?

 現代人の眠りの特徴のひとつとして、仕事の都合で生活リズムが不規則な人も多いということがある。

 体内時計によっていろいろな機能が低下している夜に働くというのは、本来は良くないことだが、シフトワーカーを続けていても普通に生活できているのなら、心配はいらない。日中の活動に支障がないのなら、睡眠は十分にとれているということなのだ。

 多くの動物は、まとめて夜眠るのでなく、寝たり起きたりしている。人間も、大昔は今とは違ってまとめて眠るスタイルではなかったかもしれない。

 だから、シフトワーカーの人は、多少負担があるとしても生体として適応する能力があるのだといえる。したがって、普通に生活できているとしたら問題はない。ただ、シフトワーカーの人には一方で不眠症やうつ病が多いことも知られており、そうなってしまった場合は働き方を変えることだ。

櫻井武(さくらい・たけし)

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2017年11月10日 16:03

それなら働きましょっ!趣味や特技を生かした生活レベルの投資による起業がベストですが、そもそもそれができる人は退屈しない?昨今シニアのワーキングステージは拡がっています。

■「一人ぼっち」で過ごす定年退職者の哀愁、午前中の図書館、カフェ、ジム…

楠木新
ビジネス書作家 

 定年後~60歳からの「黄金の15年」をどう生きるか

 「いつかは、その日が来る」。それはだれもがわかっているが、近づかないとピンとこない。いつまでも「この仕事」が続くかのように感じていても、それは、いずれ終わる。60歳が定年だとすると、家族の扶養義務からも解放されて、かつ他人の介助も受けずに裁量をもって活動できる75歳位までは案外と長い。それを「黄金の15年」にできるなら、人生の締めくくりとして素晴らしい。では、その15年をどのように生きるか。また、その時が来てから慌てないために、いつから、どんな備えをすればいいか。書籍『定年後』(中公新書)の著者である楠木新氏が語る。

定年後、人はどこで何をするのか。新たな仕事や、これといって趣味を持たない人は、どうやって時間をやり過ごすのか。フィールドワークを通して、定年退職者が多く集う場所がわかった。そして、そこにいる多くの人がみな「一人ぼっち」だった。

図書館で目撃した小競り合い

 私は2年半前に、60歳で定年退職してからどこの組織にも属さずに過ごしてきた、「毎日が日曜日」状態である。

 『定年後』(中公新書刊)を執筆する前に、定年退職者は普段はどのように活動しているのだろうかと考えた。しかし資料などでは実態がわかるものはなかったので自分で動き始めた。

 まずは地元の図書館を訪れた。朝10時の開館前に行くとすでに7~8人の男性が玄関前にある椅子に座って待っていた。60代、70代とおぼしき男性ばかりだった。もちろん定年退職者ばかりとは言えないが、60代と思われる男性たちは私の目には元会社員であるように見えた。

 10時になって扉が開くと、全員が新聞コーナーに行く。全国紙とスポーツ新聞を合わせると人数分はあるので各自一紙ずつ手に持って読み始める。

 一人の男性が経済新聞を長く読んでいたので、待っていた人が「もう少し早く読んでくれないか」と話しかけると、男性は株価のページを読んでいた手をとめて「順番だから仕方がないだろう」と言い返して軽い小競り合いになった。館内に一瞬緊張感が走ったがそのまま収まった。

 地元の図書館と比較する意味で、日比谷図書文化館の開館時間前にも行ってみた。10時の開館時間には27人が列をなしていたが、定年退職者と思しき人は半数もいなかった。

 開館と同時に新聞コーナーに行ったのは6人だけだった。受験や資格試験の勉強のために来ている人が多くて、間もなくすると、眺めのよい窓際の席はテキストをひろげる若い人でいっぱいになった。同じ図書館でも場所によって風景は異なるのである。

 一方、ハローワークの利用者は高齢者が多いわけではない。定年退職者と思しき人はパソコン画面を少し見てすぐに帰る人が目に付く。失業保険の受給要件を満たすために来ている人が多いそうだ。

 平日の大型ショッピングセンターでは高齢の男性の姿が目立つ。

 休日とは違って広々としたスペースは閑散としており、午前中にゆったりとしたソファーに座っているのはほとんどが高齢の男性だ。住宅地にある喫茶店にも定年退職したと思われる人は少なくない。子どもたちを連れたママ友のグループとは違って、一人で新聞や週刊誌を読んでいる人が多い。

スポーツクラブは大繁盛

 住宅地に近いターミナル駅にあるスポーツクラブは、開館の9時には長い行列ができる。男性、女性を問わず高齢者が並ぶ姿は壮観でもある。私もこのクラブに加入して通ってみた。すると、午前中は見事なまでに高齢者が中心である。

 私は定年退職するまでは、スポーツクラブは勤務時間後に汗を流す場所かと思っていたが、認識を改めさせられた。

 昼間であれば何回使っても定額のコースがあり、朝から夕刻近くまでクラブで過ごしている人もいる。サウナや浴場もあるので「昼食を持ち込めば本当にゆっくり過ごせる」という男性定年退職者もいたのである。

 以前、利用者の意見を掲示するボードに、「スポーツクラブだと思って入会したのに、ここは養老院なのか」と批判する意見が書かれた用紙が貼られていたことがあった。それに対して、クラブ側は「この施設はいろいろな世代の人に利用してもらうものです」と回答をしていたのを覚えている。こんな意見はわざわざオープンにしなくても良いと思ったが、批判する意見を書いた女性の気持ちは分からないでもなかった。

都心のカフェで定点観測

 大阪市の中心部にある決まった場所から行き交う人を何日も眺めていると、それらしき人は多くはないが確認することができる。ただ時間は大体限られている。

 朝のラッシュアワーが終わって午前10時位になると、街中では人の流れは極端に少なくなる。その頃から明確な目的なく歩いている人の姿がやや目立つようになる。午前中にはそうした人を目にするが、午後になると行き交う人が多くなってもうわからなくなる。

 もちろん外見から定年退職者かどうかは確定できないが、長く勤め人をしていたかどうかはなんとなく雰囲気でわかる。私も定年退職者なので同じにおいがするのだ。

 外見の特徴は、リュックまたはショルダーバッグを肩にかけて、靴はウォーキングシューズか運動靴を履いている人が多い。ビジネスかどうかの区分は靴が一番見分けやすい。

 喫茶店に入った時に思わず靴を見る癖がついた。手提げのカバンを持っていないことも一つの特徴だ。手提げのカバンはビジネス用なのだ。帽子をかぶっている人も少なくない。

 その他の定点の観測地点として、喫茶店・カフェなどを中心にした。それ以外では映画館、カラオケ店、証券会社や(信託)銀行窓口、書店、百貨店、スーパー銭湯などもまわってみた。

 大手ハンバーガーショップの午前中は年配男性の一人客が多かった。おそらくたった100円でコーヒーが飲めて、一人の時間を過ごせるからだろう。席と席との間が狭いので、声をかけるには適している。

「最近リタイアされたのですか?」と聞いてみると「そうです。昨年退職してときどきここに来ています」といった会話を交わすことができる。

「この椅子だと長い時間座れないので普通の喫茶店に行くことも多い」とか「高級な店でモーニングを頼むのがゆっくりできて一番いい」という人もいた。

 混んでいるカフェでも午前中は閑散としているので、高年齢の男性の姿をチラホラ見かける。日刊紙やスポーツ紙などを広げている人、本を読んでいる人、何もせずに煙草をくゆらせている人など、過ごし方はさまざまだ。

 ある外資系企業のカフェでは、ノートに何かをせっせ書きこんでいる60代半ばくらいの男性がいた。彼はほぼ毎日来ていた。

 たまたま隣に座ったのでわかったのだが、経済新聞の株価や為替の数値を転記していた。スマホではなくて新聞とノートで情報と格闘していたのである。

 午前中は、高級な喫茶店がモーニングをやっているので退職者と思しき人を見かけることが少なくない。コーヒーのおかわりができる店もあり、ゆっくり過ごせるからだろう。

 こういう店では寝ることは禁止になっているのだろう。眠ってしまって店員さんに注意されて、「わかった、わかった」と言いながら、しばらくするとまた寝入ってしまうオジサンもいた。

 この人は後日も出会ったが、やはり眠っていて注意されていた。ナルコレプシー(眠り病)ではないかとか、店員さんに相手になってほしくて無理に寝ているのだろうかとか、いろいろ連想させてくれるオジサンだった。

 ゆっくりできるせいか、囲碁の手が書かれた用紙を見ながらパソコンと格闘している人や、カラオケ店にあるような分厚い歌の冊子を一ページずつめくりながらノートにメモを取っている年配の男性もいた。

 何をしているのか非常に興味が湧いたが、一つ離れたテーブルだったので話しかけることはできなかった。また午前中のスーパー銭湯などでも中高年の男性が多い。

誰もが一人ぼっち

 それぞれの場所における男性定年退職者の特徴を一言で言うと、一人ぼっちだということである。午後になれば高齢者のグループがカフェなどで話している姿を見ることがあるが、それは稀なケースだ。

 カルチャースクールの講座にも行ってみたが、女性はグループでワイワイ楽しそうにおしゃべりをしているが、男性はやはり一人でいる人が多かった。

 もちろん一人ぼっちであることに問題があるというわけではない。一人でゆったりと時間を過ごすことが心地よい人もいるであろう。人と群れることを好まない人もいるに違いない。どちらかと言えば、私も一人が好きなのである。

 ただ、定年退職者を取材した時に、私の問いに正面から答えてくれた人たちのなかには、「毎日やることがなくて困っている」、「一番自由な今が一番しんどい」、「家で居場所がない」、「暇になったのに焦る」、「嫌な上司もいないよりはマシ」などと語られることがある。なかには「このままの毎日が続くと思うと、自分の人生は何だったのかと思うときがある」とまで発言した人もいたのである。

 彼らの発言と住宅地や都心をまわった取材を重ね合わせてみると、在職中は組織内での上司や同僚、部下との濃密な人間関係を築いているにもかかわらず、退職後はその関係が切れてしまい、自分の居場所が見つからなくなっている、ということだ。

 今まで長い間、企業社会のなかで朝から晩まで共同作業をやってきた人たちが、いきなり一人ぼっちになっては、力も意欲も湧かないのは当然であろう。

 定年退職者には、まず何よりも、“他のメンバーのために”何かをやらなければならない義務や役割、すなわち、人との「関係をつくる」作業が求められるのではないか。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2017年10月17日 17:00

あらためてワインについて、、、勉強になりました。。。Vol.4

■ホントはどうなの? ワインと健康

ワインの健康効果は価格と関係あるか
醸造方法や酸化防止剤の役割、自然派ワインを理解する

大塚千春=フリーエディター・ライター

 今、ワインが人気だ。実はここ数年は「第7次ワインブーム」と言われ、日本のワインの消費量は過去最大を更新している。今なぜ、ワインが人気なのか? その背景には、安くて美味しいワインが手軽に入手できるようになったという面もあるが、忘れてならないのが「健康にいい」というイメージだ。特集では、知られざるワインの健康効果を紹介していく。
 今回は、ワインの醸造方法と価格、製造過程で加える酸化防止剤、そして最近話題の自然派ワインについて詳しく見ていこう。

 最近は、安くておいしいワインが手軽に入手できるようになった。しかし、ワインと一口に言っても、価格はもちろん、味わいはさまざまだ。ワインに健康効果があるといっても、どんなワインでも等しく健康効果があるのだろうか。また、醸造過程で加えられるという「酸化防止剤」を気にする人も少なくない。最近では、「自然派ワイン」「ビオワイン」などと呼ばれるワインも人気で、専門店も増えている。これらは普通のワインと何が違うのだろうか。

 今回は、前回に引き続き、メルシャン酒類研究所所長を務め、醸造と健康効果両方の研究に取り組んできた山梨大学ワイン科学研究センターの佐藤充克客員教授にこれらの疑問を聞いていく。

安いワインと高いワインは何が違う?

赤ワインの製造過程

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赤ワインは果皮や種子も含めて発酵させるのがポイント。発酵後のワインは、酵母や酒石などのオリ(澱)が沈降する。これを取り除くのがオリ引き

 まずは、ワインの製造方法を簡単におさらいしておこう。ワインの原料は、ご存じの通りブドウ。ブドウを搾った果汁を酵母によりアルコール発酵させてできたお酒がワインだ。

 赤ワインを例にもう少し詳しく説明しよう。赤ワインの場合、材料になるブドウは黒ブドウ。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ピノ・ノワールなどが代表的な品種だ。このブドウの実を破砕し、果皮や種子ごと発酵槽に入れる。ここに酵母を入れ(ブドウについている天然酵母を使うケースもある)、アルコール発酵させる。アルコール発酵とは、ブドウに含まれる糖分が酵母によりエタノールへと変化する過程のこと。この過程によりブドウに含まれる糖分は消費されるため、ワインに含まれる糖質は少なくなる(第1回を参照)。

 発酵槽では、数日から1カ月程度かけて発酵(主発酵)およびポリフェノールなどの抽出(醸し)を行った後、乳酸菌によってリンゴ酸を乳酸と炭酸ガスに分解するマロラクティック発酵(乳酸発酵)が行われる。

 その後、液体部分(ワイン)と果皮や種などの固形部分に分離する。固形部分にもワインが含まれているので、圧力をかけて、ワインを搾り取る(圧搾)。なお、高級ワインの場合は、圧力をかけずに、自然と流れ出た液体部分のみ使うケースもある。こうしてできた若いワインは、樽などの中で寝かして熟成させる。一般に樽での熟成期間は、数十日程度から3年程度と幅がある。底にたまったオリ(澱)は取り除かれ、フィルターなどでろ過して不純物などを取り除いて、瓶詰めされる。なお、フィルターをかけると、美味しさに影響する成分まで取り除くことになるということで、フィルターを通さない無ろ過(ノンフィルター)のワインも多くある。

 一方、白ワインは、シャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、リースリングなどの白ブドウから作られる。ただし、赤ワインのように、果皮や種子ごと発酵させるのではなく、先に圧搾して搾汁したブドウ果汁をアルコール発酵させる点が異なる。詳しくは次回以降に紹介するが、白ワインが赤ワインに比べてポリフェノールが少ないのはこの製法による違いが影響している。ちなみに、白ワインは白ブドウから作られると説明したが、黒ブドウからも作ることができる。黒ブドウの果皮を含まないように搾汁した果汁を発酵させれば白ワインになる。

一番安いワインは、ブドウの濃縮ジュースから作られる

 最近は、フルボトルのワインでも、1本500円程度からととてもリーズナブルに購入できるようになっている。これら安いワインは、数千円以上する高級ワインと何が違うのだろうか。佐藤教授に聞いてみた。

 「銘柄によっても異なるので一概には言えませんが、最も安い価格帯のワインはブドウの濃縮ジュースを発酵して作られています。チリやアルゼンチンなどで栽培されたブドウを現地でジュースにして、濃縮させて日本に輸入し、これを国内で酵母を入れ発酵させて製造したものです※。これだけ安くできる理由は、ワイン用の濃縮ジュースがとても安いためです」(佐藤教授)
※こういったワインは、背面のラベルなどに、輸入されたブドウ果汁を使用していることが書かれている。

 こうして作られたワインは、ブドウから直接製造するワインに比べて、やはり味わいの面では劣るという。「果汁を濃縮する段階で、ブドウに含まれる旨み成分が落ちてしまうのが原因です。しかし、最近では、発酵に使う酵母の選別技術も進み、以前に比べて香りや味わいは確実に向上しています」(佐藤教授)

 「次に安いのが、近年、輸入量が急増しているチリ産など、南米で生産されているワインです。こちらは、ブドウの濃縮ジュースを使って製造されているものではなく、(前ページで紹介したように)ブドウから直接醸造しているワインですが、フランスなどに比べて、ブドウそのものが安く購入できるため、最終成果物のワインも安くできます。チリなどでは、大量に生産できるうえに人件費も安い。安いものだと500円程度からあります。近年は品質の向上が著しく、フルボトルで1000円くらいから美味しいワインが手に入ります。私も普段楽しんでいるのはこのクラスのワインですね」(佐藤教授)

高額ワインは生産本数が少なく、“希少性”で高くなる

 「ワインというと、フランスを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、フランスは、人件費も安くはありませんし、畑の面積も限定されます。生産する本数も少ないため、安くはなりにくいのです。有名なロマネ・コンティというブルゴーニュ産のワインは、年間にたった5000~6000本程度しか生産していません。それだけ少ないワインを、世界中のワイン愛好家が欲しがるため、驚くほど高くなるのです」(佐藤教授)。ロマネ・コンティは世界で最も高価と言われるワインで、1本数十万円以上で100万円を超えて取り引きされることも珍しくない。

 佐藤教授によると、同じヨーロッパでも、スペイン産のワインは高品質なものが安価に購入できるのでお薦めだという。「スペインでは、現地の人は『フルボトルで1本5ユーロを超えると高くて買えない』と話しています。もちろんスペインにも数万円以上する超高級ワインもありますが、一般にスペインで高級と言われるワインでも20ユーロくらいで購入できます。その数倍以上するようなフランスワインに引けを取らない味わいのものが、日本でも数千円で買えますよ」(佐藤教授)

健康効果は安いワインと高いワインで違う?

 では、「健康効果」という面で、高いワインと安いワインに違いはあるのだろうか。

 佐藤教授によると、「安くても健康効果は基本的に同じです。ただし、濃縮ジュースを発酵させて造った場合は、果汁を濃縮する段階を経ることで味わいは落ちます。ポリフェノールの量も少なくなるので、健康効果も低くなります」(佐藤教授)

 「ブドウの品種による違いはあります。赤ワインの健康効果の代名詞となっているポリフェノールの含有量はブドウの品種により異なります。濃厚でしっかりした味わい(フルボディ)のカベルネ・ソーヴィニヨンはポリフェノールが多く含まれていますから、健康効果が高いといえるでしょう。チリなどで生産されているフルボディのカベルネ・ソーヴィニヨンなどは、割安なのでお薦めです。また、赤ワインに含まれるポリフェノールは、数年程度熟成させることで抗酸化作用が向上します。ポリフェノールの総量は同じでも、より効くようになるのです。このため、数年熟成させた高額なワインはより健康効果が高くなると言えます」(佐藤教授)

酸化防止剤の使用量は減少傾向にある

 ワインの成分表示をよく見ると、ほとんどのワインに「酸化防止剤(亜硫酸塩)」などと書かれている。この酸化防止剤の健康への影響を気にする人も少なからずいる。この影響はどうなのだろうか。

 ワインに使われる酸化防止剤とは主に亜硫酸塩で、硫黄を燃やした気体である二酸化硫黄(SO2)が液体に溶けたものだ。これは、ワインが酸化して劣化するのを防ぎ、ワインに好ましくない雑菌などが繁殖するのを防ぐために添加する。

 「亜硫酸を使った酸化防止は、近年になって使われるようになったわけではなく、古代ローマ時代から使われています。亜硫酸により雑菌の繁殖を防ぎ、ワインの劣化を防いだわけです。健康に害がないかと不安に思われる方もいらっしゃいますが、使用が認められている基準では、長年にわたって日常的にワインを摂取しても、健康に害を及ぼすことはありません」(佐藤教授)という。

 「最近は、酸化防止剤を必要最小限にしようと生産者が努力を重ねています。日本では、亜硫酸塩の添加は350ppm(1リットルあたり 350mg)以下まで認められていますが、最近のワインを調べた範囲ではほとんどのワインで50~100ppm程度です。確実に使用量は減少傾向にあり、 20年ほど前と比べると半分程度に減っています」(佐藤教授)

酸化防止剤は数万円以上の超高級ワインにも使われている

 「酸化防止剤の添付は、ワインの高い安いには関係ありません。高級ワインは長期熟成を前提にしたものが多くありますが、これらのほとんどに酸化防止剤が添付されています。数万円から数十万円するような超高額ワインにも添付されています」(佐藤教授)

 最近は健康志向の中、酸化防止剤無添加をうたうワインも店頭で目にする。各ワインメーカーは、消費者のニーズにこたえて、無添加のワインもラインナップとして用意しているのだ。

 佐藤教授によると、「酸化防止剤を使わないワインは製造可能ですが、酸化を防ぐための設備なども必要になります。無添加で美味しいワインを造るのは簡単ではありません」という。「ワインは空気(酸素)に晒されていると酸化して味が劣化します。特に、ワインの保存状態で酸素を完全に抜くことが必要です」(佐藤教授)

人気の「ビオワイン」は生産者を選んで買う

 最近は、有機栽培されたブドウの使用し、農薬を使用しない(もしくは使用を抑える)、天然酵母を使うなどの人工的な処置を極力しないことを特徴にする自然派ワイン(ビオワイン)が数多く登場して、人気になっている。

 実は、自然派ワイン(ビオワイン)には明確な定義がなく、生産者や団体によって方針は異なっている。「自然」「ビオ」といっても、生産者の考えや捉え方に幅があるのだ。 EUでは2012年に、域内で生産される自然派ワインの一種、オーガニックワインの基準を定めたが、二酸化硫黄はここでも酸化防止剤として使用を認められている。自然派ワインだからといって、酸化防止剤が使われていないわけではないのだ。ただし、従来のワインより上限が抑えられており、1リットルあたり最低でも30~50mg少ない。上限は1リットル当たり赤で100mg、白・ロゼで150mg(残糖度により多少上限値が変わる)。

 佐藤教授によると、自然派ワインで高品質なものも登場しているが、自然派ワインはその製法上、高品質のワインを安定して作るのが難しい面があるという。

 「ワインの質を決めるのは何と言ってもブドウの品質です。ブドウが病気になったり腐敗したりすると、いいワインはできません。しかし、雨が多く続くような環境では、農薬に頼らず、完熟した高品質のブドウを収穫するのはとても難しいのです。当然、その年の天候によって大きく左右されるわけですが、フランスや日本のように、ある程度の降雨が避けられない環境では、毎年健全なブドウを安定して収穫するのは簡単ではありません。自然派ワインにはすばらしいものもありますが、高品質のワインを生産するには技術やノウハウが欠かせません。きちんと勉強せずに造った品質の悪いワインもあります。生産者選びには注意が必要です」(佐藤教授)

乾燥した場所では健全なブドウが収穫しやすい

 「一方、アメリカやオーストラリアのワイナリーなどのように、雨が少なく乾燥しているエリアでは、栽培しているブドウにカビが生えたり、病気になったりしにくいのです。このため、農薬などに頼らずとも毎年安定していいブドウができます。このように雨の少ないエリアでは、高品質な自然派ワインを造りやすいといえるでしょう」(佐藤教授)

 フランスなどの有名ワイナリーで自然派ワインを造っているところもあるが、そういったワイナリーでは、ブドウ畑に必ず人がいて常に手入れを欠かさないなど、畑の管理に非常に手間をかけているそうだ。「これを実現するには当然コストがかかります。そこまで手間をかければ、素晴らしいものができる可能性があります」(佐藤教授)

 自然派ワインに限った話ではないが、ワインを選ぶ際にはやはり生産者を選んで買うのが大切だ。最近では、自然派ワインを扱うワインショップやレストランも増えている。まずは“プロ”に相談しよう。場合によっては、試飲させてもらえるケースもある。また、ワイン専門誌などでも頻繁に特集を企画している。話題の作り手がどこで、どんな方法で造っているかも詳しく紹介しているので、参考にするといいだろう。

佐藤充克(さとう・みちかつ)さん
山梨大学ワイン科学研究センター・客員教授

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年10月13日 17:47

あらためてワインについて、、、勉強になりました。。。Vol.3

■ホントはどうなの? ワインと健康

白ワインにも健康効果はあるのか
「牡蠣にはシャブリ」と言われる理由とは? 侮れない効能!

大塚千春=フリーエディター・ライター

 今、ワインが人気だ。実はここ数年は「第7次ワインブーム」と言われ、日本のワインの消費量は過去最大を更新している。今なぜ、ワインが人気なのか? その背景には、安くておいしいワインが手軽に入手できるようになったという面もあるが、忘れてはならないのが「健康にいい」というイメージだ。特集では、知られざるワインの健康効果を紹介していく。
 今回は、白ワインの健康効果に迫る。ワインの健康効果というと、もっぱら赤ワインばかりクローズアップされるが、白ワインはどうなのだろうか。さらに、食前酒などでもおなじみのスパークリング・ワインについても見ていこう。

 最近、ふと気が付くと手にしているのは白ワイン、ということが増えた。この傾向は私だけのことではないようだ。ワインバーなどでカウンターを見回すと、白ワインを飲んでいる人ばかりという光景もたまに見かける。特に暑い時期にはキリッと冷えた白ワインが飲みたくなるものだが、気候にかかわらず、最近、白ワインを選択する人が増えているように感じる。

 実際、少し前の調査になるが、国税局による「ワインに関するアンケート」(2007年5月31日~2008年11月22)によれば、最近の日本人は赤ワインより白ワインの方を好む傾向がみられる。同アンケートでは、30.9%が白ワインが好きと回答したのに対し、赤ワインは28.8%だった(有効回答数171件・複数回答、20代以上の男女が対象)。

 ワインが日常的な食卓に取り入れられるようになった結果、和食に合いやすい白がより好まれるようになっているという声も聞く。「フレンチ・パラドックス」(第1回参照)の影響で、圧倒的に赤ワインの消費が多かった1990年代後半とは状況が異なるようだ。

 しかし、今回のテーマである“健康にいい”という面では、白ワインの影はちょっと薄い。記事を書くに当たって、周りの知人に「ワインのイメージは?」と聞くと、「赤ワインは健康にいいよね」という返事がすぐに返ってくるが、「白ワインは?」と聞くと、「好きだけどカラダにいいのかよくわからない」といった回答が多かった。

 「健康にいいワインは赤ワイン」というイメージが強いが、実は白ワインにも優れた健康効果がある。「牡蠣にはシャブリ(白ワインの一種)が合う」とはよく言われることだが、それには味わいだけではない、健康に関係する立派な理由があるのだ。

 今回も、前回に引き続き、メルシャン酒類研究所所長を務め、ワインの醸造と健康効果両方の研究に取り組んできた山梨大学ワイン科学研究センターの佐藤充克客員教授にご登場いただき、白ワインの健康効果について聞いていく。佐藤教授によると、ある製法で作った白ワインには、他のワインにはない“いいこと”もあるという。今回は、こうしたあまり知られていない白ワインの効能について紹介しよう。

果皮と種子を除いて仕込む、だからポリフェノールが少ない

 先に、白ワインと赤ワインの違いを簡単におさらいしておこう。違いは大きく2つある。一つはブドウの違い。赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンなどの黒ブドウを使って作るが、白ワインはシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、甲州などの白ブドウから作られる(厳密には、黒ブドウからも白ワインは作ることができるがここでは割愛する)。

 そしてもう一つは、赤ワインはブドウの実を果皮や種ごと発酵槽に入れて発酵させるが、白ワインは、収穫したブドウを破砕したらすぐに圧搾機で搾汁する。そして、その果汁を発酵槽で発酵させるのだ。

 つまり、白ワインは果皮や種にある成分があまり抽出されない。ブドウに含まれるポリフェノールの多くは果皮や種に含まれている。このため、白ワインは赤ワインに比べてポリフェノールの量が少なくなってしまうわけだ。実際、佐藤教授らがさまざまなワインのポリフェノールの含有量を計測した結果によると、300~700ppm程度で、赤ワインの半分から数分の1程度となっている。

白ワインのポリフェノールは少ないが性能がいい

 佐藤教授によると、白ワインに含まれるポリフェノールは量は少ないが、ある特徴があるという。

 「白ワインのポリフェノールの総量は赤ワインに比べて少ないのですが、赤ワインのポリフェノールに比べて分子量が小さいという特徴があります。このため、胃や腸内で吸収されやすく、抗酸化作用が早く現れます。つまり、量は少ないのですが性能がいいわけです」(佐藤教授)。特に、日本で栽培されている甲州種の白ワインは、低分子ポリフェノールが多く含まれているという。

 ちなみに、白ワインの中でも「樽」で熟成させたタイプのものは、ポリフェノールの含有量が少し増えるという。樽に使われる木に含まれるポリフェノールがワインに移るためだ。一般に、カリフォルニアなどのニューワールド産の白ワインは、樽の香りが強いものが多いが、そういったタイプはポリフェノールが多いそうだ。

白ワインには強い殺菌効果がある

 白ワインならではの優れた健康効果もある。それが、大腸菌、サルモネラ菌などの食中毒菌に対する強い抗菌力だ。

 「白ワインには、赤痢菌、サルモネラ菌、大腸菌などの食中毒菌に有効であることは古くから知られています。これは、白ワインに含まれるアルコールと有機酸の相乗的な働きによるものです」と佐藤教授。

 実際、佐藤教授が実験したところ、白ワインでサルモネラ菌、大腸菌をそれぞれ培養したところ、サルモネラ菌は10分間、大腸菌は20分間で10万個の細菌が数個まで減少したという。佐藤教授によると、「赤ワインでも同じように殺菌効果がありますが、殺菌力は白ワインの方が強い」という。

 食いしん坊なら、「生牡蠣にはシャブリ」というフレーズを聞いたことがある人も多いだろう。シャブリとは、フランスのシャブリ地区(ブルゴーニュ地方の最北端)で生産されるシャルドネ種で造った白ワインのことだ。一般に「味、おいしさ」の面で相性がいいという意味で使われることが多いが、それだけではなく、「雑菌汚染が問題になる生の魚介類を、即効性の殺菌効果が高い白ワインと一緒に食べることで安全が高められる」(佐藤教授)という側面もあったわけだ。

 白ワインの健康効果はこれだけではない。第1回で紹介したように、ワインには赤白を問わず血圧を下げ新陳代謝を活発にしたり、腸内環境を整えたりする効果がある。新陳代謝を活発にする効果は、ワインに多く含まれるカリウムによるものだ。カリウムには利尿作用があり、体外にナトリウム(塩分)を排出してくれる働きがある。また、赤白ワインいずれにも多く含まれる有機酸により、腸内細菌群のバランスを整え、ビフィズス菌などの善玉菌を増やす効果も期待できる。

日本固有の「甲州」種はアミノ酸が豊富

日本固有のブドウ品種「甲州」。アミノ酸成分「プロリン」を多く含む。(©amanaimages inc. -123rf)

 白ワインにはその製造法により、健康効果が高まるものもある。その一つが、最近人気の白ワイン用のブドウ「甲州」種を醸造する際に使われる「シュール・リー」という製法だ。

 シュール・リー製法とは、フランス・ロワール地方で、「ミュスカデ」というブドウなどから白ワインを造る際に伝統的に使われる手法で、ワインの香りやボディーを豊かにするために用いる。甲州は山梨を中心に栽培されている日本固有の品種だが、これまで味わいが平板だといわれ長い間評価が低かったことから、この製法が導入されたのだという。

 シュール・リーとは「オリの上」という意味。通常、発酵が終了したワインはタンクや樽の底に酵母や酒石などがオリとして沈むため、その上澄みだけを別のタンクなどに移すが、シュール・リーはワインを沈殿したオリの上で半年ほど熟成させる。「こうすることで、酵母から抽出されたアミノ酸が増え、栄養価が高いワインになります」と佐藤教授。「私が行った実験では、アミノ酸の中でも、アスパラギン酸、ヒスチジン、リジンが特に有意に増加しました」という。

 また、甲州種には、「プロリン」というアミノ酸が多く含まれている。「プロリンは、破壊されたコラーゲンを修復する力を持ち、肌に潤いをもたらす天然保湿成分です。甲州ワインには多量のプロリンが含まれていて、シャルドネなどのヨーロッパ系ブドウ品種を用いて醸造されたワインと比較すると、2~3 倍多く含まれています」(佐藤教授)

スパークリング・ワインの健康効果は?

 最後に、食前酒などでおなじみ、最近では専門のバーがあるほど人気のスパークリング・ワインについて佐藤教授に聞いてみた。健康効果は、その味わいや色合いから白ワインに近いように思えるが、実際のところはどうなのだろうか。

 「スパークリング・ワインは、まず白ワインを作り(一次発酵)、これに糖分と酵母を加え、瓶やタンク内で二次発酵させます。このため、健康効果は白ワインとほぼ同じになります。しかし、酵母と接している時間が長くなり、アミノ酸などの成分がワインに溶け出すため、通常の白ワインに比べて、アミノ酸成分が豊富になります。殺菌効果も白ワインと同じなので、魚介類と合わせるのにも適しています」と佐藤教授は説明する。

 なお、スパークリング・ワインに含まれる炭酸(二酸化炭素)は、この二次発酵によりできるのだが、安価なスパークリング・ワインでは、白ワインに二酸化炭素を吹き込んだだけという製法をとっていることもあるそうだ。そのため、健康効果を考えるなら、伝統的な製法で作られるシャンパン(フランス)、カヴァ(スペイン)、スプマンテ(イタリア)、ゼクト(ドイツ)や、それに相当する製法をうたっているワインを選びたい。

佐藤充克(さとう・みちかつ)さん
山梨大学ワイン科学研究センター・客員教授

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年10月13日 17:33

あらためてワインについて、、、勉強になりました。。。Vol.2

■ホントはどうなの? ワインと健康

健康効果の王様は、やっぱり赤ワイン?
ブドウの品種で異なる効果、抗酸化効果ならカベルネ

大塚千春=フリーエディター・ライター

 今、ワインが人気だ。実はここ数年は「第7次ワインブーム」と言われ、日本のワインの消費量は過去最大を更新している。今なぜ、ワインが人気なのか? その背景には、安くておいしいワインが手軽に入手できるようになったという面もあるが、忘れてはならないのが「健康にいい」というイメージだ。特集では、知られざるワインの健康効果を紹介していく。
 最終回となる今回は、大本命である“赤ワインの健康効果”を紹介する。赤ワインに多く含まれる抗酸化物質「ポリフェノール」の本当の効果、そして、赤ワインの中でもブドウの品種によって健康効果がどう変わってくるかについて解説していこう。

赤ワインの健康効果の要「ポリフェノール」

 これから、季節が秋、冬となると、赤ワインが恋しくなってくる。グリルした肉などしっかりした味わいの料理と合わせるならやはり赤ワインがいい。前回も紹介したように、最近はワインといっても赤ワイン一辺倒ではなく、白ワインやスパークリング・ワイン好きも増えた。健康効果の面からも、白ワインにも優れた面があることもわかった。だが、大本命ともいえる赤ワインと比較するとどうなのだろうか。

 ワインの醸造と健康効果のスペシャリストである、山梨大学ワイン科学研究センターの佐藤充克客員教授は、「殺菌効果など白ワインの方が優れた面もありますが、ワインの健康効果の中心にあるのはやはりポリフェノールです。ポリフェノールが多く含まれる赤ワインの方が健康効果が高いと言えるでしょう」と言い切る。「強い抗酸化作用に加えて、認知症予防効果など幅広い効果が期待できます」(佐藤教授)

 そこで今回は、赤ワインのポリフェノールの効果と、ぶどうの品種による違いについて詳しく解説していこう。

赤ワインのポリフェノールは量が豊富、白ワインの数倍!

 ポリフェノールとは、活性酸素による酸化を防ぐ、植物由来の抗酸化物質。緑茶に含まれるカテキン、コーヒーに含まれるクロロゲン酸などもポリフェノールだ。

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赤ワインは、アントシアニン、レスベラトロール、カテキン、タンニン類などのポリフェノールを豊富に含んでいる。コーヒーに含まれるクロロゲン酸や、緑茶に含まれるカテキンなどもポリフェノールだ。アントシアニンはブルーベリーにも含まれている

 「ワインに含まれる代表的なポリフェノールは、アントシアニン、レスベラトロール、カテキンや、カテキンなどの重合体であるタンニン類などです。ポリフェノールはほとんどの植物に含まれ、野菜や果物にも多く含まれています。その中でも、赤ワインはポリフェノールの含有量が非常に多い。ブドウの種類やワインの銘柄によっても異なりますが、赤ワインの場合1000~3000ppm程度と、緑茶と比べると2倍~数倍になります」(佐藤教授)

 「白ワインと比較すると、数倍以上になります(3ページ目のグラフを参照)。ブドウのポリフェノールは果皮と種子に多く含まれています。赤ワインの場合は、果皮や種子ごと発酵槽で発酵させるため、果皮や種子に含まれるポリフェノールが抽出されるのです」(佐藤教授)

 「さらに、ワインに含まれるポリフェノールは、他の植物由来のポリフェノールに比べて、カラダに吸収されやすい形で存在しているという特徴があります。ただし、吸収されやすさでは、赤ワインより白ワインに軍配が上がります。これは白ワインのポリフェノールの分子が小さいためです」(佐藤教授)

赤ワインは活性酸素を取り除く効果が高い

 第1回でも触れたが、赤ワインの健康効果を全世界に知らしめたのが、1990年代初頭の、フランスのルノー博士らによる「フレンチ・パラドックス」についての発表だ。「フランス人は喫煙率が高く、バターや肉などの動物性脂肪の摂取量が多いのに、心疾患による死亡率が低い」というフレンチパラドックスの理由として、赤ワインのポリフェノールの存在が指摘されたのだ。1991年11月に米CBSの「60 Minutes」で放映されたところ、アメリカの店頭から赤ワインがなくなったという。これが日本に伝わり、第6次ワインブームにつながった。

 ルノー博士らの報告の後、赤ワインの健康効果に関する論文発表が相次ぐ。その1つは、米カリフォルニア大学デービス校のエドウィン・フランケル博士らによる研究だ。

 フランケル博士は、赤ワインに多く含まれるポリフェノールの抗酸化能力を検証した(E.N.Frankel,et al;Lancet,341,1103-1104,1993)。具体的には、赤ワインからアルコールを飛ばした濃縮物をポリフェノールとして、同じく抗酸化能力を持つビタミンEと比較。酸化することが動脈硬化につながるLDL(低密度リポタンパク質)コレステロールへの影響を調べた。

 LDLコレステロールは活性酸素などにより酸化されると、動脈硬化の原因になる可能性がある。つまり、LDLコレステロールの酸化を抑制できれば、動脈硬化の予防につながる可能性あるわけだ。フランケル博士はヒトのLDLコレステロールに赤ワインのポリフェノールとビタミンEをそれぞれを添加する実験を行った。すると、ワイン由来のポリフェノールは、ビタミンEの半分の濃度でLDLコレステロールの酸化を防いだ。つまり2倍強力に酸化を阻害したわけだ。

 ヒトが実際に赤ワインを飲んで効果が出るかどうかの検証も進められた。マックスウェル博士らは、健康な学生10人に約350mLのボルドーの赤ワインを昼食とともに与えて、食後4時間にわたり血清の抗酸化活性を調べた(S.R.J. Maxwell,et al;Lancet,344,193-194,1994)。すると、赤ワイン摂取直後から、抗酸化活性は高まり、約90分で最大になった。平均では約15%有意に上昇したという。

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健康な学生10人を対象に、約350mLのボルドーの赤ワインを昼食とともに与え、30分おきに採血し、血清の抗酸化活性を調べた。すると、赤ワインを摂取した人は抗酸化活性が有意に上昇した

 「これだけではありません。日本でも、国立健康・栄養研究所による研究で、赤ワインによりLDLコレステロールの酸化が抑制されたという報告が出ています。赤ワインは活性酸素を取り除く効果が高い(抗酸化能力が高い)と言えるでしょう。これがワインが動脈硬化などに効果が期待できるという理由です」(佐藤教授)

 「私自身、赤ワインに含まれるポリフェノールのどの成分が活性酸素消去能が強いかを調べました。12種類のワインを調べた結果、アントシアニンとその重合体が活性酸素を消去する能力が高いことが確認できました」(佐藤教授)。アントシアニンは、赤ワインの色素になっている成分で、ブルーベリーなどにも含まれているポリフェノールだ。

ブドウはどの種類を選べばいい?

 では、数ある赤ワインの中で、どれを選べばいいのだろうか。まず見るべきなのが「ブドウの品種」だ。赤ワインの元となるブドウは、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール、ネッビオーロなどをはじめとして非常に多い。

 佐藤教授は、生産地域や製造年が異なるさまざまなワインのポリフェノールの量と、活性酸素消去能(SOSA)を測定比較している(下のグラフを参照)。薄い紫の棒がポリフェノールの量、濃い紫が活性酸素消去能(SOSA)を示している。「ワインのポリフェノール含有量とSOSAには高い相関関係があることが確認できます」(佐藤教授)

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ワインの銘柄によるポリフェノール含有量と活性酸素消去能(SOSA)の違い(1995~1996年に佐藤教授らが発表)。活性酸素消去能は、実際に活性酸素を消去する能力を示す。この値が大きいほどより強い抗酸化能力がある。熟成を重ねたワインの方が活性酸素消去能が大きい。ブドウの品種別にみると、カベルネ・ソーヴィニヨンが一番多いことがわかる。白ワインにもポリフェノールは含まれるが、赤ワインに比べると量は少ない

 このグラフから、全体的な傾向として、カベルネ・ソーヴィニヨンが、ポリフェノール量、SOSAともに多く、次にネッビオーロが多いことがわかる。銘柄にもよるが、ピノ・ノワールやメルローは、カベルネ・ソーヴィニヨンに比べるとやや少ない。

 「ブドウの品種の中では、カベルネ・ソーヴィニヨンが最もポリフェノールを多く含み、抗酸化作用も高くなります。一般的に、赤ワインならどれでも抗酸化作用が期待できますが、より多くの効果を期待するならカベルネ・ソーヴィニヨンを選ぶといいでしょう」(佐藤教授)

カベルネのワインはどう探す?

 とはいえ、「カベルネ・ソーヴィニヨン」と言われても、どのワインを買っていいかわからないという人も少なくないだろう。カベルネ・ソーヴィニヨンは、最もポピュラーなワインの品種の1つで、世界各地で栽培されている。

 一番有名なのは、フランス南西部のボルドー地方で造られるワインだ。特に、この地方を南北に流れるガロンヌ川とその上流のジロンド川左岸は、水はけが良く、熱を蓄える砂利のような表土を持つため、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に適しているとされる。

 著名なボルドーワインである「シャトー・ラトゥール」「シャトー・マルゴー」などは、カベルネ・ソーヴィニヨンをメインに使ったワインだ。一般にボルドーのジロンド川「左岸」で生産されたワインはカベルネの比率が高い(銘柄や生産年にもよるが、カベルネの比率は6~9割程度のことが多い)。一方、同じボルドーでも、サンテミリオン地区やポムロール地区(一般に右岸と総称される)のワインはメルローの比率が高い。

 カベルネ・ソーヴィニヨンは、ボルドーに限らず、アメリカのカリフォルニアやチリ、オーストラリアなど世界各地で広く栽培されている。

 「カベルネ・ソーヴィニヨンは、気温が高く乾燥した場所の方がいいブドウが収穫できます。気温が高く降雨量が少ない、チリなどの南米やオーストラリア、カリフォルニアなどは、まさに栽培適地です。高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンを使ったワインが安く購入できますのでおすすめです」(佐藤教授)

 フランスやイタリアなどでは、使っているブドウをラベルなどに表記しないケースが多い。一方、カリフォルニアやチリ、オーストラリアなどのワイン(これらは一般に「新世界」と分類される)は、たいていの場合、ラベルにブドウの品種が明示されている。このラベルを見て「Cabernet Sauvignon」と書いてあるワインを選べばいい。

 前ページのグラフで、ポリフェノールの量がカベルネに次いで多かったネッビオーロは、北イタリアのピエモンテ地方で栽培されているブドウの品種だ。「バローロ」「バルバレスコ」という有名銘柄に使われているブドウだ。高品質だが価格は高めとなっている。

熟成させた赤ワインの方が抗酸化作用が高くなる

 「ワインの抗酸化作用で、ブドウの品種のほかに、もう一つ重要な要素となるのが『ワインの熟成年数』です。第2回でも少し触れましたが、若いワインより、熟成を重ねたワインの方が、抗酸化作用が高くなります。ポリフェノールの総量は同じだったとしても、熟成させた方がより効くようになるのです。このため、数年熟成させた高額なワインは健康効果がより高くなります」

 「(前ページのグラフで)同じ銘柄を比較すると、例えば、Chポンテカネ(ボルドー左岸の有名ワイン)は、1988より1990年の方がポリフェノールの総量は多いですが、抗酸化能力は1988年の方が高くなっています。抗酸化作用のピークは5年くらいで、その後は緩やかに効果は下がります」(佐藤教授)

※ 熟成させることで品質が高まるのは、主に2000円以上の高級ワイン。数百円から1000円台くらいで購入できる安価なワインは、熟成させずに楽しむのが一般的。

注目の「レスベラトロール」の効果とは

 ここまでは抗酸化作用を中心に見てきたが、赤ワインの健康効果を語る上で欠かすことができない重要な成分がある。それが、「レスベラトロール」というポリフェノールだ。認知症などに効果があるとされており、近年非常に注目されている。

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ワインと認知症やアルツハイマー病との関係(ボルドー大学中央病院にる調査結果)。65歳以上の3777名を対象に3年間にわたって調査したもの。論文筆者の1人、J.-M.Orgogozo氏から佐藤教授がデータを受け取ったものを改変して掲載

 仏ボルドー大学中央病院の研究チームは、65歳以上の3777名に対して、死亡率、認知症、アルツハイマー症のリスクと、飲酒量の関係を3年間にわたり調査した。ワインを毎日3~4杯(375~500ml)飲んでいる人は、飲んでいない人に比べ、認知症の発症リスクが約5分の1、アルツハイマー症の発症リスクが4分の1、死亡率が約30%低下していたという(Rev. Neurol. (Paris): 153(3),185-192,1997)。

 1999年には、伊ミラノ大学の研究チームが、「毎日グラス1杯半のワインを飲み続けると、記憶力の回復に効果があり、アルツハイマー病などの神経細胞の変性が原因とされる病気にかかりにくくなる可能性がある」と発表した。これは、レスベラトロールが外界刺激を伝達する酵素「MAPキナーゼ」を7 倍活性化し、脳の細胞同士を結び付ける作用をするためだと報告している(M.Miloso,A.A.E.Bertelli, et al.:Neurosci. Lett.,264,141-144,1999)。

赤ワインが寿命を延ばす?

 レスベラトロールは、寿命を延ばす働きがあるとされるサーチュイン遺伝子を活性化するという報告もある。「サーチュイン遺伝子は、抗老化遺伝子と呼ばれるもので、飢餓、カロリー制限により活性化されるといわれています。しかし、レスベラトロールを摂取すると、カロリー制限をしなくても、サーチュイン遺伝子が活性化することが明らかになってきたのです」(佐藤教授)

 2000年代にはレスベラトロールの寿命を延ばす効果についての論文が相次いだ。「当初は、酵母の寿命を延ばすという報告があり、その後、多細胞動物、線虫、小魚などの報告が続きました。そして2006年には、哺乳類であるマウスの寿命がレスベラトロールによって延びるという論文が発表されました(J.A. Baur, D.A. Sinclair et al.:Nature 444,337-342,2006)。これは高カロリーのエサを与えるとマウスは短命になるが、レスベラトロールを同時に与えると普通食と同様に生存したという報告です」(佐藤教授)

 「ただし、2008年には、老化や肥満による障害予防にはレスベラトロールは有効だが、健常な人の寿命は延ばさないという報告がされています(K.J. Pearson,J.A.Baur,K.N.Lewis et al.:Cell Metabolism,8,157-168,2008)。レスベラトロールは健康な人に投与することでより健康が増進されるというものではなく、健康上何かしら問題を抱えている人に効くのです」(佐藤教授)

レスベラトロールはピノ・ノワールに多い!

 これだけの効果があるとなると、どの品種にレスベラトロールが多く含まれているのかが気になるところだ。佐藤教授によると、ワインの品種の中でこの成分が多いのが、「ピノ・ノワール」なのだという。

 実際、佐藤教授は、ワインに含まれているレスベラトロールの量を計測している。「白ワインには平均約0.1mg/L、赤ワインには1~10mg/Lのレスベラトロールが含まれています。赤ワインの中では、ピノ・ノワールに多く含まれています」(佐藤教授)

 「ピノ・ノワールは果皮が薄いという特徴があります。カビが生えるとすぐ病気になるので、ブドウは自分を守るために抗カビ成分を一生懸命作ります。この抗カビの役割を担う成分が、レスベラトロールなのです。皮が厚くカビに強いカベルネ・ソーヴィニヨンと比べるとその含有量は10倍ほど違います。やはりカベルネ・ソーヴィニヨンより皮が薄いメルローも、カベルネの2~3倍のレスベラトロールが含まれています」(佐藤教授)

 ピノ・ノワールは、フランス・ブルゴーニュ地方で生産される赤ワインの主原料。ブルゴーニュ産の赤ワインだったらほぼ、ピノ・ノワールだと考えてよい(※ボージョレ地区はガメイ種)。第2回で登場したロマネ・コンティもピノ・ノワールを使ったワインだ。ピノ・ノワールは、世界的に見るとカベルネ・ソーヴィニヨンほど広く栽培されていないものの、ニュージーランドや南アフリカ、それにカリフォルニア、チリなどでも栽培されている。ラベルに「Pinot Noir」と書いてあるものを選べばいい。

          ◇          ◇          ◇

 赤ワインの健康効果はまだある。カリフォルニア州立大学フレズノ校の研究により、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の殺菌作用も確認されているし、佐藤教授らの研究によって、血液の柔軟性が増し、毛細血管の血流が促進されることも明らかになっている。赤ワインは、さまざまな面から健康にいい影響を及ぼす。ただし、健康にいいからといって飲み過ぎは厳禁。1回の飲酒でグラス2杯程度を目安にして、ワインを楽しんでほしい。

佐藤充克(さとう・みちかつ)さん
山梨大学ワイン科学研究センター・客員教授

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年10月13日 16:48

あらためてワインについて、、、勉強になりました。。。

■ホントはどうなの? ワインと健康

ワインは低糖質だった! ポリフェノールだけじゃない、これだけの効能
知られざるワインの健康効果! 血圧を下げる、腸内環境を整える効果も

大塚千春=フリーエディター・ライター

 今、ワインが人気だ。実はここ数年は「第7次ワインブーム」と言われ、日本のワインの消費量は過去最大を更新している。今なぜ、ワインが人気なのか? その背景には、安くて美味しいワインが手軽に入手できるようになったという面もあるが、忘れてならないのが「健康にいい」というイメージだ。「せっかく飲むならカラダにいいものを」と考える人は少なくないだろう。

 ワインの健康効果というと、赤ワインに含まれるポリフェノールばかりが脚光を浴びるが、ワインにはそれだけにはとどまらないさまざまな健康効果がある。特集では、知られざるワインの健康効果を紹介していこう。

今、日本は過去最大のワインブームの渦中

 突然だが、現在日本のワイン市場は、過去最大の大ブームになっているということをご存じだろうか。実は、2012年以降、国内の消費量は過去最大を更新中だ。

 1990年代後半、赤ワインに含まれるポリフェノールの健康効果が大々的に取り上げられて爆発的なブームになったことを記憶されている方も多いと思う。これが第6次ワインブームだ。このブームは1999年以降、徐々に落ち着きを見せ、その後の消費量は減少傾向となった。

 その後、リーマンショック後あたりから、消費量が再び増加に転換、2012年の年間消費量は第6次ブームを越え、現在に至っている。今は「第7次」ワインブームの真っただ中にある。

品質の高いワインが、安価に楽しめるようになった

 第6次ワインブームの爆発的な人気ぶりをご記憶の方からすると、「ブーム」といわれてもピンとこない人もいるかもしれないが、ここ数年で、街角のワインバー(バル)などは格段に増えたし、居酒屋のメニューでもワインが充実してきた。スーパーでもワインの品ぞろえを充実させてきたところが増えている。

 チリやスペインなどから、安くても品質の高いワインが輸入され、手軽に楽しめるようになったことがその背景にある。ここ数年で、スーパーなどで扱っている低価格ワインも明らかにおいしくなっている。

 例えば、1000円台のワインというと、昔は「安かろう悪かろう」の典型で、正直美味しいものにはなかなか出会えなかったが、最近は違う。チリなどの南米産で1000円台のワインでも「美味しい」と感じるものが増えた。実際、ワインの輸入元の推移を見ると、ここ数年のワインの輸入をけん引しているのがチリであることわかる。2015年には、チリからのワインの輸入量がフランスの輸入量を超え、国別の輸入数量の第1位になっている。

ワインブームの主眼が「健康」にシフト

 今、ワインが人気を博している背景として、忘れてはならない要素が「健康」だ。ワインは他のお酒に比べても、「健康にいい」というイメージが定着している。筆者もそうだが、「どうせ飲むなら、カラダにいいものを」と考える人は少なくないだろう。

 ワインというと、昔は「特別なときに飲むちょっといいお酒」だったが、今は健康のために日常的にワインを飲む人が増えている。食文化の歴史に詳しい著述家の速水健朗氏も、ワインブームをけん引した要因が、「ステイタス」から今では「健康」へと変化したと指摘している。

白ワインに健康効果はないのか? 酸化防止剤の影響は?

 ワインの健康効果としてよく取り上げられるのが、赤ワインに含まれる「ポリフェノール」だ。「フランス人は喫煙率が高く、バターや肉などの動物性脂肪の摂取量が多いのに、心疾患による死亡率が低い」という“フレンチパラドックス”の理由として、赤ワインのポリフェノールの存在が指摘され、第6次ワインブームの牽引役となった。

 これにより“赤ワインの健康効果”が不動のものになったわけだが、ワインには赤ワインだけでなく、白ワインやスパークリング・ワインもある。これだけ暑い日が続くと、白ワインやスパークリング・ワインでスッキリ楽しみたいという人も少なくないだろう。同じワインでも、白ワインやスパークリング・ワインには健康効果はないのだろうか。また、赤ワインと一口にいっても、ブドウの品種もさまざまだ。どれも健康効果は同じ、ということはないだろう。

 また、ワインに詳しい人なら、ほとんどのワインに「酸化防止剤」が含まれていることをご存じの方もいるだろう。昔から使われてきた成分で、カラダへの影響は心配しなくていいなどと言われるが、実際はどうなのだろうか。また、最近では、「自然派ワイン」「ビオワイン」などと呼ばれるワインも人気で、専門店も増えている。これらは普通のワインと何が違うのだろうか。

 今回の特集では、赤ワインのポリフェノールにとどまらないワインの健康効果を山梨大学ワイン科学研究センターの佐藤充克客員教授に話を伺った。佐藤教授は、メルシャン酒類研究所所長を務め、醸造と健康効果両方の研究に取り組んできたワインのスペシャリストで、これまでワインの健康効果についての論文を数多く発表してきた。

 佐藤教授によると、赤ワインに多く含まれる抗酸化物質「ポリフェノール」の効能だけでなく、多くの健康効果があるという。ワイン特集では、今回と次回はワインの健康効果の全体像を紹介、後半では白ワイン、赤ワインに絞った健康効果に迫っていく。

ワインの主な健康効果
動脈硬化や心疾患の予防(抗酸化作用)
認知症の予防
糖質が他の醸造酒に比べて少ない
利尿効果があり、新陳代謝を活発に
血圧を下げる効果
腸内環境を整える効果
大腸菌、サルモネラ菌に対する抗菌力
ピロリ菌の殺菌効果

ワインは低糖質だった! 醸造酒の中でも圧倒的に少ない

 お酒は飲みたいが健康にも配慮したい――そんな人が気にする大きなポイントが「糖質」だ。最近は、パンやラーメンから甘さが決めてのスイーツに到るまで、あらゆる食品で低糖質(ローカーボ)が空前の大ブームとなっている。メタボが気になるビジネスパーソンも、仕事帰りや自宅の晩酌のお供に飲むなら、低糖質のものにしたいと思っている人は多いだろう。

 「あまり知られていませんが、ワインは醸造酒の中でも圧倒的に糖質が少ないお酒です。糖質を気にする方はワインを選ぶといいでしょう」――と佐藤教授は話す。
 
日本酒、ビール、ワインに含まれる糖質

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赤ワイン、白ワインの糖質は100g当たりそれぞれ1.5と2.0gと他の醸造酒の60%から3分の1程度と低い。糖質の量は炭水化物の総量から食物繊維を引いて算出した(出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂))

 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(文部科学省)によれば、赤ワイン、白ワインの糖質は100g当たりそれぞれ1.5と2.0gと少ない。これは、日本酒の3.6~4.5g、ビールの3.1~4.6g(いずれも、純米酒と本醸造酒、淡色とスタウトなどタイプによって異なる)の60%から3分の1程度だ。ちなみに、100g当たり糖質1.5gというのは、糖質が少ない食品として知られるシイタケ(菌床栽培・生、1.5g)と同等の数値だ。

 しかし、ワインの原料は果物であるブドウだ。ブドウは糖度も高く、ブドウのジュース(ストレート)の場合は、100g当たり14.4gも糖質を含んでいる(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より)。それなのになぜワインの糖質は高くないのだろうか。佐藤先生は、「ブドウに含まれる糖分はアルコール発酵により、分解されエタノールになります。この発酵過程でほとんどの糖分が消費されるため、ワインの糖質は少なくなるのです」と説明する。なお、実際にワインを飲むと、甘口のデザートワインなどではない通常のワインでも甘さを感じるものも少なくないが、佐藤先生によると「うまみ成分であるアミノ酸が多く含まれているから」だという。

※ワインは低糖質だと説明したが、貴腐ワイン(ソーテルヌなど)やアイスワインなどの甘いデザートワインは糖質を多く含んでいる。デザートワインを食事と一緒に大量に飲むということは通常あまりないが、糖質を気にする方は気を付けたい。

 なお、寒冷な土地などで収穫したブドウからワインを造る場合は、ブドウの糖度が低く十分なアルコール濃度が得られないことがある。この場合は、「補糖」といってワインを発酵させる前に糖を加えることがある。補糖により「ワインの糖分が増えるのでは?」と思う人もいるかもしれないが、佐藤教授によると、これらはすべて発酵の段階で分解されアルコールになるので糖分が増えることはないそうだ。

 糖質の量だけでいえば、焼酎やウイスキーは0(ゼロ)gと断トツに低いが、トータルのカロリーで比較すると、焼酎は100g当たり 146~206kcal(単式か連続式蒸留かで異なる)、ウイスキーは237kcalなのに対して、ワインは赤白共に73kcalと低い。ワインは全体のバランスがとれたお酒なのだ。

適量のワイン摂取が血圧を下げる!?

 佐藤教授は、注目のワインの健康効果として「血圧を下げる効果」と「腸内環境を整える効果」を指摘する。 

 「適量のワインは血圧を下げる効果が期待できます」と佐藤教授。「イギリスのリバプール・ジョン・ムーアズ大学の研究者が、6000人を対象に、運動、食事、肥満度と血圧の関係を調べたところ、ワインを多く摂取する人は血圧が統計的に有意に低かったという調査結果が出ました。一方、ビールの場合は血圧は上昇しました」(佐藤教授)。この調査では、ワインを飲む人の中で1日約250ml程度たしなむ人が最も血圧が低いという結果が出ている(Annals of Human Biology;24(3):1997,229-247.)。なお、ワイン1日約250ml以上になると、血圧は上昇したという。

 なぜ、ワインに血圧を下げる効果が期待できるのだろうか。佐藤教授は、「ワインにはカリウムが多く含まれています。カリウムには、ナトリウム(塩分)を体から排出する働きがあります」と説明する。赤ワインの場合、ワイン100g中に110mg、白ワインの場合は60mgのカリウムを含んでいる(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より)。日本酒(5~7mg)やビール(34~65mg)より豊富に含まれている。

ワインには腸内環境を整える効果も

 ワインの味わいの特徴の一つに、その酸味がある。この酸味の基となっているのが、ワインに多く含まれる酒石酸、乳酸などの有機酸だ。「酒石酸、乳酸などの有機酸には、腸内で悪玉菌の生成を抑え、善玉菌を活性化させる働きがあります。つまり、腸内環境を整える効果が期待できるのです」(佐藤教授)

 さらに、ワインに豊富に含まれるポリフェノールも腸内環境を良くするのに一役買っているという。「ポリフェノールは、分子が大きく腸でなかなか吸収されません。実は、腸内にいる善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌はポリフェノールを食べて増殖するのです。つまり、ポリフェノールには食物繊維を摂るのに近い効果があり、便秘予防などの効果が期待できます。ポリフェノールが多い赤ワインの方がより多くの効果を期待できます」(佐藤教授)という。

      ◇      ◇      ◇

 9月9日公開の次回は、ワインの価格と生産方法の関係やワインに添付される酸化防止剤などについて詳しく見ていく。ワインと一口に言っても価格はさまざまだが、健康効果に違いがあるかをレポートしよう。

佐藤充克(さとう・みちかつ)さん
山梨大学ワイン科学研究センター・客員教授

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年10月13日 16:03

平和条約は核よりも強し、、、ヒト、モノ、カネ…他国の文化と経済が流入すれば北朝鮮の独裁体制は自滅する。。。Vol..3

■「米国と対決とか、どうでもいい」金正恩氏の暴走に北朝鮮国民はウンザリ
金正恩氏の暴走に国民ウンザリ?

北朝鮮の朝鮮中央通信は9月28日、トランプ米大統領の国連演説に「反撃」した金正恩党委員長の声明が発表されてからわずか6日間で、全国で470万人余りが朝鮮人民軍(北朝鮮軍)への入隊、復帰を志願したと報じた。労働新聞が先月12日に報じた時には347万5000人だったので、1ヶ月半で122万5000人も増えた計算となる。

「やってらんねえ」の声

記事によると、志願者らは集会を開き「500万個の核爆弾を炸裂させて悪の帝国、米国を地球から跡形もなく吹き飛ばそう!」「火取り虫のようにあわてふためく米国の狂人らをひとり残らず撲滅しよう!」などの文章を書き込んだ志願書類を提出したという。

まさに開戦前夜のノリだが、北朝鮮の実際の雰囲気に緊張感はさほどないようだ。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、声明発表後、緊急講演会、学習会、生活総和(総括)などが慌ただしく行われているが、軍事訓練や避難訓練の類は一切行われていない。

平壌の内部情報筋も、群衆大会に動員されるだけで、それ以外は何の措置も取られていないため、今にでも戦争が起きるという雰囲気は感じられないと現地の状況を伝えた。

情勢が緊張するたびに「敵が攻めてくる」と緊張感を煽り、防空訓練などを行うことで、国内の結束を高めるというのが北朝鮮当局の常套手段だ。ところが、情報筋によると、当局は住民からの「やってられない」との反発を恐れて何もできずにいるというのだ。

労働者を虐殺

訓練に動員されれば、市場で商売をする時間がなくなり、経済的に困窮する。また、韓国や米国からのラジオを通じて情報を得ている人が多くなり、北朝鮮がどういう状況に置かれているかを曲がりなりにも理解している人が多いため、プロパガンダが通用しづらくなりつつある、などといった事情がある。

ガソリン価格が高騰し、コメ価格が上がれば、金正恩氏の「核の火遊び」に対する批判がさらに高まることを、当局もよくわかっているのだ。そのため、政治講演会、学習会も市場の営業時間が終わった後に行うという。

それでも、せっかくの当局の「配慮」も功を奏さず、住民の不満は高まる一方だ。

情報筋によれば、生きていくだけで精一杯なのに、動員されて「反米対決がどうのこうの」という話を聞かされるのウンザリしているという人がほとんどだという。

中には「今の政権にいる人(金正恩氏)は、祖父(金日成主席)、父(金正日総書記)よりも核とミサイルに執着している」と体制批判をする人すらいるとのことだ。

本来、権力への不満を公に語ったらどうなるかを、北朝鮮国民は過去の教訓からよく知っている。1990年代の大飢饉に際しては、食糧を求めただけの労働者たちが無残に戦車で轢き殺された。

それにもかかわらず、無謀な核兵器開発に対する庶民の不満は日に日に強まっているもようだ。

[デイリーNKジャパン]

Posted by nob : 2017年10月02日 16:32

楽しいことを楽しいときに楽しめてるだけやることから。。。

■「頑張らなくてもできる」自己投資の3カ条

藤野 英人 ,
CONTRIBUTOR
カリスマファンドマネージャー「投資の作法」

「自己投資」とは必ずしもお金や時間をかけなくてはできないものではない。好きこそものの上手なれー。少し肩の力を抜いたほうが人は成長できるのだ。

本連載では、「投資」というテーマについてさまざまな切り口で展開している。これまでも述べてきたが、私は「エネルギーを投入して未来からお返しをもらう」ことが、広い意味での投資だと考えている。今回は、投資の中でも、人生において非常にリターンの高い「自己投資」にフォーカスしてみたい。

自己投資という言葉から、教育・学術機関に通ったり、資格の勉強をしたりというようなことを連想する人が多い。もちろん、それらは立派な自己投資であるが、スキルの習得には体力とお金がかかる。強い意志や根性も必要だ。

私は「自己投資はそんなに頑張らなくていい」と思っている。そこで、私が実践している自己投資のコツをご紹介しよう。それは以下の3カ条である。

(1)自己投資はゼロ円でもできる
(2)自己投資は三日坊主でいい
(3)自己投資はプロセスを楽しむ

お金がなくても自己投資はできる

まず、(1)から見てみよう。大事なのは、「自己投資はお金がすべてではない」ということ。「お金はないけれど時間や情熱はある」といった人でも十分に自己投資はできる。お金をかけずに自分を磨く手段は、山ほどあるのだ。

これまで私は成功した経営者を大勢見てきたが、多くは「お金もモノもないが、情熱だけはあった」という人である。元からお金持ちであったケースはむしろ少数派。ほんの小さなことでも、今までの自分を変えようとすることが大事だ。

例えば、毎朝会社に行ったら「おはようございます!」と元気にあいさつしてみよう。周りの人の気持ちを明るくできる。周りの気持ちが明るくなれば、きっとあなたもそうなる。1日を明るい気持ちでスタートできれば、あらゆることに前向きに取り組める。

さらに、人はあなたのことを「周囲を明るくさせる存在」として評価するようになるだろう。少し行いを変えるだけで確実にリターンが見込めるのだ。私もフェイスブックやツイッターで、毎朝のあいさつとして「はろはろやっほー」とつぶやいている。これも私にとっては「自己投資」である。たったひと言で明るい人という印象を持ってもらえるかもしれない。

ほかにも、「人を褒める」「メモを取る」など“ゼロ円”でできる行動を心がけている。いずれも相手との円滑なコミュニケーションが生まれるだけでなく、「相手から学ぶ」姿勢を身につけることもできる。私が尊敬する経営者の方々はこうした行動が徹底しているように思える。

NHK の語学講座なども、廉価なテキストで優良な講義を受けることができる。一流の先生がわかりやすく、懇切丁寧に教えてくれる。NHKのラジオ講座を徹底的に勉強して英語を話せるようになった人はいくらでもいる。多くの人が、うまくいかない理由として資金や才能がないことを嘆いたりしているが、本当の理由はただやらないということが多いのではないか。

三日坊主になってもガッカリしない

次に(2)だが、「人は必ずしも完璧である必要はない」という意味である。「継続は力なり」だが、しばしば「完璧主義」が私たちの成長を阻んでしまう。

私はいつも「三日坊主上等!」といっている。途中で諦めることがあっても、継続できないのは当然、と自分を許してあげよう。続けられない人ほど、自分への期待値が高すぎるのだ。

「続けられなかったこと=挑戦に失敗した」と捉えて必要以上にガッカリし、自己嫌悪に陥ってしまう。それは何だかもったいない。そもそも続けられなくて当然、というくらいの気持ちを持とう。やろうと思っていたことが途切れても再開すればいいだけのことだ。

先ほどの語学講座も三日坊主になる典型的な例だが、しばらく聞いていなくても、がっかりせずに再開できるかが重要なのではないか。継続できない理由のほとんどは“完璧主義”にある。継続するために重要なのは「再開力」である。

これに加えて、「5分だけやる」というルールも有効だ。例えば、◯◯の勉強をするというと、だいたい1時間くらいの予定を立てがちだが、なかなか1時間も取れない。ならば、まずは5分やる習慣を身につけるほうが意味はある。

1時間を毎日やるのは大変だが、5分捻出するだけならばなんとかなる。まずは5分だけやることを習慣化できれば、それを10分、15分、30分と、月を追うごとに増やしていけばいい。

1時間やらなければいけないと思うと気持ちの準備が必要だが、5分ならば気持ちの準備などいらない。すぐに着手できる。すぐに着手する習慣が身につけば、継続への道は開けたも同然だ。

結果でなくプロセスを楽しむ

最後の(3)もとても大事な考え方である。確かに、自己投資は自分のスキルを磨く「手段」ではあるのだが、同時に、その行為自体を「目的」として楽しめることがベストだろう。

ジャーナリストの立花隆氏はこんなことを話している。

「私にとって取材は本を書くための手段である。でもじつは違う。私は取材そのものが楽しいのだ」(文藝春秋編『立花隆のすべて』より)

私はこの言葉にとても共感する。自己投資に限らず、投資という行為は結果だけを求めてしまうと、報われないときの失望が大きく、つらいものになる。また、効率のよい方法ばかりを追い求めると、その時間が味気ないものになってしまうのだ。

私自身は調査の仕事は、投資で成果を上げるための苦役ではなく、調査そのものが楽しみであり、目的でもある。立花氏とまったく同じだ。プロセスを楽しんでいるからこそ、長く現役で仕事ができている。そして長く現役で仕事ができれば、ノウハウもたまるし、そういう経験値の蓄積が誰にも負けない武器になる。

人は楽しいからこそ熱中するし、成長意欲がわいて工夫し続けることができる。結果や効率にこだわりすぎず、プロセスを楽しむことに取り組むのがいい。

いかがだろうか。自己投資が少し気楽になったのではなかろうか? 楽しむことで人生そのもののチャンスが増え、人生をより良くすることにつながると思う。自己の成長を感じることこそ、人生の極上の喜びだ。

文=藤野英人

[フォーブスジャパン]

Posted by nob : 2017年10月02日 16:20

すべては諸刃の剣、良薬も過ぎれば毒薬に、、、そして個人差、何よりまず自らの身体を知ることから。。。Vol.3

■ビジネスパーソンのコーヒー学 ~コーヒーと健康最前線~
「コーヒーはがんに効果あり」は本当か?

“肝臓がんを抑制する”は「ほぼ確実」――国立がん研究センター 笹月静さんに聞く

柳本操=ライター

みんなが毎日飲んでいる香り高いコーヒーは、体にいいことづくめだった! 以前は「カラダに悪い」と言われていたコーヒーが、最新の研究により「カラダにいい」ことが続々と明らかになっている。日経グッデイでは、最新の「コーヒーの健康効果」を専門家の方々に直撃して話を聞いた。第2回となる今回は、わが国の大規模疫学調査によって明らかになってきた「コーヒーとがん」について。日本のがん研究の総本山ともいえる国立がん研究センターに最新事情を伺った。

 「健康な状態で長生きしたい」と思いつつも、誰もが「いつかかかるのでは」と心配になるのが「がん」という病気。今や、日本人の2人に1人がかかるといわれる国民病だ。

 若いうちは「自分には無縁」と思っていても、40代、50代になり、身近な人や有名人ががんにかかったという話を耳にすれば、「発症を防ぎたい」「予防できる方法があるなら知りたい」と思うようになる。コーヒーががんに効くなら、コーヒーを飲む機会を増やそうと思う人も少なくないはずだ。

 前回の記事でも触れたように、以前、コーヒーは「発がん性がある」と思われていた時期がある。しかし最近では、コーヒーは「がんに効果がある」という報道を耳にするようになった。最新の研究ではどう判断されているのか。効果があるとしたら、どの部位のがんなのか――。

 先に結論をいうと、肝臓がんと子宮体がんの予防に効果が期待できる。国立がん研究センターによる調査・研究によると、肝臓がんを抑える効果は「ほぼ確実」、子宮体がんを抑える効果は「可能性あり」と判定されている。肝臓がんのような特定のがんについては、コーヒーを日々飲むことで発生リスクを抑えられる可能性があるわけだ。

 今回は、「日本人にとってどのような生活習慣ががん予防につながるのか」をテーマに研究を行っている国立がん研究センター 予防研究部部長の笹月静さんに詳しく話を聞いた。

         ◇       ◇       ◇

日本人の生活習慣とがんの関係を20年以上にわたって調査

そもそもの話になりますが、国立がん研究センターでは、食事などの日々の生活習慣とがんとの関係について、どのように調査、研究しているのでしょうか。

笹月さん 国立がん研究センターでは、がんなどの病気と生活習慣との関連を長期間にわたって研究してきました。ここで用いられているのが「コホート研究」という手法です。国立がん研究センターでは、1990年から国内で開始、現在も追跡調査が続けられ、研究結果が日々蓄積されています。

 「コホート」とは、年齢や居住地など一定の条件を満たす特定の集団のことです。現在、岩手県、長野県、東京都、沖縄県、大阪府、高知県など全国の一般住民14万人を対象に研究が行われています。余談ですが、「コホート(cohort)」の語源は古代ローマの歩兵隊で、300~600人ほどの兵隊の群を意味します。

 最初に対象者に主に対面でアンケート用紙を配布し、健診に参加する方の場合は血液試料や健診データについても提供していただきます。さらに5年後、10年後、というふうにアンケート調査を行っていきます。その中で、がんにかかる方、糖尿病にかかる方などが出てくるので、それらの病気と生活の関連をみていく研究です。扱う内容は、食事内容はもちろん、喫煙や飲酒、体格、運動、さらに睡眠やストレスといった社会心理学的要因など、多岐にわたります。

 お酒が好きな人、喫煙者、熱心に運動をする人などが混在する一般住民の大集団を対象に、まっさらの状態からスタートし、10年、20年と追跡していくわけです。

時間も手間もかかりそうな調査ですね。

笹月さん だからこそ研究結果の信頼性が高まると考えています。

 私達の研究グループは、国内で行われている研究を基に、日本人のがんと生活習慣との因果関係の評価を行っています。同様の研究は国際的な研究機関でも行われていますが、欧米人と日本人は体格も違うし、食べているものも違うために、海外の研究が主体の評価基準をそのまま日本人に当てはめて考えるのは難しい面があります。日本人を対象とした研究に限定して、がんとの因果関係を評価し、がんを予防する手立てをお伝えすることが重要と考えています。

 国立がん研究センターのコホート研究は、10年、20年という追跡期間を経て、2000年代から続々と結果がまとまってきました。その研究を含めて、科学専門誌などに掲載されたがんの研究結果から、評価の対象になる方法(コホート研究と症例対照研究)で実施された論文をピックアップして、それぞれについて科学的根拠や信頼性なども併せて評価しています。

 その評価の結果を、全体および個々の部位について、国立がん研究センターのホームページで公開しています。

コーヒーの「肝臓がんのリスクを下げる」効果は「ほぼ確実」

具体的に、コーヒーとがんの罹患については、どんなことがわかってきたのですか。

笹月さん 現在は、肝臓がん、子宮体がん、大腸がん、子宮頸がん、卵巣がんの評価を掲載しています。それぞれ以下のような評価になっています。

* 「肝臓がん」のリスクを下げる効果=ほぼ確実
* 「子宮体がん」のリスクを下げる効果=可能性あり
* 「大腸がん」「子宮頸がん」「卵巣がん」のリスクを下げる効果=データ不十分

 「ほぼ確実」「可能性あり」といった言葉は「科学的根拠としての信頼性の強さ」を示す指標のことです。最も信頼性が高い評価から順に「確実」→ 「ほぼ確実」→「可能性あり」→「データ不十分」となっています。例えば、「喫煙」と「肺がん」との因果関係の評価は、最も信頼性が高い「確実」。つまり、たばこは肺がんのリスクを高めるのは確実というわけです。昨年話題になった「保存肉/赤肉」は、大腸がんのリスクを高くする「可能性あり」になっています。

コーヒーについては、肝臓がんに対する予防効果が「ほぼ確実」になっています。つまり、コーヒーをよく飲む人は肝臓がんにかかりにくいわけですね。

笹月さん 肝臓がんのがん予防効果は、2000年代から「効果あり」というエビデンスが集まり始めました。これ以降、複数のコホート研究によって一致して「コーヒーはがんに予防的に働く」となったために、上から2番目の「ほぼ確実」の評価となっています。

 国立がん研究センターのコホート研究では、40~69歳の男女約9万人について、調査開始時のコーヒー摂取頻度により6つのグループに分けて、その後の肝臓がんの発生率を比較しました。調査開始から約10年間の追跡期間中に、肝臓がんにかかったのはそのうち334名(男性250名、女性84名)です。

 その結果は、「コーヒーをほとんど飲まない人と比べ、ほぼ毎日飲む人は肝臓がんの発生リスクが約半分に減少する」というものでした。1日の摂取量が増えるほどリスクが低下しました。1日5杯以上飲む人では、肝臓がんの発生率は4分の1にまで低下していました。

 これらの結果からも、コーヒーをたくさん飲んでいる人が肝臓がんの発生リスクが低くなるのは、おそらく事実といっていいでしょう。特に「ほとんど毎日」「毎日1~2杯」「毎日3~4杯」「毎日5杯以上」飲む人についてのデータは、統計学的に有意なデータが出ています。「ほとんど毎日」以上の方々は、はっきりリスクが下がっていると言えます。さらに、多く飲んでいる人ほどリスクは下がっているという傾向も出ています。

 世界のがん研究をとりまとめる米国がん研究機構による最新の要約を見ても、肝臓がんリスクを下げる飲み物としてコーヒーが浮上しています。肝臓がんの最大のリスク要因である肝炎ウイルス感染の有無で分けても、同様に肝臓がん発生リスクが低くなることがわかっています。

大腸がんに関しては、以前はリスクを下げる「可能性あり」に分類されていましたが、最新の情報では「データ不十分」となっています。

笹月さん 一昨年まとめられたコホート調査によって、がんリスクを上げるという新たな結果が出てきたためです。多くの結果はがんリスクを下げるか、中立的なものなのですが、研究を統合して解析するメタ解析の結果、関連性は見えなくなり、研究班で討議を行い、判定を下げたほうがよいだろうという結論になりました。このように、常に新しい研究結果も追加しながら判定して、その都度情報を更新しています。

 子宮体がんについては、2008年の多目的コホート研究の結果から、1日1~2杯、3杯以上飲むグループではそれぞれ、罹患リスクが低下しているという結果や、他の研究結果から「可能性あり」に分類しています。

 このように、大腸がんについては「データ不十分」となりましたが、がん予防に効果的な部位も示されています。コーヒーを適度に飲むことは予防的な手段の一つと判断できるでしょう。

「糖尿病予防」効果と「抗酸化作用」の両面から効いている?

数あるがんの中で、なぜ肝臓がん、子宮体がんに対して、効果が期待できるのですか。

笹月さん 私たちは、コーヒーががんに作用するメカニズムの研究を直接しているわけではありませんが、肝臓がんや子宮体がんは糖尿病を発症するとかかりやすくなるがんであることがわかっています。一方で、コーヒーが糖尿病を予防することも、すでに多数報告されています。コーヒーによって糖尿病リスクが下がればがんリスクも下がる、ということは十分に考えられます。

 また、コーヒーにはポリフェノールの一種である抗酸化物質のクロロゲン酸が豊富に含まれています。クロロゲン酸には、血糖値を改善するほか、体内の炎症を抑える作用があります。クロロゲン酸を継続摂取することもがんに予防的に働いているのではないかと考えています。あくまで推測ですが、コーヒーは「糖尿病予防」効果と「抗酸化作用」の両面からがんを抑制する働きをしていると考えられます。

コーヒーを飲むと、心臓病のリスクが軽減

話が変わりますが、国立がん研究センターは昨年5月に、「コーヒーを飲むと、心臓病のリスクが軽減する」という研究報告を発表されましたね。ニュースなどで大きく取り上げられました。

笹月さん 緑茶やコーヒーなどについての研究結果に対する関心は一般に高いのですが、予想以上に大きくマスコミに取り上げられたので驚きました。

 この調査も、国立がん研究センターのコホート研究に基づいて導き出されたものです。緑茶とコーヒーの摂取と、全死亡リスク、がん、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患などの死亡リスクとの関連を解析しました。

 コーヒーについては、「1日3~4杯飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患の病気で死亡するリスクがそれぞれ4割程度減少する」といった結果が出ています。全死亡リスクについては、コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、24%低いという結果になりました。ただ、今回の取材のテーマであるがん死亡の危険度については、この調査では有意な関連性は見られませんでした。

         ◇       ◇       ◇

 国立がん研究センターでは、数年前に新たなコホート調査を立ち上げた。1990年代当時に比べ国民のコーヒー摂取量は増えていることもあり、今後、新たな知見が報告される可能性は十分にあるだろう。

 来週のコーヒー特集では、コーヒーの糖尿病などの生活習慣病への効果について、国立健康・栄養研究所の古野純典所長に話を聞く。コーヒーは糖尿病だけでなく、痛風や肝機能にも効果があるという、ミドル必見の効果が明らかになる。

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年10月02日 15:34

すべては諸刃の剣、良薬も過ぎれば毒薬に、、、そして個人差、何よりまず自らの身体を知ることから。。。Vol.2

■ビジネスパーソンのコーヒー学 ~コーヒーと健康最前線~
カラダにいいコーヒーの淹れ方とは!?
煎り方によって成分が違う? 飲むベストタイミングは?

柳本操=ライター

みんなが毎日飲んでいる香り高いコーヒーは、カラダにいいことづくめだった!以前は「カラダに悪い」と言われていたコーヒーが、最新の研究により「カラダにいい」ことが続々と明らかになっている。日経グッデイでは、最新の「コーヒーの健康効果」を専門家の方々に直撃して話を聞いた。最終回となる今回は、実践的なコーヒーの「淹れ方」「飲み方」を紹介する。“カラダに効く”飲み方のノウハウを習得して、コーヒーのよさを余すことなく引き出そう。

 これまで7回にわたってコーヒーの健康効果について紹介してきた。専門家の方々から話を伺い、糖尿病や痛風などの生活習慣病から、肝臓がん、血液サラサラ、シミ予防の可能性まで驚きのコーヒー効果が明らかになった。カフェインの摂り過ぎに気をつけつつ、成人なら1日3~5杯程度を目安に適量のコーヒーを楽しむことはカラダにいい影響を及ぼす。

 最終回となる今回は、これまでインタビューでご登場いただいた専門家の方々直伝の、実践的なコーヒーの飲み方を紹介する。同じ1杯のコーヒーでも、コーヒー豆の煎り方によって成分は違ってくる。また、コーヒーをお湯で抽出する際、フィルターを使うかどうかによっても健康への影響は変わってくる。コーヒーの健康効果を引き出すには「淹れ方」がとても大切だ。さらに、「どのタイミング」で飲むかを意識することで、コーヒーパワーを最大限に取り込むことができる。

「浅煎り」と「深煎り」、カラダにいい成分はどう違う?

 まず、コーヒーの“煎り方”による成分の変化から見ていこう。ご存じのように、コーヒーは、生豆を焙煎したものを挽いて、お湯で抽出する。この焙煎には、浅煎りのライト、シナモンなどから、深煎りのフレンチ、イタリアンまでさまざまな煎りの度合いがある。一般に、浅煎りは酸味が強く、深煎りになればなるほど苦味が強くなる。エスプレッソなどに使われるのは深煎りだ。

 焙煎の度合いにより熱を加える時間が変わるため、コーヒー豆に含まれる成分も変化する。コーヒーの重要成分の一つであるカフェインは熱を受けてもほとんど変化しないが、コーヒーに含まれるポリフェノール「クロロゲン酸」は熱により変化するという。

深煎りにはクロロゲン酸はほとんど含まれていない

 その変化について、第1回でご登場いただいた東京薬科大学名誉教授の岡希太郎さんが説明してくれた。

 「コーヒーに含まれるポリフェノールであるクロロゲン酸は生豆に多く含まれています。焙煎して熱を加えることによって、その含有量は低くなります。私が行った実験では、焙煎を開始して最初のパチパチというハゼ音が終わった浅煎りの段階で、クロロゲン酸の含有量は半分程度になりました。クロロゲン酸を摂取するなら浅煎りで飲むのがおすすめです。フレンチロースト(深煎りの焙煎)やエスプレッソなどにはほとんどクロロゲン酸は含まれていません」

 一方、焙煎することによって増える成分もあるという。

「生豆に含まれるトリゴネリンという成分は、焙煎する熱によって分解され、抗血栓作用を持つニコチン酸や、副交感神経を刺激してリラックス作用をもたらす NMP(N-メチルピリジニウムイオン)といった物質に変化します。特にNMPは焙煎するほどに含有量が増え、シティロースト(第2ハゼ音の始まりで浅めの深煎り)なら1杯あたり10mg程度。数杯飲めば、薬理学的に意味のある量に達します」

 このような結果を踏まえ、岡さんは「浅煎りと深煎り、いずれにもいい成分が含まれています。ですから、過度に意識する必要はありません。可能なら1日の中で深煎りと浅煎りの両方を飲むと理想的ですね」と話す。

 自宅で飲むときには、両方の煎り方の豆を用意して、組み合わせて飲むのも一つの方法だ。なお、深煎りと浅煎りの成分を同時に摂取できるように、両方をブレンドしたコーヒー豆も販売されている(愛知県豊橋市の会社ワルツが販売している「カラダ想いブレンド<爽><快>」)。

健康を意識するなら「フィルターで抽出」

 自宅でコーヒーを楽しむ際に、健康に配慮するならぜひ気を配りたいのが「抽出する方法」について。フィルターを使うかどうかは実は大きなポイントなのだ。ペーパーフィルターやネルなどでドリップしている、という人は大正解だ。

 東京薬科大学名誉教授の岡さんは、「コーヒー豆には、ジテルペン類(カウェオール、カフェストール)という精油成分が含まれていて、コレステロール値や中性脂肪値を高くする働きがあります。水やお湯には溶けませんがコーヒーの油分に溶けて液面に浮かびます。抽出する際にフィルターを使っていれば、この油分がフィルターに引っかかって除去されるので心配する必要はありません。抽出液に粉が混ざっていたり、沸騰させて強く煮出したコーヒーを飲むと高脂血症につながる可能性があります」と話す。

 そもそも、1980年代前半まで「コーヒーはカラダに悪い」と思われていたのは、当時、北欧で、「コーヒーは心筋梗塞を引き起こしやすい」という報告があったためだ。北欧では挽いたコーヒー豆を鍋で煮出してして抽出する飲み方が行われており、精油成分を摂取していたのが原因だと考えられている。

 日本ではコーヒー豆を鍋で煮出してして飲む習慣はないが、最近は、コーヒーの粉を容器に入れ、プランジャーという金属フィルターを押し下げて抽出する「フレンチプレス」という方式で楽しむ人も増えている。「フレンチプレスでは抽出された精油成分が十分に除去されません。蒸気で勢いよく抽出するエスプレッソにも精油成分は含まれるので、飲む頻度は控えめにしたほうがいい」と岡さん。

 その点、ペーパーネルでドリップすれば安心してコーヒーを飲むことができる。コーヒーのさまざまな有効成分を余すことなく抽出するには、「蒸らし時間を長くとりながら、ゆっくり抽出するのがコツ」と岡さんはアドバイスする。

 「カラダが弱っているときは、いつもより湯量を増やして薄めにして飲む」「苦くして飲みたいときは挽いた粉の量を多めにして湯温を熱めにする」など、自分で好みに調節できるのも、ハンドドリップの醍醐味だ。

飲むタイミングを考慮して、効果を最大に!

 次に、コーヒーを飲むタイミングを見ていこう。第5回では運動の1時間前にコーヒーを摂取すると脂肪燃焼効果が高まるという話を紹介した。このように、目的に合ったタイミングでコーヒーを飲むと、その効果をより多く享受できる。我々ビジネスパーソンがコーヒーを飲むタイミングで意識するといいのは、以下の4つのタイミングだ。

* ベストタイミングその1:昼寝と組み合わせる
* ベストタイミングその2:運動と組み合わせる
* ベストタイミングその3:食後に飲む
* ベストタイミングその4:飲酒の後に飲む

昼寝前に飲んで、午後の集中力を高める

 それでは順に見ていこう。まずは、「ベストタイミングその1 昼寝との組み合わせ」だ。

 「朝食時にコーヒーを飲んでいる人は多いと思います。カフェインの覚醒作用で、寝起きの頭がスッキリします。この覚醒作用を朝だけしか使わないのはもったいないですね。“昼寝の前”に飲むことで、その後の集中力をぐっと高めることができます」とアドバイスするのは、ネスレ日本の福島洋一さん。

 広島大学大学院総合科学研究科行動科学講座の林光緒教授らの研究では、10人の大学生が「昼寝なし」「昼寝あり」「昼寝+目覚めた直後に洗顔する」「昼寝+目覚めた直後に明るい光を浴びる」「コーヒーを飲んでから昼寝する」という5つの条件で実験が行われた。その結果、洗顔や光を浴びるなど、いかにも覚醒効果が高そうな方法よりも、「昼寝前にコーヒーを摂取」したときがもっとも昼寝後の眠気が抑えられ、作業ミスも減少することがわかったという。

 また、イギリスの研究でも、ドライバーの眠気対策として、「コーヒーを飲んで15分までの昼寝をすると、コーヒーを飲まなかった場合よりも眠気が低減された」という報告がされている(Psychophysiol,33(3),306-9,1996)。

 「コーヒーに含まれるカフェインが脳に届くまでには20~30分かかるといわれます。眠気を感じたときにコーヒーを飲んでも、すぐには覚醒効果は表れません。そこで、昼寝前にコーヒーを飲み、すぐさま短時間眠るのです。すると、起きるころにカフェインが効きはじめるので、しゃきっと起きられるのです。このコーヒーの活用法は、 “コーヒーナップ”(ナップとは昼寝の意味)」として世界的な話題になっています」と福島さん。

運動の1時間前に飲んでダイエット効果を高める

 次に、押さえておきたいタイミングは「運動前」だ。第5回で紹介したように、コーヒーは、クロロゲン酸とカフェインという2つの脂肪燃焼効果がある成分を含んでいる。運動習慣がある人や、今日は出先でたくさん歩くぞ、というようなときにはぜひ、運動前にコーヒーを1杯飲んでおこう。

 「運動する1時間前ぐらいにコーヒーを飲んでおくと、運動することによって脂肪が燃焼し始めるころに、カフェインも血中でピークになり、脂肪燃焼効果を高められます」と、日本ポリフェノール学会の理事長で、品川イーストワンメディカルクリニック理事長の板倉弘重医師は話す。

 コーヒーの抗酸化物質であるクロロゲン酸は、肝臓での脂質の代謝を活発にし、脂肪燃焼によるエネルギー消費を増加させる。カフェインも、脂肪細胞にあるリパーゼという酵素を活性化することによって脂肪をエネルギーとして活用しやすくする。

食事と合わせて血液サラサラ

 コーヒーを食事と組み合わせるのも有効だ。東京薬科大学名誉教授の岡さんは、「食事と一緒にコーヒー」をおすすめしている。

「コーヒーには血液サラサラ効果があります。クロロゲン酸などのコーヒーポリフェノールは体内に入ると肝臓で代謝され、フェルラ酸という成分などに変わります。これが血管内で血小板が固まるのを阻止し、血液をサラサラにする作用があると考えられています」

 飲酒の後もコーヒーを飲むといい。国立健康・栄養研究所所長の古野純典さんがおすすめするのが、「お酒の後はラーメンで〆ずに、コーヒーで〆る」方法だ。

 「コーヒーには肝機能を保護する効果があります。その効果は飲酒量が多い人ほど高くなります。そこで、お酒の後はラーメンで〆ずに、カフェイン抜きのデカフェのコーヒーで〆てはどうでしょうか。また、翌朝、コーヒーを飲めばアルコールの代謝で疲れた肝臓を元気づけることができますよ」

飲酒時はカフェインに注意、クスリはコーヒーで飲まない

 覚えておきたいのは、飲酒時のカフェインの摂取には注意が必要だということ。ネスレ日本の福島さんは、「アルコールと同時にカフェインを摂取すると、カフェインの覚醒作用により酔っている実感を得にくくなります。つまり、酔っているのにそれが自覚できず、ハイペースでアルコールを摂取しかねないので、飲み過ぎに注意しましょう」とアドバイスしてくれた。

 また、薬とコーヒーの同時摂取についても注意が必要なことも覚えておきたい。コーヒーのカフェインは肝臓で代謝されるが、同じく肝臓で代謝される薬の成分の効果を邪魔する可能性があるからだ。またカフェインが入った薬もいろいろとある。コーヒーをたくさん飲んでいる人は、いつも通りコーヒーを飲んでよいか、処方してくれる医師や薬剤師に確認したほうがよいだろう。

         ◇       ◇       ◇

 2016年1月から8回に渡ってお届けしてきたコーヒー特集も、今回でひとまず終了します。1日3~5杯という適量を意識しながら、コーヒーを楽しんでいただければ幸いです。なお、コーヒーの健康効果はまだまだあります。日経グッデイでは今後も引き続きコーヒーを取り上げていきます。ご期待ください!

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年10月02日 15:13

ウィスキーなら糖質はゼロです。。。

■日本酒、ビール、ワイン、糖質が一番低いのはどれ?
クイズで学ぶ「お酒と糖質」

みなさん、「カラダにいいこと、毎日プラス」していますか? このクイズでは今知っておきたい健康や医療のネタをQ&A形式でおさらいします。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。では、さっそくクイズを始めましょう。

「お酒と糖質」に関する問題

ダイエットのために、食べ物や飲み物の糖質を気にしている人も多いかと思いますが、では、日本酒、ビール、ワインのうち、最も糖質が低いのはどれでしょうか?

* (1)日本酒
* (2)ビール
* (3)ワイン

 正解は、(3)ワイン です。

赤ワインの糖質は“シイタケ”並み

 ここ数年は「第7次ワインブーム」と言われ、日本のワインの消費量は過去最大を更新しています。その人気には、「健康にいい」というイメージが定着してきたことも背景にあります。

 ワインの健康効果としては、赤ワインに含まれる「ポリフェノール」がよく取り上げられますが、低糖質であることも大きなメリットです。山梨大学ワイン科学研究センター客員教授の佐藤充克さんは、「あまり知られていませんが、ワインは醸造酒の中でも圧倒的に糖質が少ないお酒です。糖質を気にする方はワインを選ぶといいでしょう」といいます。

日本酒、ビール、ワインに含まれる糖質

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赤ワイン、白ワインの糖質は100g当たりそれぞれ1.5と2.0gと他の醸造酒の60%から3分の1程度と低い。糖質の量は炭水化物の総量から食物繊維を引いて算出した(出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂))

 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(文部科学省)によれば、赤ワイン、白ワインの糖質は100g当たりそれぞれ1.5と2.0g。これは、日本酒の3.6~4.5g、ビールの3.1~4.6g(いずれも、純米酒と本醸造酒、淡色とスタウトなどタイプによって異なる)の60%から3分の1程度です。ちなみに、100g当たり糖質1.5gというのは、糖質が少ない食品として知られるシイタケ(菌床栽培・生、1.5g)と同等の数値なのです。

 糖質の量だけでいえば、焼酎やウイスキーは0(ゼロ)gと断トツに低いですが、トータルのカロリーで比較すると、焼酎は100g当たり 146~206kcal(単式か連続式蒸留かで異なる)、ウイスキーは237kcalなのに対して、ワインは赤白共に73kcalと低く、ワインは全体のバランスがとれたお酒なのだといえます。
適量のワイン摂取が血圧を下げる!?

 佐藤さんによると、「適量のワインは血圧を下げる効果が期待できます。イギリスのリバプール・ジョン・ムーアズ大学の研究者が、6000 人を対象に、運動、食事、肥満度と血圧の関係を調べたところ、ワインを多く摂取する人は血圧が統計的に有意に低かったという調査結果が出ました。一方、ビールの場合は血圧は上昇しました」(Annals of Human Biology;24(3):1997,229-247.)。この調査では、ワインを飲む人の中で1日約250ml程度たしなむ人が最も血圧が低いという結果が出たそうだ。

 ワインの血圧を下げる効果について、佐藤さんは「ワインにはカリウムが多く含まれています。カリウムには、ナトリウム(塩分)を体から排出する働きがあります」と説明する。

 また、ワインの味わいの特徴の一つである酸味の基となっている酒石酸や乳酸などの有機酸は、腸内で悪玉菌の生成を抑え、善玉菌を活性化させる働きがあり、腸内環境を整える効果が期待できるそうです。さらに、ワインに豊富に含まれるポリフェノールも腸内環境を良くするのに一役買っているとか。

 低糖質であり、血圧を下げたり腸内環境を整えたりする効果も期待できるとなれば、健康が気になる人にワインが人気なのも納得ですね。
この記事は、「ワインは低糖質だった! ポリフェノールだけじゃない、これだけの効能」(執筆:大塚千春=フリーエディター・ライター)を基に作成しました。

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年09月26日 17:49

こればかりは一度死んでみないと。。。(苦笑)

■死ぬってどんな感じ?

アメリカ政府によると、この地球上では1時間に約7000人が死亡しています。

当然ではありますが、私たちは死という体験についてあまり知りません。死ぬとき、私たちの体と心にはいったい何が起こるのでしょうか? いろいろな情報を総合すると、それほど恐れることはなさそうです。

身体に起こること

死に方は実にさまざま。そこでこの記事では自然死を前提とします。

最初に強調しておきたいのが、正確な「死の瞬間」というものは存在しないこと。死とは一連のプロセスであり、私たちにはわからないグレーな領域もたくさんあります。

とはいえ、法律上の死は2段階に分けられます。最初にあなたの身体に訪れるのが「臨床死」と呼ばれる状態で、心拍、呼吸、血液が止まります。その後、「生物学的死」が訪れるまでの4〜6分間、体の細胞は生き続けます。生物学的死を迎えると脳細胞が死にはじめ、蘇生が不可能になります。

では、そのプロセスにおいて、私たちは何を感じるのでしょうか? スタンフォード大学で緩和ケアを専門とするJames Hallenbeck氏によると、最後の数日は「アクティブ・ダイイング」(積極的死亡)段階と呼ばれているそうです。その間に、次のような順序で欲求と感覚が急速に失われていきます。

1. お腹が空かなくなる。
2. 喉が渇かなくなる。
3. 言葉が話せなくなる。
4. 目が見えなくなる。
5. 耳が聞こえなくなる。
6. 触られた感覚がなくなる。

BuzzFeedBlueによると、ほかにも「息切れ」「抑うつ」「不安」「極端な疲労」「精神錯乱(おそらく酸素不足のため)」「便秘あるいは失禁」「吐き気」などの症状が表れます。

基本的に脳は、少しでも延命を図るために重要度の低いものからゆっくりと機能を停止していくのです。死の兆候は、皮膚にも表れます。皮膚が冷たく青白くなり、場合によっては斑点が出ることもあります。

やがて、咳や飲み込みができないほど弱ってきます。息をすると、喉の後ろのほうで濁った不快な音がしはじめます。これは、「死前喘鳴(しぜんぜんめい)」と呼ばれるもの。他者からは非常に苦しそうに聞こえますが、The Atlanticによると医師が判断できる範囲では死前喘鳴に痛みは伴わないようです。

ただ、死ぬときの痛みまでは医師にもわかりません。もちろん、焼死や銃殺は痛いでしょうが、自然死の場合は何ともいえません。通常であれば、死ぬ直前の痛みは医療関係者が管理してくれます。最後の数時間は意識がないことが多いので、おそらく痛みは感じないでしょう。

ついに身体に死が訪れると、わずかに残されていた脳の機能が急速に失われます。Gizmodoによると、脳は身体を抑えきれなくなり、尿や便が出たり、ごくまれに射精をすることもあるそうです。そう聞くだけで不快感と恐怖を覚えるかもしれませんが、実は脳には秘策があるのです。

心に起こること

身体が死にはじめると同時に、脳もあの世に行くための準備をはじめます。最後の瞬間、多くの人は幽体離脱し、穏やかな場所で親戚とランデブーし、トンネルの向こうに明るい光を見るといわれます。でも実際、何が起きているのでしょうか?

まず、そのような精神状態では、自分に起きている現象を怖いと思うことはなさそうです。ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究では、末期患者と死刑囚に死ぬことを想像してもらい、そのときの精神状態を比較しました。その結果、死が近づくほど、ポジティブな展望を持つことがわかりました。その理由は、死が具体的になるにつれて現実として向き合わざるを得なくなり、受け入れられるようになるからと考えられています。

あるいは、平和な夢や幻想を見ているからかもしれません。ニューヨーク州バッファローのホスピスセンターで行なわれた研究では、死が近い人は通常よりも夢を多く見ていることがわかりました。研究に参加した人の88%が、通常の夢よりもリアルに感じられる夢や幻想を見たことがあると答えたそうです。その内容は「すでに死んだ知人との再会」「どこかへ旅立つ準備をしている夢」「人生の重大な出来事の追体験」などでした。多くの人にとって、それらの夢や幻想は心地よく、死の恐怖を和らげるものでした。

臨床死がはじまると、脳は過熱状態になります。BBC Newsによると、急に電気が流れ、脳全体のさまざまな部位の活動が活発になります。やがて通常よりもはるかに強い興奮を引き起こす神経化学物質が放出されはじめます。「明るい白い光」が見えるのはこのときです。

学術誌Journal of Near-Death Studiesに掲載された論文によると、臨死体験をした人は、文化的・宗教的信念によって変わるものの、同じものを目撃する傾向があるそうです。また、別の学術誌Frontiers in Human Neuroscienceの論文では、そのような体験が起こる時期や順序は人によって異なるそうです。ですから、以下に記す体験が、順不同で起こると考えてください。

* 意識の異常な覚醒状態。起きているときでも夢を見ているときでも起こりえます。
* 幽体離脱体験。通常は自分の体の上を飛んでいる形で訪れます。原因は、側頭頭頂接合部(TPJ)が酸素不足で損傷したためと考えられています。
* 走馬燈。多くの人が、人生の重要な瞬間のプレイバックを見ます。
* 先立たれた家族との再会。会ったことのない先祖に会うこともあります。不思議な世界を訪れ、光でできた生き物と会う人もいるようです。脳の酸素不足により、幻覚が見えていると考えられます。
* 圧倒的な安らぎと安心感。エンドルフィンの分泌によるものと考えられています。
* トンネルの先に明るい光。視覚系が過剰に興奮すると二酸化炭素が増え、光への感度が高まります。また、短時間ですが、他の感覚も強化されます。

全部を体験する人もいれば、一部だけの人もいます。いつ起こるのか、どの順序で起こるのかはわかりません。臨死体験者に聞くと、これらの体験によって死を受け入れられるようになるばかりか、歓迎すらできるようになるそうです。

心がお別れの儀式を終えると、準備完了です。死後の世界があったとしても、私たちはそこに何があるかを知ることはできません。ただ、少なくとも脳は、できるだけ快適な死を迎えようとするようです。

Source: United Nations, The Atlantic(1, 2), BuzzFeedBlue, Crossroads Hospic, Gizmodo, SAGE Journals, NCBI, BBC News, Springer Link, Frontiers

Patrick Allan - Lifehacker US[原文]
(訳:堀込泰三)

[ライフハッカー]

Posted by nob : 2017年09月26日 17:32

すべては諸刃の剣、良薬も過ぎれば毒薬に、、、そして個人差、何よりまず自らの身体を知ることから。。。

■「コーヒーもう一杯」で死亡リスク数%減 欧州調査

 コーヒーは世界で最も多く飲まれている飲料の1つで、さまざまな成分を含んでいます。これまでにも、コーヒーの摂取は健康に良い影響を及ぼすという報告は複数ありましたが、それらは主に米国人を対象に行われた研究の結果でした。

 そこで、フランスの国際がん研究機関(IARC)のMarc J. Gunter氏らは、コーヒー摂取と死亡の関係が、他の人種や他の地域に住む人々にも見られるのかどうか、そして、コーヒーの摂取が特定の死因による死亡のリスクを減らしたり高めたりするのかどうかを明らかにしようと考え、欧州10カ国の市民を対象に研究を行いました。

■欧州45万人のコーヒー摂取頻度を調査し、16年間追跡

 分析対象にしたのは、欧州10カ国(デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、英国)の一般市民で、主に35歳以上の45万1743人(男性13万662人と女性32万1081人)です。

 コーヒーの摂取量は食物摂取頻度調査の中で尋ね、ライフスタイル質問票を用いて、学歴、喫煙、飲酒習慣、運動量などに関する情報も収集しました。

 当初のコーヒーの摂取量に基づいて、国ごとに対象者を分類しました。まず、全く飲まないグループを参照群として設定し、残りの人々を、摂取量が最も少ない人から最も多い人まで並べて4等分しました。主に比較したのは、参照群と、最もコーヒー摂取量が多かったグループ(1日当たり摂取量の中央値は男性 855mL、女性684mL)です。

 コーヒーの摂取量調査から平均16.4年追跡したところ、4万1693人(男性1万8302人、女性 2万3391人)が死亡していました。うち1万8003人ががん、9106人が循環器疾患、2380人が脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)、3536人が虚血性心疾患(心筋梗塞など)、1213人が消化器疾患、1589人が呼吸器疾患で死亡しており、1571人が外傷性の死亡、418人は自殺による死亡でした。

■死亡リスクは男性で12%、女性で7%低下

 これらの死亡とコーヒー摂取量との関係を分析したところ、コーヒーを全く飲まない人々に比べ、コーヒーを最も多く飲む人々の、あらゆる原因による死亡(総死亡)のリスクは、男性で12%、女性では7%低下していました(表1)。これらの差は、統計学的に意味のあるレベルでした。また、コーヒーを飲む量が多い人ほど総死亡リスクが低いことも示唆されました。コーヒー1杯を237mLとすると、1日の摂取量が1杯増加するごとに、総死亡リスクは、男性が3%、女性は1%低下していました。

https_imgix-proxy.n8s.jp_content_pic_20170918_96958A9F889DE0E2EAE5EAE3E2E2E2E5E2EBE0E2E3E5E2E2E2E2E2E2-DSXZZO2088278007092017000000-PN1-1.jpg

統計学的に意味のある数字になったものを抜粋して記載。下向きの矢印は、コーヒーを多く飲む人においてリスク低下が見られることを意味し、上向きの矢印は、逆にリスク上昇が見られることを意味する

 欧州では国ごとに、好まれるコーヒーの抽出方法が違っています。しかし、各国のコーヒー摂取量と死亡との関係に差はなく、抽出方法にかかわらず、より多く飲む人の死亡リスクが低い現象が一貫して認められました。

 コーヒーの摂取は、消化器疾患による死亡リスクの低減とも関係していました。1日の摂取量が1杯増加するごとのリスク低下は、男性が23%、女性は14%でした。

 消化器疾患による死亡の3分の1強は、肝臓の病気による死亡でした。男女合わせて分析したところ、コーヒーを全く飲まない人と比較して、最も多く飲む人々の肝臓病による死亡リスクは80%も低いことが明らかになりました。一方で、肝臓病以外の消化器疾患による死亡のリスクは、統計学的に意味のある低下を示しませんでした。また、コーヒーを最も多く飲む人では、肝硬変による死亡のリスクも79%低くなっていました。

 また、男女ともに、コーヒー摂取量が多い人の肝臓がんによる死亡リスクは、全く飲まない人に比べ40%前後低いことが分かりました。

 男女に差が見られた項目もありました。循環器疾患による死亡と脳血管疾患による死亡では、女性においてのみ、コーヒー摂取量が最も多いグループでリスク低下が認められました。一方で、がんによる死亡、および卵巣がんによる死亡は、いずれも女性においてのみ、コーヒー摂取量が最も多いグループでリスクが上昇していました。

 以上のような関係は、カフェインを含むコーヒーと含まないコーヒーの摂取量を別々に分析しても同様に認められました。

■コーヒー多飲者で肝臓の病気が少ない理由は?

 著者らはさらに、対象者の中から無作為に選んだ1万4800人を対象に、コーヒーの摂取と、血液中の肝機能や炎症、代謝の状態を示す検査値との関係を調べてみました。

 すると、コーヒーの摂取量が多い人々では、肝機能の指標である、ALT(アラニンアミノ基転移酵素)、AST(アスパラギン酸アミノ基転移酵素)、γ- GTP(γ-グルタミルトランスフェラーゼ)、ALP(アルカリホスファターゼ)の値が低く、肝機能は良好であることが示されました。

 さらに女性では、コーヒー摂取量が多い人で、炎症の指標であるCRP(C反応性蛋白)や、動脈硬化の危険因子であるリポ蛋白(a)、血糖値を反映する HbA1c(糖化ヘモグロビン)が低く、いずれも状態は良好であることが明らかになり、コーヒーが健康に利益をもたらす仕組みがおぼろげながら見えてきました。

 得られた結果は、コーヒーの摂取が、総死亡といくつかの死因別死亡の低減に関係していること、ただし女性では、がんによる死亡のリスク上昇に関係することを示しました。

 論文は、2017年7月11日付の「Annals of Internal Medicine」誌電子版に掲載されています[注1]。

[注1] Gunter MJ, et al. Ann Intern Med. 2017 Jul 11. doi: 10.7326/M16-2945.


■知っていますか? 自分のカフェインの「安全量」

 多くのビジネスパーソンが、「あと一息頑張ろう」というときにエナジードリンクや栄養ドリンクを手に取り、「ほっと一息」というときにコーヒーに手を伸ばす生活を送っているのではないでしょうか。そんな日常に一石を投じたのが、先ごろ報道された、20代日本人男性の「カフェイン中毒死」の事故でした。

 カフェインの大量摂取による死亡は非常にまれといわれても、実際に死亡例がでてしまうと、心配になります。自分にとっての安全なカフェイン量とはどのくらいなのでしょうか。

■眠気をはらい、集中力を高めるカフェイン、取りすぎると…

 カフェインは、コーヒー豆、茶葉、カカオ豆、ガラナなどの成分で、それらを原料とするさまざまな飲料や食品に含まれています。また、抽出されたカフェインが、食品添加物としてコーラなどに使用されています。

 カフェインは、中枢神経系を興奮させて眠気をはらい、集中力を高めるといった効果をもたらします。一方で、摂取しすぎると、頭痛、心拍数の増加、不安、不眠、嘔吐(おうと)、下痢などを引き起こします。妊婦の場合には、流産のリスクが高まったり、胎児の発育が阻害されたりする可能性があります。

 繰り返しカフェインを摂取していると、体が反応しにくくなり(カフェイン耐性)、より多くのカフェインを求めるようになります(カフェイン依存症)。そうなった時点でカフェインの摂取をやめると、頭痛、眠気、神経過敏、便秘、うつ、悪心・嘔吐、不安、集中力の低下といった離脱症状が現れます。

■安全に摂取できるカフェインの量は、体格によって異なる

 悪影響を心配することなく、日常的に安全に摂取できるカフェインの量はどのくらいなのでしょう。厚生労働省と食品安全委員会によると、日本では、カフェインの食品添加物としての使用量や、1日当たりの摂取許容量の基準はありません。現在、食品安全委員会などが、カフェインの健康被害に関する情報を収集している段階です。一方、海外のいくつかの国は、成人が摂取しても体に影響がないとみられる1日当たりの最大摂取量を設定しています。

 表1は、欧州食品安全機関(EFSA)が2015年5月27日に発表した、カフェインの安全性に関する科学的意見書に記載されている、健康な成人が摂取しても安全と考えられるカフェインの量を示しています。体重によってかなりの幅があることが分かります。

表1 欧州食品安全機構(EFSA)が、健康な成人が摂取しても安全とみなしたカフェインの量

安全とみなされる量

成人:1回に3mg/kgまで
体重40kgの人なら1回120mgまで
体重60kgの人なら1回180mgまで
体重80kgの人なら1回240mgまで

成人:1日に5.7mg/kgまで
体重40kgの人なら1日228mgまで
体重60kgの人なら1日342mgまで
体重80kgの人なら1日456mgまで

小児~青年:1日に3mg/kgまで
体重40kgの人なら1日120mgまで
体重60kgの人なら1日180mgまで
体重80kgの人なら1日240mgまで

妊婦・授乳婦:1日200mgまで

参考文献:EFSA explains risk assessment. Caffeine

 続いて表2で、日常的に摂取している、または摂取する機会がある製品のカフェイン含有量を確認してください。
表2 主なカフェイン含有製品とカフェイン含有量(その1)

飲料/食品/薬剤
カフェイン量
備考

レギュラーコーヒー抽出液
約60mg
100mL当たり

インスタントコーヒー
約60mg
同上(粉末2gを溶かす)

ピュアココア(無糖)
約10mg
同上(粉末5gを溶かす)

ミルクココア(加糖)
微量
同上(粉末20gを溶かす)

玉露
約160mg
同上

煎茶
約20mg
同上

紅茶
約30mg
同上

ウーロン茶
約20mg
同上

コーラ
10~19mg
同上

ミルクチョコレート
25~36mg
100gあたり

高カカオチョコレート
68~120mg
同上

カフェインサプリメント
200~600mg/日
輸入品

燃焼系サプリメント
100mg/日
国産品

缶コーヒー
100~150mg/本
ショート缶

エナジードリンク
22~142mg/本

栄養ドリンク
30~50mg/本
ほとんどが50mg/本

眠気覚ましドリンク
100~150mg/本

(社団法人全日本コーヒー協会、五訂増補日本食品標準成分表、飲料会社、国民生活センター、製薬会社などが提供している情報に基づく)

表2 主なカフェイン含有製品とカフェイン含有量(その2)

薬局で買える製品
カフェイン量(1回量、1日に使用可能な最大量)
備考

眠気予防薬
 錠剤
 100~200mg/回、300~500mg/日

 口腔内速崩壊錠(SP錠)
 167mg/回、500mg/日
 水なしで飲める

 ドロップタイプ
 167mg/回、500mg/日
 水なしで飲める

 顆粒
 200mg/回、200mg/日
 水なしで飲める

 アンプル剤タイプ
 200mg/回、200mg/日
 20mL/本

 ドリンク剤タイプ
 200mg/回、200mg/日
 50mL/本

総合感冒薬
25mg/回、75mg/日
ノンカフェイン製品あり

解熱鎮痛薬
80mg/回、240mg/日
ノンカフェイン製品あり

鼻炎用カプセル
100~150mg/日
ノンカフェイン製品あり

(社団法人全日本コーヒー協会、五訂増補日本食品標準成分表、飲料会社、国民生活センター、製薬会社などが提供している情報に基づく)

 いかがでしょうか。表1と表2を参考にすると、体重が40kg程度の痩せた女性では、缶コーヒー1本、またはエナジードリンク1本でも、安全な1回量を超えてしまうことが分かります。鎮痛薬などの市販薬を買うときは、ノンカフェインの商品を選んだほうが良いかも知れません。また、薬局で購入できる眠気予防薬は、カフェイン含有量が群を抜いて高いことに注意が必要です。

 カフェインの半減期(*1)は4~6時間です。安全な1回量以下でも、短時間のうちに繰り返し摂取すると、体内にあるカフェインが代謝・排せつされる前に新たに取り込まれることになるので、血中濃度が上昇することに注意してください。

*1 体内で代謝されることにより、血中濃度が半分に低下するまでに要する時間

■カフェイン感受性が高い人は“安全量”でも不眠や頭痛が出現

 さらに注意してほしいのは、個人差です。表1はあくまで参照値で、同じ体格なら安全なカフェイン量も同じとは限りません。なぜなら、カフェイン感受性は人ごとに異なるからです。もし、表1に記載されているより少ない量を摂取した後に不快な症状を感じたら、あなたはカフェイン感受性が高いといえます。健康な成人には有益な量のカフェインでも、感受性の高い人には不眠や頭痛などの害をもたらします(カフェイン不耐症)。

 カフェイン感受性に影響を与える要因としては、年齢、病歴、医薬品の使用、心身の健康状態などが知られており、子どもはカフェインに対する感受性が高く、女性より男性の方が感受性が高い可能性も示されています。さらに近年、いくつかの遺伝子がカフェイン感受性レベルに関係していることが明らかになりました。

 たとえば、日本人においては、4人に1人が、カフェイン150mgを摂取した後に、不安感が高まる等の害が現れる可能性が高い遺伝子を持っていることが示唆されています(筑波大学技術報告. 2011;31:33-38.)。

 また、米国人12万人を対象に、カフェインを摂取したときの反応と摂取量に関係する遺伝子を探した研究では、カフェインの代謝にかかわる遺伝子など、計6個の関与が明らかになりました(Molecular Psychiatry. 2015;20:647-656.)。

■非常にまれだがカフェインアレルギーも起こりうる

 最後に、極めてまれではありますが、カフェインに対するアレルギーの患者が日本で報告されています。カフェイン摂取後にアナフィラキシー(*2)を経験したそうです(Asia Pac Allergy. 2015;5:55-56.)。アレルギーになったら、ごく微量の摂取でも症状が起こる危険性があります。

 すでに日常生活になくてはならないものになっているカフェインですが、安全とされている量が意外に少ないことに驚いたかと思います。取りすぎは健康被害をもたらすことを忘れずに、その利益を上手に引き出すことが大切です。

 *2 蕁麻疹(じんましん)、皮膚のかゆみなどの皮膚症状、咳(せき)、ゼーゼー、くしゃみ、息苦しさなどの呼吸器症状、目のかゆみ、唇の腫れなどの粘膜症状、血圧低下などの循環器症状が組み合わさって出現する
※参考文献:食品安全委員会 ファクトシート 食品中のカフェイン


いずれの記事も大西淳子
医学ジャーナリスト


[日経Gooday 30+]

Posted by nob : 2017年09月26日 09:25