歯の健康Vol.3/歯と歯茎と舌の状態は健康のバロメーター。。。Vol.2

■歯周病という身近な病気の恐ろしすぎる真実
成人の8割がかかる国民病を甘く見るな

小林 保行
歯科医師/キーデンタルクリニック院長

真冬の風物詩でもあり、流行のピークを迎えているインフルエンザ。学校や職場でマスクをする人も増えてきて、日本全国を見渡すと学級閉鎖を余儀なくされている地域もあります。空気が乾燥しやすい季節でインフルエンザに限らず、ノロウイルスなどの細菌・ウイルスによる感染症の警戒ムードが高まっています。

一方、インフルエンザやノロウイルスのように突発的なニュースにはなりにくいものの、厚生労働省の調べによると成人(30~64歳)の7~8割がかかっているとされる感染症をご存じでしょうか。それは「歯周病」です。筆者は歯科医師としての知見や経験を基に、歯や口周りの情報を「ムシバラボ」というサイトで発信していますが、その中でも強く訴えていることのひとつが、歯周病の予防と治療の重要性です。

歯が抜けるだけではない!? 歯周病が及ぼす影響

そもそも歯周病とは何でしょうか。耳にしたことがあっても、正しく知っている人は少ないかもしれません。日本歯科衛生士会ホームページより概要を抜粋しますと、「歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨で構成される歯周組織が、口の中の細菌感染によって破壊される慢性炎症性疾患のこと」で、成人だけではなく小・中学生などの若年層も多く罹患しているとされています。

適切に歯磨きができていないと、健康な歯ぐき(歯肉)に炎症が起こり、それを改善しないまま深部の歯周組織まで炎症が波及すると、歯と歯肉の境目の溝が深くなり、歯周ポケットが形成されます。これが重症化してしまうと歯がぐらつき始め、残念ながらたくさんの歯を失ってしまうことになりかねません。しかも歯をしっかり磨いていても、気づかずに歯周病になっている人がかなり多いのです。

歯周病を「単に歯が抜けるだけの病気」と片付けてしまうのは大間違いです。最近の研究で歯周病は全身に悪影響を及ぼすことがわかってきているのです。特に糖尿病と密接な関係があるほか、突然死の原因になりかねない心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めたり、失明や手足の切断につながるような重症になってしまったりするのです。

歯周病菌を顕微鏡で観察すると、粒状の物やヘビのようにクネクネ動くものなどさまざまなタイプを無数見ることができます。ある研究によるとこの種類と数が増えるほど歯周病の症状は悪化するようです。ありふれた細菌として見過ごされてきましたが、最近はこの歯周病菌が「さまざまな病気と密接にかかわっているのではないか」と世界中の研究者から報告されています。

恐怖のスパイラルを作り出す! 糖尿病と歯周病の関係

まずは糖尿病です。頻尿や喉の渇き、倦怠感のほか足がつるのは糖尿病の症状。食べ物が歯に挟まる、歯ぐきから出血するのは歯周病の症状です。この2つの病はお互いを悪化させていくという恐怖のスパイラルを作ります。

何がお互いを悪化させてしまうのでしょうか? そのメカニズムを説明しましょう。歯周病になってしまったことで形成された歯周ポケットに歯周病菌が溜まってしまうのが発端となります。ここに免疫細胞である白血球が菌を退治しに集まってきます。

この時、白血球が歯周病菌の出す毒素に触れることで、「TNF―α」と呼ばれる阻害物質を出します。これが血液中のインスリンの働きを妨げてしまう作用があるのです。インスリンは健康な人の体内で変動する血糖を適度に調整する役割があるのですが、この働きが低下すると、糖尿病の症状が悪化してしまうことがあります。

そして糖尿病が悪化すると血糖値が高くなり、今度は歯ぐきの毛細血管の血流が悪化して、血液が行き渡らず歯周病菌を退治できなくなってしまいます。こうして歯周病による歯ぐきの炎症が糖尿病を悪化させ、さらに歯ぐきの炎症を進行させる――。という悪循環に陥りかねません。わずか半年で重度の糖尿病で倒れてしまった患者もいるぐらいです。

逆に糖尿病患者に歯周病菌を減らす治療をしたところ、それまでよくならなかった「ヘモグロビンA1c」と呼ばれる過去1~2カ月の血糖値の状態を示す指標が劇的に改善して、症状がよくなったケースが報告されています。

歯周病菌が血管内に入ると血栓ができやすくなり、突然死を引き起こしかねない心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めるという研究結果も出ています。歯周病菌は心筋梗塞の原因である動脈硬化を進行させることがあるのです。

メカニズムを説明しましょう。口の中に住んでいた歯周病菌は、食事中などで傷ついた口の中の粘膜の毛細血管から血管内に入り込みます。その歯周病菌の刺激により動脈硬化を誘導する物質が出てきて、血管内にプラークと呼ばれるお粥状の沈着物ができることで血液の通り道が狭められ、心臓の冠動脈を硬化させると言われています。このことはヒトの大動脈の動脈硬化症と呼ばれる患者さんの血管の中から5~20%ぐらいの割合で歯周病菌の遺伝子が見つかっていることからも確認されています。

難病・バージャー病の患者は歯周病も診断されていた

もうひとつ、おそろしいのは「バージャー病」という聞き慣れない病気と歯周病の関係です。手足の末端の血管が詰まり、炎症がおき、皮膚に痛みや潰瘍を起こし、最悪の場合は手足を切断しなければならないこともある病気です。

実はバージャー病にかかったすべての患者が歯周病だと診断され、その進行度合いは中度から重症です。痛み、または潰瘍がある部分の血管から採血し、検査を行った結果、血液からは歯周病菌が検出された一方で、正常な箇所からは歯周病菌が検出されませんでした。

歯周病菌は血栓をつくりやすく、皮膚の内側の細胞に進入するとの報告がされています。口の中にとどまらず、体全体に行ってしまい、最悪の場合バージャー病を引き起こすとみられます。これが心臓の近くで起これば心筋梗塞、脳の近くで起これば脳梗塞となる可能性があるのです。

このように放置できない歯周病を予防・治療するにはどうしたらよいでしょうか。まず基本は歯磨き=ブラッシングです。歯と歯ぐきの間を意識して、1 本1本丁寧に磨く意識が必要です。こまめなうがいも欠かせません。一度のうがいでお口の中の細菌がかなり出て行くと言われています。ガラガラうがいだけでなくブクブクうがいもこまめに行いましょう。

とはいえ、毎日しっかりブラッシングしていても、必ず歯石はついてきます。目安としては3カ月に1回、つまり季節ごとに定期検診を受診して歯石を取っていくのが理想です。しっかりと定期的な検診で歯のクリーニングを行い、口の中全体の細菌数を減らすことが免疫力の低下を防ぐことにもつながります。

[東洋経済ONLINE]

Posted by nob : 2017年07月27日 12:01

歯の健康Vol.2/歯と歯茎と舌の状態は健康のバロメーター。。。

■頭痛、肩こり、腰痛の原因は「舌」かもしれない
噛み合わせの悪さが引き起こす体調不良

安藤 正遵
安藤歯科クリニック院長

原因不明の体調不良に悩んでいませんか

「長年、原因不明だった頭痛や肩こりが嘘のように消えました」。筆者が経営する歯科クリニックの患者Aさんは、喜びを口にしました。

頭痛や肩こり、慢性疲労、腰痛など、はっきりとした原因がわからず、なんとなく体が不調だという人は少なからずいます。これを専門的には「不定愁訴」といい、一筋縄では治療できないとても難しい症状とされています。整体や鍼灸などで改善しようとしている患者も少なくないようです。

一方、私は長年の研究と実体験から歯科治療のノウハウが不定愁訴の改善に有効性を示すケースをいくつも知っています。治療から15分足らずで症状が改善した例もあるほどです。ポイントは噛み合わせと「舌」の位置。実際に1996~2013年までに私の経営する歯科クリニックで噛み合わせ治療を行った295人のうち、76%が偏頭痛を、67%が首のこりを改善するなど、さまざまな症状に対する有効性を示しました。無気力、難聴、背中の痛み、肩こり、腰痛などが改善した人も少なくありません。

つらい不定愁訴は、下あごの位置のズレが原因になる場合があります。下あごにズレが生じると頭蓋骨が傾き、首や肩や脊椎のバランスが崩れます。これが不定愁訴に繋がります。

その下あごのズレは、どのようにして引き起こされるのでしょうか。歯科大学では、上下のあごの位置は歯で決まると教えられています。しかし、私はこれまで300人以上の患者さんの噛み合わせ治療を行う中で、この理論に疑問を抱いてきました。

今、これを読んでいるあなたは、つねに上下の歯を食いしばっているでしょうか。答えは「ノー」だと思います。私たちの上下の歯は、食べ物を噛むとき以外は触れ合ってはいません。2mm程度の隙間が空いた状態をキープしています。普段は、下あごは咀嚼筋群という噛むための筋肉によってブランコ状態となっているのです。

歯が下あごのズレの原因でないならば、本当の原因は何なのでしょうか。そうです、その理由が「舌」なのです。「歯並びが悪い」「かぶせものをしている」などの理由で、舌が収まるスペースが狭くなったり、鋭利な歯が舌にストレスをかけていたりすると、舌はつねに緊張した状態を強いられることになります。その舌の状態によって、下あごの位置は左右されているのです。

以前、右下の歯が舌側へ倒れ込むように生えている症例を目にしたことがあります。舌は刺激を避けるために、左へ逃げるようになり、それにともなって下あごも左へずれていました。大きな歪みが生じ、頭痛や腰痛などの体の不調も抱えていました。

歯のアーチが小さく、歯が直立して生えることができずに舌側に倒れ込んでいる症例の治療にあたったこともあります。舌に歯がめり込んでいる状態のため、舌が受けるストレスが相当なもので、不定愁訴の症状も重度なものでした。

戦後、食生活が改善し、飽食の時代に突入したことにより、現代人の歯は変化しました。そのさまざまな変化により、現代人はあごのズレを引き起こしやすくなっています。

あごのズレを引き起こす原因

あごのズレを引き起こす原因は以下の4つが挙げられます。

①歯が大きくなった

現代は栄養状態がよくなったため、日本人の平均身長は50年前に比べて1.08倍になり、それにともなって歯も大きくなりました。歯が大きくなれば、必然的に舌の収まるスペースは狭くなり、舌へのストレスは増大します。

②あごが細くなった

食生活の変化により、噛む回数が減ったことで、現代人のあごは細くなりました。現代人の咀嚼回数は縄文時代の7分の1にまで減っています。あごが細くなったことで、舌の収まるスペースはますます狭くなっているのです。あごが小さくなったため、歯がきれいに収まらず、舌側に倒れ込んでしまう傾向にあります。

③歯が尖っている

現代人はやわらかいものを食べる機会が多いため、歯がすり減らずに尖っている傾向にあります。歯が尖っていると、舌は口の中でつねに緊張状態になり、下あごのズレにつながるのです

④舌の肥大化

現代では、熱中症や健康維持のために水を飲むことを勧める傾向にあります。水を飲むこと自体はいいのですが、舌は血管が豊富な組織のため、体内の水分量に敏感に反応します。水分過多になると、舌も大きくなる傾向にあります。

このように、現代の食生活の変化により、舌が置かれている口内環境は悪化の一途をたどってきました。舌の収まるスペースが狭くなり、さらに舌の肥大化も相まって、下あごのズレが引き起こされています。現代では、ほぼすべての人が何らかの形で舌にストレスをかけているといえます。まさに、下あごのズレとそれにともなう不定愁訴は現代人特有の現代病だといえるのです。

下あごのズレが原因の不定愁訴は、舌が歯から受けるストレスを取り除くことで症状を改善させることができます。私の経営する歯科クリニックでは、わずかに歯を削ることで舌のストレスを無くす独自の咬み合せ治療を実施しています。

従来の咬み合せ治療では、歯の矯正やマウスピースを活用していましたが、その治療法では、歯と舌の関係に問題がある場合は改善ができませんでした。そこで、舌の問題を解決するため、歯の高さだけでなく、大きさ・傾き・尖り具合・被せ物の状態など総合的に診たうえで治療を行っています。

この治療法では、舌のストレスを大幅に取り除くことが期待できます。治療の際は、歯の一番外側のエナメル層を0.1~0.5ミリ程度削って調整します。エナメル層には神経が通っていないので、治療には痛みはありません。早い人は、治療後15分程度で不定愁訴の症状改善を実感できます。他ではどうしても治らなかった不定愁訴の原因を解消し、症状の改善が見込めるのです。

もし、あなたが原因不明の体調不良に悩まされているなら、下記の項目にどれだけ当てはまるかチェックしてみてください。

チェックしてみましょう
□ 噛んだ時のカチカチ音が小さいか、二重音である
□ 首か肩がいつもこっている
□ 口が開きにくい
□ 口を開けるとあごが痛い
□ 口を開けるとあごで変な音がする
□ 腰痛がある
□ 胃腸の調子が悪い
□ 歯ぎしり、食いしばりがある
□ いつもあごの周りの筋肉がこっている
□ 歯科で詰めたかぶせものが高いと感じている
□ 口の中で歯の尖りや邪魔を感じる

【チェック判定】
当てはまる項目の数
●3個未満 噛み合わせの影響は少ないようです
●3~5個 噛み合わせが影響しています
●5~7個 不調は噛み合わせからもきています
●8個~ すぐに咬み合わせ治療を受けることをお勧めいたします

医療機関で治療を試みたにもかかわらず、効果が見られない肩こりや腰痛、偏頭痛、慢性疲労などの症状をお持ちの人は、一度、噛み合わせを疑ってみる必要があるかもしれません。

[東洋経済ONLINE]

Posted by nob : 2017年07月23日 17:41

歯の健康/へえっ〜(驚)

■注意!その体の不調、銀歯が原因かもしれない
アレルギー性皮膚炎や脱毛症だってありえる

小林 保行
歯科医師/キーデンタルクリニック院長

あなたは虫歯を治療したことがありますか?

心当たりのある人の多くは、口の中に金属の詰め物が入っているかもしれません。いわゆる「銀歯」と呼ばれるアレです。

金属のアクセサリーをつけてかぶれてしまう人は、「自分は金属アレルギーじゃないか?」と自分で気づきやすく、アクセサリーをつけることを極力控えることでしょう。歯科治療においても金属はよく使われていますが、この歯科金属も例外なく金属アレルギーを引き起こすことがあります。

ところが、問題は歯科金属がアレルギーの原因になっていても自分では気づきにくいということにあります。自分で気づかなければ対処のしようがありません。筆者は歯科医師としての知見や経験を基に、歯や口周りの情報を「ムシバラボ」というサイトで発信していますが、その中でも強く訴えていることのひとつが、歯科金属アレルギーのこわさです。その特徴や症状、またその対処法について詳しくご説明していきます。

歯科金属アレルギーの特徴

歯科治療では、詰め物やかぶせ物以外にも根の治療後につける土台や、ブリッジ、入れ歯などありとあらゆるものに金属が使用されています。この歯科金属アレルギー患者が日本で年々増加しているという報告があります。

①歯科金属がアレルギーの原因になっていても気づかれにくい

皮膚に身につける金属アレルギーと違うのは、「口の中だけでなく、金属の触れていない全身にも症状が出ることがある」というところです。そのため、症状の原因が歯科金属アレルギーと分からずに苦しんでいる人も少なくありません。

②保険の金属は口の中で錆びやすい

保険で使われている金属は、高温多湿の口の中では錆びて唾液に溶け出してしまいやすいという欠点があります。その溶け出した金属イオンが体のタンパク質と結びついてアレルギー源となってしまいます。

③長年入れていることで体内に蓄積される

口の中に入っている金属は何年、何十年と入りっぱなしになるため、溶け出した金属は体に蓄積され、それが過剰になることでアレルギー反応が起こるとされています。

④2種類以上の金属が入っているとアレルギーになりやすい

口の中でよく使われる金属にはパラジウム、ニッケル、コバルト、銀などがあります。口の中に種類の違う金属が入っていると、微弱な電流である「ガルバニー電流」が発生し、アレルギーが起こりやすくなることがわかっています。

⑤口の中に炎症があると金属アレルギーが起こりやすい

重度の歯周病や口内炎などの炎症状態が続いているお口の中では特に金属がイオン化しやすく、金属アレルギーを起こしやすいと言われています。
口の中・周囲だけでなく全身にも出る

そして、歯科金属アレルギーの症状は口の中やその周囲に出る場合と、全身に出る場合の2つに大きく分けられます。

口の中・周囲に出る場合は、唾液に溶け出した金属イオンが口の中や周囲にアレルギー反応を起こします。次のような病気があります。

●口内炎・舌炎

口内炎が頻繁にできたり、舌に炎症を起こすことがあります。

●口唇炎・口角炎

唇の周りが赤くただれたり、口の両端(口角)が赤く炎症を起こして切れたりすることがあります。

●口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)

口の中の粘膜(特に頬っぺたの粘膜)に白い線状、レース状、網目状の模様が現れ、周囲が赤くただれます。触れるとピリピリ痛むことがありますが、無症状の場合もあります。

●味覚障害

アレルギー反応が舌の表面の味の受容体(味蕾)に起こると、味が分かりづらくなることがあります。

全身に出る場合は、体に取り込まれた金属イオンが体内のタンパク質と結合してアレルゲンとなり、汗として排出されるときにその皮膚の表面でアレルギー反応を起こします。重篤化すると鎮痛剤も効かないくらいの痛みを伴う状態になることもあります。

●掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは手のひら、足の裏に多数の膿疱ができる難治性の慢性炎症性疾患です。膿疱は数日で乾燥し、黄褐色となりぽろぽろと皮がめくれてきます。 爪にも膿疱が出来ることもあり、爪が分厚く変形したり、褐色に変色することもあります。掌蹠膿疱症は周りの人にうつることはありません。膿疱はウイルスや細菌によって起こるものではなく無菌性であるからです。また、家族で体質が似て発症することはありますが、遺伝することはないといわれています。

●アトピー性皮膚炎、湿疹

アトピー性皮膚炎、いわゆるアトピーは、花粉症などのアレルギー疾患とともに増加しています。アトピー性皮膚炎の原因としてダニやハウスダストなどが有名ですが、意外に知られていないのが歯科材料(特に金属)です。一般的な治療を行っても、改善が見られない場合は、歯科材料が影響している可能性があります。アトピー性皮膚炎の治療は、現在もなおステロイド外用剤を中心とした対症療法ですが、最も大切なのは原因を見つけ出し除去する事です。

●脱毛症

蓄積された金属が一定のアレルギー許容量を超えると、一気に髪の毛が抜けてしまうことがあることが分かってきています。銀歯による金属アレルギーから円形脱毛症を発症し、髪の毛がほとんど抜け落ちてしまったケースがあります。皮膚科で円形脱毛症と診断され、ステロイド剤による治療を行ないましたが、全く効果が出ず、別な医師による診断で、金属アレルギーであることが発覚し、お口の中の歯科金属を除去したところ、抜け毛が止まり完治に至ったというケースの報告があります。

どうやって治療すればいいか?

口の中に金属が入っていて、上記の症状に心当たりがある人は歯科金属アレルギーの可能性があります。そのような場合はまず、原因となっている金属を特定する「パッチテスト」と呼ばれる検査を行います。これは、皮膚の表面に金属を含んだ試薬を貼り付けて、アレルギーの反応が起こるかどうかを調べるものです。もしもそれでアレルギー反応の出た金属があれば、原因となる金属を全て取り除く必要があります。

原因となる金属を取り除いた後は、アレルギーを起こさない材料で詰め替えやかぶせ直しを行います。具体的にはプラスチックやセラミック、パッチテストで金属アレルギーを起こさないと分かった金属などです。金属アレルギーを起こさないような入れ歯や矯正治療の装置もあります。

もともとアレルギー体質の人、例えば花粉症や喘息、食物アレルギーなどがある人、またはアレルギー体質の人が家系にいる場合には金属アレルギーになりやすい傾向があります。ずっと治らない原因不明の皮膚のただれや湿疹などで悩んでいる人はもしかしたら歯科金属アレルギーが原因かもしれません。放置してしまうと全身へも症状が広がってしまいます。心当たりのある人は一度歯科医院で相談してみることをおすすめします。

[東洋経済ONLINE]

Posted by nob : 2017年07月23日 17:40

虫に刺され易く、また極端に腫れ易い私にとっては深刻な課題です。。。

■蚊、ネコノミ、ヒアリ… 虫に刺されたらどう対処?

夏秋優
兵庫医科大学皮膚科准教授

 蚊に刺された後のあのかゆみ。人によっては、長い間かゆみに悩まされます。虫刺され用の市販薬は数多く販売されていますが、どのように選べばよいのでしょうか。虫刺されに詳しい、兵庫医科大学皮膚科准教授の夏秋(なつあき)優先生に、蚊などの吸血性の虫の話を中心にお話を聞きました。最近話題のヒアリについても最後に少し触れています。「蚊などに刺されてかゆい場合は、保冷剤などで刺された所を冷やすと局所の感覚を鈍らせ、かゆみを感じにくくすることができます」と夏秋先生は話します。

■刺されてかゆい蚊はアカイエカ? ヒトスジシマカ?

 日本ではアカイエカやヒトスジシマカに吸血されることがほとんどですが、ヤブカの仲間のヒトスジシマカのほうが、かゆみや赤みといった炎症が強く出るのが一般的です。刺された部位による違いはあまりありませんが、例えばまぶたや指など、もともと炎症が起こると腫れやすい部位や、感覚が敏感な部位では、かゆみや腫れがひどくなります。

■炎症がひどい場合はステロイド

 蚊に刺された後、症状が軽い場合は自然に治るのを待つとよいですが、かゆみが強いときには、虫刺され用の市販薬で対処するとよいでしょう。

 炎症によるかゆみには、原因となるヒスタミンをブロックする抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミンなど)、スーッとした刺激でかゆみを感じにくくする清涼成分(l-メントールなど)の入ったものが有効です。かゆみが強いときや、もともと炎症が強く出やすい人は、炎症を抑えるステロイド(デキサメタゾン、プレドニゾロンなど)が入った外用薬を選びます。市販薬のパッケージには、有効成分が記載されているので、そこを参考にしてください。薬剤師や登録販売者に尋ねてもよいでしょう。

 もし、かき傷があるときは、清涼成分がしみて痛むことがありますが、必ずしも使わないほうがよいというわけではありません。多少しみる程度の刺激があるほうが、かゆみが和らいでよいという場合もあります。それぞれの好みで判断するとよいでしょう。

■かゆみがぶり返す人は予防的にステロイドを塗っておく

 刺されてすぐにかゆくなり、一度治まるが翌日再びかゆくなる「ステージ3」(表)の人は、刺されてすぐのかゆみが一旦治まった後に、ステロイド外用薬を塗ると、翌日に再び来るかゆみや赤みがかなり軽くなります。

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蚊を含む虫刺されに対する反応と日本人に見られやすい年齢の目安(夏秋先生による)

■爪でバツ印をつける、たたく、冷やす、温める…効果はある?

 薬剤を使わずにかゆみに対処するとき、いろいろな方法を見聞きします。爪で押さえてバツ印をつける、たたく、冷やす、蒸しタオルで温める、ばんそうこうを貼る、お茶のティーバッグや出がらしを当てる……果たしてこれらに本当に効果があるのか? と聞かれれば、「かゆみを和らげる」という意味では、効果があるといえるものもあります。

◇「爪でバツ印」は傷をつけない程度ならOK

 爪でバツ印をつけるというのは、私自身もやることがあります。これは、爪で刺激を与えることで、かゆみを痛みに替えて和らげているのです。ただしこの場合、かゆみから逃れることはできても、力を入れ過ぎて皮膚に傷をつけてしまうと、そこから細菌に感染する可能性があるという別の問題が出てくるので、注意する必要があります。

◇お茶の成分がかゆみを抑えるかは不明

 お茶のティーバッグや出がらしをのせるという方法は、お茶の渋みの成分であるタンニンに、炎症を抑える作用があるといわれていることからかもしれませんが、科学的な根拠による実証はされていません。

◇ばんそうこうはかゆみを抑えないものの、かき壊し防止に有効

 ばんそうこうを貼るという方法は、それでかゆみがなくなるわけではありませんが、かけなくすることで、患部を守ることになります。特に、子どもの場合はかゆみを我慢できずにかきむしってしまうと、傷から細菌が入ってとびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)になることも多いので、有効かもしれません。ただし、蒸れてしまわないように、通気性のある紙タイプのものを選ぶようにしてください。

◇保冷剤などで皮膚を冷やして感覚を鈍らせるのがベスト

 かゆみを抑えるのに一番よいのは、冷やすことです。冷やすと血管が収縮して、かゆみの神経伝達も遅れるので、局所の感覚を鈍らせ、かゆみを感じにくくすることができます。家庭などでは保冷剤を使ったり、外出時なら冷たい缶飲料を買ったりして、刺されたところを冷やすといいでしょう。

 人間の知覚には、「生命に危険を及ぼす感覚を優先する」という原則があります。極端な話をすれば、左手がかゆくてたまらないときに、右手を針で刺されたら、左手のかゆみは吹き飛びます。つまり、爪でバツ印をつけるほか、たたく、冷やす、温めるといったほとんどの方法は、かゆみに替わる刺激を与えることで、かゆみを感じにくくさせているのです。

■蚊をつぶしたときの血は、拭き取るか洗い流す

 「蚊をつぶしたらどうしたらいいか」ということも、よく患者さんから尋ねられます。吸血中の蚊に気づいてつぶしたとき、自分の血がついてしまったら、ティッシュなどで拭き取ります。

 飛んでいる蚊をつぶして、手に血がついた場合は念のため、せっけんで洗い流しておくといいでしょう。例えば、病院の待合室などで吸血して満腹になった蚊をつぶしたときは、その蚊がウイルス感染症の人の血を吸っていた可能性もあります。自分の手に傷があれば、感染のリスクはごくわずかとはいえ、ゼロとは限らないからです。

■蚊以外の虫に刺された場合はどう対処する?

 虫に刺された現場を見ていないと、赤みやかゆみが蚊によるものなのか、それ以外の虫によるものなのか、判断するのは難しいもの。人間が薄着になり、虫たちが活発に動き回る夏場は、蚊以外の虫に刺されることも少なくありません。

 今の時期に蚊刺されと似た症状が出るのが、ネコノミによる刺症です。ネコノミは、ネコやイヌの体に寄生して吸血します。特にノラネコの移動とともに、庭や公園などに発生していて、そこを通りかかると足元を刺されます。足首やすねのあたりに症状が集中していて、水ぶくれもできるような場合は、ネコノミの可能性が高いでしょう。素足にサンダル履きで出かけるようなときは注意してください。

 また、数日前に野山に出かけていたようなときはブユ(ブヨ)に刺された可能性もありますし、家にいて脇腹や下腹部、大腿部の内側などにかゆいブツブツなどの症状があるときはイエダニの可能性も考えられます。

 こうしたノミ、ブユ、ダニなど吸血性の虫(有害節足動物)に刺されたときは、基本的にはかゆみや赤みといった局所の炎症が主な症状なので、蚊と同様に対処すればいいでしょう。

 ただし、最近話題のヒアリやハチ、あるいはムカデといった虫の場合は、刺咬(しこう)による激しい痛みや腫れだけではなく、体質によっては「アナフィラキシーショック」と呼ばれる、命にかかわる恐れのある強いアレルギー症状が表れることもあります。刺されてから30分以内にじんましんや吐き気、腹痛、呼吸困難といった症状が表れた場合は、速やかに救急車を呼び、医療機関を受診するようにしてください。

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年07月23日 17:39

あくまで主治医は自分自身、、、自らの生を救えるのは自分自身だけとの覚悟をして初めて、医療スペシャリストたちや家族や友人といったサポーターたちを最大限有効に活用できる。。。

■小林麻央さんも悩んだ、日本のがん医療の「運任せ」な側面

窪田順生:ノンフィクションライター

乳がんで亡くなった小林麻央さんが度々、ブログで触れた「後悔」の思い。「もっと別の治療法があったのではないか」とは、多くのがん患者や家族たちが抱く思いなのだが、そもそも日本のがん医療は、病院や医師によって質のばらつきが大きく、運任せのような側面がある。

ステージ4でも回復する人も
なぜがん患者の明暗が分かれるのか?

 先月、34歳の若さで亡くなった小林麻央さんが闘病中に綴っていたブログは、人々の心にさまざまなメッセージを突きつけた。

 筆者が特に考えさられたのは、4月13日の「浪漫飛行」と題した記述である。

癌だって、ステージ1の時点で診断される人もいれば、気づいた時にはステージ4の人もいる。順調に治る人もいれば余命宣告から奇跡みたいに治る人もいて、そうでない人もいる。

良い方をみても きりがないし、悪い方をみても きりがない。良い方をみてしまうとき、私は、なぜここまでにならなければならなかったのかな、と思うことがありました。もちろん自分自身の過ち 積み重ねなどあるにせよ何故、順調に治っていく道ではなかったのだろう、と。

2010年の結婚から7年、34歳の若さでこの世を去った小林麻央さんの闘病ブログからは、一般人よりも遥かに金銭的に恵まれていても、必ずしも良い病院、医師に最初から出会えるというわけではない、ということが読み取れる

 筆者の周囲にも、がんが発覚してから、あっという間に亡くなってしまった人もいれば、ステージ4で余命宣告を受けてから奇跡の回復を遂げた人もいる。彼らの運命を分けた「差」は何だったのか、という思いがかねてからある。

 このような「がん格差」に、本人の決断が関係していることは言うまでもない。麻央さんもブログで、「あのとき、もうひとつ病院に行けばよかった あのとき、信じなければよかった」と綴っている。

 もし自分が「がん」を宣告された時、果たして悔いのない決断ができるだろうか。なにか「がん格差」を是正するような仕組みはないものか。そんなことをぼんやりと考えていたら、先日発売された『日米がん格差 「医療の質」と「コスト」の経済学』(講談社)の中に、自分なりの「答え」を見つけた。

日米でがん治療を体験した
著者の提案とは?

 筆者が見つけた答えが何なのかということを説明する前に、まずはこの仕組みを教えてくれたこの本について簡単に触れておこう。

 本書は米スタンフォード大学で医療政策部を設立し、医療ベンチマーク分析の第一人者として知られる医療経済学者・アキよしかわ氏が、医療ビッグデータに基づいて日米の医療を比較し、日米の「がん治療」を巡るさまざまな問題を考察している。

 それだけでも十分に興味深いのだが、さらにこの本の価値を高めているのは、筆者自身ががん患者だという点だ。日本とアメリカを行き来きしながら、自らが行ってきた「がん闘病」を赤裸々に語っている。

 2014年10月、アキ氏は「ステージ3B」の大腸がんを宣告される。がん研有明病院で手術を受けるも、その後の治療は、ハワイのクィーンズメディカルセンターで受けることとなった。家族と自宅はアメリカで、自分が設立した医療経営コンサルティング会社「グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン」が日本にあるということで、その中間点で治療をすることにしたのだ。

 この「日米両国でのがん治療体験」が、本書にさらなる深みを増している。医療経済学者という立場からの客観的なデータ分析をベースに、実体験に基づく調査も加わったことで、データから読み取ることができない、がん患者が直面する問題が浮かび上がり、その具体的な解決策まで導きだされているからだ。

 それこそが「キャンサーナビゲーション」である。

 アキ氏自身が「本当にこの本で紹介したいこと」と語り、日本にも導入すべきだと主張するこの制度について、端的に説明している箇所があるので、引用させていただく。

「これは現在、アメリカの医療現場で注目されているがん患者支援サービスのひとつです。ひと言でいうと、がんの闘病生活に必要な知識を有する専門家が、がん患者一人ひとりを個別にサポートする仕組みです。たとえば、低所得者層のがん患者が金銭的な問題から治療の継続を断念していた場合、キャンサーナビゲーションの担い手である「キャンサーナビゲーター(Cancer Navigator)」は患者の自宅を訪れてヒアリングし、本当に治療が困難か検討します。そのうえで、必要であれば医療の専門家、財務アドバイザー、地域の支援団体への橋渡しを行う――というようなサポートを行います」(P25)

 キャンサーナビゲーターは、がん拠点病院で研修を受けるが、治療法を提案したりすることはなく、あくまで患者自身を支えることに徹する。

 だから、身につける知識は、患者やその家族を「誘導」しないという、支援者ならではの「話法」や「表現」から、心の悩みに対する向き合い方、さらには怪しい治療法などの情報が溢れかえるネット上での「信頼できるサイト」の見極め方など多岐にわたる。

ビッグデータ解析で明らかに!
「日本の病院は当たり外れが大きい」

 小林麻央さんのケースからもわかるように、日本のがん患者とその家族は、「本当にこの選択でいいのか」という不安を抱えながら孤独な戦いを強いられる。あくまで決断するのは本人だが、その決断を後押ししてくれる「伴走者」がいない。だから、時に「あのとき、もうひとつ病院に行けばよかった」という後悔も生まれる。

 つまり、アキ氏が提言するように「キャンサーナビゲーション」という仕組みが日本にも導入されれば、「がん格差」に悩む人たちの苦しみが軽減される可能性があるのだ。

 そう言うと、「アメリカみたいな医療を受けられない人がたくさんいるような国ならそういうサポートも必要だろうけど、日本のような誰もが質の高い医療を受けられる国では余計な混乱を招くだけじゃない?」というような人もいるだろうが、個人的にはアメリカよりも日本の方が、この仕組みを必要としていると感じている。

 なぜかというと、アキ氏の専門分野である日米の医療ビックデータで分析してみると、実は日本の「がん医療」というのは、アメリカよりもはるかに「質」のバラつきがあるからだ。本書に詳しいデータが多く掲載されているので、ここでは詳述しないが、この現象をアキ氏は以下のように総括している。

「(アメリカの)多くの学会では病院のガイドライン遵守率を調査し、公表しています。その結果、アメリカの患者は等しく最新の標準治療を受けることができるようになっているのです。一方で、日本にも専門分野ごとの学会があり、それぞれの学会で診療ガイドラインを出しています。しかし、それが遵守されているかといえば、遵守率の調査は行われておらず、結果も公表されていないためわかりません。日本では、病院のやり方、医師個人の判断や経験に左右され、ガイドラインが遵守徹底されているとはいいがたい現実があるのです」(P85)

 もちろん、アキ氏は日本の医療の「質」が低いなどということを主張しているわけではない。むしろ、がん研有明に術後入院した際には、アメリカでは見られない日本の医療従事者の献身ぶり、特に看護師の役割の大きさを評価し、ベンチマーク分析では見えてこない、患者の「救い」となっていると指摘している。ただ、事実として、医師や病院の個人によっておこなわれている医療にバラつきが多いということを指摘しているのだ。

 要するに、当たり外れが激しいのだ。

金持ちであっても
「ハズレ医師」に会う

 よく日本の医療は「世界一」といわれる。その評価についてはここでとやかく言うつもりはないが、もし日本の医療が「世界一」だとしても、あなたの目の前にいる医師が「世界一」だという保証はないのだ。
医療ビッグデータによる分析とともに、著者自身が日米両国で受けたがん治療の実体験からは、日本のがん治療の弱点が見えてくる

 このように病院や医者ごとの格差の激しいがん医療を受けなくてはいけない日本人は、外れを少しでもリスクヘッジしなくてはいけない。

 かといって、がんになってから本人と家族が専門書を読み漁って勉強をしても間に合わない。患者とその家族が悔いのない決断をするための、正しい知識を提供してくれる「キャンサーナビゲーター」は、大きな手助けになるはずだ。

 さらに、「信頼できる相談相手」という存在も大きい。人生で初めての「戦い」を前に、心が折れそうになるのは当然だ。医師との話し合いももちろん大切だが、それ以外の「(正しい知識を身につけた)伴走者」がいてくれれば、患者本人のみならず、家族も心を落ち着けて、納得のいく方策を選び取っていくことができる。

 日本人にとって「がん」はもはや国民病であり、金持ちも貧しい者も関係なく誰もが等しくかかる。そして金持ちだからといって、「当たり医師」に診てもらえるとは限らないのだ。社会主義国家ではないので、経済的な「格差」はいたしかたないとしても、「がん格差」くらい国家の力で是正していただきたい、と思うのは筆者だけだろうか。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2017年07月12日 13:41

まずは(夫が結婚前から)一人ですべての家事をこなせる真の生活力を身に付けることから。。。

■妻が「お尻を拭いてもいい」夫の共通点5

熟年離婚で妻に“捨てられる夫”が少なくないが、一生添い遂げ「来世も一緒になろうね」と言い合える理想的夫婦もいる。その差は何か?

■妻に何の興味を持たれなくなる夫の共通点5
夫婦の危機というものは、30歳前後で結婚したとするならば、30代半ばくらいから始まり、長い時間の不平不満の熟成期間を経て、定年と同時に結論を迎える。これは「金の切れ目が縁の切れ目」ということを指すが、ここで「添い遂げる」という結論を下す女もまた多い。

なぜなら、妻は夫に全く興味がなくとも共に「生活」していくことが可能な生き物だからだ。夫に「あなたのことは嫌いなの」という本心を悟らせないように演技を続けて、最終的に夫の骨を拾うことも朝飯前でできてしまうのが女である。

幸せな男たちは何の根拠もなく「妻は夫である僕を永遠に好きでいる」という勘違いをして死んでいくのだ。

それはそれで八方丸く収まるので悪くはない。悪くはないが、できれば、妻も夫も相思相愛。「来世も一緒になろうね」と言い合えるカップルが理想であることには違いないので、今回は「妻から愛され続けるために」もっと言えば「遠い将来、妻があなたのお尻を拭いてくれるようになるために」というテーマで綴ってみたい。

マザー・テレサの有名なお言葉に「愛の反対は無関心」というものがある。あなたの妻が今現在、毎日のようにあらゆる日常の不平不満をあなたにぶつけてきたならば、まだあなたは愛されている段階にある。

しかし、あなたがこの段階を華麗に「右から左で受け流す」ならば妻の愛は急速に冷めるだろう。妻がある日、突然、文句らしい文句を言わなくなったなら、もうそれは夫婦関係のレッドカードを指している。あなたにとってはいきなりのレッドカードかもしれないが、妻にしてみれば何百枚ものイエローカードを提示済みなのである。

この段階で妻はあなたに関する興味を生涯に渡って失くす。では、一体どういう夫が見限られるのかのパターンを示そう。

■妻の話を聞き続ける体力なき夫はアウト
(1)共感能力が皆無な夫
夫婦には「共感」と「共有」がマストだと思うが、特に子育て期においては夫の「共感」があるかないかが最も重要になる。

私ごとで恐縮であるが、息子が3歳のときに娘が生まれた。そのときに私はご近所トラブルを抱えていたのだ。毎朝、毎朝、近所の4歳児が家に遊びに来ては夕方まで居付くという事態に見舞われたのだ(この顛末にご興味がある方は、筆者のブログ「湘南オバちゃんクラブ」内の記事 http://to-rinko-houmonki.blogspot.jp/2016/01/blog-post_12.html にどうぞ)。

当然、私はその木村さんという名のご近所さんに憤激したが、私は外面が異様に良いので、このトラブルを上手く回避することができなかったのだ。そこで、そのストレスを少しでも軽減するために、夫の夕飯時を見計らって「今日の出来事」として木村さんの「今日の罪状」をご報告申し上げる日々を送っていた。

そうしたら、ある日、夫がこう言ったのだ。
「頼むから、木村さんをオカズにするのはやめてくれ!」

私はそこでひとつの結論を下した。
「この人に言っても無駄!」

そのことが多分に影響して、以降、夫に「わかってもらおう」という気持ちがなくなった。「共感なき人」には期待もしない。愛の対極にある「無関心」に一歩、駒を進めるには「共感」しなければいいのである。

(2)結論ありきで話す夫
以前、どこかの夫婦のお悩み相談の回答で「夫は妻の悩みにはわからないなりに真剣に答えましょう」とあったのを見たが、笑ってしまった。そんなの火に油で逆効果なのに、なんでそう回答するのかなぁ? と思ったのだ。

女は結論なんて欲してない。ましてや事情もよく知らない夫に「答え」なんて求めちゃないのだ。欲しているのは「民謡の合いの手」だ。

「はぁ〜、それからどした?」「ハ、ヨイヨイ、ヨーイトナ」「ドッコイ、ドッコイ」

くらいの絶妙な合いの手で、思い切り歌い切らせてもらいたいだけだ。ただそれだけでいいのに男は余計なことをする。

よくあるケースが妻が話し出した途端に、不機嫌度マックスで「だから結論を言え! 結論を!」と言う夫である。絶対、女にもてないタイプだ。なぜなら、女の話に「結論」はないのだから。

こういう夫を持つと余計に話がこじれるので、妻は何も言わない、相談しない、という方向に舵を切る。

もし、あなたが玄関先で妻に笑顔で「はいはい、わかったから、行ってらっしゃい」と言われるならば、もう相当アウトに近いのだ。

■病床の妻に「俺の飯は心配するな」で離婚
(3)基本的会話ができない夫
最近、うちの近所の自動車ディーラーの営業さんに赤ちゃんが生まれた。お祝いがてら「どんな子育て方針なのか?」を聞いてみた。そうしたら彼はこう言ったのだ。

「おはよう、おやすみ、ありがとう、ごめんね、この4つが言えれば、もう生きて行けると思うので、それだけですね」

大いに共鳴したが、大人になると、家族に対してだけできなくなる男が増えるのはなぜだろう。特に「ありがとう」という発声方法は忘れ去られる運命にある。

妻は我が子が誰かから何かをしてもらった瞬間に「なんて言うの?」と声をかけながら子育てをしているのに、夫にもしないといけないのかと思うだけで気が重くなるというものだ。

大人を躾け直さなければならないなんて、結婚したとき、誰が考えただろう。

(4)自分のことしか考えない
「中学受験をすると離婚が増える」というのは私の発した格言だが、何か家族の一大事に自己中心的な態度を取られた妻は夫の行状を忘れない。

例えば、何の協力もしなかったくせに合格発表のときだけ参加して、手柄を横取りするタイプに代表される。もっとありふれた例を出すならば、妻の病気のときに「寝てろよ! いいよ、いいよ、高熱なんだから、俺の飯は心配しなくて!」と言い放つ夫である。

その瞬間、妻の脳裏には「離婚」の2文字が浮かぶだろう。こういう夫を持つと始末が悪い。「病気の妻にやさしくできる俺さま」に酔っている分、悲惨度がレベルアップする。まだ「俺の飯はどうなるんだ?」の方がマシである。

これの何がいけないのかがわからない御仁に模範解答を教えて差し上げるならば、こうである。

「頑張り過ぎちゃったから、神様が休めって言ったのかな? いつも家族のために頑張ってくれてたからだな……。何が食べたい? 俺、自信はないけど○ちゃんが食べたいもの、作ってみるから。栄養付けて、早く良くなってくれよ! もちろん、片付けもバッチリやるから、安心して寝てろよ!」

解説しよう。正しいステップは次の通りだ。

(A)病気になったということを肯定し、まずは妻の罪悪感を払しょくする
(B)日ごろの妻の苦労をさり気なく労う
(C)自分に出来ることはやらせてほしいというアピール
(D)大事な人の一大事と捉え、家族としての愛情を示す
(E)早期回復を願って、万全の態勢で安静状態を作ろうとする心意気

これらA〜Eのステップを踏んだ気持ちを入れ込むことが大切である。

人は弱っていれば弱っているときほど「自分のことだけを心配してくれる」人を欲する生き物なのだ。

それなのに、この期に及んで、弱っている者を奈落に突き落とす夫のなんと多きことだろう。

■向田邦子が描いた「昭和の夫」は絶滅したのに
(5)おもしろみのない夫
結婚する前はとても楽しい会話をしてくれた男が結婚後に豹変するのはよくあることだ。妻に対してだけの「無口」で「無表情」な男に変身し出す。

目の前にいるはずの人に受け入れてもらえないという状態はやがて2人でいてもひとりでいる以上に寂しいという結論を導き出す。

妻の髪色の変化にも気付かず、お洒落をしたとしても何も言わない。

判を押したように決まった時間に出かけ、決まった時間に帰り、何も言わずに黙々と妻が作った飯をむさぼり、そのまま寝ころび、テレビのチャンネルを頻繁に変えながら、やがてそのまま寝落ちする。

「この人と居ても楽しくない」

そう感じた妻はやがて面白いと思う自分だけの世界を開拓していくだろう。その世界にあなたは存在しない。向田邦子が描いた「昭和の夫」は絶滅したのだ。あなたは「平成の夫」を生き抜かなくてはならない。

以上、代表的なケースを5項目挙げてみた。

妻の「愛」を末永く望むのであれば、妻を中心とした家族に「関心」を持ち続けることだ。それには日々の出来事を妻と「共有」し「共感」することが大切になる。逆に言えば、これさえできたなら、あなたは結構幸せな人生を歩んだと今際の際に思えるだろう。

(エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー 鳥居 りんこ)


■家事を「手伝う」から、妻はイラつく

日本の夫の家事時間は、欧米の夫の半分以下。共働き世帯が増える中、これは大問題だ。家事=妻の仕事という考えを、どう捨てればいいのか。日本総合研究所のアナリスト・小島明子氏が考察する――。
■なぜ、家事を「やらされている」と感じるのか?
内閣府によれば、欧米諸国で、6歳未満の子どもを持つ夫が家事に費やす時間は下記のようになっています。

・スウェーデン3.21時間
・ノルウェー3.12時間
・ドイツ3時間
・アメリカ2.58時間
・イギリス2.46時間
・フランス2.30時間

これに比べ、日本は1.07時間。

家事時間という点からみても、男女の家事負担には、未だに大きな差があることが窺えます。女性が仕事と子育てを両立させながら就業を継続する、あるいは、一度、子育てなどを理由に離職をした女性が再就職を行うためには、男性の家事参画をより一層進めることが求められています。

本稿では、国民生活産業・消費者団体連合会(以下、生団連)(*注1)が製作した、『男の「ちょいカジ」マニュアル』(2016年12月発行)(*注2)について、生団連 事務局長・佐藤聡司氏、業務部長・佐原信雄氏、新東通信 プロモーションプランナー・八木啓太氏にご協力をいただき、子育て夫婦の家事分担を成功させる秘訣について、夫ができることを考えてみます。

*注1:生団連は、平成23年に設立された、産業界と消費者団体が共に構成員となる日本初の団体。「大災害への備え」、「食品廃棄問題への対応」、「エネルギーと環境問題への対応」、「人口減少と超高齢社会」など日本が直面する諸課題解決に向け、生活者視点で取り組んでいる。*注2は文末に記述。

【こうすると妻が喜ぶ! 夫の家事分担 成功の秘訣1】
▼「ひとり時間」がほしい妻の気持ちを“忖度”する

生団連が、全国の25〜39歳の専業主婦・兼業主婦の子供のいる家庭の夫と妻(計400人)に対して行ったアンケート調査によれば、夫婦の家事分担の理想は、妻が65%、夫が35%であるのに対して、現実は、妻が80%、夫が20%です。夫の家事分担に対する妻の満足度は100点中、58.5点であり、夫の家事分担に対する妻の満足度は決して高いとはいえません。さらに生団連の調査によれば、妻が夫にやってもらいたい家事と夫が得意な家事が大きく異なることが分かっています(次ページ図表1)。

佐原氏は、夫婦の意識のギャップに関してこう語ります。

「家事に対して夫はやらされている感や、やっているつもりになっているのが現状です。一方で、妻は、夫が家事を行うためにはお膳立てが必要である、自分が結局最後の仕上げをしなければ終わらないといった悩みを持っています。夫婦の意識の差を埋めることが重要だと考え、私たちが製作した『男の「ちょいカジ」マニュアル』では、『ママの気持ちを知ることからはじめよう』をキーに掲げています」

■妻の要望は、「洗濯(洗う)」ではなく「食器洗い」
実際に、『男の「ちょいカジ」マニュアル』のなかに取り上げられている家事は、夫が得意な家事ではなく、妻が夫にやってもらいたい家事が中心になっています。

例えば、夫にやってほしい家事1位は「食器・調理器洗い」ですが、夫の得意な家事1位は「洗濯(洗う)」。妻のやってほしい家事ランキング10位内に「洗濯(洗う)」は入っていません。夫の得意な家事2位「ゴミ出し」、5位「買い物」についても、夫にやってほしい家事ランキングの順位は、それほど高くありません。

一方、妻が夫にやってほしい優先度は高いけれど、逆に夫はそれほど得意ではない家事というのが、「子どもと外出」「子どもの入浴」です。育児負担の重さから、わずかでも休息時間を持てるように、家事の参加してほしいと感じている妻もいるのではないでしょうか。

以上のような夫婦の意識差を分析すると、夫婦の家事分担を上手に進めていくためには、夫にやってもらいたいと妻が望んでいる家事の内容など、夫が妻の要望を理解することが成功の秘訣のひとつであるといえます。

■家事を「手伝う」(やらされている)感覚では……
【こうすると妻が喜ぶ! 夫の家事分担 成功の秘訣2】
▼「妻がいつも買うモノ」のリストを持ち歩く

生団連が実施したアンケート調査によれば、夫から自主的に「何か買って帰ろうか?」と一言連絡があったときの反応として、「自主的(に夫から連絡)の方がうれしい」と回答した妻の割合は78%でした。

会社からの帰りがけに、買い物が必要か自主的に尋ねることについて、夫が思っている以上に、妻は喜んでいる状況が窺えます。さらに、買い物について、夫に頼みづらいと感じると回答した妻は35.6%であり、買い物というひとつの行為を取り挙げても、夫への家事の頼みづらさを感じる妻が一定の割合で存在していることが分かります。夫が自発的に家事参画することは、夫が考える以上に、妻の精神的負担を減らすことにつながるといえるでしょう。

現状、家事を手伝う男性のなかには、家事をやらされている感を持つ人も少なくないと考えます。そのような状況で、もし夫が妻のことを気遣って家事に取り組むことができれば、妻はきっと喜ぶのではないでしょうか。

『男の「ちょいカジ」マニュアル』のなかでは、秘訣1で紹介した妻が望む家事を踏まえて、家事を大きく3つのタイプに分類し、夫ができる家事の自己チェックができるようにしています(図表2)。

妻が望む家事のなかから、夫が得意な家事を選び、それを率先してやる体制ができれば、夫婦の家事分担は、より円滑に進めることができるといえます。

しかし、なかには、家事経験が乏しいがゆえに、自分ができそうな家事をイメージしづらい男性もいるでしょう。そのような方に対して、お勧めの家事は何かについても尋ねてみました。

「会社帰りにメールをして、必要なものがあれば、買って帰ることは、所要時間も短くすみますし、家事が初心者の男性でもやりやすいと考えます。さらに、普段から妻が買っている家事愛用品リストを持っておくと、買い間違いを防ぐことができます」(佐藤氏)

「妻が夫にやってもらいたい家事の第2位でもある『休日の晩ご飯づくり』は、実は、初心者でも挑戦することができます。今は、冷凍食品の種類も豊富で、調理時間も短く簡単に料理をすることができます。料理に慣れて、料理の楽しさを知るきっかけづくりにもなるので、お勧めです」(佐原氏)

買い物は、「スキマ時間を活用したい人のおすすめの家事」(図表2)のひとつです。家事にかけられる時間がそもそも少ない方にも、お勧めできる家事だといえます。

また、料理に関しては、冷凍食品でなくても、インターネットに掲載されているビギナーでも簡単にできる手順紹介付きのレシピ情報を利用するといいかもしれません。

家事経験の乏しい男性でも、まずは買い物や簡単な料理を、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

■妻が泣いて喜ぶ、入浴後のちょっとした「家事」
【こうすると妻が喜ぶ! 夫の家事分担 成功の秘訣3】
▼担当した家事は最後まで仕事感覚でやり抜く

生団連が実施したアンケート調査のなかでは、手伝ってくれた夫の家事に対して、様々な自由意見も寄せられています。

例えば、「休日の晩ご飯づくり」については……。
「予算度外視の高価な食材より、家にある食材で作ってほしい」
「後片付けしながら作ってほしい」

食器・調理器洗いについては……。
「シンクまわりが水でビチョビチョになっているので気をつけてほしい」

などが挙げられます。夫としては、せっかく家事を手伝っても妻が喜んでくれないことに対して、残念な気持ちになるかもしれませんが、受け持ち分は最後まで責任を持つという、仕事感覚が家庭内でも重要なのかもしれません。

『男の「ちょいカジ」マニュアル』では、各消費者団体からの助言を元に、家事のコツを掲載しています。

お風呂掃除のコツであれば、

「入浴後、お風呂場全体に水(*お湯ではなく)をかけ流すことを習慣にすると、カビの予防になる」
「排水溝に溜まった髪の毛は、匂いやパイプ詰まりの原因にもなるので毎回捨てる」

などが例として挙げられます。

最後のひと手間、それをやることで妻の夫に対する評価は上がるのではないでしょうか。また、賢い家事の智恵を知っていることでも、評価は高まるに違いありません。

「夫婦の家事分担では、夫が一人で担当した家事を遂行できないことで、夫婦の対立構造(家事を教える側と教えを乞う側)が生れてしまうことがあるため、マニュアルには、具体的な家事のアドバイスを入れています。夫が担当した家事を一人でやり遂げることが、夫婦の家事分担を継続するためには必要だと考えます」(八木氏)

夫が手伝える家事を増やすことも大切ですが、最初の段階ではあまり欲張らず、担当すると決めた家事に関しては、妻の支援を得ずに完遂できるようになることが、家事分担を継続的に上手に行う重要なポイントであるのです。

■理想は、「家事分担を何も決めない」家庭
▼最後に

佐藤氏からは、このような意見も頂きました。

「現在の日本社会では、家事をほとんどやらない男性が多いので、そのような男性に少しでも家事参画をしてもらいたいという思いで、非常にベーシックな内容を盛り込んでマニュアルを製作しました。しかし、本来は、夫婦で細かい分担を決めなくても、早く帰ってきた方が食事の準備をするといった自然体で家事分担ができることが理想であり、そのように夫婦の形が変化することを望んでいます」

本稿では、子育て夫婦の家事分担を成功させる秘訣に向けて、夫ができることを考えてみました。今後の理想は、男性の家事参画が当たり前の社会をつくることです。夫婦の家事分担の在り方について、さらに議論を深めていければと思います。

*注2:『男の「ちょいカジ」マニュアル』は、「人口減少と超高齢社会」対策の一環として、家事の知識や経験が不足している男性をターゲットに、家事参加のきっかけ作りとして、家事の初歩、第一歩にフォーカスした小冊子。その製作にあたって、各消費者団体(一般財団法人 消費科学センター、公益社団法人 札幌消費者協会、埼玉県地域婦人会連合会、堺市消費生活協議会、特定非営利活動法人 関東シニアライフアドバイザー協会、特定非営利活動法人 東京都地域婦人団体連盟)の協力を得ている。

(日本総合研究所 創発戦略センター ESGアナリスト 小島 明子 日国民生活産業・消費者団体連合会/(株)新東通信=取材協力)


[いずれもプレジデントオンライン]

Posted by nob : 2017年07月05日 07:49

何よりもまず患者と家族の関係性の問題が第一。。。

■小林麻央さんが選んだ「在宅ホスピス」の実態
どんな医療ができるの?容態が急変したら?

加藤眞三
慶應義塾大学看護医療学部教授

小林麻央さんは、5月末から在宅医療に切り替え、6月22日夜に家族に囲まれて最期を迎えました。いったいどのような医療が行われ、どのような利点があるのでしょうか。

乳がんで闘病中だった小林麻央さんが、2017年6月22日夜に旅立たれたことが報じられました。麻央さんは自分のがんを公表し、その闘病生活をブログ上でつづってこられました。そして、200万人を超える人がその記事を読み、共感し、励まされ、勇気づけられました。

人生の最期を迎えようとするその生き方を、リアルタイムでこれ程多くの人から注目されてきた人は、今までいなかったのではないでしょうか。幼いお子様を遺して他界しなければならなくなったことに悔しい思いをされてきたことと思いますが、心からご冥福をお祈りしたいと思います。

小林麻央さんがブログにつづってきた闘病生活は、多くの人にとって病気になったときの生き方を考えさせられるだけでなく、人生そのものについて再考させられるよい機会となりました。

「自宅で最期を迎える」という選択

麻央さんは、2017年5月29日に病院を退院され、在宅医療に切り替えられました。

在宅で麻央さんが受けた医療とは、いわゆるホスピス医療であり、現在は「緩和ケア」や「エンド オブ ライフ・ケア」と呼ばれているものです。がんなど病気に伴う症状を緩和することによって、最後の時間を少しでもよりその人らしく生活してもらうことを目指します。がんを治すという有効な治療法を失った時、医療の中心が治療を優先する「キュア」から生活を大事にする「ケア」へと向かうのです。

緩和ケア病棟(いわゆるホスピス)は、わが国では1990年に施設の認定が始まり、その後飛躍的に増加してきました。2016年11月の集計では 378施設7695床あります(日本ホスピス緩和ケア協会調べ)。そして、このような終末期医療の専門施設である緩和ケア病棟ではなく、麻央さんのように自宅で最期を迎える人も次第に増えてきています。全死亡の中でがんの病気により自宅で亡くなる人の割合、がん在宅死率は2007年までは6%台でしたが、 2015年には10.4%となり急速に増加しています(厚生労働省「人口動態統計」)。

緩和ケアの中で、大きなテーマとなるのが身体の疼痛コントロールです。WHO方式の「がん疼痛治療法」が発表されてからすでに4半世紀が過ぎ、現在は世界各国で実施されて、70~80%で鎮痛効果が得られると報告されています。特にここ10年間、疼痛治療に使うことのできる薬物の種類も増え、急速に進歩してきた領域です。

特に患者さんに知ってもらいたいことは、身体的な痛みのコントロール目標として次の3つの状態があることです。 

① 痛みにより夜間の睡眠が妨げられない状態
② 静かにじっとしていれば痛みがない状態
③ 体を動かしても痛みがない状態

つまり、身体を動かす生活をできる状態へもっていくことが疼痛コントロールの最終目標になるのです。

さらに、症状緩和においては、痛みのコントロールだけでなく、呼吸困難、咳、吐き気と嘔吐、下痢や便秘、脱水、悪液質(衰弱状態)と食思(欲)不振、腹水、吃逆(しゃっくり)など、その他の症状を和らげることも目標となります。

患者さんが、このような症状コントロールの目標を知っておくことは大切です。なぜなら、医療者と共通の目標をもつことによって、医療が患者と医療者の協働作業となり、よりよい緩和医療を実現することが可能になるからです。そのためには、患者さんが医療者に対して遠慮することなく対話をできることが前提となります。また、そのようなことが可能な医療者を探すことが大切です。

在宅でも施設と同程度のケアが可能に

ただ、自宅で死を迎えることに対して不安を抱く方も少なくないでしょう。自宅でも痛みのコントロールはきちんとできるのだろうか、容態が急変した時にはどうすればよいのだろうか、家族が介護で疲労してしまうのではないか、医療者はすぐに対応してくれるのだろうか、などです。

わが国で在宅ホスピスを開拓してきた第一任者である川越厚医師は、現在では制度も整備され、在宅でも施設ホスピスと同程度のケアを提供できると断言されています。そして、在宅ホスピスの利点を、次のように述べられています。

・自宅では束縛のない“生”を全うできる
・家には最期までその人の役割(生きる希望)がある
・住みなれた場所であり最も居心地が良い
・いつも家族がそばにいるため孤独から開放される
・家族は病院と家の二重生活をしないですむ

麻央さんも在宅医療であったからこそ、家族と濃密な時間を過ごすことができたのではないでしょうか。

さらに、在宅ケアをする家族をサポートする「レスパイトケア」というサービスも注目されてきています。レスパイトケアとは、難病をもつ乳幼児を在宅でケアしている家族の精神的疲労を軽減するため、小児ホスピスなどで一時的に子供をあずかりケアの代替を行うサービスです。在宅ケアで介護につかれた家族にとって、そのケアを持続して行うためには、このようなサービスが必要でしょう。このようケアもあることを知っておくと、将来必要となったときに自分の身近に見つけることができ、利用が可能となるかもしれません。

「心の痛み」のケアにも注目が集まってきた

最後に、緩和医療の分野で今起きてきている大きな変化についても知っておいて欲しいと思います。それはスピリチュアルケアにようやく焦点が当てられるようになってきたことです。

がんなど、いのちに関わる大病や進行性の難病を抱えたとき、「なぜ私はこんなに苦しまなければならないのか」「何のために生きているのだろうか」「自分の一生は何だったのだろう」「私が死ねば、残された家族はどうなるのだろう」「他人(家族)に迷惑をかけたくない」「他の人にお世話になるのはつらい」「もう逝かせて欲しい」「死んだ後はどうなるのだろう」など、様々な悩み、すなわち「スピリチュアルペイン」を抱えます。スピリチュアルケアはそれらに対処しようとするケアです。

欧米の病院では、病院の中に祈る場所やこころのケアをする人(チャプレンなどと呼ばれる)が存在することが当たり前になっています。ただ、明治の初期にわが国に西洋医学を導入し病院が創られたとき、スピリチュアルケアをすっかりはずす形で行われたのです。それ以来、医療が科学中心となりスピリチュアルなことは疎まれてきたのです。

1990年頃からようやくその重要性が注目されはじめ、2007年には、日本スピリチュアルケア学会が起ち上がり、教育や認定の制度が整えられてきました。また、2016年2月にスピリチュアルペインに関わる宗教者の会、臨床宗教師の会も発足しました。

このようなこころのケアが医療の中に導入され、上手く機能することになれば、患者さんが受ける終末期医療自体に大きな変化が訪れるだけでなく、医療そのものが人間全体をみるものになることでしょう。

[東洋経済ONLINE]

Posted by nob : 2017年07月03日 17:13

安倍さん、、、まず一つ約束を守ることから。。。

■拉致被害者の蓮池薫さん、翻弄された壮絶な体験赤裸々に…「核・ミサイルとは切り離して交渉を」 愛媛で講演

 北朝鮮による拉致被害者、蓮池薫さん(59)=新潟産業大学准教授=は27日に開かれた愛媛拉致議連(森高康行会長)の記念講演会で、北朝鮮によって翻弄された自らの壮絶な体験を赤裸々に語った。

 「拉致問題の本質と解決への道」の演題で話した。蓮池さんが北朝鮮の工作員によって拉致されたのは1978年。当時、中央大学法学部3年で20歳だった。帰省していた新潟県柏崎市の海岸で、現在の妻、佑木子さんとともに無理矢理拉致され、2002年に帰国を果たすまで24年間、北朝鮮での生活を余儀なくされた。

 「7月31日に工作員と戦闘員のグループに拉致された。7月下旬に柏崎に派遣されていたようだ。野宿などをしながら、夕方には海岸で物色していた。(佑木子さんと)久しぶりのデートで、前の日に5、6人で海水浴に来ていた海岸に2人で行った」と、蓮池さんは忘れたくても忘れれない当時のことを証言した。

 砂浜に向かう時、土手の上を数人の男がついてくるのを感じていた。座っていると波打ち際から1人の男が接近し、「すみません、たばこの火を貸してくれませんか」と日本語で声をかけてきた。

 蓮池さんは背後から顔を殴られ、「静かにしなさい」と脅された。「これは女を海外に売り飛ばそうとしている。男は海に放り込まれるのではないか」と恐怖で声も出なくなったという。

 ゴムボートに乗せられ、沖合の工作船に乗り移らされ、北朝鮮の秘密の港へ。佑木子さんの行方は教えられないまま、山の谷間に一軒ずつある「招待所」と呼ばれる家に入れられた。

     ◇

 「ものすごい絶望。死んでしまいたいが、死にたくない」。指導員の男は「まあ、落ち着け。勉強すれば立派な革命家になれる」と言った。拉致の目的は日本人を北朝鮮の工作員(スパイ)として養成することだったのだ。

 朝鮮語の勉強を始め、1年9カ月経ったころ、「おい、結婚するか」と突然、言われた。「お前の彼女はうちにいる」と。佑木子さんと結婚し生きてゆく希望はできたが、「待遇はがた落ちした」という。工作員としての養成が中断したからだ。当時、北朝鮮が拉致したレバノン人女性が海外で工作員の実習をしていたとき、レバノン大使館に逃げ込んだ「レバノン人拉致事件」が起きていた。現地の人間を工作員とする北朝鮮の思惑は失敗したのだ。

 その後、蓮池さんは日本語教師として暮らした。87年、これもストップする。同年11月の大韓航空機爆破のテロ事件だった。実行犯の工作員が田口八重子さん(78年拉致)から日本語を教わったことが明るみに。工作員に日本語を教えると秘密が漏れると判断した当局は日本語教育をやめた。

 90年にはソ連が崩壊。中国は改革路線に舵を切り、韓国に接近していた。「北朝鮮は大きな影響を受け、追い込まれた。国連入りし、日本との関係改善を図った。国交を正常化して、植民地時代の賠償金を取ろうとした」という。しかし、日本政府が拉致問題を交渉に持ち出したために頓挫。北朝鮮は非常に厳しい状況に追い込まれ、95〜98年には大飢饉で多くの人々が亡くなった。米のブッシュ政権は「悪の枢軸国」として対応を強めた。

     ◇

 「2002年の小泉訪朝を前に、北朝鮮は準備を着々と進めていた。私は日本海をボートで漂流中に北朝鮮の船に救われたというシナリオを3月から5月にかけて頭にたたき込まれた。そして、家族に会う場所として、平壌のマンションに移された」

 2002年10月、蓮池さんは帰国を果たした。1年半後に北朝鮮に残していた子供2人も取り戻した。「心配だった。子供と生き別れでは、日本に残れないと思った。兄と大げんかしたこともある」と、厳しい選択を迫られた当時を振り返る。

 現在も拉致被害者、特定失踪者を含め北朝鮮には日本人800人以上がとどめられているとされる。

 「今、残っている人たちは私たちより何倍も辛い思いをしている。もう帰った人がいるのに、なんで自分は帰れないのかと思い15年間過ぎた。北朝鮮は死亡したと日本政府に説明している。この恐怖感。一日も早い帰国を望むが、政府に交渉で頑張ってもらうしかない。国民世論が北を上回らなければ負けてしまう現実がある」と言葉に力を込めた。

     ◇

 北朝鮮は核実験と弾道ミサイルの発射実験を繰り返している。蓮池さんは「核・ミサイルと拉致問題は切り離さなければ。核・ミサイルは日本の安全上、重要なのでプレッシャーをかけるべきだ。一方、拉致は北朝鮮が応じるのであれば、積極的に交渉を進めるべきで、国際社会に対して、日本にとって拉致は重要なのだということをアピールして理解を求めなければ」と力説した。

 さらに、日本人が北朝鮮のどこにいるのか、情報収集と分析を進めた上で交渉に当たる重要性を指摘した。「北朝鮮に対し、拉致問題を先にやって、核・ミサイルという道筋を示す。そうすれば日朝間の国交正常化につながると。それなりに北朝鮮に有利な条件が生まれることを示して導くべきだ」と述べた。

 「もう時間がない。拉致被害者は60代、70代。家族も高齢化している。私は帰国したが、24年間の空白を埋めるには何年もかかった。一目でいいからと言うが、一目でいいわけがない」

[産経新聞]

Posted by nob : 2017年07月03日 16:55

また旅立つ君へVol.132/いつか幸せになる、、、

そう思う今がもう既に幸せ。。。

Posted by nob : 2017年06月24日 16:27

また旅立つ君へVol.131/think globally act locally...

何よりもまず

目の前の一番大切な人のために。。。

Posted by nob : 2017年06月24日 16:22

また旅立つ君へVol.130/いつも探し求め続けていればこそ、、、

然るべき人にもモノにも出逢える。。。

Posted by nob : 2017年06月24日 16:13

喫緊の全世界的食料対策が不可欠。。。

■世界人口2100年に112億人=印、7年以内に中国抜く―国連報告書

 【ニューヨーク時事】国連経済社会局は21日、2100年に世界人口が112億人に達すると予測する報告書「世界人口展望2017年版」を発表した。現在の76億人から30年に86億人、50年には98億人に増加。現在2位のインドが24年ごろまでに中国を抜き首位に立つほか、同7位のナイジェリアが50年までに3位に浮上すると推定した。

 日本は現在11位(1億2700万人)だが、50年に17位(1億900万人)、2100年に29位(8500万人)に順位を下げるとしている。

 後発開発途上国47カ国の総人口は現在の約10億人から50年には19億人に増えると推定。1人の女性が生涯に産む子供の数(合計特殊出生率)が4.3と比較的高いことが背景にある。このほか、アフリカの26カ国も50年までに人口が現在の倍以上に増加する見通しだ。

[時事通信]

Posted by nob : 2017年06月23日 10:09

そもそもいつの時代も不確実性に満ち満ちている、、、自らが変われば時代も変わる。。。

■大いなる不確実性の時代へようこそ

 マッテオ・レンツィ、デビッド・キャメロン、テリーザ・メイ――。全員が世論調査にだまされた。問題は、世論調査が間違っていたことではない。一部の調査はかなり正確だったし、これらの指導者が政治的に運命を決する判断を下した時点では、大半が正しかった。イタリアのレンツィ前首相と英国のキャメロン前首相は、国民投票の実施を決めた時点では明らかに有権者の過半数の支持を得ており、勝てると確信していた。現職のメイ英首相が解散総選挙を決めた今年4月には、確かに保守党が労働党を大きくリードしていた。有権者が心変わりしたスピードが、世論調査そのもの以上に結果を大きく左右した。

■世界金融危機が転機に

 フランスの有権者はどの国よりも極端だった。短期間に順次実施された選挙で、政界エスタブリッシュメント(支配階級)を事実上丸ごと全滅させたのだ。このむごさは、伝統的な二大政党がまだ政治を支配している米国や英国で我々がこれまで目の当たりにしたものを凌駕(りょうが)する。フランス国民は、選択肢をすべて使い果たす過程にある。もし彼らがエマニュエル・マクロン大統領に幻滅するようなことになれば、一体どうするのかと考えると胸が痛む。

 これらすべての国で、世界金融危機が歴史的な転換点となった。危機対策が所得分配と公的部門の質に与えた影響によって引き起こされたものだ。これがグローバル化と現代流の貿易協定に対する持続的な政治的反発を引き起こし、経済政策と金融規制に関して従来抱かれていた考えを試すことになった。そして今では、政治に対する我々の考え方を試している。

 共産主義に対する資本主義の勝利は、筆者のような今日のコメンテーターやアナリストの多くにとって、自分の考えを形成する唯一最大の出来事だった。我々の世代は、1990年代に広まった「歴史の終わり」の高揚感については懐疑的だったかもしれないが、グローバルな金融資本主義のパラダイムを完全に受け入れた。中道左派の実利主義と新世代の中道左派の指導者の誕生を祝った。

 我々の失敗は、政治的に有用なものを普遍的な事実と取り違えたことだ。金融危機は、表向きは安定した政治・金融環境に見えたものを、数学者や物理学者が「ダイナミックなシステム」と呼ぶものに変えた。このシステムの最大の特徴は、大いなる不確実性だ。そうしたシステムは必ずしも混沌としたものにはならない―― もっとも一部はなるかもしれない――が、間違いなく予測不能だ。このシステムは、いくつかの数式でモデル化することはできない。せいぜいできることと言えば、局地的な不安定性を特定し、それらを避け、何とか困難を切り抜け、しっかり目を開いておくことくらいだ。

[日本経済新聞]

Posted by nob : 2017年06月20日 09:50

初めの一歩は、依存従属心からの脱却。。。

■何をやっても安倍政権の支持率が下がらない理由

 濫用の危険性を孕んだ共謀罪法案を委員会採決を省略したまま強行採決したかと思えば、「存在が確認できない」として頑なに再調査を拒んでいた「総理のご意向」文書も、一転して「あった」へと素早い変わり身を見せたまま逃げ切りを図ろうとするなど、かなり強引な政権運営が続く安倍政権。ところがこの政権が、既に秘密保護法、安保法制、武器輸出三原則の緩和等々、政権がいくつ飛んでもおかしくないような国民の間に根強い反対がある難しい政策課題を次々とクリアし、危ういスキャンダルネタも難なく乗り越え、その支持率は常に50%前後の高値安定を続けている。

 確かにライバル民進党の長期低迷という特殊事情もあろうが、なかなかそれだけでは説明がつかないほど、政権の支持基盤は盤石に見える。

 ビデオニュース・ドットコムでは、一橋大学大学院社会学研究科の中北浩爾教授と、過去の一連の「政治改革」が権力を首相官邸に集中させたことが、結果的に安倍一強状態を生んでいることを議論してきた。(マル激トーク・オン・ディマンド 第841回(2017年5月20日)「安倍政権がやりたい放題できるのはなぜか」 )

 しかし、制度や法律の改革によって永田町や霞が関を支配下に収めることができても、自動的に国民の高い支持率を得られるわけではない。安倍政権の高い支持率が続く理由はどこにあるのか。

 政治とメディアの関係に詳しい社会学者で東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授の西田亮介氏は、安倍政権の安定した支持率の背景には自民党の企業型広報戦略の成功と日本社会に横たわる世代間の認識ギャップの2つの側面が存在すると指摘する。

 第二次安倍政権がマスメディアに対して度々介入する姿勢を見せてきたことは、この番組でも何度か問題にしてきたが、それは自民党の新しい広報戦略に基づくメディア対策を着実に実行しているに過ぎないと西田氏は語る。

 支持率の長期低落傾向に危機感を抱いた自民党は、1990年代末頃から企業型のマーケッティングやパブリック・リレーションズ(PR)のノウハウを取り入れた企業型広報戦略の導入を進め、2000年代に入ると、その対象をマスメディアやインターネット対策にまで拡大させてきた。

 特にマスメディア対策は、個々の記者との長期の信頼関係をベースとする従来の「慣れ親しみ」戦略と訣別し、徐々に「対立とコントロール」を基軸とする新たな強面(こわもて)戦略へと移行してきた。その集大成が2012年の第二次安倍政権の発足とともに始まった、対決的なメディアとは対立し、すり寄ってくるメディアにはご褒美を与えるアメとムチのメディア対策だった。

 マスメディアの影響力が相対的に低下する一方で、若年世代はネット、とりわけSNSから情報を得る機会が増えているが、自民党の企業型広報戦略はネット対策も網羅している。西田氏によると、自民党は「T2ルーム」と呼ばれる、ネット対策チームを党内に発足させ、ツイッターの監視や候補者のSNSアカウントの監視、2ちゃんねるの監視などを継続的に行うなどのネット対策も継続的に行っているという。

 こうしたマスメディア・インターネット対策も含め、自民党の企業型広報戦略は、企業の広報担当者が聞けばごく当たり前のことばかりで、言うなれば企業広報の初歩中の初歩を実行しているに過ぎないものだという。しかし、ライバル政党がその「初歩中の初歩」さえできていない上に、マスメディアが「政治のメディア戦略」に対抗する「メディアの政治戦略」を持ち合わせていなかったために、これが予想以上の成果をあげている可能性が高いのだという。

 また、安倍政権の安定した高支持率を支えるもう一つの要素として、西田氏は世代間の認識ギャップの存在を指摘する。

 民放放送局(TBS系列JNN)による最新の世論調査では20代の若者の安倍政権の支持率は68%にも及んでいるそうだ。また、2016年の総選挙の際の朝日新聞の出口調査でも、若い世代ほど自民党の支持率が高いことが明らかになっている。これは、若年世代と年長世代の間で、政治や権力に期待するものが異なっていることを示している可能性が高い。

 自身が34歳の西田氏は、若者ほど政権政党や保守政治に反発することをディフォルトと考えるのは「昭和的な発想」であり、今の若者はそのような昭和的な価値観に違和感を覚えている人が多いと指摘する。実際、「若者は反自民」に代表される昭和的な価値体系を支えてきた「経済成長」「終身雇用」「年功序列」などの経済・社会制度は既に社会から消滅している。にもかかわらず、年長世代から昭和的な経済・社会情勢や制度を前提とした価値規範を当たり前のように強いられることに多くの若者が困惑していると西田氏は言う。

 思えば、かつて時の政権が安全保障や人権に関わる政策でこれまで以上に踏み込んだ施策や制度変更を実行しようとするたびに、強く反発してきたのは主に若者とマスメディアだった。若者とマスメディアの力で、与党の暴走が抑えられてきた面があったと言っても過言ではないだろう。しかし、マスメディアは新たな戦略を手にした政治に対抗できていないし、若者も経済や雇用政策などへの関心が、かつて重視してきた平和や人権といった理念よりも優先するようになっている。

 そうなれば、確かにやり方には強引なところはあるし、格差の拡大も気にはなるが、それでも明確な経済政策を掲げ、ある程度好景気を維持してくれている安倍政権は概ね支持すべき政権となるのは当然のことかもしれない。少なくとも人権や安全保障政策では強い主張を持ちながら、経済政策に不安を抱える他の勢力よりも安倍政権の方がはるかにましということになるのは自然なことなのかもしれない。

 しかし、これはまた、政治に対する従来のチェック機能が働かなくなっていることも意味している。少なくとも、安倍政権に不満を持つ人の割合がより多い年長世代が、頭ごなしの政権批判を繰り返すだけでは状況は変わりそうにない。

 安倍一強の背景を広報戦略と世代間ギャップの観点から、西田氏とジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

何をやっても安倍政権の支持率が下がらないのはなぜなのだろうか。
https://youtu.be/1xr0zZ-BXQQ

[BLOGOS]

Posted by nob : 2017年06月18日 15:49

そこに原発があるかぎり、、、事故は綿々と繰り返される。。。

■肺から最大2万2000ベクレル 5人搬送 内部被ばく検査へ

6日、茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の核燃料の研究施設で、袋の中から放射性物質の粉末が漏れ出し作業員5人の手袋や服などが汚染されたトラブルで、このうち1人の肺から最大2万2000ベクレルの放射性物質が計測され、原子力機構は5人を専門の施設に移し詳しい検査を行うことにしています。

茨城県にある日本原子力研究開発機構の「大洗研究開発センター」の施設で6日午前、5人の作業員が燃料の貯蔵容器の点検をしていたところ、実験で使ったプルトニウムやウランを含む放射性物質の粉末が入った袋が破裂し5人の手袋や服が汚染され、このうち3人の鼻の中から最大24ベクレルの放射性物質が確認されました。

文部科学省によりますと、体外に出てくる放射線を測定する機器で調べたところ、このうち1人の肺から6日の時点で確認された値より大幅に高い、最大2万2000ベクレルの放射性物質が計測されたということです。

原子力規制庁によりますと、この放射性物質はプルトニウム239だということです。

どのくらい被ばくしているかは、まだわかっておらず、この1人を含む5人全員について体内に入り込んだ放射性物質の影響で被ばくする内部被ばくについての詳しい検査が必要だとして、千葉市にある放射線医学総合研究所に搬送したということです。

5人は当時、燃料研究棟と呼ばれる燃料の研究開発などに使われていた施設で作業をしていて、原子力機構は漏れ出した放射性物質による外部への影響はないとしています。
【「被ばく限度を超えるのはほぼ確実」】日本原子力研究開発機構の核燃料の研究施設で、袋の中から放射性物質の粉末が漏れ出し、作業員5人の手袋や服などが汚染されたトラブルで作業員の1人の肺から2万2000ベクレルの放射性物質が計測されたことが7日の原子力規制委員会で報告されました。

これについて、規制委員会の放射線の安全規制が専門の伴信彦委員は「肺に吸い込んだ放射性物質の測定で、こうした値が出てくるのは半端な状況ではなく、作業員の被ばく限度を超えるのはほぼ確実だ。だからといって、命に関わる急性影響が出るということではないと思うが、事態としては決して軽微なものではない」と述べました。

そのうえで、「今回の作業の手順が、どこまで妥当だったのか厳しく見る必要がある。顔を半分覆う半面マスクをしていたのに体内の汚染が生じたということなので、マスクの装着が十分だったのかなどについても情報を確認したうえで監督、指導してほしい」と述べました。
【「2万2000ベクレル 聞いたことがなく大きな値」】内部被ばくの問題に詳しい量子科学技術研究開発機構の明石真言執行役は「2万2000ベクレルという数字は、事実なら国内では私は聞いたことがなく大きな値だ。ただ、健康への影響については体内に取り込んだ放射性物質がどのような核種なのかによって数倍違ってくるので評価のためにはこうした点を明らかにする必要がある」と話しています。

[NHKニュース&スポーツ]

Posted by nob : 2017年06月07日 15:09

また旅立つ君へVol.129/もはや旅に出ようすらしない君へ、、、他人の瞳の中のどこを探したところで君の幸せは見つからない。。。

■いまの若者たちにとって「個性的」とは否定の言葉である
ゆとり世代との付き合い方

土井 隆義
筑波大学教授
社会学者

「個性的だね」は差別語なのか?

2〜3年前、毎日新聞記者の小国綾子さんからこんなエピソードをうかがったことがある。LINE株式会社の出前授業に付き添い、中学校を訪問した時のことだそうだ。

「友だちから言われて最もイヤな言葉は? (1)まじめだね (2)おとなしいね (3)天然だね (4)個性的だね (5)マイペースだね」との問いかけに対し、一番多かった回答は「(4)個性的だね」だったという。

「まさか!」と耳を疑った彼女に向かって、生徒たちは口々にこう語ったそうだ。

「個性的と言われると、自分を否定された気がする」「周囲と違うってことでしょ? どう考えてもマイナスの言葉」「他の言葉は良い意味にも取れるけど、個性的だけは良い意味に取れない」「差別的に受け取られるかも」等々――。

驚かれるかもしれないが、どうやらこの中学生たちだけが特殊というわけでもないらしい。

昨年、日本生産性本部が実施した新入社員「働くことの意識」調査では、昇進したいポストを「社長」と答えた者が過去最低の10.8%、最多は「役職につきたくない」の20%だった。

働き方を尋ねた設問では、「人並みで十分」が過去最多の58.3%、「人並み以上」は34.2%にすぎなかった。

考えてみれば、先の中学生たちもすでに高校を卒業した頃だ。すでに社会人になっている者もいるだろうし、大学へ進学した者も数年後には社会に出るだろう。

もちろん、この世代の人たちに「個性的な人間でありたい」と切望する気持ちがないわけではあるまい。どんな人間だろうと自分の存在意義を求めようとするものだ。

しかし、その思いをストレートに口に出すと、周囲から自分だけが浮いてしまう。みんなと同じでなければ安心できず、たとえプラスの方向であったとしても自分だけが目立つことは避けたい。

そんな心性が広がっているように見受けられる。

変容するコミュニケーション様式

ネットの発達も相まって、若者世代では人間関係の希薄化が進んでいる――。近年は、そんな指摘もしばしば耳にする。

しかし、実際に彼らに声をかけてみれば、意外と付き合いの良いことに気づかれるだろう。

統計数理研究所が実施している「日本人の国民性」調査の最新データによると、「上役と仕事以外の付き合いはあったほうがよい」と考える者の割合は若年層ほど高く、20代ではじつに70%を占める。

「家族的な雰囲気のある会社に勤めたい」と考える者も同様の傾向を示しており、20代の50%がそう思うと回答している。

もっとも、彼らのコミュニケーション様式が上の世代と異なっていることには留意しておくべきである。おそらく現在40代から上の世代は、濃密な関係を取り結ぶためには相手のことを総体的に理解しておかなければならないと考えるだろう。

しかし、20代から下の世代は違う。当面の付き合いにとって必要な情報だけを共有できていれば、それで十分に濃密な関係を築くことができると考える。いわば全面総括型ではなく、一極集中型のコミュニケーション様式へと変貌している。

このような違いが生じているのは、昨今の日本では人間関係の流動性が高まっており、その最前線にいるのが若年層だからである。かつて人間関係が固定的だった時代には、人々は親密な相手と否応なく全人的に付き合わざるをえなかった。

しかし、流動性が高まってくると、その前提は崩れ去っていく。各々の局面で付き合う相手を切り替えることが容易なため、その場面で必要とされる情報だけで十分に親密な関係が成立しうると感じられるのである。

上の世代から眺めたとき、若年層の人間関係が希薄化しているように映るのは、おそらくこの感覚の相違によるところが大きい。総体的な関わり合いを前提としていると、部分的につながっている関係はどうしても希薄なものに見えてしまう。

しかし、そもそもアイデンティティが普遍不動の一貫したものではなくなり、場面ごとに切り替わる変幻自在なものになっているとすれば、現在とは違う場面における自分を目前の相手にあえて呈示しないことは、その相手に対してむしろ誠実な態度といえなくもない。そんなものを顕わにされても、相手は戸惑うだけだからである。

「一匹狼」より「ぼっち」の回避

ところで、人間関係の流動性が高まったという事実は、それだけ制度的な枠組みが拘束力を失っていることを意味する。

裏を返せば、制度的な枠組みが人間関係を保証してくれる共通の基盤ではなくなり、それだけ関係が不安定になってきたということでもある。

既存の制度に縛られることなく、付き合う相手を勝手に選べる自由は、自分だけでなく相手も持っている。関係の自由度の高まりは、自分が相手から選んでもらえないかもしれないリスクの高まりとセットなのである。

冒頭で紹介した「個性的であること」が忌避される理由も、じつはここにある。

「個性的であること」は、組織からの解放を求めるには好都合だが、組織への包摂を求めるには不都合である。自分の安定した居場所が揺らぎかねなくなってしまう。

今日の若者たちは、かつてのように社会組織によって強制された鬱陶しい人間関係から解放されることを願うのではなく、その拘束力が緩んで流動性が増したがゆえに不安定化した人間関係へ安全に包摂されることを願っている。

もちろん、前者が後者へと完全に入れ替わったわけではないが、少なくともその比重は大きく移り変わっている。

かつて人間関係が不自由だった時代の若者たちは、強制された関係に縛られない「一匹狼」に人間的な魅力を感じて憧れたものだった。

しかし、今日の若者たちは、一人でいる人間を「ぼっち」と呼んで蔑みの対象とするようになっている。一人でいることは関係からの解放ではなく、むしろ疎外を意味するからである。

既存の社会制度の束縛から解放され、自由な関係を築けるようになったのに、それでも一人でいる者は、誰からも選ばれない人間的魅力を欠いた人物とみなされ、否定的に捉えられてしまう。

逆にいえば、人間関係に恵まれているという事実こそが、人間的魅力を示す重要な指標となっている。

一人ぼっちでも充実していることを意味する「ぼっち充」という言葉があるのも事実である。しかし、それも負け犬の遠吠えという感がぬぐえない。あるいは、「ぼっち」回避の疲弊感からくる反動といえなくもない。

かつてと比較すれば、現在の日本は確かに一人でも生活しやすい社会になった。しかし、そうやって人間関係の自由度が高い社会になったからこそ、つねに誰かとつながっていなければ逆に安心できなくなっている。

それを欠いた人間は、価値のない人物と周囲から見られはしないかと他者の視線に怯え、また自身でも価値のない人間ではないかと不安に慄くようになっている。その意味で、じつは今日は、一人で生きていくことがかつて以上に困難な時代なのである。

ゆとり世代といかに接するべきか

日本能率協会が実施している新入社員調査には、理想の上司像を尋ねた設問がある。その近年の回答を見ると、仕事について丁寧な指導をする上司の人気が高く、仕事を任せて見守る上司の人気は低い。

ところが現在の上司に同じ質問をすると、まったく逆の回答が得られる。おそらく現在の上司は、かつて自分たちが若かった頃に、上司を鬱陶しい存在と看做していたからだろう。

ここに世代間の大きな意識ギャップがある。端的にいえば、今日の若者には、上司や仲間から「見られているかもしれない不満」よりも、「見られていないかもしれない不安」のほうが強いのである。

社会的動物である人間は、他者からの承認によって自己肯定感を育み、維持していく存在である。その構造は昔も今も変わらない。

ただし、個性的であることが憧れでありえた時代に私たちに強力な承認を与えていたのは、社会的な理想や信念といったいわば抽象的な他者だった。その評価の基準は普遍的で安定しており、いったん内面化された後は人生の羅針盤として機能しえた。

それに対して今日では、抽象的な他者のリアリティが失われた結果、身近な周囲にいる具体的な他者の評価が前面にせり出してきた。しかも、その評価の基準は場の空気次第で大きく揺れ動くので、その都度ごとに相手の反応を探らなければならなくなっている。

今日の若者たちがゆとり世代と呼ばれ、その生き方が生ぬるいと批判される理由もここにある。確かにこの世代の人たちは、がつがつとしたハングリーな生き方を「意識高い系」や「ガチ勢」と呼んで揶揄したりする。

しかしそれは、一人だけが頑張って周囲から浮いてしまうと、コミュニケーション能力の欠如した空気が読めない人物と看做されかねないからである。逆に言えば、みんなが一緒に頑張っているときに一人だけが怠惰なのも、今日ではかつて以上に嫌われる。

「そんなことやってられねえよ」と、斜に構えた態度が不良的で格好よく見えた時代もあったが、今日ではまったく事情が異なっている。良くも悪くも周囲から目立つことは、自分の居場所を不安定にすることであり、ともかくご法度なのである。

ゆとり世代の若者たちは、やる気の足りない人間というわけではなく、人間関係に対して過剰な気遣いを示す人々だと考えたほうがよい。「個性的であること」が忌避されるとしても、周囲から承認されるための自己有用感は互いに強く求め合っている。

したがって、チーム全体でやる気を出し、創造力を発揮するのはOKだともいえる。事実、クール・ジャパンとして世界に誇る日本発のコンテンツの多くは、若者たちがチームを組んで共同作業で生み出したものであることを想起すべきである。

職場の中でゆとり世代の若者たちと向き合う上司の方々は、そんな彼らの心情を察しつつ接するべきだろう。それが感性の豊かな彼らの創造力をうまく活かす道であり、企業の業績アップにもつながっていくはずである。

彼らの生きてきた環境に想像力を巡らせることなく、ただ単に憂えてみせているだけでは、新旧どちらの世代にとっても、したがって日本の社会全体にとっても、結局は不幸な結果に陥ってしまうこととなるだろう。

[現代ビジネス]

Posted by nob : 2017年06月07日 14:55

お茶は人生の友、、、その時々の気分とそれぞれの効能に応じて様々なお茶がいつも私の傍らに。。。♪

■ダイエットから腸活まで 侮れない「緑茶」の健康効果

近年、お茶に秘められた健康パワーが次々と明らかになっている。

 お茶(緑茶)は世界に誇れる日本の文化の一つです。「緑茶がダイエットに効く」「緑茶でうがいすると風邪の予防になる」――といったうれしい話を耳にする機会が増えました。今、緑茶の健康効果についての研究が国内外で進行しており、緑茶に秘められた健康パワーが次々と明らかになっています。

 2015年5月には、緑茶を飲む習慣が死亡リスクを減らし、長寿につながるという研究結果が国立がん研究センターから発表され、マスコミなどで大きく取り上げられました。

 がんや循環器疾患にかかっていなかった40~69歳の男女約9万人を、約19年間にわたって追跡調査した結果、緑茶を飲む量が多くなるほど、死亡率が下がることが明らかになっています。さらに、死因別で見ると、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患では緑茶を摂取する量が多くなるほど危険度が有意に低下しています。
緑茶を飲まない人に比べ、緑茶を飲んでいる人の死亡率は下がる傾向が確認された。さらに摂取量が多くなるほどリスクは低くなる傾向も確認された(国立がん研究センターの多目的コホート調査による結果、2015年)

 そのほかにも様々なことが分かってきています。そこで、最新の「緑茶の健康効果」と摂取のポイントをまとめました。

■お茶をちょこちょこ飲むといい理由

 緑茶の健康効果というと、まず挙がるのが「カテキン」です。カテキンは、植物中に数千種類あるといわれる「ポリフェノール」の一種で、緑茶の渋みの主成分。ダイエットや、血圧、血糖値の抑制から、抗菌、抗ウイルス効果(インフルエンザ予防)にいたるまで、さまざまな効果があるといわれています。

 大妻女子大学名誉教授の大森正司さんによると、カテキンのさまざまな効果の秘密は、カテキンの2つの特徴によるものだそうです。1つは吸着性の強さ。これにより、虫歯菌にくっつき増殖を抑えたり、ウイルスの体内への侵入を防いだりするのです。腸内では悪玉菌に付着してやっつけるため、腸活効果も期待できます。2つ目は、体内で生まれる活性酸素を消去する抗酸化機能です。ストレスや紫外線、疲労などによって発生した活性酸素を消去する作用が期待できます。

 大森さんによると、カテキンの血中濃度は、緑茶を飲んだ後、およそ1~2時間でピークになるそうです。このため、緑茶を机において、ちょこちょこと飲むのがいいそうです。

■今、注目の成分「テアニン」とは?

テアニンをたっぷり抽出する「氷水出し茶」。水80~100cc(氷を除く)に対して茶葉10gを急須に入れ、10分待って湯飲みに注ぐ。カフェインはほんのわずかしか抽出されない

 お茶の健康効果で、最近注目されているのが、うまみ成分である「テアニン」です。テアニンにはリラックス作用があり、ストレス緩和や睡眠の質を改善する効果なども期待できるといわれています。

 テアニン入りの水溶液を摂取後、40分くらいすると脳波にアルファ波(α波)が出るという研究結果があります。さらに摂取後、40分後くらいまで副交感神経の活性度が増すことも明らかになっています。

 大森さんによると、テアニンをしっかりとりたい場合は、“氷水出し茶”にするといいそうです。低温で抽出すると、渋み成分であるカテキンが少なくなるため、テアニンによるうまみがより強く感じられるとのこと。

■緑茶は「血液サラサラ」食材の基本

 「血液サラサラ」という言葉の名付け親である、栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅さんは、緑茶は血液サラサラ食材の「基本」となる存在だと話してくれました。

 「血液をサラサラにするには、血液の材料となる日頃の食事を改善することが極めて大切です。なかでもお茶は、食品と健康、という視点で考えたときに基本中の基本となるとても重要な存在です」(栗原さん)

 がんに関しても、説得力のある国内の研究報告が積み上がってきています。栗原さんが注目しているのが、厚生労働省が発表する市区町村別の「がん死亡率」のデータです。「がんによる死亡率が少ない市区町村ランキングで、男性の2位と3位に静岡県の掛川市と藤枝市、女性の1位と2位に掛川市と藤枝市が入っています。いずれも緑茶の産地として有名な場所です。緑茶を飲む習慣ががんを遠ざける、と考えて正解だといえるでしょう」(栗原さん)

■緑茶は、肝臓をダメージから守ってくれる

 緑茶はビジネスパーソンの多くが気になる「肝臓」への効果も期待できます。

 「肝臓は活性酸素に極めて弱い臓器で、ストレスの影響も受けやすいのです。そこで患者さんにお勧めしているのが、緑茶です。緑茶に含まれるカテキンには、肝臓を攻撃する活性酸素を消去する強い抗酸化作用があります。つまり、肝臓をダメージから守ってくれるわけです」(栗原さん)

 さらに栗原さんは、インフルエンザや風邪予防のために「お茶うがい」を推奨しています。お茶に含まれるカテキンが、インフルエンザウイルスの表面にある突起にくっつき、粘膜にウイルスが吸着するのを邪魔して感染を防ぐのだそうです。

■抗アレルギー作用を持つ注目のお茶とは

 日本のお茶の7割以上は「やぶきた」という品種です。日本人なら、多くの人が「やぶきた」という言葉を聞いたことがあるでしょう。その一方で、最近では、香味や機能性などに優れた品種の開発も進んでいます。今注目されている品種が「べにふうき」という品種です。

 べにふうきには抗アレルギー作用があり、べにふうき緑茶を日々飲んでいると、ハウスダストや花粉などによるアレルギー症状を抑える効果が期待できます。2015年4月から始まった「機能性表示食品」制度で受理された商品も登場しています。

 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門の山本万里さんによると、花粉が飛び始めてから飲むより、飛散する前から飲んでおいたほうがいいそうです。「早めに飲むことによって症状はより効果的に抑えられます。スギ花粉が辛いという人は、クリスマス前後を目安に飲み始めるといいでしょう」(山本さん)

(日経Gooday編集部)

[NIKKEI STYLE]

Posted by nob : 2017年06月07日 14:28

都会人の意識と都会の構造との関係性

■ニューヨークにあって東京にない、都会人の「選択権」
この保守性の原因は何なのか?

寺田 悠馬
株式会社CTB代表取締役

東京オリンピックの不意打ち

東京オリンピックをやり過ごすこと。無理に無関心を装うのでなく、斜に構えて批判するでもなく、2020年にこの街に到来すると誰もが知る催事について、その存在すら忘れてしまったような涼しい顔でやり過ごすこと。それが難しい。油断すると、東京オリンピックが意外な時と場所に現れて、善意を振りかざして迫って来るからだ。

先月、都内の国立大学の入学式に参列し、久しぶりに訪れたアカデミアの荘厳な雰囲気に快く浸っていると、東京オリンピックの不意打ちにあった。

学長の式辞をはじめ、雛壇に整列した学者らのスピーチに聞き入り、胸中に密かに抱く研究職への憧れと、いつかは自分も大学院受験を試みたいという夢想に興じていた時、唐突に、オリンピックのフラッグを携えた政治家の入場がアナウンスされたのだ。

駆け上がるように壇上に現れた政治家は、学者たちに代わってマイクを握ると、「東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグツアー」という都内62区市町村を巡回中のイベントが、まさにその日、大学がキャンパスを構える地区を訪れている幸運について語り、さらには、入学式に参列する我々一人ひとりが、一丸となって東京五輪を「盛り上げる」重要性を熱心に説き始めた。

つい先刻まで会場を満たしていた繊細な空気がたちまち掻き消されていく様子に狼狽しながらも、筆者は、政治家の顔に張り付いた笑顔を頼りに、なんとか自分も、オリンピックが東京にやって来る事実に、健康的な興奮を覚えられまいかと試みた。

だが、繰り返し使われる「盛り上げる」という動詞の軽薄さに目眩を覚え、アカデミアにいささか暴力的な不調和をもたらす政治家への嫌悪感を、克服することができなかった。

政治家に対する嫌悪感は、やがて彼のノリ、ひいては東京五輪そのもののノリについていけない自分へと矛先を変え、いたたまれない罪悪感だけが後味として残る。筆者はまたしても、東京オリンピックをごく涼しい顔でやり過ごすことに失敗したのだ。

都会と都会人の関係性

生まれ育った街にオリンピックがやって来る。生涯に一度あるかないかの一大イベントを素直に喜べない罪悪感に悩む時、筆者は、高校時代にすがるように読んだ、E.B.ホワイトのエッセイを思い出す。

日本では主に『スチュアート・リトル』(1945年)や『シャーロットのおくりもの』(1952年)といった児童文学の作者として知られるホワイトが、1949年に刊行したエッセイ『Here is New York』は、当時全盛期にあった文芸誌「ニューヨーカー」のジャーナリストとして、都市生活について書き続けたホワイトの真骨頂である。

単行本にしてわずか十数ページの短編の中で、ホワイトは、都会と都会人の関係について、次のように書いている。

「ニューヨークは、独りになる幸せと、参加する興奮とを、同時に許容する。同じく密度の濃い他の共同体に比べて、ニューヨークは、街でつねに起こり続ける壮大で暴力的で素晴らしいイベントのすべてから、個人を隔離すること――もし個人がそれを望むなら。そして大抵の個人は、それを欲するか、必要としている――に長けている・・・

・・・ニューヨークは、どんなできごとが到来しても(東から1000フィートの航路船がやってこようと、西から2万人の党大会がやってこようと)、これらを個人に強要せずに、すっかり吸収してしまう構造にできている。

だからそこに暮らす人々にとって、あらゆるイベントは選択肢に過ぎず、居住者は、参加するスペクタクルを随意に選択することで、己の魂を保全する。大小問わず、多くの都市において、個々の居住者にはこの選択権が与えられていない」

ホワイトの『Here is New York』を読んだ高校時代、筆者は、人口約1万3千人の小さな町の外れにキャンパスを構えるアメリカの寮制高校で、わずか250人の高校生に混じって共同生活を送っていた。狭い共同体を窮屈に感じながらも、その圧迫感をどう言葉にしたら良いか分からず苦しんでいたさなか、ホワイトが言う「選択権」の不在に、息苦しさの正体を発見した。

つまり、筆者が暮らす小さな共同体では、「独りになる幸せ」が許容されず、「参加する興奮」だけが、唯一の選択肢としてあらかじめ提示されていた。参加を免れない以上、すべてのイベント――1000フィートの航路船や2万人の党大会こそ訪れないものの、小さな町でも日々何かしらが起こる――に、健康的な興奮を覚えるのが圧倒的な正解として存在する。

そのため共同体の居住者たちは、個々の好き嫌いを思慮するまでも無く、とにかく一定の興奮状態を装い、事前に決められた設定を忠実になぞり、すでに書かれたあらすじを示し合わせたようになぞるロールプレイを演じるしかない。かくして完成する「物語」から逸脱する身振りは、あらかじめ選択肢から排除されているからだ。

無論こうした環境下では、あえて斜に構えた態度を選択し、共同体で起こるイベントを批判することも可能だろう。筆者自身、ささやかな反抗に甘んじたこともある。

だがそうした振る舞いは、反対意見を述べる配役という形で、たちまちイベントの一部として組み込まれ、共同体の完全性を補強する結果しか生まない。些細な反抗など訳なく吸収してしまうほど、共同体を支配する「物語」の単一性が強力だからだ。

かくして反対意見さえ容易に体内に取り込む怪物に抗うには、まるでその存在など忘れてしまったかのように、涼しい顔で「物語」をやり過ごすのが唯一の戦略である。だが「参加する興奮」以外の選択肢をあらかじめ排除する共同体は、そんな振る舞いを決して許容してはくれない。筆者はそれがたまらなく窮屈で、非都会的に感じたのだ。

7年の尺を持つ「物語」

ホワイトのニューヨークに勝るとも劣らない大都会、東京にいま、「オリンピックを心して待ち望む」という威圧的な「物語」が覆いかぶさっている。

2013年にブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会総会で東京五輪が決定した瞬間、東京の都市生活は、2020年というあくまで恣意的な年を境に、「オリンピック前」と「オリンピック後」に――まるでダイエット食品の広告のように――分類されてしまった。そして7年の尺を与えられた「オリンピック前」の「物語」は、いまちょうどその中盤――五幕劇であれば第三幕――に差し掛かっている。

この「物語」は、東京の居住者が期待に胸をふくらませて、大きな笑顔で2020年を待ち望むという、もっぱら肯定的な気配に支配されている。

無論、時に膨張する大会予算が問題視され、不祥事の一つや二つも発覚しようが、これらは「物語」のドラマ性を際立たせる小細工に過ぎず、東京に限らずどの大会でも起きる伏線として、オリンピックという説話の大枠にあらかじめ織り込まれている。多少のドラマを許容しつつも、大会の根本的な善性は決して疑われることなく、「オリンピック前」の直線的なあらすじは、2020年に向かって突き進むだろう。

やがて「物語」は、事前に定められたクライマックスへと収束する。個々の選手の勝敗や、各国のメダル獲得数、さらには大会予算の最終的なROI(投下資本利益率)にかかわらず、閉会式が催される2020年8月9日には、オリンピックが平和の祭典として祝福され、圧倒的に肯定される以外の結末は許容されていないからだ。

つまり、高まる興奮に身を委ね、一丸となってオリンピックを「盛り上げる」熱量を装いつつも、じつはすでに書かれたあらすじから何ら逸脱せず、あくまで無難に展開する保守的な「物語」が、近年の東京の都市生活に覆いかぶさっているのだ。

そして、東京に暮らす我々は、オリンピックの招聘と運営に直接的に関与するか否かにかかわらず、この融通の利かないあらすじから逃れることができない。2020年を何かの節目と意識せずには東京で生活できない我々は、

「オリンピックが来る頃、自分は何歳になっているだろう?」
「オリンピックが来る頃、自分はどんな仕事をしているだろう?」

と、ついオリンピックの説話に自らを照合してしまう。2020年というあくまで恣意的な年が、いささか唐突に、特権的な時点として未来に出現したため、我々はそこから逆算した直線的な「物語」を捏造せざるを得なくなるのだ。

だが、そんな「物語」に抗おうとして、オリンピックを批判する身振りには間違っても転じまい。当初7000億円と言われた予算が2兆円弱に膨れ上がったという報道を見て、投下資本のROIを冷笑しようとは思わない。

あるいは、人や思想の国境を超えた流動性が増し、戦争でさえ必ずしも国家間で争われると限らない今日において、国民国家単位の競争という極めて前世紀的なイベントの時代錯誤性を、揶揄することもしまい。

そうやって東京五輪に水を差すことは、すでに強固な「オリンピック前」の「物語」に、反対意見を述べる役柄で積極的に参加し、説話の補強に加担する結果しか生まないことを、我々は知っている。

オリンピックの予算や時代錯誤性について、ことさら強い憤りを感じるわけではないにもかかわらず、「物語」の暑苦しさに屈して、これに取り合う身振りをみせてしまえば、あらかじめ決められたあらすじを忠実になぞる退屈な運動に、たちまち引きずりこまれてしまうのだ。

東京の生活に組み込まれたもの

国立大学の入学式のように、意外な時と場所でオリンピックの不意打ちにあう時、筆者は、もう明日にでも東京五輪が開幕してしまわないかと虫のいいことを考える。トップアスリートのパフォーマンスを目撃する快楽について、以前この連載でも書く機会があったが、代表選手たちが大舞台で見せる一瞬の輝きは、堪らなく魅力的なことだろう。

対照的に、「オリンピック前」という7年の尺を持つ「物語」は、スポーツの潔さ、清々しさとは一切無縁の身振りで、東京の都市生活に重くのしかかる。そして、何の節目もなく、ただ雄大に広がっていた未来の時間とごく無責任に戯れる贅沢を、東京の都市生活から奪い取っていく。

「物語」の強固な単一性によって、尺もあらすじも決められていなかった未来の未知性に、本当の意味で興奮する権利を、都会人は失ってしまうのだ。

筆者が高校時代を過ごした小さな共同体とは異なり、地球上でも有数の大都会であるはずの東京において、たった一編の「物語」が肥大化している。それは、オリンピックの招致が決まる遥か以前から、あらかじめ書かれた「物語」の予定調和性に対する非都会的な需要を、東京という都会が内包していたからだろう。

つまり、まだ訪れぬ未来から未知性を排除して、安心で、安全で、そして極めて退屈なあらすじを捏造し、これを忠実になぞろうとする保守的な運動が、東京の都市生活に組み込まれているのだ。

世界の大都会に照らした際に露呈する、東京のこうした保守性の原因は、一体何だろうか?

2020年に控える東京オリンピックに考えが及ぶと、そんな疑問が頭をよぎってしまう。

だがあえて我儘を言えば、そのような到底解明できない疑問など、すっかり忘れてしまう身振りを、筆者は選択したい。「独りになる幸せ」と、「参加する興奮」の両方を許された都会人の特権に甘んじて、まるで東京にオリンピックなど到来しないかのような涼しい顔で、静かに未来に怯え、そして興奮していたいからだ。

参考文献)
White, E.B. Here is New York. New York: Little Bookroom, 2001. (引用部は筆者訳)

[現代ビジネス]

Posted by nob : 2017年06月04日 17:15

もう今や小池さんもあざとさ丸出しですが、、、舛添さんも今更どの口で語っているのでしょうか。。。

■舛添氏 「小池氏は都民騙すのをやめよ、都民は目を覚ませ」

 政治資金の公私混同問題などをめぐって昨年6月に辞任してから1年、舛添要一・前都知事は当時の批判やその後の小池百合子都知事旋風に何を思うのか。新刊『都知事失格』が話題の舛添氏が、本誌に独占手記を寄せた。自身の辞任劇を「最高のサーカスだった」と述懐する同氏は東京五輪の大会組織委員長であり、小池氏との確執が報じられる森喜朗氏を“政治の師”とし「森オヤジ」と呼ぶ。そんな同氏が小池氏とその意を汲むメディアによって悪者にされている現実に異議を唱える。

 * * *

 森オヤジと同じく、小池知事やメディアに標的にされたのが都議会のドンといわれた内田茂である。彼ほど世間のイメージと実像が異なる人も珍しい。

 私は、考えていることを何でも率直に言い過ぎるので軋轢をよく生む。そんな私と対極にあるのが内田だ。直接、苦情は言わない。何かあれば、たとえば森オヤジに告げる。そして、オヤジがそれを私に伝える。

 内田と初めて会ったのは、2009年夏の都議会選挙だった。当時、私は厚労大臣として内田候補の応援に入った。この選挙で自民党は敗北して、内田も落選した。その後は何度か顔を合わせたという程度の間柄だった。

 2014年の都知事選で、私は自民党の推薦で立候補した。「離党した舛添を応援できない」と都連内部で猛反発があったが、最後に「舛添さんは、私の選挙応援に来てくれた」という内田の鶴の一声で反対が鎮まったという。

 彼の真骨頂は、国や都に張り巡らせたネットワークを活用したフィクサー機能である。内田は、親交を結ぶべき人物や組織を次々と私に紹介してくれた。

 ここでなぜ、森オヤジや内田の名前を出したか。古い自民党に先祖返りするような土建政治をやれ、といっているわけではない。要は、付き合い方なのだ。

 内田からの要請に関して、私はできないものはできないと断わった。あまりにはっきり言い過ぎて、不興を買ったこともある。

「全部断わるのではなく、内田の言い分の3つに1つくらいは聞いてやったらどうだ」。森オヤジのお叱りを何度受けたか。

 敵・味方と色づけするだけでは政治はおろか、改革は果たせない。その意味において、彼女が豊洲問題で苦戦していることに、ポピュリズム政治の限界を感じる。誰か側近が、小池知事に「これはネタになりますよ」とでも囁いたのかもしれないが、そう甘くはなかった。

 2016年9月10日、小池知事は豊洲市場で盛り土が行なわれておらず、厚めのコンクリートを敷いている箇所があったと発表した。

 私の都知事就任に前後して、豊洲の工事は始まっており、そのような工法の変更があったとも知らされていなかった。これに関しては、コンクリートで掩われた空間のほうが安全性も高く、メンテナンス作業も容易という発想だったと聞く。いずれにしても、その変更が公にされていなかったのは、大きな問題だ。

 だがここで立ち止まって考えたい。工法を変えた経緯や理由を都の職員は、なぜ公にしなかったのか。様々な事情が介在しているのだとは思う。そこには、石原慎太郎や猪瀬直樹ら異色知事による都政が生みだした闇がある。

◆目を覚ませ!

 週1、2日の登庁、気分を害する職員を更迭・降格させる身勝手な人事、自分の興味分野だけにしか注意を払わない姿勢……。そんな都知事のもとでは、職員は萎縮してしまう。

 外部から招いたイエスマンだけが重用された結果、知事と職員はコミュニケーション不全に陥り、信頼関係が構築できなかった。

 豊洲新市場の工法の変更が必要になったとき、知事はもちろん都民に説明すべきだ。しかし、そこには知事が都民を納得するように説得してくれるはず、という職員の信頼が必要だ。その信頼関係を築けなかったから職員は工法の変更を隠蔽したのではないか。

 もう一つ、「盛り土なし」という報道が出たとき、その工法の有用性をなぜ専門家は主張しなかったのか。

 いま私にはその気持ちが痛いほど分かる。それは、生殺与奪の権を握るマスコミが怖いからだ。「盛り土なし」という単純化された言葉はマスコミを通して一気に拡散し、都に対する不信感がさらに高まっていった。そんななか、工法変更の利点など言える雰囲気ではなくなっていたのだろう。

 そのマスコミと連携して、劇場型ポピュリズムを政治に活かしているのが小池知事である。この「盛り土問題」の責任をとらせる形で、小池知事は、市場長を更迭・降格する屈辱的な処分を下した。彼は、将来の都庁を担うべき優秀な人物だった。

 他にも有望な職員が冷遇されているともきく。今後、豊洲の安全性が確認されたら、人事の責任を、どう取るつもりなのか。

 小池知事は知事報酬削減も発表している。知事報酬や議員報酬の削減競争を続けていけば、金持ちしか政治家になれない。結果として「職業としての政治」が成り立たなくなる。優秀な人材は、いかに高い志を持っていようが、生活もできない政治の世界に集まらないだろう。小池都知事の人気取りは、民主主義の土台を破壊することにつながる。

 知事と同じように報酬を削減する議員は増えるだろうが、逆にいえば、その程度のパフォーマンスに有権者は騙されると考えているのだ。そこには、政策の判断も何もない。豊洲を含めた小池劇場が長引くほど、財政を含めた様々な面で大きな負担を強いられるのは、都民だ。「サーカス」に騙された都民は、そのツケを自ら払わなければならないのである。

 もちろん分かっている。私が辞任した結果、都政に混乱を招き、都民を失望させてしまったのだ。それに関しては、心から申し訳ないと思っている。

 さきほど職員と都知事の信頼関係構築を説いたが、私にそれができたという自信はない。そんな私が、最後に私心を捨てて言う。小池知事は都民を騙すのをやめたほうがいい。そして都民よ、いい加減目を覚ましてほしい。

[週刊ポスト]

Posted by nob : 2017年06月04日 17:05

酷い話です。。。

■<原発事故>避難者住宅、退去拒否 山形の8世帯

 東京電力福島第1原発事故の自主避難者に対する住宅無償提供が3月末に打ち切られたことをめぐり、山形県米沢市に避難中の福島県民8世帯計24人が3日、雇用促進住宅の家賃支払いと退去を拒否していることを明らかにした。8世帯のうち3世帯は母子避難で、経済的に困窮しているという。

 8世帯は住宅を管理する独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」(千葉市)に対し、居住費は国、東電に請求するように求めているという。

 代理人らによると、8世帯は2011年4月ごろから、米沢市内の雇用促進住宅に入居中。今年3月に4月以降の家賃支払いなどを拒否する文書を通知したため、同機構が4月13日付文書で▽住戸不法占有にかかわる家賃相当額の損害金を支払うこと▽明け渡しに応じない場合は管轄裁判所に訴訟提起する−−などと要請してきた。

 これに対し、8世帯は代理人を通し、6月2日付で回答書を同機構に送付した。原発事故を巡って国と東電に賠償責任を認めた前橋地裁判決(17年3月)などを挙げ、同機構による無償提供の打ち切りは違法とした。

 福島市からの自主避難者で、住民代表の男性(76)は記者会見で「数万円の家賃負担が発生すれば、母子避難者の生活は成り立たない。経済的窮状は深刻だ」と訴えた。

 山形県によると、福島県からの避難者は4月時点で767世帯2159人。避難指示区域外からの自主避難者が595世帯1724人を占めている。【野間口陽】

[朝日新聞]

Posted by nob : 2017年06月04日 16:38