意識してこそ。。。

■寒い冬の水分補給、それほど気にすることはない?

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

夏は発汗も盛んで、喉が渇くという自覚症状がありますし、熱中症対策などの観点からも水分補給の習慣ができていますが、冬はおろそかになりがちです。

実は、人間の身体に必要な水分量というのは一年中変わりません。

ですから、冬こそ水分補給を怠らない意識づけが大切になります。

また、冬ならではの水分補給の必要性もあります。

今回は冬の水分補給について、確認していきましょう。

◆身体に必要な水分

人間の身体の水分が占める割合は、成人男性で体重の約60%、女性は約55%、新生児は約75%、高齢者は約50%といわれています。

そのうちおよそ3分の2が細胞の中に、残りの3分の1が、血液・リンパ・唾液・細胞間質液に配分されます。

「脱水症」とは体内の水分が不足する状態ですが、体重の2%(50㎏で1リットル)の水分が失われると、口やのどの渇き、食欲不振などの不快感に襲われます。

さらに、6%以上失われると「脱水症状」に陥り死に至る危険性もでてきます。

ちなみに、人間は食べ物がなくても水があれば2〜3週間は生きられますが、水分を一切摂取しないとせいぜい4〜5日で死んでしまうといわれています。

◆基本的な水分補給

環境省熱中症環境保護マニュアルによると、体重約70㎏の成人男性の場合、1日の水分の出入りは「2.5リットル」とされていて内訳は次のとおりです。

●入ってくる水
 ・食事に含まれる水分:1リットル
 ・たんぱく質、炭水化物、脂肪が体内で燃焼して出る水分:0.5リットル
 ・飲み水:1リットル

●出ていく水
 ・呼気:0.5リットル
 ・皮膚からの蒸発:0.5リットル
 ・尿や便:1.5リットル

このように、通常は1日に1リットルほどの水分補給をしていれば脱水状態には陥りません。

喉が乾いたときに200mlくらいを1日5回飲めばよい計算となります。

夏場は暑さや運動などにより発汗が促進されますので、その分余計に水分補給をする必要がありますが、身体も自然と水分を欲してくれます。

【参考】
環境省熱中症予防情報サイト『熱中症環境保健マニュアル』

◆冬の脱水

それに対して、冬の場合はどうでしょうか。

いくつか脱水にいたる重要な要因がありますので見てみましょう。

・乾燥による脱水

外気の乾燥、エアコンや暖房の使用による室内の乾燥、住宅の気密性により湿度が低いなど、冬は外的な要因から乾燥しやすくなります。

また、身体の体感温度が低くなり喉の渇きを感じにくい、身体を冷やしたくないために水分を控える…などといった状態になりがちです。

呼気や皮膚からの水分の蒸発は夏場でも感じることはなく、「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」と呼ばれていますが、まさに冬は脱水状態に気がつきにくくなるのです。


・ウィルス感染などによる脱水

風邪やインフルエンザなどの感染症は、脱水症発症の原因となります。

嘔吐や下痢などの症状から大量の体液が体外に排出されたり、高熱による体温調節のため発汗が促進されたりするためです。


・脱水による脳卒中や心筋梗塞のリスク

冬は脳卒中や心筋梗塞が増加します。

これは、寒くなって血圧が上昇することに加え、水分の摂取不足から血液の粘度が高くなり、いわゆる血液ドロドロ状態になることが要因として挙げられています。


・アルコールによる脱水

冬場も飲酒の機会は多いでしょう。

お酒を飲むと喉が渇く、という現象はご存知だと思いますが、アルコールには利尿作用がありお酒を飲むと脱水状態になっていきます。

お酒を水分とみなして「水分補給をしているから大丈夫」、という解釈は誤りです。

最近では、飲酒しながら水分補給をする「和らぎ水」(洋風にいえばチェイサー)が奨励されています。

【参考】
二本酒造組合中央会「『和らぎ水』のすすめ」

◆冬の水分補給

寒い上に汗をかかないため、タイミングがつかみにくい冬場の水分補給。

夏と同じように、通常であれば1日1リットルほどの水を、ちびちび(1回にコップ一杯半ほど)飲みましょう。

ただし、冷たい水は身体を冷やしますから、常温や白湯などがよいでしょう。

また、大量に汗をかきネラル分を失う夏場とは違いますので、スポーツ飲料の常飲はおすすめしません。

さらに、風邪やインフルエンザにかかったときやお酒を飲むときにも、適切な水分補給を忘れずに。

冬は夏以上に意識して、水分補給を心がけてください。

[Mocosuku Woman]

Posted by nob : 2018年01月20日 20:19

簡単そうで最も難しいこと。。。

■いらぬことを考えず、今、この瞬間を懸命に生きることです

【瀬戸内寂聴「今日を生きるための言葉」】

先のことを思い煩(わずら)うことはありませんし、昔のことをくよくよしたってしょうがありません。今、この瞬間が大切なのです。

[ニッポン放送]

Posted by nob : 2018年01月17日 12:19

睡眠はやはり時間よりも質。。。

■“深い眠り”を導く! 3分間でOKの快眠ストレッチ
深部体温と自律神経の状態を改善、心地良く深い眠りに

伊藤和弘=フリーランスライター

仕事やプライベートの時間をやりくりするために、真っ先に削ってしまうのが「睡眠」ではないだろうか。また、年齢とともに、眠りが浅くなったり、目覚めが悪くなったりする人も多いに違いない。もう眠りで悩まないための、ぐっすり睡眠術をお届けしよう。

 なかなか寝付けなかったり、就寝できても夜中に目が覚めてしまったり…。睡眠の質の低下に悩む人が増えている。

 企業向けに睡眠コンサルタントを行うニューロスペースが、2017年11~12月に、20~50代の男女846人に「睡眠に関するアンケート」を行ったところ、「睡眠に満足していない」と答えた人は実に58.0%と半数以上だった。睡眠に関する悩みは、多い順に「夜中に目が覚める」(中途覚醒)が32.5%、「寝つきが悪い」(入眠困難)が30.1%、「朝の目覚めが悪い」が29.1%、「しっかりと寝たはずなのに体がだるく爽快感がない」が27.8%という結果だった。

 また、2016年の国民健康・栄養調査を見ても、19.7%の人が「睡眠で休養が十分にとれていない」と感じている。

 睡眠時間を7~8時間確保することはもちろん大事だが、睡眠には量だけでなく、質の問題もある。時間的には十分眠ったはずなのに満足感がない、という経験は多くの人が持っていることだろう。そもそも“ぐっすり眠る”とは、どういう睡眠を指すのだろう?

 「結論から言えば、“深睡眠”がよく取れている状態のことです」と明快に答えるのは、RESM(リズム)新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック(横浜市港北区)院長の白濱龍太郎さんだ。

最初の4時間で深睡眠を2回以上

 睡眠には、筋肉は休んでいても脳は活動して夢を見ているレム睡眠と、脳も体もともに休んでいるノンレム睡眠がある。ノンレム睡眠は俗に「深い睡眠」と呼ばれるが、深さによってさらに3段階に分かれており、それらの中で最も深い眠りが深睡眠(徐波睡眠)だ。レム睡眠とノンレム睡眠は90分から120分で1セットになっており、深睡眠は眠った直後に現れ、明け方には見られなくなっていく。

 「脳内にたまった疲労物質(アミロイドβ)の除去、細胞を修復する成長ホルモンの分泌は、深睡眠のとき最も盛んになります。そのため、この時間が長いほど疲れが取れて睡眠の満足感がある。1000名以上の脳波(終夜睡眠ポリグラフ検査)と眠気(ESS検査)の関係を調べた結果から、ぐっすり眠るためには、眠りについてから4時間以内に深睡眠を2回以上取ることが必要と考えています」(白濱さん)

 睡眠時間が少々短い日でも、最初の4時間で深睡眠を2回取れれば「検査データを見ると、脳と体の疲れの8割程度は取れています」と白濱さんは言う。

 睡眠の質を確認したければ、目が覚めたとき布団の中で脈を測ってみるといい。ぐっすり眠れたときは、いつもより脈の回数が少なくなっているはずだ。また、電車の座席に座るとたいてい眠ってしまう、昼食後は必ず眠くなる、布団に入るとバタンキューで意識がなくなる、といったことが多い人もきちんと深睡眠が取れていない可能性が高い。

深部体温と自律神経のリズムを整える

 では、どうすれば“ぐっすり眠る”(眠ってから4時間以内に深睡眠を2回以上取る)ことができるのだろう? ポイントは「深部体温と自律神経にあります」と白濱さんは続ける。

 深部体温とは、内臓など体の内部の体温。これは1日の中でも規則的に変動する。最も低いのが明け方で、目覚める前から上がり始め、起床11時間後に最も高くなる。夜になって深部体温が下がると眠くなる。

 「睡眠の質が悪い人は、この深部体温のリズムが乱れていることが多い。夕方になっても体温が上がらない、眠る時間になっても体温が下がらないので眠くならないというわけです」と白濱さんは指摘する。

 一方、血圧、呼吸、代謝などを調節する自律神経には、活動状態にあるときに優位に働く交感神経と、休息状態で優位になる副交感神経がある。

 健康な人は夜になると副交感神経が優位になって、体がリラックスした状態になる。しかしストレスが強く、遅くまで働いている現代人は、眠る時間になっても交感神経が優位のまま。そのためベッドに入ってもなかなか寝つけず、眠っても良質な深睡眠が得られない。

3分ストレッチで浅い眠りを改善

 そこで白濱さんが考案したのが“ぐっすりストレッチ”だ。

 夜になったら3種類のストレッチをそれぞれ1分ずつ行うだけ。ぐっすり眠るために必要な深部体温のリズムを整え、副交感神経を優位にする効果があるという。では早速、具体的なやり方を説明しよう。

首もみストレッチ

(1)シャワーを固定し、少し熱めのお湯をうなじに当てる。湯船に首を沈めてもOK。(2)親指以外の指を組む。(3)シャワーは当てたまま。うなじの横のくぼみに親指を当てて、手をゆっくり上下に動かしてマッサージする。強すぎると逆効果なので、あくまで優しく行う。

 このストレッチは浴室で1分行うとよい。最初に深部体温を上げておくと、寝るときに下がりやすい。多くの血管が集中しているうなじを温めることで、効率よく血行を改善し、深部体温を上げることができる。マッサージによってさらに血行を良くするとともに、首の筋肉の緊張をほぐし、リラックス効果も得られる。

腕まわしストレッチ

(1)眠る準備を整え、部屋の明かりを消す。(2)腕を曲げ、脇を開いてひじを上にあげる。(3)そのまま後ろに向かって、ひじを大きくゆっくり回す(A)。左右の肩甲骨を寄せるようなイメージで。次に、(4)ひじが体の前に来たら手を組み、前方に腕を伸ばす(B)。(5)そのまま腕を頭の上まで持ち上げ、ぐっと伸ばす。2~3秒間キープしてから手を下ろす。(6)以上の動作を5~6回繰り返す。

 このストレッチは寝室で行う。肩甲骨の周辺には褐色脂肪細胞が多く、ここを刺激することで深部体温が効率よく上がる。肩の筋肉の緊張をほぐすことでリラックス効果もある。

足首曲げ深呼吸

(1)布団に入る。(2)3秒ほどかけて鼻からゆっくり息を吸いながら、左右の足首を手前に曲げる(C)。(3)3~5秒ほどかけて口からゆっくり息を吐きながら、ふくらはぎと足首から力を抜く(D)。(2)(3)の動作を5~6回繰り返す。

 仕上げのこのストレッチも寝室で行う。手足の末端から熱が放散されることで深部体温が下がる。足の血行を良くすることで熱が放散されやすくなり、スムーズに深部体温が下がる。さらに、ゆっくり息を吐くことで副交感神経が優位になり、リラックスすることができる。

 以上、浴室で1分、寝室で2分、計3分間で3種類の“ぐっすりストレッチ”は手軽に行える。「40人の患者さんに2週間続けてもらい、9割以上の人が睡眠改善効果を感じました」と白濱さん。寝る前の習慣にしてしまえば、条件反射でより眠りやすくなっていく。今の睡眠に満足していない人は、早速今夜から実行してほしい。

白濱龍太郎(しらはま りゅうたろう)さん
RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック 院長

[日経Gooday]

Posted by nob : 2018年01月09日 19:20

生き方(逝き方)の一つの選択、、、私の両親も登録しています。。。

■死後の「献体」希望者が年々増加中、注目を集める理由とは
死後の「献体」希望者が年々増加 費用は大学持ちで棺桶代や霊柩車代もかからない

死後の「献体」希望者が年々増加中、注目を集める理由とは

 人が亡くなってからの“後始末”について、常識が大きく変わりつつある。親族や友人に葬式で見送られ、家の墓に入る──そんな“逝き方”が、当たり前ではなくなるかもしれないのだ。都内在住の会社員A氏が困惑気味につぶやく。

「60歳を前に保険の見直しプランを練っていたら、妻から『高い保険料を払って死亡保障を手厚くするのはもったいない。“献体”なら火葬費用もいらないようだし、考えてみたら?』と冗談交じりに言われました。1人娘にも『私が嫁いだらお墓を継ぐ人もいなくなるし、いいんじゃない』と追い打ちをかけられ、返答に窮しましたよ」

 近年、死後の「献体」が注目を集めている。献体とは、医学・歯学の研究や教育のために遺体を無条件・無報酬で提供すること。医学部や歯学部のある全国91の大学と「献体篤志家団体」と呼ばれる57の組織などが窓口になり、2017年3月末時点で28万人超が登録済みだ。10年前に比べて7万人増で、登録は年々、増加している。

「登録者が亡くなると葬儀業者らが遺体を引き取り、腐敗を防ぐためにホルマリン溶液を注入・保管し、大学で解剖に備えます。ご献体は尊い意志によるものですから、実習前には必ず教員・学生がご遺体に合掌し、敬意と感謝の念を捧げます」(国際医療福祉専門学校・増茂誠二主席顧問)

 篤志解剖全国連合会会長の松村譲兒・杏林大学教授は、現状をこう語る。

「制度が始まった50年代に比べて献体の社会的な認知が進み、最近は団塊の世代の登録者が増えている。解剖学教室の保管スペースが足りず、登録を制限する大学も出ています」

◆迷惑をかけたくない

“献体希望者”が増えている理由について、松村教授は「とくに東日本大震災後は、『人生の最後に人様の役に立ちたい』という登録者が増えた」と説明する。ちなみに献体者の遺族には、文部科学大臣から感謝状が贈られる。

 また、“子供や孫に迷惑をかけたくない”という理由で献体する人も増えているという。

「昔と比べて“墓を守る”という価値観が薄れ、『葬儀後にお骨があると、子供や孫の負担になるのでは』と考えた結果、献体という結論に行き着く方が多い」(葬祭ディレクターの寺尾俊一氏)

 遺体を解剖して火葬した後、原則として遺骨は遺族に返却されるが、引き取り手がいなかったり、返還を拒まれた場合は、大学の納骨堂などに合祀される。

「大学では毎年、合同慰霊祭が行なわれます。ある80代女性は、『大学が慰霊してくれるなら、無縁仏ではないので安心だ』と献体に登録しました」(葬送ジャーナリストの碑文谷創氏)

 日本消費者協会の調べでは、2016年の葬儀費用の全国平均は195万7000円。墓や葬儀関連の情報を紹介するウェブサイト運営などを行なう「鎌倉新書」によると、墓石建立費と永代使用料の全国平均は181万5000円だった(2016年)。

 通夜や葬儀を省いて、火葬のみを行なう「直葬」は10万円台のケースもあるが、献体はさらに負担が少ない。

「保管や解剖後の火葬費用は1体数十万円ほどかかりますが、費用はすべて大学持ちとなり棺桶代や霊柩車代もかかりません。『費用ゼロと聞いたけど、どうしたら献体できますか』という問い合わせが少なくない」(前出・寺尾氏)

 希望者の急増による波紋は広がっている。

「大学の用意した納骨堂が満杯になり、遺骨の引き取り手がいないと献体登録できない大学が多くなりました」(第一生命経済研究所主席研究員の小谷みどり氏)

[週刊ポスト]


■火葬から埋葬まで無料でやってくれる献体 20年で登録者倍増

 現在、葬儀費用約200万円、お墓代約280万円(東京都)といわれる高額な葬儀ビジネス。だが、火葬から遺骨の埋葬まで、「無料」で対処してもらえるのが医療機関の解剖実習などのために遺体を提供する「献体」である。「各大学の医学部で組織される『

 現在、葬儀費用約200万円、お墓代約280万円(東京都)といわれる高額な葬儀ビジネス。だが、火葬から遺骨の埋葬まで、「無料」で対処してもらえるのが医療機関の解剖実習などのために遺体を提供する「献体」である。

「各大学の医学部で組織される『白菊会』が献体の窓口です。本人が登録し、亡くなってから家族が連絡すれば遺体を大学側が引き取りに来てくれます」(ノンフィクションライター・大宮知信氏)

 大学によって様々だが、解剖実習は概ね1年に1~2回。早くて半年、遅くても2年ほどでお骨は遺族の元に戻されるという。

「身寄りがなくお墓がない人は、大学の合祀墓に納骨してくれます」(同前)

 ここ20年で登録者は倍増、現在は24万人を超える。最近では希望者が増えすぎ、登録を制限する都市部の大学もあるほどだ。

「父親の遺体を引き取りに来た大学スタッフが3万円の“寸志”を置いていったという経験を持つ友人もいる。香典代わりということでしょう」(同前)

 遺された者の厄介になるどころか、献体は社会貢献になりうる。一つの選択肢としても考えてもいい時代かもしれない。

[週刊ポスト]


■細川俊之さん 自分の遺体を解剖学実習の教材として「献体」

 1月12日に東京・品川区の自宅の居間で転倒し、14日、急性硬膜下血腫のために亡くなった俳優の細川俊之さん(享年70)。突然の訃報だったが、それよりも驚くべきはその身の処し方だった。ある芸能リポーターはこう話す。

「細川さんは生前に献体を希望していて、お通夜や葬儀も行われませんでした。ご遺族もその遺志に同意していて、ご遺体の返還は1年後、火葬も終えて遺骨になってからだそうです」

 細川さんが選択した献体とは、大学の医学部や歯学部で行われる人体解剖学実習の教材として自分の遺体を無条件、無報酬で提供することをいう。篤志解剖全国連合会・常任理事、順天堂大学医学部解剖学・生体構造科学の坂井建雄教授はこう説明する。

「献体には事前の登録が必要です。申し込み先は大学病院ではなく、献体の会である献体篤志家団体または医科および歯科の大学。登録には必ず家族の同意を求め、同意書に署名・捺印をしてもらう必要があります。ただこの“家族”が誰にあたるのかは規定がありません。生前同意を得ていたとしても、死後遺族が納得して手配していただけなければ、遺体を提供することはできないんです。同意書には署名・捺印したものの、提供を取りやめるというご遺族も実際にいらっしゃいました」

[週刊女性セブン]

Posted by nob : 2018年01月03日 05:55

私もかつては日暮れから就寝まで毎日呑んでいたものです。。。(苦笑)

■睡眠の質を落とさないお酒の楽しみ方…飲酒の適量は?

不眠に悩む人の3割がお酒を不眠解消法として活用しているようです。特に社会人になると忘年会や新年会、送別会など、夜遅くまで飲酒する機会が増えますが、アルコールは寝つきをよくする一方で、飲む量や飲み方を間違えると睡眠の質を下げる恐れがあります。いびき、頻尿を含め、寝酒で起こりうるリスクと、睡眠の質を落とさないための上手な晩酌方法、お酒の適量をご紹介します。

坪田 聡
医師 / 睡眠ガイド

不眠解消法の3割を占める?日本人の寝酒習慣

あまり知られていないようですが、日本人は世界一寝酒好きな民族のようです
アルコールには、不安を減らしたり、気持ちを落ち着けて眠りに誘ったりする働きがあります。そのため、世界各地で眠る前にお酒を飲む風習があるようです。

欧米では、寝酒としてリキュールや蒸留酒などアルコール度数が高いものが好まれ、寝酒そのものを意味する「ナイト・キャップ」というカクテルまであります。

世界の中では特に日本で、寝酒が好まれています。2002年に行われた欧米やアジアの10か国を比較した調査によると、日本人は不眠のために医療機関を受診する割合が極端に少なく、そのかわり、不眠を解消するためにアルコールを摂取する割合がダントツに高く、3割を占めました。

また、久留米大学病院の睡眠障害外来を受診した50歳以上の不眠症患者さんのうち、実に8割以上が睡眠薬代わりにお酒を飲んでいた、という調査結果もあります。

どうやら日本人には「睡眠薬よりお酒のほうが安全」という思い込みがあるようですが、それは本当でしょうか?

飲み方や飲む量に注意! アルコールは睡眠の質を下げる恐れも

寝酒を続けていると、アルコール中毒になる危険があります
少量のアルコールを飲むと、寝つきが良くなるのは事実です。アルコールは脳の中で、興奮系の神経伝達物質であるグルタミン酸の働きを抑え、抑制系の神経伝達物質であるギャバの受容体を刺激することで、鎮静や催眠の作用を発揮します。

この効果のために、昔から世界中で寝酒が愛好されてきました。

ところが、アルコールは量が増えると、睡眠の質を悪くしてしまいます。体重1kgあたり1gほどの中等量のアルコールでは、睡眠前半の深い睡眠が増えますが、後半には浅い睡眠が増え、夜中に目覚めやすくなります。

さらに、多量のアルコールを毎日飲み続けていると、はじめにあった催眠効果が次第に弱まり、アルコールに対する耐性ができてしまいます。数日後には、飲み始める前よりも睡眠時間が短くなるため、睡眠時間を確保しようとしてお酒の量が増えてしまい、結果としてアルコール依存症になるリスクが高まります。

しばらくお酒を毎日飲んだあと、「これではいけない」と思って急に飲酒を中断すると、一時的に不眠がひどくなります。このときも正しい不眠治療のために、医療機関を受診すればよいのですが、「時間がない」とか「面倒だ」などと思っていると、再びアルコールに依存した生活に陥ってしまいます。

ビールの飲みすぎが招く睡眠中の頻尿といびき

ビールの飲みすぎで夜中にトイレへ……。睡眠の質が悪くなってしまいます
お酒を飲んだ夜は、トイレが近くなって夜中に目覚めてしまう人もいると思います。ビールをたくさん飲むということは、水分をたくさん摂っているということなので、その水分を出すためにトイレへ行くのは自然なこと。しかし、水分摂取量以外にもトイレが近くなる理由があります。

通常、眠っている間には、おしっこが作られないようにするためのホルモン(抗利尿ホルモン)が分泌されます。しかし、アルコールはこのホルモンの働きを邪魔してしまうため、眠っているうちにもだんだんおしっこが溜まります。睡眠の後半になると、眠り自体がアルコールために浅くなるので、トイレへ行くために目が覚め、睡眠が分断されてしまうのです。

また、アルコールは舌の筋肉を麻痺させるので、仰向けで眠ったときに舌がのどに落ち込みやすくなります。さらに、鼻の血行が良くなりすぎて、粘膜が腫れて鼻が詰まります。これらが合わさって、鼻からのどにかけての空気の通り道が狭くなり、イビキをかきやすくなります。イビキをかいているときは、体に酸素を十分に取り込めないので、睡眠が浅くなり中途覚醒が増え、熟睡感が減ってしまいます。

お酒の適量目安と休肝日のススメ

あまり遅い時間まで飲まないほうが、よく眠れます。寝る前3時間前までの適度の晩酌がオススメです
アルコールには、ストレスを解消して気分をリラックスさせ、親密な人間関係を作るきっかけとなる効果があります。ですから、飲み方に気をつければ、人生に彩りを加えてくれるはずです。

寝つくときにアルコールの血中濃度がゼロであれば、少なくともアルコールの悪影響は防げます。そのためには、体重60kgの健康な人の場合、眠る3時間前までに日本酒なら1合、ビールなら中~大ビン1本、ワインならグラス2杯が限度として楽しみましょう。

少なくとも眠るための寝酒はやめて、夕食のときに晩酌としてお酒をたしなむのが良いようです。また、アルコール分解で負担のかかる肝臓のために、週1~2日はお酒を飲まない休肝日を作っておきましょう。

[AllAbout]

Posted by nob : 2018年01月03日 05:42

この国には、安全な場所などどこにもない。。。(哀)

■北海道沖で超巨大地震の可能性、30年内の確率7~40%
M9級、地震調査委が公表

政府の地震調査委員会は19日、北海道東部の十勝沖から択捉島沖の太平洋に横たわる千島海溝で、マグニチュード(M)9級の超巨大地震が今後30年以内に7~40%の確率で起きるとの予測を公表した。平均340~380 年の間隔で繰り返してきたとみており、前回の発生から約400年が過ぎていることから「切迫している可能性が高い」とした。

東日本大震災(M9.0)や南海トラフ巨大地震に加え、北海道でも海溝型地震の大きなリスクの可能性が出てきた。

千島海溝では陸側のプレート(岩板)に海側のプレートが沈み込み、ひずみがたまると地震を起こす。調査委は2004年の長期評価で、千島海溝に沿う十勝沖や根室沖、色丹島、択捉島沖で巨大地震を想定してきた。

それぞれの発生確率を十勝沖など3つに分けて見直すなか、東日本大震災のような大津波を伴う超巨大地震を検討。3つのうち複数の震源域が連動して広がるなどの条件から超巨大地震(M8.8程度以上)の可能性が浮かんだ。

平田直委員長は「東日本大震災のような大きな地震が北海道でも起こり、津波が発生する可能性を覚えておいてほしい」と語った。

ただ、地震時期や規模を巡っては情報が十分ではない。南海トラフ巨大地震の長期評価ではM8~9級が30年以内に60~70%の確率で起きると予測されている。

今回の北海道東部沖では発生間隔が100~800年とばらつき、30年以内の発生確率は7~40%と幅がある。津波の高さなどは分析を続けている。

調査委は北海道大学などが内陸の堆積物を調べた研究から、北海道東部の太平洋側で約400年前に沿岸から4キロメートルの内陸まで大津波が押し寄せたと推定した。津波は海抜20メートル超に達したとみられる。津波の大きさなどから超巨大地震があったと考えられると結論づけた。

震源域が南に広がると、複数の原子力施設がある青森県の沖合に近づく。日本原燃の使用済み核燃料再処理工場は海岸線から陸地に5キロメートル入った場所に建つ。原子力規制委員会の安全審査では従来の想定で「津波は到達しない」という判断だが、超巨大地震の評価が進めば対策が課題になってくる。

規制委の事務局の原子力規制庁は「すぐに規制基準を見直すことはないが、最新の知見を反映させる点がないか議論が必要だ」と説明する。

今回、調査委は一回り小さい巨大地震が30年以内に発生する確率も発表した。十勝沖ではM8~8.6程度が7%、根室沖ではM7.8~8.5程度が70%程度、色丹島および択捉島沖ではM7.7~8.5前後が60%程度とした。

[日本経済新聞]

Posted by nob : 2017年12月20日 16:29

隠れていても兆候は至るところに、、、自らの心身との対話力こそすべて。。。

■見逃すと過労死の恐れ 「隠れ疲労」蓄積に3つのサイン

 長時間労働による「過労死」の問題が相次ぎ、政府は躍起になって働き方改革を推進している。とはいえ、これで労働環境がどこまで改善されるかはわからない。自分自身で過労死から身を守る必要がある。そのためには「隠れ疲労」を見逃してはいけない。「東京疲労・睡眠クリニック」院長の梶本修身氏(大阪市立大学大学院医学講座特任教授)に聞いた。

 仕事や運動をした後は、誰もが「疲れた」と感じる。エネルギーを消費したことで体が疲れてしまったと思っている人がほとんどだろうが、これは大きな勘違いだという。

「仕事や運動くらいでは、エネルギーが枯渇して疲労を起こすことはほとんどありません。それでも疲れたと感じるのは、脳の中にある自律神経の中枢に大きな負担がかかったからです。自律神経は、脈拍、呼吸、血圧、体温、睡眠といったあらゆる身体活動をコントロールしています。仕事や運動によってその自律神経が酷使されると、脳は『疲労感』を自覚させようとします。それ以上、体を動かすなどして自律神経に大きな負荷をかけないようにするためです。疲労というものは実は脳の疲労なのです」

 脳疲労によって発せられる疲労感は“危険信号”といえる。しかし、疲労感という生体アラームを無視してそれ以上の無理を続けると、最悪の場合、過労死を招く結果になりかねない。

■前頭葉が疲れを隠してしまう

 ただ、実際に疲労が蓄積していても、人間は疲労感を覚えないケースがあるという。

「自律神経の中枢が疲弊し、『疲労した』という情報を収集して疲労感として自覚させるのは大脳の前頭葉にある眼窩前頭野という部分です。前頭葉は『意欲や達成感の中枢』と呼ばれていて、人間は他の動物にはみられないほど前頭葉が発達しています。そのため、眼窩前頭野で発した疲労感という生体アラームを意欲や達成感によって隠してしまう。実際は疲労が積み重なっているのに、疲労を感じなくなるのです。これは人体にとって最も危険な状態で、『隠れ疲労』と呼んでいます」

 過労死は、前頭葉が発達して疲労感を隠してしまう人間だけにしか起こらないという。過労死を避けるためには、隠れ疲労が蓄積していないかどうかをチェックすることが重要だ。

?飽きる

 長時間のデスクワークやパソコン作業で脳を使い続け、「飽きた」という感覚を覚えたことが誰にでもあるだろう。この飽きるという感覚は、脳が疲労し始めている最初のサインだという。

「仕事や勉強などで使い続けている特定の脳の神経細胞を休ませてほしいというシグナルです。『飽きた』というサインを無視して作業を続けていると、特定の神経回路が疲弊して機能が低下し、全身がだるいなどの症状が表れるようになります」

 飽きたらすぐに作業は中断して、休息をとることが大切だ。

?寝落ちが増える

 飽きるというサインを無視すると、次は「眠くなる」サインが出る。

「電車で席に座った途端、隣の駅に着くまでの間に眠ってしまったり、大事な会議中なのにウトウトしたりするなど、公的な場で無意識に寝落ちしてしまう場合は、隠れ疲労を抱えているケースが多い。疲労が蓄積してピークに近い状態になると、脳は強制的に意識をシャットダウンして休ませようとするのです」

?毎日の習慣が面倒に感じる

 脳に疲労がたまると「疲れる」というサインが出る。隠れ疲労の場合は疲労を感じないが、無意識のうちに表面に表れるという。

「たとえば、駅から自宅までといった普段は歩いている1キロ程度の区間なのに、『なんとなく、きょうは歩きたくない』と感じてタクシーに乗ってしまう。普段は楽しめる友達や彼女からお誘いがあっても、『きょうは出向くのが、おっくうだ』と感じて断ってしまう。こうした衝動的な『面倒くさい』という感覚は、隠れ疲労が表面化している可能性が高いといえます」

 ◇  ◇  ◇ 

 これら隠れ疲労の3大サインが表れたら、無理はせずに休息をとり、しっかり睡眠をとる。蓄積した疲労を回復させるには、ぐっすり眠ることが何よりも効果的だ。

[日刊ゲンダイDIGITAL]

Posted by nob : 2017年12月17日 06:13

常に人命再優先!

■赤ちゃんポストの慈恵病院、「内密出産」受け入れ検討

 親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)で知られる慈恵病院(熊本市)が、妊婦が匿名で出産し子には後に出自を伝える「内密出産制度」の導入を検討していることが15日、分かった。望まない妊娠で孤立する女性が安全に出産できる態勢を整えたい考えだ。

 内密出産は、妊娠を誰にも知られたくない女性を医療機関が匿名で受け入れることで母子の安全を図り、子どもが一定の年齢になれば母親の身元を知らせる仕組み。ドイツで制度化されている。

 「自宅や車中などでの危険な出産が多い」「子の出自を知る権利が奪われる」など赤ちゃんポストの課題を解決する手段の一つとして熊本市も注目している。慈恵病院はすでに市に実現したいとの意向を伝えた。市は病院側の求めに応じて1月に会合を持つ予定。

 病院の構想では、女性に身元を記した書類に封をして行政機関に預けてもらい、病院では匿名で出産。出産時に女性が亡くなったり重篤な状態になったりしない限り、子どもが一定の年齢になるまで開封せず保管して匿名性を守る。子どもは特別養子縁組をした家庭で育てるという。

[朝日新聞]

Posted by nob : 2017年12月17日 06:10

すべてはバランスに尽きると、、、正解はあくまで自らの心身との対話を重ねていく先にあります。。。

■炭水化物「毎食7割超え」死亡リスク上昇、脂質の摂取多いと死亡リスク低いと調査結果

記事まとめ

* 11月7日付NIKKEI STYLEで『「炭水化物が毎食7割超え」は注意 死亡リスク上昇』掲載
* 元の論文は、世界18の国と地域の13.5万人以上を対象にした食と死亡リスクの観察調査
* 植物油には健康を害する負の作用があると指摘も、砂糖の有害性の米研究打ち切りも話題

日本人が年間13リットルも飲む「植物油」が体を壊す

 先日、興味深い記事が発表されました。それは11月7日付NIKKEI STYLE記事『「炭水化物が毎食7割超え」は注意 死亡リスク上昇』で、8月29日付ランセット誌電子版に掲載された論文を基にした記事です。ちなみに、ランセットは世界五大医学雑誌のひとつです。

 元の論文は、世界18の国と地域の13.5万人以上を対象にした食と死亡リスクの観察調査です。低所得国、中所得国、高所得国を網羅し、人数も多く期間(中央値で7.4年)も長いので、今までに例のない調査といえます。

 記事では主な調査結果として、次の2点を取り上げています。

(1)炭水化物については、最低群(総エネルギーに占める炭水化物の割合の中央値が46.4%)と比較した最高群(同77.2%)の総死亡のリスクは28%高く、摂取量が多いほど死亡リスクは高い傾向が見られました。

(2)脂質については、炭水化物とは反対に、最低群(総エネルギーに占める脂質割合の中央値が10.6%)に比べ最高群(35.3%)の総死亡リスクは23%低くなっていました。

 記事では、この結果を受けて、炭水化物の摂取が非常に多いと死亡リスクが高く、脂質の摂取が多いと死亡リスクが低いことが「意外」と受け止めています。しかし、筆者はこの結果を「意外」とすることにかなりの違和感を覚えます。

●栄養素は単独では働かない
 
 私たちが生きてゆく上で必要な三大栄養素は「たんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)」で、どれもエネルギー源ともなります。これにビタミン、ミネラルを含めた五大栄養素の相互作用で生命活動を維持します。その際に重要なのは、栄養の摂取バランスです。調査では、栄養素を単独で扱っているので誤解しがちですが、実際には栄養素は単独では働かないので、摂取バランスで捉えないとあまり意味がありません。

 栄養の摂取バランスで捉えると、炭水化物の摂取量が多いというのは、その他の栄養素は必然的に少なくなります。脂質もたんぱく質も少ないと考えられます。炭水化物摂取の最高群(同 77.2%)の死亡リスクが高いのは、栄養バランスが悪い、もしくはかなり偏っているためだと考えられます。

 逆に、脂質の摂取量が多い群(35.3%)は、炭水化物が少なくなります。脂質は肉類や卵などに多く含まれます。これらにはたんぱく質も豊富に含まれるので、その摂取量も自動的に増え、摂取される栄養バランスが良くなると考えられます。つまり、死亡リスクの少ない脂質摂取の多い群は、栄養バランスが良いと言い換えられます。

 したがって、この調査結果は決して「意外」なものではなく、栄養の摂取バランスが悪い群は死亡リスクが高く、栄養の摂取バランスが良い群は死亡リスクが低いという栄養学の常識と一致した結果にすぎないのです。

●日本人は栄養バランスの変化と寿命の関係を体現した

 今回の調査の特徴のひとつは、対象に低所得国、中所得国、高所得国を加えたことです。低所得国と高所得国では摂取する栄養バランスの良し悪しに差があることも、平均寿命が違うことも容易に想像ができます。

 低所得国が経済発展し、中所得国、高所得国へと姿を変えると、食糧事情も変化し、栄養バランスも変わり、寿命も延びることは、我々日本人がこの70年の間に体験しています。

 米を主食とした日本人の食生活は、世相の安定した江戸中期以降、少ないおかずで大量の米を食べる炭水化物偏重の食生活が戦前まで続き、その間、平均寿命が50歳を超えることはありませんでした。この食生活が急変するのは、第二次世界大戦以後のことです。

 前述の調査結果の死亡リスクが高い群と符合するように、炭水化物の摂取割合が78%と高率だった1955年の平均寿命は63歳で、脂質の摂取量が増えるとともに寿命は延び続けます。

 平均寿命を延ばす要因は食生活ばかりではありませんが、1955年は高度経済成長の始まりの年であり、経済大国になるにつれ食卓にいろいろな食材が並ぶようになったことは事実です。ちなみに、日本人の平均寿命が50歳を超えたのは1947年で、今からわずか70年前のことです。

●寿命が延びると病気が増える

 摂取する栄養バランスがよくなり寿命は世界のトップクラスまで延びましたが、新たな問題として、病気が増えました。特に慢性疾患である高血圧、脂質異常症、糖尿病は「三大生活習慣病」と呼ばれ、罹患者は増加の一途をたどっています。これらの病気は直ちに死に結びつくものではなく、長い時間をかけて合併症とともに重篤な状態に至るのが特徴です。つまり、ある程度の長生きはできるが、不健康な時間も長いというおかしな時代になっています。

 生活習慣病の原因として、偏った食生活、運動不足、喫煙、過度の飲酒、過度のストレスなどが挙げられますが、なかでも食生活の占める割合は大きく、最近はがんや認知症なども食生活に原因があるケースが指摘され、生活習慣病の範疇に入れる傾向にあります。
 
 栄養豊富な飽食の時代なのに病気が増えているのは、食生活における栄養の質と食の安全性に関する誤った情報に問題があると考えられます。本連載で一貫して指摘しているように、ヘルシーだと誤認識され多量に消費される植物油はその筆頭です。サラダ油やマヨネーズの主原料である大豆の輸入自由化は1961年で、キャノーラ油の原料である菜種の輸入自由化は1971年です。この時期を境に植物油の大量消費が始まっていますが、生活習慣病が急増する時期と一致します。今では一人当たりの植物油の年間消費量は13リットルにも及んでいます。

●調理油以外にも加工食品には大量の“隠れ油”

 糖尿病の原因は炭水化物の過剰摂取にあるといわれますが、上図から読み取れるように炭水化物の摂取量は減り続けており、炭水化物だけでは増える糖尿病の説明がつきません。動物実験の結果から、糖尿病の原因としてキャノーラ油などが指摘されています。これは植物油の消費量の増加と合致します。

 厚生労働省が推奨する「食事バランスガイド」などでは、動物性の脂肪を控え、植物性の脂肪に置き換えることを推奨していますが、こうした一見“常識”とも思える指導が生活習慣病を助長する原因にもなります。植物油には健康を害する隠された負の作用があるからです。

 先日も、砂糖の取りすぎの有害性について指摘しようとした研究を、米国の砂糖業界が50年前に打ち切っていたという事実が報道されたばかりです。

 食材に含まれる成分には、判明している栄養素以外に解明されていない未知の成分があり、人体への影響も解明されていません。栄養の摂取と死亡リスクの関係が解明され、それが公正に発表され、正しく活用されることを望みます。

(文=林裕之/植物油研究家、林葉子/知食料理研究家)

[ビジネスジャーナル]

Posted by nob : 2017年12月13日 15:00

いやはやそこまでですか。。。(驚)

■「若者の恋愛離れ」を考える 「割に合わない嗜好品に」

 街角にクリスマスソングが流れる季節。かつて、当日、誰と過ごすかで盛り上がったが、いまは若者の恋愛への熱意が薄れてきたという。それって本当なの?

■恋しなくてもつながり 牛窪恵さん

 若者の恋愛観を、実際に当事者に話を聞きながら調べ続けてきました。今の20〜30代は、恋愛を必需品ではなくて嗜好(しこう)品と捉えており、手間やリスクを考えると割に合わないもの、と考える人が多くなっていると感じます。

 21世紀に入り、まず変わったのが男性の恋愛観です。景気低迷と将来不安の高まりから、無用な消費を嫌がり、わざわざ恋をしてお金や時間を使いたくない。初めから男女平等の教育を受けており「男が引っ張る」感覚も弱い。

 それでも、少し前まで女性には恋愛願望がみられましたが、最近は男女を問わず「恋愛は面倒」という声が多くなりました。おそらく最大の理由は、常にスマホでネットや人とつながっている「超情報化社会」になったことです。

 まず、満たされやすくなっています。私の大学時代は、授業以外はサークルかバイト、あとはデートぐらいしか楽しみがなかった。でも今は無料の動画やゲームも多く、友人とも常時つながっている。恋をしなくても、いくらでも楽しく過ごせます。性愛への関心も、今はスマホで満たせる。困り事も、助けてくれた誰かにときめく前にスマホが解決してしまい、ロマンチックな瞬間が訪れにくい。

 職場ではハラスメント扱いされるのが心配で誘いにくいし、やっと告白しても、内容を転送されて恥をかいたり。付き合えば、行動がスマホ上で筒抜けで束縛されやすく、別れれば、相手のスマホに自分のデータや画像が残っているからストーカーやリベンジポルノも怖い。これだけの面倒やリスクを背負ってまで、特定の人と深い関係になる必然性が薄れているのです。

 だから、上の世代は「恋愛しない方がおかしい」と自分たちの感覚で見ず、そうした現代的な難しさを理解した上でサポートする必要があります。当の若者には、パートナーを見つける動物的本能を取り戻すため、時々は「スマホ断ち」も大切だと伝えたい。ネットと切れた状態で、「あの人に会いたい」といった自分の自然な感情に、静かに耳を傾ける時間も必要です。

 もともと、昔の日本は西欧型の大恋愛ではなく、一緒に暮らしてから情が移っていくタイプの文化でした。トレンディードラマが全盛だったバブル前後が、むしろ例外的だったのかもしれず、恋愛より情愛を重視するのは決して悪いことではありません。

 ただ、私の経験上も、結婚後に「思っていたのと違う」という瞬間は必ずある。その時、「あれだけ好きになった人だから仕方がない」という割りきりも支えになります。今の若者は賢く先読みしがちですが、人生を納得させるためにも、一度は後先考えずに「燃え上がる恋」をするのも悪くないと思うのですが。(聞き手・吉川啓一郎)

[朝日新聞]

Posted by nob : 2017年12月13日 14:53

運動は健康の源。。。

■運動はがんの進行を抑えるってホント?
「運動とがん」

 がんは長年、日本人の死因第1位の座を独占し続けています。多くの人にとって最も怖い病気でしょう。

 では、がんだと宣告されたら、私たちはどうしたらいいのでしょうか。もちろん、医師と相談しながら、積極的に治療に取り組むことになりますが、自分でできることもあります。そのひとつが「運動」です。

 がんといえば重病です。運動なんかしていいの? と思われるかもしれません。確かに症状や進行度にもよりますが、「運動できる人はした方がいい」というのが最近の定説になっています。

 報告されているエビデンス(科学的根拠)をいくつか紹介しましょう。1つは、大腸がんと診断され、転移のない男性668人を20年間観察した研究です。20年間で258人が死亡し、うち88人は大腸がんが原因でした。「1週間の運動量」を見ると、運動量が多いほど死亡率が低く、最も運動量が多かったグループは、まったく運動しなかった人たちに比べて大腸がんによる死亡リスクが47%も下がっていたそうです(*1)

 前立腺がん患者を追跡調査した米国ハーバード大学の研究でも、「週3時間以上のウォーキング」をしている人たちのがん再発・転移、死亡のリスクは57%下がっていたそうです(*2)。

*1 Arch Intern Med. 2009 Dec 14;169(22):2102-8.
*2 Cancer Res.2011 Jun 1;71(11):3889-95.

 ドクターランナー(事故にそなえて選手と一緒に走る医師)として多くの市民マラソン大会やトライアスロン大会に出場している、よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック(神奈川県横須賀市)院長の奥井識仁さんは、「運動によって大腸がんや前立腺がんの進行は抑えられます。実際、米国にはランニングやウォーキングでがんを抑えようという患者のサークルがいくつもあります」と話します。

 奥井さん自身も、長いこと前立腺がんと運動の研究を続けています。前立腺がんと診断された患者102人(平均74.8歳)に、ホルモン治療と併行してウォーキングを指導しました。8年間で48人が死亡、うち20人(41.7%)は前立腺がんが原因でしたが、「1カ月に120km以上のウォーキング」をしている人たちは、死亡率が半分に抑えられたそうです。

ウォーキングは前立腺がん患者の死亡リスクを抑える
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平均74.8歳の前立腺がん患者に、治療と併行してウォーキングを指導した。1カ月120km以上のウォーキングを実行した人たちは死亡リスクが半減。前立腺がんによる死亡はゼロだった。(データ提供:奧井院長)


 「雨の日も風の日もやる必要はありません。1日6km、月20日を目安に指導しています」(奥井さん)

筋肉の成長に男性ホルモンが使われる?

 では、なぜ運動によって前立腺がんの進行が抑えられるのでしょうか? 奥井さんはテストステロン(主要な男性ホルモン)が筋肉で消費されるからではないか、と考えています。

 前立腺がんはテストステロンをエサにして増殖する性質を持ちます。そのため、治療はテストステロンの分泌を抑えることが基本になります。運動によってテストステロンが筋肉で使われると、前立腺がんのエサになる量が減るのではないか、というのが奥井さんの仮説です。「大腸がんの場合も同じく、運動でIGF(インスリン様成長因子)が筋肉で使われることが、がんの進行を抑える大きな要因になっているように思います」(奥井さん)。

 これらはまだ解決しないといけない問題が多くあります。運動とがん抑制の関係については、いまだにメカニズムがほとんど分かっていないためです。「もっと多くのサンプルを集めて、日本全体で考えていくべきテーマだと思います。米国のように、がん生存者が積極的に治療データを後世の研究のために残して、日本のがん治療に役立てるシステムが必要です」と奥井さんは話します。

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年11月28日 12:03

目指せPPK!

■「ピンピンコロリ」を実現する5つの習慣

長寿国・日本の現実は「寝たきり大国」だ。ほかの国に比べて「ピンピンコロリ」は少なく、「ネンネンコロリ」が際立って多い。なぜなのか。そして、「ピンピンコロリ」を実現するための5つの習慣とは――。

日本は世界でも指折りの長寿国として知られています。しかし、その実態は、最期まで元気に活動して天寿をまっとうするピンピンコロリ(PPK)は少なく、男性は平均9年、女性は同12年も介護された末に死んでいくという、ネンネンコロリ(NNK)が他国に比べて際立って多い「不健康長寿国」なのです。

■病院は決して安全な場所ではない

なぜでしょうか。最大の理由は、病院などの病床数の多さにあります。日本では人口当たりの病床数がアメリカの4倍以上あり、患者の入院期間も3倍近く長いのです。

病床数が多ければ、いざというときすぐに入院できるので安心だと日本人は考えがちですが、後期高齢者の場合、病院のベッドで点滴の針を刺したままトイレにも行かず過ごしたら、間違いなく寝たきりになるでしょう。ベッドがたくさんあってすぐに入院できる一見理想的な環境が、逆に寝たきりの高齢者を増やしている。これが日本の現実です。

また、これも多くの人は誤解していると思いますが、病院は決して安全な場所ではありません。病院に近づけば医療事故や薬害などの危険にさらされます。

たとえば肝臓がん。酒の飲みすぎが原因だと思われがちですが、男性の肝臓がんによる死亡率を見ると、新潟、岩手、秋田など酒どころといわれる県では低く、比率の高い福岡や大阪の3分の1程度でしかありません。実は、肝臓がんは飲酒ではなく、医療事故によるC型肝炎ウイルスの感染が最大の発症要因なのです。

医療事故がどれくらい起こっているか知ったらびっくりすると思います。EUの公式資料によれば、病院の医療事故で死亡した人数は年間約15万人。そのため、EU域内に住む人の約53%が、病院は危険なところだと認識しています。

わが国の実態は公表されていませんが、数十万人規模での医療事故や薬害が起こっていると思われます。

■歯科医にはこまめにかかったほうがいい

では、どうすればNNKを避け、PPKを実現できるのでしょうか。それはなんといっても医師に頼りすぎず、自分の健康は自分で保つのだという気概が持てるような支援環境を公的に整備することです。そのうえで各種の情報を調べ、納得のいく治療を受けるようにしましょう。

一方で、歯医者さんにはこまめにかかったほうがいいようです。私たちの調査では、「かかりつけの歯科医師がいる」と答えた人が長生きでした。どんなメカニズムが働いているのか明確なところはわかりませんが、私は次のような仮説を立てて追跡調査をしています。

まず、歯科医の支援を受けることで望ましい口腔ケアの知識が得られ、高齢になっても歯と口の健康を保つことができる。食は生きることの基本ですから、歯や口が健康であることには大きな意味があります。また、定期的なケアを受けるため、歯医者さんへ「お出かけ」していることも健康長寿には望ましいのです。

■「ピンピンコロリ」を実現する5つの習慣

生活習慣という切り口から見ると、次の5つの習慣を身に付けることがPPKには大事だということがわかってきました。

1、運動。毎日やらなくても週に1回運動していれば、生存率がかなり高くなることが証明されています。

2、質のいい睡眠。

3、朝食。食べないと脳や身体機能が活性化しません。その際、納豆、ヨーグルトなどの発酵食品を食べ腸内細菌を増やして体温を高めると免疫力が高まり、がんになりにくくなります。

4、禁煙。発がん物質を含むたばこは百害あって一利なし、確実に寿命を縮めます。

5、適度な飲酒。私たち研究チームが高齢者1.3万人を対象に3年間追跡調査したところ、男性では毎日飲酒する群、女性では週に1、2回飲酒する群の死亡率が最も低く、逆に死亡率が高かったのは男女とも「ほとんど飲まない」と回答した人たちでした。

■「地域活動にも積極的」がPPKの必須条件

日本では多くの人が誤解しているのがコレステロール値の評価です。高コレステロール群と低コレステロール群では、明らかに前者のほうが長生きです。コレステロールはビタミンDや細胞膜、がん免疫細胞の材料であり、体の中で重要な役割を担っています。その一方、コレステロールを下げる薬の服用により死亡率が高まることが証明されています。

環境や住居も健康長寿に大きな影響を与えます。都市部よりも長野県のような地方で平均寿命が長いのは、水や空気がきれいだというのも理由のひとつ。夏になるとホタルが乱舞するなど、多様な生物が生きられるところでは、人間も長生き。考えてみたら当たり前のことなのです。

日本では毎年約1万7000人がヒートショックで亡くなっていますが、風呂場が寒すぎるなど家の中の温度較差が原因です。これは住宅の断熱・気密性能を向上させる無垢材の活用で改善します。また、クロス張りの壁を珪藻土や土壁に変えればホルムアルデヒドなどの害がなくなり、湿度調整もうまくいくため睡眠の質が高まります。こうした住環境の良質化もPPKのためにはぜひ取り組みたいポイントです。

そして、忘れてはならないのが心の健康。年をとっても生きがいを持ち、地域や趣味の活動にも積極的に参加しているというのはPPKの人の特徴であり、必須条件だともいえます。65歳を過ぎても生きがいを持って働くというのも、要介護にならないための賢明な選択だといっていいでしょう。

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▼これがピンピンコロリの条件だ!

・かかりつけの歯科医師を持つ

・口腔をケアし良好な状態を保つ

・やや太めの体形である

・総コレステロール値が高い

・お出かけが好き

・断熱に優れ土壁を使った健康住宅に住む

首都大学東京名誉教授
放送大学客員教授
星 旦二

[PRESIDENT online]

Posted by nob : 2017年11月23日 15:30

なるほど、、、あらためてダウン。。。(納得)

■ダウンの下にたくさん服を着込むのが残念な理由

リスク対策.com

寒さが本格的になってきました。今回は防寒の話について、アウトドア流防災ガイド・あんどうりす氏が解説します。

 本日は、中間着の断熱についてお話します。

 実は断熱の話は「テントと車中泊、どっちがあったかいと思いますか?」という記事ですでに触れてあります。答えられなかった方、こちら↓をどうぞ。

■「災害対策もかねて、テント泊デビューはいかが?夏のキャンプにも災害時にも使えるテント選びを楽しもう!」(2016年7月21日

 世の中に断熱材はたくさんありますが、動かない空気の層が優秀な断熱材ということを書きました。ですので、中間着として効率よく動かない空気の層を作れば、断熱材になるから暖かいという訳です。

 冬になると、重ね着をします。それは、薄い服でも、重なった服の間に空気の層を作り出すことができ、暖かくなるからです。

 フリースは、風のある日にアウターとして着ると寒いですが、風を防げば、空気を繊維にためこむことができるので、暖かい中間着になります。ウールも発熱機能があるし、加えて、空気をためることができるので、ウールのセーターはあったかいのです。

ダウンジャケット、たくさん服を
着こんだ上に着てませんか?

 ところで、山ではたくさん空気をためる人気の素材なのに、都会では空気をためずに着られている残念素材があります。

 それは、ダウンジャケットです。たくさん服を着込んだ上にダウンを着ている人、いませんかー?

 ダウンはみなさんの体温で暖まると羽をふくらませます。その膨らんだ羽が空気をたくさんつかまえて動かない空気という断熱層を作るから暖かくなる素材です。熱源である体温から離してしまうと、せっかくのダウンの性能が発揮できなくなってしまいます。

 もちろんファッションでどのように着るのもアリですから、普段は寒くてもどんな格好でもいいのです。でも、イザという時は、もしダウンを持っているなら、汗を素早く吸収・発散し、快適な状態を保つインナーのすぐ上に着るか、素肌に直接着てしまってください。羽がふくらむので、少ない衣類で効率良く暖がとれます。

 体温で温めて羽をふくらませるので、体温が普段から低い人、寝たきりの方にダウンの服や布団を用意してあげても暖かくできません。鳥類は37度くらい平均体温があるということなので、しっかりふっくら羽をふくらませますし、体温が高めの元気な子どもが着ると、力士に変身できる仮装の服みたいにダウンをふくらませることができるのはそのためです(笑)。

 布団といえば……当然、羽布布団は肌の近くに着てくださいね。ダウンの中に毛布なんてありえないです。ダウンである意味がなくなります。どうしても毛布を使いたいならダウンの上に置くべきですが、その時に毛布が軽ければいいのですが、重ければせっかく膨らんだ羽をつぶしてしまって、やっぱり意味がなくなります。

 同じことは衣類でもありました。2年前、「インナーダウン」という言葉がでてきました。いよいよ、アウトドアみたいに、みんな、ダウンを効率よく着るように変化してきたのかな!と、喜んだのもつかの間、こんな事例を数多く電車で見てしまいました。

 重たい背広の下にダウン着てるし……。そこには羽がつぶされ、ちっとも空気層ができていないインナーダウンがあったのでした。

 何が違っていたかというと、インナーであることが大事なのではなくて、ダウンをインナーにすることで、体温を伝えて動かない空気という断熱層を作りだすことが大事だったのです。なのに、インナーにすればいいとだけ覚えた方が失敗した例でした。

ダウンの縫い目は水に弱いものも。
雪の日は要注意。絶対濡らしちゃダメ!

 失敗例はまだあります。ダウンはまだまだ理解されていないのかなあと思います。

 レインウェアの記事で、最近、災害現場でのニュースキャスターは全員、アウトドアのレインウェア(透湿防水素材)を着ていることを書きました。でも、大雪の現場ではまだ間違っています。

 雪でもダウンを一番上に着ている方、多いです。寒いといえば、ダウンって感じなんでしょうかね。

 ダウンは、水に濡れると羽をしぼめてしまいます。空気を蓄えられません。こんな時、ダウンをつつむ素材が、透湿防水素材なら濡れません。撥水性能があるものも増えましたが、ダウンが偏らないよう小分けされた縫い目から水が染み込みやすいので、完璧ではありません。そして撥水性能は落ちやすいものでもあります。山では命に関わるので、ダウンは絶対に濡らしてはならないものです。大雪の現場であるなら、濡れないためにダウンは一番外に着る服ではないほうがよいでしょう。

 大雪の中継で、「ダウンを着ていますが、寒いです」とお話しされていることが結構あるのですが、「それはダウンで濡れて水が染みているから寒いのでは……」とつっこみたくなる場面はいまだに多いです。

 ところで、北海道や海外のパウダースノーの場合、撥水性能があればコロコロっと落ちていく感じなので、縫い目から染みてこなければしばらくは大丈夫です。でも、水分を含んだ本州の雪ですと、すぐ染みてきます。雪質によっても判断を変えていただければと思います。

ダウンはきちんと
たたまなくてもOK!

 さて、ダウンは空気を蓄えますが、圧縮すると、空気をためないので、コンパクトに収納できます。だからこそ、シュラフ(寝袋)としても人気です。化繊のシュラフも空気をしっかりためてダウンに劣らない保温性能を持つものが出てきましたが、収納のコンパクトさではまだまだダウンが上という状態です。自然のメカニズムのすごさを感じてしまいます。

 ちなみに、ダウンの収納の仕方、講演後に収納している場面を目撃されると目を白黒されたりします。そして、「この講師、雑にダウンをしまっている」という心の声が聞こえてきます(笑)。

 きちんとたたむと同じ部分がシワになってしまいます。そうすると、そこの断熱性能が劣化します。野外では、そんなことが命に関わる場面もあります。だから、ぐちゃぐちゃに、収納袋につめこむのが正しいアウトドアでの収納方法なのです!雑ではなく、命を守る、正しい、そして楽な収納方法なんです。

 ぐちゃっとしてしまうと「シワは?」と気にされる方も多いようですが、ダウンの性能がいいと、そしてきちんと体温の近くにあると、すぐ膨らんで復活します。ダウンがシワになるなら、たたみ方より、膨らませて着ていないからかもしれません。

 とはいえ、たくさん着るとへたってきます。そんなダウンが家にあれば、お洗濯したのち、部屋着やパジャマにしてあげるのもおすすめです。夜にトイレなどに行ったとき温度差が気にならなくなるくらい、最強あったかパジャマになります。暖房代も節約できます!夜中の授乳も、寒くなかったです!

 ということで、持っている人がたくさんいるダウンの服、ちゃんと動かない空気で断熱層をつくることで、災害時や寒い時、寒くないようにしてください。

 その寒さ、グッズが足りないのではなく、着方がまずいのかもしれません!

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2017年11月22日 09:38

確かに、、、私の心身は共感しています。。。

■「睡眠は90分サイクル」は誤り、眠りの科学は俗説だらけ
『最新の睡眠科学が証明する 必ず眠れるとっておきの秘訣!』

「90分の倍数の睡眠時間をとれば、目覚めがよい」「22時から深夜2時までが睡眠のゴールデンタイム」「7時間睡眠が寿命を延ばす」。知ってる、知ってる、とうなずく人が大半なのかもしれない。が、実はこれらすべて間違い、もしくは不正確な「睡眠神話」なのだそうだ。本書『最新の睡眠科学が証明する 必ず眠れるとっておきの秘訣!』では、「睡眠神話」はじめ、睡眠にかかわる俗説が次々に論破されていく。その過程を読み進めると、私たちはなんとたくさんの根拠のない話に縛られてしまっていることか、と驚くことになるだろう。

 著者は、脳内物質の研究をしていたが、発見した物質がたまたま覚醒にかかわっている物質だったため、睡眠研究の道に入ったという(ちなみに、要約本文でも紹介している、覚醒を維持する「オレキシン」という物質が、著者が発見したものだ)。以後、睡眠について、学問的に研究を積み重ねてきた。著者の提案する、必ず眠れる睡眠法は、「眠りへのこだわりを捨てる」ことを基本に据えた、ごくシンプルな方法だ。けれどそれこそまっとうな方法なのだろう、と自然に納得させられる説得力が、本書にはある。

 また、本書は、病としての不眠の解説や、睡眠薬の種類や使い方にまで言及している。眠りについて真剣に悩んでいる方には、まず本書をおすすめしたい。人間の健康は、よく食べて、よく活動して、よく寝ることで成り立っている。その要素のひとつである「眠り」について、誠実に、真摯に語られた1冊である。(熊倉 沙希子)

本書の要点

(1)睡眠システムと覚醒システムは互いに抑制しあっており、優勢なほうに切り替わるようになっている。この切り替えに影響するのが、体内時計と、睡眠負債という概念である。加えて、覚醒を促す要素としてストレスや情動がある。
(2) 眠りを意識しすぎると、その情動によって覚醒が促されてしまうので、眠りにこだわりすぎないことが安眠へつながる。
(3) 寝ないといけないと意気込まず、寝室で15分眠れなかったら居間にいったん戻り、眠気を感じたら寝室に行く、というふうにするとよい。

要約本文

◆巷にあふれる睡眠神話
◇「睡眠は90分周期」ではない

 睡眠にまつわる話の中には、根拠が乏しいのに多くの人が信じている、「睡眠神話」と呼ぶべきようなものがある。

 そのうちのひとつが、「睡眠のサイクルは90分周期である」というものである。睡眠の状態として、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があることはよく知られている。眠っているときには、この2種類の状態が規則正しく交互に繰り返されるのだ。繰り返しの1単位が「ノンレム睡眠+レム睡眠」であり、それが90分だというのが、「90分周期」という俗説の根拠となっている。

 しかし、じつは、「ノンレム睡眠+レム睡眠」にかかる時間には個人差があり、また日によっても変わってくる。1時間以内のこともあれば120分のこともあるのだ。

 加えて、ノンレム睡眠とレム睡眠が、それぞれ深い眠りと浅い眠りだという言い方も間違っている。それぞれの状態は、質的に全く異なるものなのだ。ノンレム睡眠のあいだは脳の活動が低下しており、そのため筋肉の活動も低下している。自律神経は副交感神経が優位になっているので、心拍数や血圧や、呼吸数も下がっている。一方で、レム睡眠のあいだ、脳は覚醒しているとき以上に強く活動している。自律神経も激しく変動しているが、体が暴走しないように神経系や感覚系は完全に遮断されている。そのため、こちらは金縛りのように体に力が入らない状態となっている。

◇睡眠に「ゴールデンタイム」はない

 よく「22時から深夜2時までが睡眠のゴールデンタイム」であり、そのあいだに「成長ホルモンが活発に分泌される」から、ゴールデンタイムにきちんと眠ろうと言われる。こちらも根拠がない睡眠神話である。

 成長ホルモンが睡眠中に分泌されるのは確かだが、それは特定の時間に起こることではなく、就寝後最初にあらわれるノンレム睡眠のときに起こる。睡眠中、「ノンレム睡眠+レム睡眠」の組み合わせは4~5回繰り返されるが、そのうちで一番深いノンレム睡眠があらわれるのが、就寝後最初のサイクルなのだ。そのときに成長ホルモンが分泌されるので、「何時に寝るか」はじつはあまり関係がない。要は深いノンレム睡眠に入れるかどうかなのである。大切なのは寝る時間帯ではないのだ。

◆睡眠をつくりだす脳、覚醒をつくりだす脳
◇なぜ夜眠くなって、朝起きるのか?

 私たちは、朝起きて、夜眠くなる。このことには、2つの要素がかかわっているという。

 ひとつは、「概日時計」、つまり体内時計である。24時間ぴったりの周期ではないが、おおむね1日周期で、昼夜で覚醒の出力を調整するリズムを刻んでいる。もうひとつは「睡眠負債」である。これは一種の考え方で、起きている時間が続くにつれて脳内になにかが溜まっていって、睡眠をとるとそれが解消されるという概念だ。睡眠物質の存在について研究が進められているが、今のところその正体については明らかになっておらず、物質が存在するにしてもひとつの物質では説明できないということがわかってきている。

◇脳内のシステム

 「概日時計」と「睡眠負債」が睡眠と覚醒に影響を与えているとして、そのとき脳ではどのようなシステムが働いているのだろう。

 睡眠にかかわるのが「視床下部」という領域だ。視床下部は4グラム程度しかない、ごく小さい領域だが、自律神経系の中枢であり、様々なホルモンの分泌をコントロールしている。視床下部の前のほうにある「視索前野」では、睡眠中に、神経細胞から「GABA」という抑制系の神経伝達物質をつくっている。その物質が覚醒にかかわる領域を抑制するため、睡眠という状態がつくりだされるのである。

 一方、覚醒にかかわる領域が、視床下部と隣り合う「脳幹」である。脳幹は、呼吸や血液循環などを統制する中枢であり、生命維持を司る。この中の、「脳幹網様体」という部分には神経細胞が集合しており、ここから脳全体へさまざまな命令が出されている。そのなかで、「モノアミン」や「アセチルコリン」といった神経伝達物質を介した命令は、覚醒状態をつくりだしながら、睡眠にかかわる領域を抑制している。

 睡眠システムと覚醒システムは、お互いに抑制しあっており、どちらかが優勢になるとスイッチがパチンと切り替わるという関係だ。そして、覚醒を適切に維持するための脳内物質が、オレキシンという物質である。

◇時間帯や状態によって眠れないときがある

 体内時計の時刻に合わせて、体は体温や血圧、ホルモン濃度などを調整している。前述のオレキシンも、体内時計の情報を受け、朝に活発になる。

 ただ、この体内時計をもとにした、覚醒のための体の出力は、単純に昼にピークがあって夜に下がるというものではない。午後2~3時ごろは一時的に出力が下がり、毎日の就寝時間の前にはぐんと上がり、寝る直前から急に下がる。

 意外なことだが、就寝数時間前は眠くならない時間帯なのだ。これは、おそらく、就寝時間に向けてどんどん増えている睡眠負債を抑えるために、覚醒のための出力が上がるのだと考えられている。

 しかし、こうした時間帯に関係なく、授業中に眠くなったり、夜中に見たい番組があれば起きることができたりする。これは、モチベーションや気持ちの高ぶり、ストレスによる興奮などが、脳幹の覚醒にかかわる機能や、オレキシンをつくる神経細胞に影響するからである。また、満腹と空腹の場合の血糖値の違いは、オレキシンの生成に影響するため、栄養状態も覚醒に大きくかかわるといえる。このように、睡眠と覚醒には、体内時計と睡眠負債に加え、モチベーション・情動・ストレス・栄養状態も関係しているのだ。

【必読ポイント!】
◆よりよい睡眠をとるためのTips
◇眠りにこだわりを持たない

 よりよい睡眠をとるためのコツを考える前に、不眠のしくみについて著者はページを割いている。

 何か気になることがあって眠れない、というのは自然なことだ。というのは、前述したとおり、感情の高ぶりやストレスが、脳に作用して覚醒状態をつくるからである。この場合、眠れるようになるには、ストレスや不安のもとになっているものを解決するしかない。

「夜に眠れなくて日中に障害がある」ということが週3回以上、3ヵ月以上続くと、臨床上不眠と診断される。眠れない原因が解消されているのに、不眠が続いてしまうのは、「眠れない」ということ自体に意識が向いてしまうからだ。毎日同じ寝室で「眠れない」苦痛を味わうと、いつの間にか寝室と苦痛な体験が結びつき、無意識に操作されてますます眠れなくなってしまうのである。

 以上をふまえると、逆説的に、眠りにこだわりを持たなければ、不眠恐怖をつくらないで済む。睡眠をとらないとうまくいかない、とか、特定の時間に眠らなければ、という思い込みをなるべく排し、眠りに関心を向けすぎないことが安眠への第一歩である。

◇15分眠れなかったら居間に戻る

 ほかにも、本書で紹介されているTipsの中から、いくつかを紹介しよう。

 不眠に陥るのを避けるためには、寝室で眠れない体験を繰り返さないようにするのが大切だ。だからこそ、眠くてしょうがなくなるまで寝室には行かず、また、寝室で15分眠れなかったら居間に戻ってみるとよい。寝つけないのに寝ようとすると、情動が高まって、体が覚醒状態に向かってしまう。

「寝ないといけない」と意気込まず、眠くなったら寝室に行く、15分眠れなかったら居間に戻る、ということを淡々と繰り返す。すると、眠気は溜まっているはずなので、最終的には必ず眠れる。

 ワンルームに住んでいる人は、「寝室」を「寝床」と考えて、同じように15分眠れなかったら寝床を離れるというふうにすればだいじょうぶだ。

◇必要以上に早く寝ようとしない

 スムーズに眠りにつくためには、「いつ寝るか」も大切である。体内時計のくだりで述べたように、夕方から夜にかけて、人間には「眠れない時間帯」がある。溜まってくる睡眠負債に対抗するために、覚醒出力が上がる時間帯である。たとえば、夜11時に寝る人ならば、直前の8時から10時くらいにかけては、一日で一番眠れない時間帯だ。これは「睡眠禁止帯」と呼ばれている。

 そのため、翌朝早く起きなければいけないという場合に、早めに寝ようとすると寝つけなくなってしまう。睡眠禁止帯にあたってしまうからだ。翌朝早く起きる必要がある時にも、普段どおりの時間に寝て、次の日の睡眠で睡眠不足を解消するのがよい。

 また、睡眠禁止帯は、夜に明るい光を浴びると後ろにずれてしまう。体内時計そのものが光によって後ろにずれこむからだ。そうすると、いつも寝る時間が睡眠時間帯に入ってしまって眠れなくなる。睡眠に悩んでいる人は、夕方以降明るい光を浴びるのは避けたほうがよいだろう。

◆眠りのギモン
◇忙しくて寝る時間が取れないときにはどうすれば?

 OECDの調査によると、日本人は世界で2番目に睡眠時間が短い国だという。一律何時間眠れば健康ということはなく、一人ひとり最適な睡眠時間があるものだが、それよりも短い睡眠時間でやりくりしている人は多くいることだろう。

 短い睡眠時間に慣れるという人もいるが、残念ながら、短時間睡眠が習慣になったとしても脳や体が慣れるということはない。夜間の睡眠時間を一定の時間に制限して反応速度を観察する実験でも、日を追うごとに反応は遅くなるだけで、慣れるという現象は起こらなかったという。

 したがって、7時間睡眠が必要な人は、じゅうぶんなパフォーマンスをするには7時間寝るしかない。休日にリズムをくずさないよう「プラス30分以内」に多く寝るか、平日のすき間の時間で短い睡眠をとるしかない。足りない睡眠は別のなにかで代用することはできないのだ。

◇シフトワーカーは不眠になりやすい?

 現代人の眠りの特徴のひとつとして、仕事の都合で生活リズムが不規則な人も多いということがある。

 体内時計によっていろいろな機能が低下している夜に働くというのは、本来は良くないことだが、シフトワーカーを続けていても普通に生活できているのなら、心配はいらない。日中の活動に支障がないのなら、睡眠は十分にとれているということなのだ。

 多くの動物は、まとめて夜眠るのでなく、寝たり起きたりしている。人間も、大昔は今とは違ってまとめて眠るスタイルではなかったかもしれない。

 だから、シフトワーカーの人は、多少負担があるとしても生体として適応する能力があるのだといえる。したがって、普通に生活できているとしたら問題はない。ただ、シフトワーカーの人には一方で不眠症やうつ病が多いことも知られており、そうなってしまった場合は働き方を変えることだ。

櫻井武(さくらい・たけし)

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2017年11月10日 16:03

それなら働きましょっ!趣味や特技を生かした生活レベルの投資による起業がベストですが、そもそもそれができる人は退屈しない?昨今シニアのワーキングステージは拡がっています。

■「一人ぼっち」で過ごす定年退職者の哀愁、午前中の図書館、カフェ、ジム…

楠木新
ビジネス書作家 

 定年後~60歳からの「黄金の15年」をどう生きるか

 「いつかは、その日が来る」。それはだれもがわかっているが、近づかないとピンとこない。いつまでも「この仕事」が続くかのように感じていても、それは、いずれ終わる。60歳が定年だとすると、家族の扶養義務からも解放されて、かつ他人の介助も受けずに裁量をもって活動できる75歳位までは案外と長い。それを「黄金の15年」にできるなら、人生の締めくくりとして素晴らしい。では、その15年をどのように生きるか。また、その時が来てから慌てないために、いつから、どんな備えをすればいいか。書籍『定年後』(中公新書)の著者である楠木新氏が語る。

定年後、人はどこで何をするのか。新たな仕事や、これといって趣味を持たない人は、どうやって時間をやり過ごすのか。フィールドワークを通して、定年退職者が多く集う場所がわかった。そして、そこにいる多くの人がみな「一人ぼっち」だった。

図書館で目撃した小競り合い

 私は2年半前に、60歳で定年退職してからどこの組織にも属さずに過ごしてきた、「毎日が日曜日」状態である。

 『定年後』(中公新書刊)を執筆する前に、定年退職者は普段はどのように活動しているのだろうかと考えた。しかし資料などでは実態がわかるものはなかったので自分で動き始めた。

 まずは地元の図書館を訪れた。朝10時の開館前に行くとすでに7~8人の男性が玄関前にある椅子に座って待っていた。60代、70代とおぼしき男性ばかりだった。もちろん定年退職者ばかりとは言えないが、60代と思われる男性たちは私の目には元会社員であるように見えた。

 10時になって扉が開くと、全員が新聞コーナーに行く。全国紙とスポーツ新聞を合わせると人数分はあるので各自一紙ずつ手に持って読み始める。

 一人の男性が経済新聞を長く読んでいたので、待っていた人が「もう少し早く読んでくれないか」と話しかけると、男性は株価のページを読んでいた手をとめて「順番だから仕方がないだろう」と言い返して軽い小競り合いになった。館内に一瞬緊張感が走ったがそのまま収まった。

 地元の図書館と比較する意味で、日比谷図書文化館の開館時間前にも行ってみた。10時の開館時間には27人が列をなしていたが、定年退職者と思しき人は半数もいなかった。

 開館と同時に新聞コーナーに行ったのは6人だけだった。受験や資格試験の勉強のために来ている人が多くて、間もなくすると、眺めのよい窓際の席はテキストをひろげる若い人でいっぱいになった。同じ図書館でも場所によって風景は異なるのである。

 一方、ハローワークの利用者は高齢者が多いわけではない。定年退職者と思しき人はパソコン画面を少し見てすぐに帰る人が目に付く。失業保険の受給要件を満たすために来ている人が多いそうだ。

 平日の大型ショッピングセンターでは高齢の男性の姿が目立つ。

 休日とは違って広々としたスペースは閑散としており、午前中にゆったりとしたソファーに座っているのはほとんどが高齢の男性だ。住宅地にある喫茶店にも定年退職したと思われる人は少なくない。子どもたちを連れたママ友のグループとは違って、一人で新聞や週刊誌を読んでいる人が多い。

スポーツクラブは大繁盛

 住宅地に近いターミナル駅にあるスポーツクラブは、開館の9時には長い行列ができる。男性、女性を問わず高齢者が並ぶ姿は壮観でもある。私もこのクラブに加入して通ってみた。すると、午前中は見事なまでに高齢者が中心である。

 私は定年退職するまでは、スポーツクラブは勤務時間後に汗を流す場所かと思っていたが、認識を改めさせられた。

 昼間であれば何回使っても定額のコースがあり、朝から夕刻近くまでクラブで過ごしている人もいる。サウナや浴場もあるので「昼食を持ち込めば本当にゆっくり過ごせる」という男性定年退職者もいたのである。

 以前、利用者の意見を掲示するボードに、「スポーツクラブだと思って入会したのに、ここは養老院なのか」と批判する意見が書かれた用紙が貼られていたことがあった。それに対して、クラブ側は「この施設はいろいろな世代の人に利用してもらうものです」と回答をしていたのを覚えている。こんな意見はわざわざオープンにしなくても良いと思ったが、批判する意見を書いた女性の気持ちは分からないでもなかった。

都心のカフェで定点観測

 大阪市の中心部にある決まった場所から行き交う人を何日も眺めていると、それらしき人は多くはないが確認することができる。ただ時間は大体限られている。

 朝のラッシュアワーが終わって午前10時位になると、街中では人の流れは極端に少なくなる。その頃から明確な目的なく歩いている人の姿がやや目立つようになる。午前中にはそうした人を目にするが、午後になると行き交う人が多くなってもうわからなくなる。

 もちろん外見から定年退職者かどうかは確定できないが、長く勤め人をしていたかどうかはなんとなく雰囲気でわかる。私も定年退職者なので同じにおいがするのだ。

 外見の特徴は、リュックまたはショルダーバッグを肩にかけて、靴はウォーキングシューズか運動靴を履いている人が多い。ビジネスかどうかの区分は靴が一番見分けやすい。

 喫茶店に入った時に思わず靴を見る癖がついた。手提げのカバンを持っていないことも一つの特徴だ。手提げのカバンはビジネス用なのだ。帽子をかぶっている人も少なくない。

 その他の定点の観測地点として、喫茶店・カフェなどを中心にした。それ以外では映画館、カラオケ店、証券会社や(信託)銀行窓口、書店、百貨店、スーパー銭湯などもまわってみた。

 大手ハンバーガーショップの午前中は年配男性の一人客が多かった。おそらくたった100円でコーヒーが飲めて、一人の時間を過ごせるからだろう。席と席との間が狭いので、声をかけるには適している。

「最近リタイアされたのですか?」と聞いてみると「そうです。昨年退職してときどきここに来ています」といった会話を交わすことができる。

「この椅子だと長い時間座れないので普通の喫茶店に行くことも多い」とか「高級な店でモーニングを頼むのがゆっくりできて一番いい」という人もいた。

 混んでいるカフェでも午前中は閑散としているので、高年齢の男性の姿をチラホラ見かける。日刊紙やスポーツ紙などを広げている人、本を読んでいる人、何もせずに煙草をくゆらせている人など、過ごし方はさまざまだ。

 ある外資系企業のカフェでは、ノートに何かをせっせ書きこんでいる60代半ばくらいの男性がいた。彼はほぼ毎日来ていた。

 たまたま隣に座ったのでわかったのだが、経済新聞の株価や為替の数値を転記していた。スマホではなくて新聞とノートで情報と格闘していたのである。

 午前中は、高級な喫茶店がモーニングをやっているので退職者と思しき人を見かけることが少なくない。コーヒーのおかわりができる店もあり、ゆっくり過ごせるからだろう。

 こういう店では寝ることは禁止になっているのだろう。眠ってしまって店員さんに注意されて、「わかった、わかった」と言いながら、しばらくするとまた寝入ってしまうオジサンもいた。

 この人は後日も出会ったが、やはり眠っていて注意されていた。ナルコレプシー(眠り病)ではないかとか、店員さんに相手になってほしくて無理に寝ているのだろうかとか、いろいろ連想させてくれるオジサンだった。

 ゆっくりできるせいか、囲碁の手が書かれた用紙を見ながらパソコンと格闘している人や、カラオケ店にあるような分厚い歌の冊子を一ページずつめくりながらノートにメモを取っている年配の男性もいた。

 何をしているのか非常に興味が湧いたが、一つ離れたテーブルだったので話しかけることはできなかった。また午前中のスーパー銭湯などでも中高年の男性が多い。

誰もが一人ぼっち

 それぞれの場所における男性定年退職者の特徴を一言で言うと、一人ぼっちだということである。午後になれば高齢者のグループがカフェなどで話している姿を見ることがあるが、それは稀なケースだ。

 カルチャースクールの講座にも行ってみたが、女性はグループでワイワイ楽しそうにおしゃべりをしているが、男性はやはり一人でいる人が多かった。

 もちろん一人ぼっちであることに問題があるというわけではない。一人でゆったりと時間を過ごすことが心地よい人もいるであろう。人と群れることを好まない人もいるに違いない。どちらかと言えば、私も一人が好きなのである。

 ただ、定年退職者を取材した時に、私の問いに正面から答えてくれた人たちのなかには、「毎日やることがなくて困っている」、「一番自由な今が一番しんどい」、「家で居場所がない」、「暇になったのに焦る」、「嫌な上司もいないよりはマシ」などと語られることがある。なかには「このままの毎日が続くと思うと、自分の人生は何だったのかと思うときがある」とまで発言した人もいたのである。

 彼らの発言と住宅地や都心をまわった取材を重ね合わせてみると、在職中は組織内での上司や同僚、部下との濃密な人間関係を築いているにもかかわらず、退職後はその関係が切れてしまい、自分の居場所が見つからなくなっている、ということだ。

 今まで長い間、企業社会のなかで朝から晩まで共同作業をやってきた人たちが、いきなり一人ぼっちになっては、力も意欲も湧かないのは当然であろう。

 定年退職者には、まず何よりも、“他のメンバーのために”何かをやらなければならない義務や役割、すなわち、人との「関係をつくる」作業が求められるのではないか。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2017年10月17日 17:00

あらためてワインについて、、、勉強になりました。。。Vol.4

■ホントはどうなの? ワインと健康

ワインの健康効果は価格と関係あるか
醸造方法や酸化防止剤の役割、自然派ワインを理解する

大塚千春=フリーエディター・ライター

 今、ワインが人気だ。実はここ数年は「第7次ワインブーム」と言われ、日本のワインの消費量は過去最大を更新している。今なぜ、ワインが人気なのか? その背景には、安くて美味しいワインが手軽に入手できるようになったという面もあるが、忘れてならないのが「健康にいい」というイメージだ。特集では、知られざるワインの健康効果を紹介していく。
 今回は、ワインの醸造方法と価格、製造過程で加える酸化防止剤、そして最近話題の自然派ワインについて詳しく見ていこう。

 最近は、安くておいしいワインが手軽に入手できるようになった。しかし、ワインと一口に言っても、価格はもちろん、味わいはさまざまだ。ワインに健康効果があるといっても、どんなワインでも等しく健康効果があるのだろうか。また、醸造過程で加えられるという「酸化防止剤」を気にする人も少なくない。最近では、「自然派ワイン」「ビオワイン」などと呼ばれるワインも人気で、専門店も増えている。これらは普通のワインと何が違うのだろうか。

 今回は、前回に引き続き、メルシャン酒類研究所所長を務め、醸造と健康効果両方の研究に取り組んできた山梨大学ワイン科学研究センターの佐藤充克客員教授にこれらの疑問を聞いていく。

安いワインと高いワインは何が違う?

赤ワインの製造過程

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赤ワインは果皮や種子も含めて発酵させるのがポイント。発酵後のワインは、酵母や酒石などのオリ(澱)が沈降する。これを取り除くのがオリ引き

 まずは、ワインの製造方法を簡単におさらいしておこう。ワインの原料は、ご存じの通りブドウ。ブドウを搾った果汁を酵母によりアルコール発酵させてできたお酒がワインだ。

 赤ワインを例にもう少し詳しく説明しよう。赤ワインの場合、材料になるブドウは黒ブドウ。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ピノ・ノワールなどが代表的な品種だ。このブドウの実を破砕し、果皮や種子ごと発酵槽に入れる。ここに酵母を入れ(ブドウについている天然酵母を使うケースもある)、アルコール発酵させる。アルコール発酵とは、ブドウに含まれる糖分が酵母によりエタノールへと変化する過程のこと。この過程によりブドウに含まれる糖分は消費されるため、ワインに含まれる糖質は少なくなる(第1回を参照)。

 発酵槽では、数日から1カ月程度かけて発酵(主発酵)およびポリフェノールなどの抽出(醸し)を行った後、乳酸菌によってリンゴ酸を乳酸と炭酸ガスに分解するマロラクティック発酵(乳酸発酵)が行われる。

 その後、液体部分(ワイン)と果皮や種などの固形部分に分離する。固形部分にもワインが含まれているので、圧力をかけて、ワインを搾り取る(圧搾)。なお、高級ワインの場合は、圧力をかけずに、自然と流れ出た液体部分のみ使うケースもある。こうしてできた若いワインは、樽などの中で寝かして熟成させる。一般に樽での熟成期間は、数十日程度から3年程度と幅がある。底にたまったオリ(澱)は取り除かれ、フィルターなどでろ過して不純物などを取り除いて、瓶詰めされる。なお、フィルターをかけると、美味しさに影響する成分まで取り除くことになるということで、フィルターを通さない無ろ過(ノンフィルター)のワインも多くある。

 一方、白ワインは、シャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、リースリングなどの白ブドウから作られる。ただし、赤ワインのように、果皮や種子ごと発酵させるのではなく、先に圧搾して搾汁したブドウ果汁をアルコール発酵させる点が異なる。詳しくは次回以降に紹介するが、白ワインが赤ワインに比べてポリフェノールが少ないのはこの製法による違いが影響している。ちなみに、白ワインは白ブドウから作られると説明したが、黒ブドウからも作ることができる。黒ブドウの果皮を含まないように搾汁した果汁を発酵させれば白ワインになる。

一番安いワインは、ブドウの濃縮ジュースから作られる

 最近は、フルボトルのワインでも、1本500円程度からととてもリーズナブルに購入できるようになっている。これら安いワインは、数千円以上する高級ワインと何が違うのだろうか。佐藤教授に聞いてみた。

 「銘柄によっても異なるので一概には言えませんが、最も安い価格帯のワインはブドウの濃縮ジュースを発酵して作られています。チリやアルゼンチンなどで栽培されたブドウを現地でジュースにして、濃縮させて日本に輸入し、これを国内で酵母を入れ発酵させて製造したものです※。これだけ安くできる理由は、ワイン用の濃縮ジュースがとても安いためです」(佐藤教授)
※こういったワインは、背面のラベルなどに、輸入されたブドウ果汁を使用していることが書かれている。

 こうして作られたワインは、ブドウから直接製造するワインに比べて、やはり味わいの面では劣るという。「果汁を濃縮する段階で、ブドウに含まれる旨み成分が落ちてしまうのが原因です。しかし、最近では、発酵に使う酵母の選別技術も進み、以前に比べて香りや味わいは確実に向上しています」(佐藤教授)

 「次に安いのが、近年、輸入量が急増しているチリ産など、南米で生産されているワインです。こちらは、ブドウの濃縮ジュースを使って製造されているものではなく、(前ページで紹介したように)ブドウから直接醸造しているワインですが、フランスなどに比べて、ブドウそのものが安く購入できるため、最終成果物のワインも安くできます。チリなどでは、大量に生産できるうえに人件費も安い。安いものだと500円程度からあります。近年は品質の向上が著しく、フルボトルで1000円くらいから美味しいワインが手に入ります。私も普段楽しんでいるのはこのクラスのワインですね」(佐藤教授)

高額ワインは生産本数が少なく、“希少性”で高くなる

 「ワインというと、フランスを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、フランスは、人件費も安くはありませんし、畑の面積も限定されます。生産する本数も少ないため、安くはなりにくいのです。有名なロマネ・コンティというブルゴーニュ産のワインは、年間にたった5000~6000本程度しか生産していません。それだけ少ないワインを、世界中のワイン愛好家が欲しがるため、驚くほど高くなるのです」(佐藤教授)。ロマネ・コンティは世界で最も高価と言われるワインで、1本数十万円以上で100万円を超えて取り引きされることも珍しくない。

 佐藤教授によると、同じヨーロッパでも、スペイン産のワインは高品質なものが安価に購入できるのでお薦めだという。「スペインでは、現地の人は『フルボトルで1本5ユーロを超えると高くて買えない』と話しています。もちろんスペインにも数万円以上する超高級ワインもありますが、一般にスペインで高級と言われるワインでも20ユーロくらいで購入できます。その数倍以上するようなフランスワインに引けを取らない味わいのものが、日本でも数千円で買えますよ」(佐藤教授)

健康効果は安いワインと高いワインで違う?

 では、「健康効果」という面で、高いワインと安いワインに違いはあるのだろうか。

 佐藤教授によると、「安くても健康効果は基本的に同じです。ただし、濃縮ジュースを発酵させて造った場合は、果汁を濃縮する段階を経ることで味わいは落ちます。ポリフェノールの量も少なくなるので、健康効果も低くなります」(佐藤教授)

 「ブドウの品種による違いはあります。赤ワインの健康効果の代名詞となっているポリフェノールの含有量はブドウの品種により異なります。濃厚でしっかりした味わい(フルボディ)のカベルネ・ソーヴィニヨンはポリフェノールが多く含まれていますから、健康効果が高いといえるでしょう。チリなどで生産されているフルボディのカベルネ・ソーヴィニヨンなどは、割安なのでお薦めです。また、赤ワインに含まれるポリフェノールは、数年程度熟成させることで抗酸化作用が向上します。ポリフェノールの総量は同じでも、より効くようになるのです。このため、数年熟成させた高額なワインはより健康効果が高くなると言えます」(佐藤教授)

酸化防止剤の使用量は減少傾向にある

 ワインの成分表示をよく見ると、ほとんどのワインに「酸化防止剤(亜硫酸塩)」などと書かれている。この酸化防止剤の健康への影響を気にする人も少なからずいる。この影響はどうなのだろうか。

 ワインに使われる酸化防止剤とは主に亜硫酸塩で、硫黄を燃やした気体である二酸化硫黄(SO2)が液体に溶けたものだ。これは、ワインが酸化して劣化するのを防ぎ、ワインに好ましくない雑菌などが繁殖するのを防ぐために添加する。

 「亜硫酸を使った酸化防止は、近年になって使われるようになったわけではなく、古代ローマ時代から使われています。亜硫酸により雑菌の繁殖を防ぎ、ワインの劣化を防いだわけです。健康に害がないかと不安に思われる方もいらっしゃいますが、使用が認められている基準では、長年にわたって日常的にワインを摂取しても、健康に害を及ぼすことはありません」(佐藤教授)という。

 「最近は、酸化防止剤を必要最小限にしようと生産者が努力を重ねています。日本では、亜硫酸塩の添加は350ppm(1リットルあたり 350mg)以下まで認められていますが、最近のワインを調べた範囲ではほとんどのワインで50~100ppm程度です。確実に使用量は減少傾向にあり、 20年ほど前と比べると半分程度に減っています」(佐藤教授)

酸化防止剤は数万円以上の超高級ワインにも使われている

 「酸化防止剤の添付は、ワインの高い安いには関係ありません。高級ワインは長期熟成を前提にしたものが多くありますが、これらのほとんどに酸化防止剤が添付されています。数万円から数十万円するような超高額ワインにも添付されています」(佐藤教授)

 最近は健康志向の中、酸化防止剤無添加をうたうワインも店頭で目にする。各ワインメーカーは、消費者のニーズにこたえて、無添加のワインもラインナップとして用意しているのだ。

 佐藤教授によると、「酸化防止剤を使わないワインは製造可能ですが、酸化を防ぐための設備なども必要になります。無添加で美味しいワインを造るのは簡単ではありません」という。「ワインは空気(酸素)に晒されていると酸化して味が劣化します。特に、ワインの保存状態で酸素を完全に抜くことが必要です」(佐藤教授)

人気の「ビオワイン」は生産者を選んで買う

 最近は、有機栽培されたブドウの使用し、農薬を使用しない(もしくは使用を抑える)、天然酵母を使うなどの人工的な処置を極力しないことを特徴にする自然派ワイン(ビオワイン)が数多く登場して、人気になっている。

 実は、自然派ワイン(ビオワイン)には明確な定義がなく、生産者や団体によって方針は異なっている。「自然」「ビオ」といっても、生産者の考えや捉え方に幅があるのだ。 EUでは2012年に、域内で生産される自然派ワインの一種、オーガニックワインの基準を定めたが、二酸化硫黄はここでも酸化防止剤として使用を認められている。自然派ワインだからといって、酸化防止剤が使われていないわけではないのだ。ただし、従来のワインより上限が抑えられており、1リットルあたり最低でも30~50mg少ない。上限は1リットル当たり赤で100mg、白・ロゼで150mg(残糖度により多少上限値が変わる)。

 佐藤教授によると、自然派ワインで高品質なものも登場しているが、自然派ワインはその製法上、高品質のワインを安定して作るのが難しい面があるという。

 「ワインの質を決めるのは何と言ってもブドウの品質です。ブドウが病気になったり腐敗したりすると、いいワインはできません。しかし、雨が多く続くような環境では、農薬に頼らず、完熟した高品質のブドウを収穫するのはとても難しいのです。当然、その年の天候によって大きく左右されるわけですが、フランスや日本のように、ある程度の降雨が避けられない環境では、毎年健全なブドウを安定して収穫するのは簡単ではありません。自然派ワインにはすばらしいものもありますが、高品質のワインを生産するには技術やノウハウが欠かせません。きちんと勉強せずに造った品質の悪いワインもあります。生産者選びには注意が必要です」(佐藤教授)

乾燥した場所では健全なブドウが収穫しやすい

 「一方、アメリカやオーストラリアのワイナリーなどのように、雨が少なく乾燥しているエリアでは、栽培しているブドウにカビが生えたり、病気になったりしにくいのです。このため、農薬などに頼らずとも毎年安定していいブドウができます。このように雨の少ないエリアでは、高品質な自然派ワインを造りやすいといえるでしょう」(佐藤教授)

 フランスなどの有名ワイナリーで自然派ワインを造っているところもあるが、そういったワイナリーでは、ブドウ畑に必ず人がいて常に手入れを欠かさないなど、畑の管理に非常に手間をかけているそうだ。「これを実現するには当然コストがかかります。そこまで手間をかければ、素晴らしいものができる可能性があります」(佐藤教授)

 自然派ワインに限った話ではないが、ワインを選ぶ際にはやはり生産者を選んで買うのが大切だ。最近では、自然派ワインを扱うワインショップやレストランも増えている。まずは“プロ”に相談しよう。場合によっては、試飲させてもらえるケースもある。また、ワイン専門誌などでも頻繁に特集を企画している。話題の作り手がどこで、どんな方法で造っているかも詳しく紹介しているので、参考にするといいだろう。

佐藤充克(さとう・みちかつ)さん
山梨大学ワイン科学研究センター・客員教授

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年10月13日 17:47

あらためてワインについて、、、勉強になりました。。。Vol.3

■ホントはどうなの? ワインと健康

白ワインにも健康効果はあるのか
「牡蠣にはシャブリ」と言われる理由とは? 侮れない効能!

大塚千春=フリーエディター・ライター

 今、ワインが人気だ。実はここ数年は「第7次ワインブーム」と言われ、日本のワインの消費量は過去最大を更新している。今なぜ、ワインが人気なのか? その背景には、安くておいしいワインが手軽に入手できるようになったという面もあるが、忘れてはならないのが「健康にいい」というイメージだ。特集では、知られざるワインの健康効果を紹介していく。
 今回は、白ワインの健康効果に迫る。ワインの健康効果というと、もっぱら赤ワインばかりクローズアップされるが、白ワインはどうなのだろうか。さらに、食前酒などでもおなじみのスパークリング・ワインについても見ていこう。

 最近、ふと気が付くと手にしているのは白ワイン、ということが増えた。この傾向は私だけのことではないようだ。ワインバーなどでカウンターを見回すと、白ワインを飲んでいる人ばかりという光景もたまに見かける。特に暑い時期にはキリッと冷えた白ワインが飲みたくなるものだが、気候にかかわらず、最近、白ワインを選択する人が増えているように感じる。

 実際、少し前の調査になるが、国税局による「ワインに関するアンケート」(2007年5月31日~2008年11月22)によれば、最近の日本人は赤ワインより白ワインの方を好む傾向がみられる。同アンケートでは、30.9%が白ワインが好きと回答したのに対し、赤ワインは28.8%だった(有効回答数171件・複数回答、20代以上の男女が対象)。

 ワインが日常的な食卓に取り入れられるようになった結果、和食に合いやすい白がより好まれるようになっているという声も聞く。「フレンチ・パラドックス」(第1回参照)の影響で、圧倒的に赤ワインの消費が多かった1990年代後半とは状況が異なるようだ。

 しかし、今回のテーマである“健康にいい”という面では、白ワインの影はちょっと薄い。記事を書くに当たって、周りの知人に「ワインのイメージは?」と聞くと、「赤ワインは健康にいいよね」という返事がすぐに返ってくるが、「白ワインは?」と聞くと、「好きだけどカラダにいいのかよくわからない」といった回答が多かった。

 「健康にいいワインは赤ワイン」というイメージが強いが、実は白ワインにも優れた健康効果がある。「牡蠣にはシャブリ(白ワインの一種)が合う」とはよく言われることだが、それには味わいだけではない、健康に関係する立派な理由があるのだ。

 今回も、前回に引き続き、メルシャン酒類研究所所長を務め、ワインの醸造と健康効果両方の研究に取り組んできた山梨大学ワイン科学研究センターの佐藤充克客員教授にご登場いただき、白ワインの健康効果について聞いていく。佐藤教授によると、ある製法で作った白ワインには、他のワインにはない“いいこと”もあるという。今回は、こうしたあまり知られていない白ワインの効能について紹介しよう。

果皮と種子を除いて仕込む、だからポリフェノールが少ない

 先に、白ワインと赤ワインの違いを簡単におさらいしておこう。違いは大きく2つある。一つはブドウの違い。赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンなどの黒ブドウを使って作るが、白ワインはシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、甲州などの白ブドウから作られる(厳密には、黒ブドウからも白ワインは作ることができるがここでは割愛する)。

 そしてもう一つは、赤ワインはブドウの実を果皮や種ごと発酵槽に入れて発酵させるが、白ワインは、収穫したブドウを破砕したらすぐに圧搾機で搾汁する。そして、その果汁を発酵槽で発酵させるのだ。

 つまり、白ワインは果皮や種にある成分があまり抽出されない。ブドウに含まれるポリフェノールの多くは果皮や種に含まれている。このため、白ワインは赤ワインに比べてポリフェノールの量が少なくなってしまうわけだ。実際、佐藤教授らがさまざまなワインのポリフェノールの含有量を計測した結果によると、300~700ppm程度で、赤ワインの半分から数分の1程度となっている。

白ワインのポリフェノールは少ないが性能がいい

 佐藤教授によると、白ワインに含まれるポリフェノールは量は少ないが、ある特徴があるという。

 「白ワインのポリフェノールの総量は赤ワインに比べて少ないのですが、赤ワインのポリフェノールに比べて分子量が小さいという特徴があります。このため、胃や腸内で吸収されやすく、抗酸化作用が早く現れます。つまり、量は少ないのですが性能がいいわけです」(佐藤教授)。特に、日本で栽培されている甲州種の白ワインは、低分子ポリフェノールが多く含まれているという。

 ちなみに、白ワインの中でも「樽」で熟成させたタイプのものは、ポリフェノールの含有量が少し増えるという。樽に使われる木に含まれるポリフェノールがワインに移るためだ。一般に、カリフォルニアなどのニューワールド産の白ワインは、樽の香りが強いものが多いが、そういったタイプはポリフェノールが多いそうだ。

白ワインには強い殺菌効果がある

 白ワインならではの優れた健康効果もある。それが、大腸菌、サルモネラ菌などの食中毒菌に対する強い抗菌力だ。

 「白ワインには、赤痢菌、サルモネラ菌、大腸菌などの食中毒菌に有効であることは古くから知られています。これは、白ワインに含まれるアルコールと有機酸の相乗的な働きによるものです」と佐藤教授。

 実際、佐藤教授が実験したところ、白ワインでサルモネラ菌、大腸菌をそれぞれ培養したところ、サルモネラ菌は10分間、大腸菌は20分間で10万個の細菌が数個まで減少したという。佐藤教授によると、「赤ワインでも同じように殺菌効果がありますが、殺菌力は白ワインの方が強い」という。

 食いしん坊なら、「生牡蠣にはシャブリ」というフレーズを聞いたことがある人も多いだろう。シャブリとは、フランスのシャブリ地区(ブルゴーニュ地方の最北端)で生産されるシャルドネ種で造った白ワインのことだ。一般に「味、おいしさ」の面で相性がいいという意味で使われることが多いが、それだけではなく、「雑菌汚染が問題になる生の魚介類を、即効性の殺菌効果が高い白ワインと一緒に食べることで安全が高められる」(佐藤教授)という側面もあったわけだ。

 白ワインの健康効果はこれだけではない。第1回で紹介したように、ワインには赤白を問わず血圧を下げ新陳代謝を活発にしたり、腸内環境を整えたりする効果がある。新陳代謝を活発にする効果は、ワインに多く含まれるカリウムによるものだ。カリウムには利尿作用があり、体外にナトリウム(塩分)を排出してくれる働きがある。また、赤白ワインいずれにも多く含まれる有機酸により、腸内細菌群のバランスを整え、ビフィズス菌などの善玉菌を増やす効果も期待できる。

日本固有の「甲州」種はアミノ酸が豊富

日本固有のブドウ品種「甲州」。アミノ酸成分「プロリン」を多く含む。(©amanaimages inc. -123rf)

 白ワインにはその製造法により、健康効果が高まるものもある。その一つが、最近人気の白ワイン用のブドウ「甲州」種を醸造する際に使われる「シュール・リー」という製法だ。

 シュール・リー製法とは、フランス・ロワール地方で、「ミュスカデ」というブドウなどから白ワインを造る際に伝統的に使われる手法で、ワインの香りやボディーを豊かにするために用いる。甲州は山梨を中心に栽培されている日本固有の品種だが、これまで味わいが平板だといわれ長い間評価が低かったことから、この製法が導入されたのだという。

 シュール・リーとは「オリの上」という意味。通常、発酵が終了したワインはタンクや樽の底に酵母や酒石などがオリとして沈むため、その上澄みだけを別のタンクなどに移すが、シュール・リーはワインを沈殿したオリの上で半年ほど熟成させる。「こうすることで、酵母から抽出されたアミノ酸が増え、栄養価が高いワインになります」と佐藤教授。「私が行った実験では、アミノ酸の中でも、アスパラギン酸、ヒスチジン、リジンが特に有意に増加しました」という。

 また、甲州種には、「プロリン」というアミノ酸が多く含まれている。「プロリンは、破壊されたコラーゲンを修復する力を持ち、肌に潤いをもたらす天然保湿成分です。甲州ワインには多量のプロリンが含まれていて、シャルドネなどのヨーロッパ系ブドウ品種を用いて醸造されたワインと比較すると、2~3 倍多く含まれています」(佐藤教授)

スパークリング・ワインの健康効果は?

 最後に、食前酒などでおなじみ、最近では専門のバーがあるほど人気のスパークリング・ワインについて佐藤教授に聞いてみた。健康効果は、その味わいや色合いから白ワインに近いように思えるが、実際のところはどうなのだろうか。

 「スパークリング・ワインは、まず白ワインを作り(一次発酵)、これに糖分と酵母を加え、瓶やタンク内で二次発酵させます。このため、健康効果は白ワインとほぼ同じになります。しかし、酵母と接している時間が長くなり、アミノ酸などの成分がワインに溶け出すため、通常の白ワインに比べて、アミノ酸成分が豊富になります。殺菌効果も白ワインと同じなので、魚介類と合わせるのにも適しています」と佐藤教授は説明する。

 なお、スパークリング・ワインに含まれる炭酸(二酸化炭素)は、この二次発酵によりできるのだが、安価なスパークリング・ワインでは、白ワインに二酸化炭素を吹き込んだだけという製法をとっていることもあるそうだ。そのため、健康効果を考えるなら、伝統的な製法で作られるシャンパン(フランス)、カヴァ(スペイン)、スプマンテ(イタリア)、ゼクト(ドイツ)や、それに相当する製法をうたっているワインを選びたい。

佐藤充克(さとう・みちかつ)さん
山梨大学ワイン科学研究センター・客員教授

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年10月13日 17:33

あらためてワインについて、、、勉強になりました。。。Vol.2

■ホントはどうなの? ワインと健康

健康効果の王様は、やっぱり赤ワイン?
ブドウの品種で異なる効果、抗酸化効果ならカベルネ

大塚千春=フリーエディター・ライター

 今、ワインが人気だ。実はここ数年は「第7次ワインブーム」と言われ、日本のワインの消費量は過去最大を更新している。今なぜ、ワインが人気なのか? その背景には、安くておいしいワインが手軽に入手できるようになったという面もあるが、忘れてはならないのが「健康にいい」というイメージだ。特集では、知られざるワインの健康効果を紹介していく。
 最終回となる今回は、大本命である“赤ワインの健康効果”を紹介する。赤ワインに多く含まれる抗酸化物質「ポリフェノール」の本当の効果、そして、赤ワインの中でもブドウの品種によって健康効果がどう変わってくるかについて解説していこう。

赤ワインの健康効果の要「ポリフェノール」

 これから、季節が秋、冬となると、赤ワインが恋しくなってくる。グリルした肉などしっかりした味わいの料理と合わせるならやはり赤ワインがいい。前回も紹介したように、最近はワインといっても赤ワイン一辺倒ではなく、白ワインやスパークリング・ワイン好きも増えた。健康効果の面からも、白ワインにも優れた面があることもわかった。だが、大本命ともいえる赤ワインと比較するとどうなのだろうか。

 ワインの醸造と健康効果のスペシャリストである、山梨大学ワイン科学研究センターの佐藤充克客員教授は、「殺菌効果など白ワインの方が優れた面もありますが、ワインの健康効果の中心にあるのはやはりポリフェノールです。ポリフェノールが多く含まれる赤ワインの方が健康効果が高いと言えるでしょう」と言い切る。「強い抗酸化作用に加えて、認知症予防効果など幅広い効果が期待できます」(佐藤教授)

 そこで今回は、赤ワインのポリフェノールの効果と、ぶどうの品種による違いについて詳しく解説していこう。

赤ワインのポリフェノールは量が豊富、白ワインの数倍!

 ポリフェノールとは、活性酸素による酸化を防ぐ、植物由来の抗酸化物質。緑茶に含まれるカテキン、コーヒーに含まれるクロロゲン酸などもポリフェノールだ。

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赤ワインは、アントシアニン、レスベラトロール、カテキン、タンニン類などのポリフェノールを豊富に含んでいる。コーヒーに含まれるクロロゲン酸や、緑茶に含まれるカテキンなどもポリフェノールだ。アントシアニンはブルーベリーにも含まれている

 「ワインに含まれる代表的なポリフェノールは、アントシアニン、レスベラトロール、カテキンや、カテキンなどの重合体であるタンニン類などです。ポリフェノールはほとんどの植物に含まれ、野菜や果物にも多く含まれています。その中でも、赤ワインはポリフェノールの含有量が非常に多い。ブドウの種類やワインの銘柄によっても異なりますが、赤ワインの場合1000~3000ppm程度と、緑茶と比べると2倍~数倍になります」(佐藤教授)

 「白ワインと比較すると、数倍以上になります(3ページ目のグラフを参照)。ブドウのポリフェノールは果皮と種子に多く含まれています。赤ワインの場合は、果皮や種子ごと発酵槽で発酵させるため、果皮や種子に含まれるポリフェノールが抽出されるのです」(佐藤教授)

 「さらに、ワインに含まれるポリフェノールは、他の植物由来のポリフェノールに比べて、カラダに吸収されやすい形で存在しているという特徴があります。ただし、吸収されやすさでは、赤ワインより白ワインに軍配が上がります。これは白ワインのポリフェノールの分子が小さいためです」(佐藤教授)

赤ワインは活性酸素を取り除く効果が高い

 第1回でも触れたが、赤ワインの健康効果を全世界に知らしめたのが、1990年代初頭の、フランスのルノー博士らによる「フレンチ・パラドックス」についての発表だ。「フランス人は喫煙率が高く、バターや肉などの動物性脂肪の摂取量が多いのに、心疾患による死亡率が低い」というフレンチパラドックスの理由として、赤ワインのポリフェノールの存在が指摘されたのだ。1991年11月に米CBSの「60 Minutes」で放映されたところ、アメリカの店頭から赤ワインがなくなったという。これが日本に伝わり、第6次ワインブームにつながった。

 ルノー博士らの報告の後、赤ワインの健康効果に関する論文発表が相次ぐ。その1つは、米カリフォルニア大学デービス校のエドウィン・フランケル博士らによる研究だ。

 フランケル博士は、赤ワインに多く含まれるポリフェノールの抗酸化能力を検証した(E.N.Frankel,et al;Lancet,341,1103-1104,1993)。具体的には、赤ワインからアルコールを飛ばした濃縮物をポリフェノールとして、同じく抗酸化能力を持つビタミンEと比較。酸化することが動脈硬化につながるLDL(低密度リポタンパク質)コレステロールへの影響を調べた。

 LDLコレステロールは活性酸素などにより酸化されると、動脈硬化の原因になる可能性がある。つまり、LDLコレステロールの酸化を抑制できれば、動脈硬化の予防につながる可能性あるわけだ。フランケル博士はヒトのLDLコレステロールに赤ワインのポリフェノールとビタミンEをそれぞれを添加する実験を行った。すると、ワイン由来のポリフェノールは、ビタミンEの半分の濃度でLDLコレステロールの酸化を防いだ。つまり2倍強力に酸化を阻害したわけだ。

 ヒトが実際に赤ワインを飲んで効果が出るかどうかの検証も進められた。マックスウェル博士らは、健康な学生10人に約350mLのボルドーの赤ワインを昼食とともに与えて、食後4時間にわたり血清の抗酸化活性を調べた(S.R.J. Maxwell,et al;Lancet,344,193-194,1994)。すると、赤ワイン摂取直後から、抗酸化活性は高まり、約90分で最大になった。平均では約15%有意に上昇したという。

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健康な学生10人を対象に、約350mLのボルドーの赤ワインを昼食とともに与え、30分おきに採血し、血清の抗酸化活性を調べた。すると、赤ワインを摂取した人は抗酸化活性が有意に上昇した

 「これだけではありません。日本でも、国立健康・栄養研究所による研究で、赤ワインによりLDLコレステロールの酸化が抑制されたという報告が出ています。赤ワインは活性酸素を取り除く効果が高い(抗酸化能力が高い)と言えるでしょう。これがワインが動脈硬化などに効果が期待できるという理由です」(佐藤教授)

 「私自身、赤ワインに含まれるポリフェノールのどの成分が活性酸素消去能が強いかを調べました。12種類のワインを調べた結果、アントシアニンとその重合体が活性酸素を消去する能力が高いことが確認できました」(佐藤教授)。アントシアニンは、赤ワインの色素になっている成分で、ブルーベリーなどにも含まれているポリフェノールだ。

ブドウはどの種類を選べばいい?

 では、数ある赤ワインの中で、どれを選べばいいのだろうか。まず見るべきなのが「ブドウの品種」だ。赤ワインの元となるブドウは、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール、ネッビオーロなどをはじめとして非常に多い。

 佐藤教授は、生産地域や製造年が異なるさまざまなワインのポリフェノールの量と、活性酸素消去能(SOSA)を測定比較している(下のグラフを参照)。薄い紫の棒がポリフェノールの量、濃い紫が活性酸素消去能(SOSA)を示している。「ワインのポリフェノール含有量とSOSAには高い相関関係があることが確認できます」(佐藤教授)

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ワインの銘柄によるポリフェノール含有量と活性酸素消去能(SOSA)の違い(1995~1996年に佐藤教授らが発表)。活性酸素消去能は、実際に活性酸素を消去する能力を示す。この値が大きいほどより強い抗酸化能力がある。熟成を重ねたワインの方が活性酸素消去能が大きい。ブドウの品種別にみると、カベルネ・ソーヴィニヨンが一番多いことがわかる。白ワインにもポリフェノールは含まれるが、赤ワインに比べると量は少ない

 このグラフから、全体的な傾向として、カベルネ・ソーヴィニヨンが、ポリフェノール量、SOSAともに多く、次にネッビオーロが多いことがわかる。銘柄にもよるが、ピノ・ノワールやメルローは、カベルネ・ソーヴィニヨンに比べるとやや少ない。

 「ブドウの品種の中では、カベルネ・ソーヴィニヨンが最もポリフェノールを多く含み、抗酸化作用も高くなります。一般的に、赤ワインならどれでも抗酸化作用が期待できますが、より多くの効果を期待するならカベルネ・ソーヴィニヨンを選ぶといいでしょう」(佐藤教授)

カベルネのワインはどう探す?

 とはいえ、「カベルネ・ソーヴィニヨン」と言われても、どのワインを買っていいかわからないという人も少なくないだろう。カベルネ・ソーヴィニヨンは、最もポピュラーなワインの品種の1つで、世界各地で栽培されている。

 一番有名なのは、フランス南西部のボルドー地方で造られるワインだ。特に、この地方を南北に流れるガロンヌ川とその上流のジロンド川左岸は、水はけが良く、熱を蓄える砂利のような表土を持つため、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に適しているとされる。

 著名なボルドーワインである「シャトー・ラトゥール」「シャトー・マルゴー」などは、カベルネ・ソーヴィニヨンをメインに使ったワインだ。一般にボルドーのジロンド川「左岸」で生産されたワインはカベルネの比率が高い(銘柄や生産年にもよるが、カベルネの比率は6~9割程度のことが多い)。一方、同じボルドーでも、サンテミリオン地区やポムロール地区(一般に右岸と総称される)のワインはメルローの比率が高い。

 カベルネ・ソーヴィニヨンは、ボルドーに限らず、アメリカのカリフォルニアやチリ、オーストラリアなど世界各地で広く栽培されている。

 「カベルネ・ソーヴィニヨンは、気温が高く乾燥した場所の方がいいブドウが収穫できます。気温が高く降雨量が少ない、チリなどの南米やオーストラリア、カリフォルニアなどは、まさに栽培適地です。高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンを使ったワインが安く購入できますのでおすすめです」(佐藤教授)

 フランスやイタリアなどでは、使っているブドウをラベルなどに表記しないケースが多い。一方、カリフォルニアやチリ、オーストラリアなどのワイン(これらは一般に「新世界」と分類される)は、たいていの場合、ラベルにブドウの品種が明示されている。このラベルを見て「Cabernet Sauvignon」と書いてあるワインを選べばいい。

 前ページのグラフで、ポリフェノールの量がカベルネに次いで多かったネッビオーロは、北イタリアのピエモンテ地方で栽培されているブドウの品種だ。「バローロ」「バルバレスコ」という有名銘柄に使われているブドウだ。高品質だが価格は高めとなっている。

熟成させた赤ワインの方が抗酸化作用が高くなる

 「ワインの抗酸化作用で、ブドウの品種のほかに、もう一つ重要な要素となるのが『ワインの熟成年数』です。第2回でも少し触れましたが、若いワインより、熟成を重ねたワインの方が、抗酸化作用が高くなります。ポリフェノールの総量は同じだったとしても、熟成させた方がより効くようになるのです。このため、数年熟成させた高額なワインは健康効果がより高くなります」

 「(前ページのグラフで)同じ銘柄を比較すると、例えば、Chポンテカネ(ボルドー左岸の有名ワイン)は、1988より1990年の方がポリフェノールの総量は多いですが、抗酸化能力は1988年の方が高くなっています。抗酸化作用のピークは5年くらいで、その後は緩やかに効果は下がります」(佐藤教授)

※ 熟成させることで品質が高まるのは、主に2000円以上の高級ワイン。数百円から1000円台くらいで購入できる安価なワインは、熟成させずに楽しむのが一般的。

注目の「レスベラトロール」の効果とは

 ここまでは抗酸化作用を中心に見てきたが、赤ワインの健康効果を語る上で欠かすことができない重要な成分がある。それが、「レスベラトロール」というポリフェノールだ。認知症などに効果があるとされており、近年非常に注目されている。

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ワインと認知症やアルツハイマー病との関係(ボルドー大学中央病院にる調査結果)。65歳以上の3777名を対象に3年間にわたって調査したもの。論文筆者の1人、J.-M.Orgogozo氏から佐藤教授がデータを受け取ったものを改変して掲載

 仏ボルドー大学中央病院の研究チームは、65歳以上の3777名に対して、死亡率、認知症、アルツハイマー症のリスクと、飲酒量の関係を3年間にわたり調査した。ワインを毎日3~4杯(375~500ml)飲んでいる人は、飲んでいない人に比べ、認知症の発症リスクが約5分の1、アルツハイマー症の発症リスクが4分の1、死亡率が約30%低下していたという(Rev. Neurol. (Paris): 153(3),185-192,1997)。

 1999年には、伊ミラノ大学の研究チームが、「毎日グラス1杯半のワインを飲み続けると、記憶力の回復に効果があり、アルツハイマー病などの神経細胞の変性が原因とされる病気にかかりにくくなる可能性がある」と発表した。これは、レスベラトロールが外界刺激を伝達する酵素「MAPキナーゼ」を7 倍活性化し、脳の細胞同士を結び付ける作用をするためだと報告している(M.Miloso,A.A.E.Bertelli, et al.:Neurosci. Lett.,264,141-144,1999)。

赤ワインが寿命を延ばす?

 レスベラトロールは、寿命を延ばす働きがあるとされるサーチュイン遺伝子を活性化するという報告もある。「サーチュイン遺伝子は、抗老化遺伝子と呼ばれるもので、飢餓、カロリー制限により活性化されるといわれています。しかし、レスベラトロールを摂取すると、カロリー制限をしなくても、サーチュイン遺伝子が活性化することが明らかになってきたのです」(佐藤教授)

 2000年代にはレスベラトロールの寿命を延ばす効果についての論文が相次いだ。「当初は、酵母の寿命を延ばすという報告があり、その後、多細胞動物、線虫、小魚などの報告が続きました。そして2006年には、哺乳類であるマウスの寿命がレスベラトロールによって延びるという論文が発表されました(J.A. Baur, D.A. Sinclair et al.:Nature 444,337-342,2006)。これは高カロリーのエサを与えるとマウスは短命になるが、レスベラトロールを同時に与えると普通食と同様に生存したという報告です」(佐藤教授)

 「ただし、2008年には、老化や肥満による障害予防にはレスベラトロールは有効だが、健常な人の寿命は延ばさないという報告がされています(K.J. Pearson,J.A.Baur,K.N.Lewis et al.:Cell Metabolism,8,157-168,2008)。レスベラトロールは健康な人に投与することでより健康が増進されるというものではなく、健康上何かしら問題を抱えている人に効くのです」(佐藤教授)

レスベラトロールはピノ・ノワールに多い!

 これだけの効果があるとなると、どの品種にレスベラトロールが多く含まれているのかが気になるところだ。佐藤教授によると、ワインの品種の中でこの成分が多いのが、「ピノ・ノワール」なのだという。

 実際、佐藤教授は、ワインに含まれているレスベラトロールの量を計測している。「白ワインには平均約0.1mg/L、赤ワインには1~10mg/Lのレスベラトロールが含まれています。赤ワインの中では、ピノ・ノワールに多く含まれています」(佐藤教授)

 「ピノ・ノワールは果皮が薄いという特徴があります。カビが生えるとすぐ病気になるので、ブドウは自分を守るために抗カビ成分を一生懸命作ります。この抗カビの役割を担う成分が、レスベラトロールなのです。皮が厚くカビに強いカベルネ・ソーヴィニヨンと比べるとその含有量は10倍ほど違います。やはりカベルネ・ソーヴィニヨンより皮が薄いメルローも、カベルネの2~3倍のレスベラトロールが含まれています」(佐藤教授)

 ピノ・ノワールは、フランス・ブルゴーニュ地方で生産される赤ワインの主原料。ブルゴーニュ産の赤ワインだったらほぼ、ピノ・ノワールだと考えてよい(※ボージョレ地区はガメイ種)。第2回で登場したロマネ・コンティもピノ・ノワールを使ったワインだ。ピノ・ノワールは、世界的に見るとカベルネ・ソーヴィニヨンほど広く栽培されていないものの、ニュージーランドや南アフリカ、それにカリフォルニア、チリなどでも栽培されている。ラベルに「Pinot Noir」と書いてあるものを選べばいい。

          ◇          ◇          ◇

 赤ワインの健康効果はまだある。カリフォルニア州立大学フレズノ校の研究により、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の殺菌作用も確認されているし、佐藤教授らの研究によって、血液の柔軟性が増し、毛細血管の血流が促進されることも明らかになっている。赤ワインは、さまざまな面から健康にいい影響を及ぼす。ただし、健康にいいからといって飲み過ぎは厳禁。1回の飲酒でグラス2杯程度を目安にして、ワインを楽しんでほしい。

佐藤充克(さとう・みちかつ)さん
山梨大学ワイン科学研究センター・客員教授

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年10月13日 16:48

あらためてワインについて、、、勉強になりました。。。

■ホントはどうなの? ワインと健康

ワインは低糖質だった! ポリフェノールだけじゃない、これだけの効能
知られざるワインの健康効果! 血圧を下げる、腸内環境を整える効果も

大塚千春=フリーエディター・ライター

 今、ワインが人気だ。実はここ数年は「第7次ワインブーム」と言われ、日本のワインの消費量は過去最大を更新している。今なぜ、ワインが人気なのか? その背景には、安くて美味しいワインが手軽に入手できるようになったという面もあるが、忘れてならないのが「健康にいい」というイメージだ。「せっかく飲むならカラダにいいものを」と考える人は少なくないだろう。

 ワインの健康効果というと、赤ワインに含まれるポリフェノールばかりが脚光を浴びるが、ワインにはそれだけにはとどまらないさまざまな健康効果がある。特集では、知られざるワインの健康効果を紹介していこう。

今、日本は過去最大のワインブームの渦中

 突然だが、現在日本のワイン市場は、過去最大の大ブームになっているということをご存じだろうか。実は、2012年以降、国内の消費量は過去最大を更新中だ。

 1990年代後半、赤ワインに含まれるポリフェノールの健康効果が大々的に取り上げられて爆発的なブームになったことを記憶されている方も多いと思う。これが第6次ワインブームだ。このブームは1999年以降、徐々に落ち着きを見せ、その後の消費量は減少傾向となった。

 その後、リーマンショック後あたりから、消費量が再び増加に転換、2012年の年間消費量は第6次ブームを越え、現在に至っている。今は「第7次」ワインブームの真っただ中にある。

品質の高いワインが、安価に楽しめるようになった

 第6次ワインブームの爆発的な人気ぶりをご記憶の方からすると、「ブーム」といわれてもピンとこない人もいるかもしれないが、ここ数年で、街角のワインバー(バル)などは格段に増えたし、居酒屋のメニューでもワインが充実してきた。スーパーでもワインの品ぞろえを充実させてきたところが増えている。

 チリやスペインなどから、安くても品質の高いワインが輸入され、手軽に楽しめるようになったことがその背景にある。ここ数年で、スーパーなどで扱っている低価格ワインも明らかにおいしくなっている。

 例えば、1000円台のワインというと、昔は「安かろう悪かろう」の典型で、正直美味しいものにはなかなか出会えなかったが、最近は違う。チリなどの南米産で1000円台のワインでも「美味しい」と感じるものが増えた。実際、ワインの輸入元の推移を見ると、ここ数年のワインの輸入をけん引しているのがチリであることわかる。2015年には、チリからのワインの輸入量がフランスの輸入量を超え、国別の輸入数量の第1位になっている。

ワインブームの主眼が「健康」にシフト

 今、ワインが人気を博している背景として、忘れてはならない要素が「健康」だ。ワインは他のお酒に比べても、「健康にいい」というイメージが定着している。筆者もそうだが、「どうせ飲むなら、カラダにいいものを」と考える人は少なくないだろう。

 ワインというと、昔は「特別なときに飲むちょっといいお酒」だったが、今は健康のために日常的にワインを飲む人が増えている。食文化の歴史に詳しい著述家の速水健朗氏も、ワインブームをけん引した要因が、「ステイタス」から今では「健康」へと変化したと指摘している。

白ワインに健康効果はないのか? 酸化防止剤の影響は?

 ワインの健康効果としてよく取り上げられるのが、赤ワインに含まれる「ポリフェノール」だ。「フランス人は喫煙率が高く、バターや肉などの動物性脂肪の摂取量が多いのに、心疾患による死亡率が低い」という“フレンチパラドックス”の理由として、赤ワインのポリフェノールの存在が指摘され、第6次ワインブームの牽引役となった。

 これにより“赤ワインの健康効果”が不動のものになったわけだが、ワインには赤ワインだけでなく、白ワインやスパークリング・ワインもある。これだけ暑い日が続くと、白ワインやスパークリング・ワインでスッキリ楽しみたいという人も少なくないだろう。同じワインでも、白ワインやスパークリング・ワインには健康効果はないのだろうか。また、赤ワインと一口にいっても、ブドウの品種もさまざまだ。どれも健康効果は同じ、ということはないだろう。

 また、ワインに詳しい人なら、ほとんどのワインに「酸化防止剤」が含まれていることをご存じの方もいるだろう。昔から使われてきた成分で、カラダへの影響は心配しなくていいなどと言われるが、実際はどうなのだろうか。また、最近では、「自然派ワイン」「ビオワイン」などと呼ばれるワインも人気で、専門店も増えている。これらは普通のワインと何が違うのだろうか。

 今回の特集では、赤ワインのポリフェノールにとどまらないワインの健康効果を山梨大学ワイン科学研究センターの佐藤充克客員教授に話を伺った。佐藤教授は、メルシャン酒類研究所所長を務め、醸造と健康効果両方の研究に取り組んできたワインのスペシャリストで、これまでワインの健康効果についての論文を数多く発表してきた。

 佐藤教授によると、赤ワインに多く含まれる抗酸化物質「ポリフェノール」の効能だけでなく、多くの健康効果があるという。ワイン特集では、今回と次回はワインの健康効果の全体像を紹介、後半では白ワイン、赤ワインに絞った健康効果に迫っていく。

ワインの主な健康効果
動脈硬化や心疾患の予防(抗酸化作用)
認知症の予防
糖質が他の醸造酒に比べて少ない
利尿効果があり、新陳代謝を活発に
血圧を下げる効果
腸内環境を整える効果
大腸菌、サルモネラ菌に対する抗菌力
ピロリ菌の殺菌効果

ワインは低糖質だった! 醸造酒の中でも圧倒的に少ない

 お酒は飲みたいが健康にも配慮したい――そんな人が気にする大きなポイントが「糖質」だ。最近は、パンやラーメンから甘さが決めてのスイーツに到るまで、あらゆる食品で低糖質(ローカーボ)が空前の大ブームとなっている。メタボが気になるビジネスパーソンも、仕事帰りや自宅の晩酌のお供に飲むなら、低糖質のものにしたいと思っている人は多いだろう。

 「あまり知られていませんが、ワインは醸造酒の中でも圧倒的に糖質が少ないお酒です。糖質を気にする方はワインを選ぶといいでしょう」――と佐藤教授は話す。
 
日本酒、ビール、ワインに含まれる糖質

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赤ワイン、白ワインの糖質は100g当たりそれぞれ1.5と2.0gと他の醸造酒の60%から3分の1程度と低い。糖質の量は炭水化物の総量から食物繊維を引いて算出した(出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂))

 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(文部科学省)によれば、赤ワイン、白ワインの糖質は100g当たりそれぞれ1.5と2.0gと少ない。これは、日本酒の3.6~4.5g、ビールの3.1~4.6g(いずれも、純米酒と本醸造酒、淡色とスタウトなどタイプによって異なる)の60%から3分の1程度だ。ちなみに、100g当たり糖質1.5gというのは、糖質が少ない食品として知られるシイタケ(菌床栽培・生、1.5g)と同等の数値だ。

 しかし、ワインの原料は果物であるブドウだ。ブドウは糖度も高く、ブドウのジュース(ストレート)の場合は、100g当たり14.4gも糖質を含んでいる(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より)。それなのになぜワインの糖質は高くないのだろうか。佐藤先生は、「ブドウに含まれる糖分はアルコール発酵により、分解されエタノールになります。この発酵過程でほとんどの糖分が消費されるため、ワインの糖質は少なくなるのです」と説明する。なお、実際にワインを飲むと、甘口のデザートワインなどではない通常のワインでも甘さを感じるものも少なくないが、佐藤先生によると「うまみ成分であるアミノ酸が多く含まれているから」だという。

※ワインは低糖質だと説明したが、貴腐ワイン(ソーテルヌなど)やアイスワインなどの甘いデザートワインは糖質を多く含んでいる。デザートワインを食事と一緒に大量に飲むということは通常あまりないが、糖質を気にする方は気を付けたい。

 なお、寒冷な土地などで収穫したブドウからワインを造る場合は、ブドウの糖度が低く十分なアルコール濃度が得られないことがある。この場合は、「補糖」といってワインを発酵させる前に糖を加えることがある。補糖により「ワインの糖分が増えるのでは?」と思う人もいるかもしれないが、佐藤教授によると、これらはすべて発酵の段階で分解されアルコールになるので糖分が増えることはないそうだ。

 糖質の量だけでいえば、焼酎やウイスキーは0(ゼロ)gと断トツに低いが、トータルのカロリーで比較すると、焼酎は100g当たり 146~206kcal(単式か連続式蒸留かで異なる)、ウイスキーは237kcalなのに対して、ワインは赤白共に73kcalと低い。ワインは全体のバランスがとれたお酒なのだ。

適量のワイン摂取が血圧を下げる!?

 佐藤教授は、注目のワインの健康効果として「血圧を下げる効果」と「腸内環境を整える効果」を指摘する。 

 「適量のワインは血圧を下げる効果が期待できます」と佐藤教授。「イギリスのリバプール・ジョン・ムーアズ大学の研究者が、6000人を対象に、運動、食事、肥満度と血圧の関係を調べたところ、ワインを多く摂取する人は血圧が統計的に有意に低かったという調査結果が出ました。一方、ビールの場合は血圧は上昇しました」(佐藤教授)。この調査では、ワインを飲む人の中で1日約250ml程度たしなむ人が最も血圧が低いという結果が出ている(Annals of Human Biology;24(3):1997,229-247.)。なお、ワイン1日約250ml以上になると、血圧は上昇したという。

 なぜ、ワインに血圧を下げる効果が期待できるのだろうか。佐藤教授は、「ワインにはカリウムが多く含まれています。カリウムには、ナトリウム(塩分)を体から排出する働きがあります」と説明する。赤ワインの場合、ワイン100g中に110mg、白ワインの場合は60mgのカリウムを含んでいる(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より)。日本酒(5~7mg)やビール(34~65mg)より豊富に含まれている。

ワインには腸内環境を整える効果も

 ワインの味わいの特徴の一つに、その酸味がある。この酸味の基となっているのが、ワインに多く含まれる酒石酸、乳酸などの有機酸だ。「酒石酸、乳酸などの有機酸には、腸内で悪玉菌の生成を抑え、善玉菌を活性化させる働きがあります。つまり、腸内環境を整える効果が期待できるのです」(佐藤教授)

 さらに、ワインに豊富に含まれるポリフェノールも腸内環境を良くするのに一役買っているという。「ポリフェノールは、分子が大きく腸でなかなか吸収されません。実は、腸内にいる善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌はポリフェノールを食べて増殖するのです。つまり、ポリフェノールには食物繊維を摂るのに近い効果があり、便秘予防などの効果が期待できます。ポリフェノールが多い赤ワインの方がより多くの効果を期待できます」(佐藤教授)という。

      ◇      ◇      ◇

 9月9日公開の次回は、ワインの価格と生産方法の関係やワインに添付される酸化防止剤などについて詳しく見ていく。ワインと一口に言っても価格はさまざまだが、健康効果に違いがあるかをレポートしよう。

佐藤充克(さとう・みちかつ)さん
山梨大学ワイン科学研究センター・客員教授

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年10月13日 16:03

平和条約は核よりも強し、、、ヒト、モノ、カネ…他国の文化と経済が流入すれば北朝鮮の独裁体制は自滅する。。。Vol..3

■「米国と対決とか、どうでもいい」金正恩氏の暴走に北朝鮮国民はウンザリ
金正恩氏の暴走に国民ウンザリ?

北朝鮮の朝鮮中央通信は9月28日、トランプ米大統領の国連演説に「反撃」した金正恩党委員長の声明が発表されてからわずか6日間で、全国で470万人余りが朝鮮人民軍(北朝鮮軍)への入隊、復帰を志願したと報じた。労働新聞が先月12日に報じた時には347万5000人だったので、1ヶ月半で122万5000人も増えた計算となる。

「やってらんねえ」の声

記事によると、志願者らは集会を開き「500万個の核爆弾を炸裂させて悪の帝国、米国を地球から跡形もなく吹き飛ばそう!」「火取り虫のようにあわてふためく米国の狂人らをひとり残らず撲滅しよう!」などの文章を書き込んだ志願書類を提出したという。

まさに開戦前夜のノリだが、北朝鮮の実際の雰囲気に緊張感はさほどないようだ。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、声明発表後、緊急講演会、学習会、生活総和(総括)などが慌ただしく行われているが、軍事訓練や避難訓練の類は一切行われていない。

平壌の内部情報筋も、群衆大会に動員されるだけで、それ以外は何の措置も取られていないため、今にでも戦争が起きるという雰囲気は感じられないと現地の状況を伝えた。

情勢が緊張するたびに「敵が攻めてくる」と緊張感を煽り、防空訓練などを行うことで、国内の結束を高めるというのが北朝鮮当局の常套手段だ。ところが、情報筋によると、当局は住民からの「やってられない」との反発を恐れて何もできずにいるというのだ。

労働者を虐殺

訓練に動員されれば、市場で商売をする時間がなくなり、経済的に困窮する。また、韓国や米国からのラジオを通じて情報を得ている人が多くなり、北朝鮮がどういう状況に置かれているかを曲がりなりにも理解している人が多いため、プロパガンダが通用しづらくなりつつある、などといった事情がある。

ガソリン価格が高騰し、コメ価格が上がれば、金正恩氏の「核の火遊び」に対する批判がさらに高まることを、当局もよくわかっているのだ。そのため、政治講演会、学習会も市場の営業時間が終わった後に行うという。

それでも、せっかくの当局の「配慮」も功を奏さず、住民の不満は高まる一方だ。

情報筋によれば、生きていくだけで精一杯なのに、動員されて「反米対決がどうのこうの」という話を聞かされるのウンザリしているという人がほとんどだという。

中には「今の政権にいる人(金正恩氏)は、祖父(金日成主席)、父(金正日総書記)よりも核とミサイルに執着している」と体制批判をする人すらいるとのことだ。

本来、権力への不満を公に語ったらどうなるかを、北朝鮮国民は過去の教訓からよく知っている。1990年代の大飢饉に際しては、食糧を求めただけの労働者たちが無残に戦車で轢き殺された。

それにもかかわらず、無謀な核兵器開発に対する庶民の不満は日に日に強まっているもようだ。

[デイリーNKジャパン]

Posted by nob : 2017年10月02日 16:32