絶賛おすすめします!“すごいストレッチ”Vol.3

 

仕事や家事をしながら肩をコキコキ。いつでもできる「ながらストレッチ」で肩甲骨はがし/すごいストレッチ③

 

日々の肩コリには簡単「ながらストレッチ」
~いつでもどこでも肩がヨロコブ気持ちよさ~

仕事や家事をしながらできる「ながら肩コリストレッチ」を覚えておくと便利です。カンタンなのに効果テキメン。コツを押さえていつでもどこでも、気軽に肩をほぐしましょう!

職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ

背すじを伸ばして肩甲骨を動かそう!

ここでいう「ながら肩コリストレッチ」とは、お手軽「肩甲骨はがし」のこと。

「肩甲骨はがし」とは、肩甲骨を効率よく動かすことによって、肩甲骨まわりにある肩コリの原因となる筋肉をほぐすストレッチです。

おなじみの「肩まわし」ストレッチでも、肩甲骨の存在を意識して体を動かすとほぐし効果がグンとパワーアップします! じっくり大きく腕を回すことで、硬くなっている背中と胸の筋肉までゆるめます。猫背だと効果が半減するので背すじを伸ばして行いましょう!

職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ
職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ

イタ気持ちよいところを目安にしよう!

それぞれ5~10回ずつ、リラックスした呼吸でやりましょう。腕をねじるストレッチは、肩甲骨を動かすだけでなく、腕そのものの疲れもやわらげます。腕を支えていることも肩の疲労の原因なので、腕が軽くなると肩コリの緩和につながります!

カンタンで手軽にできるストレッチなので、こまめに行い疲労の蓄積を防ぎましょう。

職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ

 

[ダ・ヴィンチニュース]

Vol.4に続く

絶賛おすすめします!“すごいストレッチ”Vol.2

 

お尻冷たくなってない?“隠れ冷え性”を解消する「尻ストレッチ」/すごいストレッチ②

 

腰がダルイときは尻をほぐしてリフレッシュ
~足下が軽くなり、下半身がジンワリ温まる!~

若い男性にも増えている「隠れ冷え性」を知っていますか? 試しにお尻をさわってみてください。温かいと感じなければ自覚がなくても「冷え性」の疑いが……。血流促進・体の温め効果がある「尻ストレッチ」で早めのケアを!

職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ

自覚症状を感じにくい、キケンなお尻の冷えとコリ

お尻の「冷え」は「コリ」に通じています。肩や首のコリは痛みによって感じやすいですが、盲点なのがお尻のコリです。

お尻は脂肪が多く、「冷え」以外の症状を感じにくいためほったらかしがち。結果、どんどん血行不良になって疲労物質がたまっていき、腰痛や倦怠感、風邪をひきやすくなるなど、さまざまな体の不調を引き起こす原因にもなってしまいます。

イスに座ったままできる「尻ストレッチ」で腰痛の原因となる筋肉たちをガッツリほぐしておきましょう!

職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ
職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ

背すじを伸ばして前屈すると「尻の筋肉」がよく伸びる!

日常生活では伸ばすことのない「お尻」と「太もも裏」の筋肉にジワジワと刺激が入ります。「尻ストレッチ」は骨盤まわりの血流を改善し、下半身だ けでなく全身の血液とリンパの流れもスムーズに促すので、だるさの解消・疲労回復・冷え性やむくみ対策に効果的です。足元からポカポカと楽になってくる と、腰痛改善だけでなく肩コリもほぐれやすくなります。

職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ

 

[ダ・ヴィンチニュース]

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絶賛おすすめです!“すごいストレッチ”

股関節の硬さが全身の疲労感のもとだった!?「イチロー式肩入れストレッチ」で体も心もリフレッシュ/すごいストレッチ①

外出自粛やテレワーク続きでお疲れではありませんか? 心身両面の不調とその解消法を、イラストエッセイでオモシロおかしく紹介。デスクワークでコリかたまった肩も、PC作業でジンジンする眼も、ストレスの連続で疲れたココロも、みんなまとめて「すごいストレッチ」たちが解消します!

事務の疲れは股関節ストレッチでスッキリ
~イチロー式ストレッチで疲労からの再起動!~

メジャーリーグで活躍するイチロー選手や、サッカーなどのスポーツ競技でよく目にする「肩入れストレッチ」。実は日常でこそオススメ! 肩コリ・背中コリの解消や、メンタルを体内からリフレッシュさせる作用があります!

職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ

股関節の硬さが全身の疲労感のモト!

現代人は、運動不足やイスに座りっぱなしといった生活習慣で「股関節が固まりがち」といわれています。股関節が硬くなったままだと、背骨や骨盤の歪みの原因にもなり、腰痛・むくみ・全身の疲労感など様々な体の不調を引き起こしてしまいます。

股関節は、インナーマッスルの大腰筋・内もも・お尻などたくさんの筋肉や骨格と連動しています。横隔膜にまで関係しているという驚きの事実も!

股関節をストレッチして柔軟にするとこんなにイイことが……!

職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ
職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ

開いた足でガッチリ腕を支え、肩甲骨を大きく動かせ!

「肩入れストレッチ」は、股関節と肩甲骨の可動域を広げて体の柔軟性を高めるための、スポーツの準備運動です。

開いた足でガッチリ腕が支えられるので、肩甲骨も大きく動かすことができ、背骨もグッとねじれます。肩・背中まわりの凝り固まった筋肉もパワフルにほぐすことができます!

「あと一息!」といった、仕事や家事の合間で「気合い」を入れなおしたいときにもピッタリのストレッチです。

職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ

[ダ・ヴィンチニュース]

 

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幸せは、いつも自分の心の中に探しにいく。。。Vol.2

 

脳科学者・中野信子が「人生では正解を選んではいけない」と言い切る理由 「幸せホルモン」を味方にする方法

「幸せを感じる」ことは、脳と体の相互作用

脳科学の観点で見ると、「幸せを感じる」という営みは、脳と体が絶えず行う相互作用に過ぎません。

そのとき、脳で分泌される神経伝達物質である「オキシトシン」の作用が、幸せの感情をもたらすことが明らかになっています。オキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、まだそのすべてが解き明かされていない“謎多き物質”ですが、幸せのカギを握るたくさんの可能性があるとわたしは見ています。

そして、人の「幸せ」についての考え方は主観的なものであり、ひとつのものさしで測ることはできません。

見る人から見れば、たとえバカ騒ぎとしか思えない振る舞いでも、当の本人たちは仲間とわいわい騒ぐことで「みんなから愛されて幸せだ」と感じ、それによってオキシトシンがたくさん出る人もいるわけです。

「幸せのものさし」は人それぞれ

その一方で、ひとりきりの空間で心地良い服を着て、自分の好きな音楽を聴きながらリラックスすることで、オキシトシンが分泌される人もいるでしょう。

人それぞれ好みもちがえば、オキシトシンが出やすい環境もちがうということ。「あの人はいつも“ぼっち”でかわいそう」などと、一概にはいえないわけですね。

幼少期に培われた人間関係のなかで、愛着の対象や自分自身のことをどう思っていたかによって、幸せの価値観もそれぞれちがってくるのです。

あなたの選んだ選択肢に「間違い」はない

他者と幸せの大きさを競うことに、ほとんど意味はありません。

たとえば、世の中には多動的な人がいて、彼らは多くの人と広く浅く交流し、たくさんの情報を交わし合うことによろこびを感じ、そんな自分を肯定して生きています。とくに、いまの時代はSNSなどで情報過多になっているため、そうした交流をうまくやっている人が目立ったり、「幸せ」に見えたりもしま す。

でも、そうでない人たちが不幸せかというと、まったくそうとはいえません。むしろ、わたしは「幸せの基準はたくさんある」ことを、救いに思ったほうがいいと考えています。

「わたしはあの人よりも幸せじゃないかも」
「自分もあの人のように前向きに生きなければダメなんじゃないか」

もし、いまそんな思いや迷いを感じている人がいたら、わたしは脳科学者として、ひとりの人間として、このようにいいたいです。

「あなたの選んだ選択肢で生きることに、なにも間違いはないんだよ」と。

人間は成人するまでに14万8000回もの否定的な言葉を聞かされる

人はなぜ、自分と他人を比べて思い悩むのでしょうか?

それは、おそらくわたしたち日本人が、子どものころから「正解を選ぶ人生」というものに、あまりに慣らされてしまっているからだとわたしは見ています。

人間は成人するまでに、約14万8000回もの否定的な言葉を聞かされるとする説もありますが、これと同じように、わたしたちはあまりにも、「次のなかから正解を選びなさい」といわれ過ぎているのではないかと感じます。

選んだ答えを「正解」にしていくのが人生

しかし、大人になれば「選んだ答えを正解にする力」こそが試されることになる。

「甲斐性のない亭主を選んだけれど、なんとかわたしが出世させてやる」
「自分で選んだ奥さんだから、もう自分好みに仕立てるしかない!」

例として適切でないかもしれませんが……現実には、人生にはさまざまな「正解の仕方」があるわけです。

むしろ、選んだ答えを「正解にする」ことのほうがずっと大切ではないでしょうか。実際に自分が本当に正解を選んだかどうかは、死ぬまで、いや、死んでもわからないのです。「歴史にifはあり得ない」というのは、そういうことです。

本来、誰もが自分の好きなように生きていいのです。自分が感じる幸せの基準にもっと正直になって、そのうえでバランスをうまく取ればいいのです。

「自分の正解の基準」を見つけよう

そして、そんな自分をある程度肯定することも大切です。

とくに女性の場合、なんだかんだと婚活を話題にされることがありますが、「この人が相手で本当にいいのだろうか」と、多くの人が悩むでしょう。そのときに、「みんなが正解だと思う人」を選びたくなる傾向がどうも強いようです。

でも、あたりまえですが、「自分が正解だと思う人」を選ぶべきです。なぜなら、その選択には誰も責任を取ってくれないからです。本来は自分で選べる力を持ったはずの人でも、あまりに正解を求めるくせがついてしまっていることで、多くの人が苦しんでいるように見えます。

そんな自分の考え方のくせを乗り越えていくには、自分の正解の基準を、丁寧に自分の気持ちと向き合いながら見つけていくことだと思います。地味な作業ですが、これはとても大切なことです。

そして、その基準に則って選択をする自分を、自分で肯定するのです。

日本人は不安傾向が強い

繰り返しになりますが、その「肯定力」が心許なく感じるくらい、わたしたちは間違いを選ぶことを許さないように育てられてきたのかもしれません。

また、日本人はもともと不安傾向の高い人が多い遺伝子プールであるとされています。日本には自然災害が多く、それに備えるには楽観的な性質よりも、不安傾向の高いほうが生き延びやすい環境であったわけです。

自分の決断をなかなか正解と思いにくく、曖昧であったり、迷ったりしがちなことが日本人の性質を表しています。

「迷うこと」は人生の幅の広さの証明

でも、考えてみれば、「迷える」ということは、それだけ自分の可能性が残されていると捉えることもできます。

「この人で良かったのかな」
「この仕事で合っているのだろうか」

そのように人は迷いますが、迷うこと自体が、これからの人生の幅がまだまだ広いことを証明しているわけです。

自分なりの幸せを築いていくなら、まず自分の選択や決断をなにより重視する。

そして、迷ったとしても、その迷うことすら自分の「幸せ」の可能性を広げてくれるものとして、堂々と受け入れていく必要があるのでしょう。

[PRESIDENT Online]

幸せは、いつも自分の心の中に探しにいく。。。

生きがいがある人は知っている 人生で大切な4つの要素

 仕事のやりがいや働きがいを求める人が増えている。コロナ禍でリモートワークが推進される中、会社との関係や働き方を見直す機運が生まれていることも、その流れを後押ししている。どうすれば生きがいを見いだせるのか。ベストセラー『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』で紹介されているような強みと、幸せとの関係は? 幸福学研究の第一人者である慶応義塾大学大学院の前野隆司教授が解説する。

私は幸せの研究を行っています。「どんな人が幸せであるか」についての心理学的な基礎的研究と、人々を幸せにする物づくり・サービスづくり・組織づくり・町づくりなどの応用研究です。

そんな私から見て明らかなことの一つは、「自分の強みを明確に持っていて、それを生かせる人は、幸せな傾向がある」ということです。多くの研究者により、強みと幸せの関係についての研究が行われた結果として明らかにされた事実です。

つまり、幸せになるためには、強みを磨くべきなのです。逆に言うと、「強みが見つかっていない人は、幸福度が低い傾向がある」ということでもあります。つまり、強みは見つけたほうがよいと言えます。では、どうやって見つければいいのでしょうか?

自分の強みを見つけるには

「自分の強みが見つからない」という人がいます。まずは、それでいいのだと思います。強みはそう簡単に見つかるものではなく、人生をかけて探していくものなのではないでしょうか。

強みを探すコツは、いろいろなことをやってみることです。やってみないで考えていても、強みは見つかりません。なぜなら、強みとは、長年かけて習熟していくものだからです。長年かけて根気よく続けるためには、「面白いこと」であることが重要です。面白ければ続きますから。

「面白いと思うことが見つからない」という人もいます。こちらも、まずは、それでよいのだと思います。面白いことも、そう簡単に見つかるものではなく、人生をかけて探していくものなのではないでしょうか。

面白いことを探すコツは、いろいろなことをやってみることです。やってみないで考えていても、面白いことは見つかりません。なぜなら、面白いこととは、長年かけて習熟していく中で、面白さが増していくものだからです。長年かけて根気よく続けるためには、強みであることが重要です。他の人に負けない強みになっていたら、続きますから。

繰り返しになっていますね。つまり、「強み」と「面白いこと」は、鶏と卵の関係になっています。どちらかが見つからないと、他方も見つからない。 逆に、どちらかが見つかり始めると、好循環の因果関係ループが回り始め、どんどん、より強い強みと、より楽しいやりがいになっていきます。

つまり、「強み」や「面白いこと」は、やり続けないと深まらないのです。最初から強みだったり、最初から面白くてたまらなかったりは、しないのです。だから、最初は、ちょっとした強み、ちょっと面白いことから始めてみるしかないのです。しかも、始めないと深まらないのです。つまり、人は、いろいろなことにチャレンジしてみるべきなのです。

それでも、自分の強みがうまく見つからない場合は、『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』で紹介されている資質が参考になるでしょう。〈クリフトン・ストレングス〉で見いだされる資質は、あなたの強みの源泉です。

あと2つの要素──強みと面白いことに加えて

さて、では、「強み」と「面白いこと」の2つを満たしていれば幸せなのでしょうか。欧米で流行っている〈ikigaiベン図〉によると、あと2つの要素がありそうです。

「生きがい」という言葉は、日本では、やや古臭い表現であるように感じられると思いますが、意外と欧米の人は「ikigai」という日本語を知っています。

英ミドルセックス大学の教授に言われました。「デンマーク語のヒュッゲ(楽しい時間、居心地の良い空間)のような幸福感よりも、日本人の ikigaiのような幸福感のほうが深くて素晴らしい」と。彼の話によると、ikigaiという日本語は「利他的に社会に貢献することを通して感じる幸福感」というニュアンスで欧米に伝わっているようです。

現代日本では、「生きがいは旅行」「生きがいは盆栽」のように、特に利他的ではない趣味について語るときにも使う言葉なので、欧米に広がっているニュアンスに私は驚いたものでした。

さて、欧米で広まっている〈ikigaiベン図〉を見てみましょう(図表1)。

ikigaiベン図では、「What you are good at」「What you love」「What the world needs」「What you can be paid for」の4つが円で描かれています。それぞれは重なり合っていて、4つの円の重なり合った中央の部分が「生きがい(ikigai)」であることを表して います。

それぞれについて見てみましょう。

「What you are good at」は、直訳すると、あなたが得意なこと。まさに強みです。次の「What you love」はあなたが好きなこと。言い換えれば、先ほどから述べてきた面白いことですね。そして「What the world needs」は、社会が必要とすること、「What you can be paid for」とは、あなたが収入を得られることです。

つまり、「強み」と「面白さ」に加えて、「社会が必要とすること」「収入を得られること」の2つも満たしていると、「生きがい」とも言うべき幸福感が得られるというわけです。

幸福度を高める4つの要素

これは、幸福学研究から見ても理にかなっています。強みが幸福度に影響することは冒頭で述べましたが、他の3つも同様です。

あなたが好きで面白くて仕方がないこと(What you love)に熱中するとき、幸福度が高いことが知られています。たとえば、物事を満喫している人は幸福度が高いことが知られています。また、強い熱中・集 中状態のことを「エンゲージメント」または「フロー」「ゾーン」と言います。ポジティブ心理学(幸福感についての心理学)の創始者であるセリグマン教授に よると、エンゲージメント(フロー、ゾーン)は幸福感を形成する5つの要素(PERMA:Pleasant emotion, Engagement, Relationship, Meaning, Accomplishment)のうちの一つです。

また、社会が必要とすること(What the world needs)を行っている状態は、利他的で、親切で、思いやりのある状態ですが、このような利他的な行動が幸福度を高めることは、さまざまな研究により検証されています。

さらに、一定の収入(What you can be paid for)が幸福度を高めることも知られています。ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン教授によると、年収が7万5000ドルになるまでは、年収と感情的幸福は比例する傾向があるのに対し、年収が7万5000ドルを超えると、もはや年収と感情的幸福の間に有意な相関は見られなかったそうです。つまり、一定の収入になるまでは、収入が増加するほど人は幸せになっていきます。

〈ikigaiベン図〉に描かれた4つの円は、いずれも幸福度を高めるための要素なのです。なかでも、4つの円が重なった部分は、幸福度に寄与する4つの要因が重なっているのですから、特に幸福度の高い領域と言えるでしょう。生きがいを感じるわけです。強みを生かし、楽しくて仕方がなく、しかも社会に貢献し、お金までもらえるというのですから、幸せでないわけがありません。

4つの円が重なるところを探す

「仕事で給料をもらっているが、別に好きな仕事ではないし、強みを生かせていないし、社会に貢献している実感もない」という場合は、一番下の部分でしょう。「趣味のゴルフは楽しいが、別にうまくないし、もちろんお金を稼いでいない」という場合は、一番上の部分でしょう。

2つの円が重なっている部分にも名称が書かれています。

強みで、好きだが、社会貢献しておらず、お金ももらっていない部分が「Passion(情熱)」。好きで、社会貢献にもなっているが、お金をもらっておらず、強みでもない部分が「Mission(使命)」。社会に貢献していて、お金をもらっているが、強みでも好きでもないところが 「Vocation(天職、職業、生業)」。お金をもらっていて、強みでもあるが、好きではないし、社会に貢献していない場合が 「Profession(専門職)」です。

ちなみに、リクルートホールディングスが提唱している「Will、Can、Must」も、〈ikigaiベン図〉にある3つの要素に近いですね。 Will(やりたいこと)は「What you love」、Can(できること)は「What you are good at」、Must(しなければならないこと)は「What the world needs」にあたります。〈ikigaiベン図〉は、「Will、Can、Must、Moneyの4つが重なるところを探しましょう」というスローガン を図にしたもの、と言い換えることもできるでしょう。

 やりたいこと、やるべきことを棚卸しする

さて、皆さんが日々行っていることは、〈ikigaiベン図〉のどこに相当しますか?

なるべく重なっているほうが、より生きがいに近く、より幸せな活動だと言えそうです。ですから、「仕事をしてお金を稼ぎ、社会に貢献はしているも のの、まだ自分の強みは見つかっていないし、ワクワクするような仕事ではない」という人(Vocation)は、強みや楽しいことを見つけたほうが、幸福度が上がるでしょう。

「楽しくて仕方がない趣味はあるけど、仕事はそれとは別」という人は、できれば、楽しくて仕方のないことと仕事を一致させたほうが幸せでしょう。脱サラしてペンション経営を始めましたとか、農業を始めましたという人はこのタイプでしょうか。

一度しかない人生、「まあ仕事だから仕方がない」「どうせ自分はこんなものだ」なんて言っていないで、4つの円の重なるところを模索すべきではないでしょうか。

そう思って、私は「やりたいこと、やるべきこと棚卸しシート」というのを作ったことがあります。「いま仕事で」「いまプライベートで」「将来、現世で」に分けて、「やりたいこと」「できること」「やるべきこと」「気づき」を記入します。そして、全体を眺めて、気づきを得ます。

私が以前やってみたものを、図表2に掲載します。ぜひ、皆さんもやってみてください。少し時間がかかるかもしれませんが、きっと何か気づきを得られることでしょう。そして、さらに幸せになるためのヒント、生きがいのためのヒントが見つかることでしょう。

多くの人が、強みと、やりたくてしょうがないこと、社会のためにやるべきこと、そしてお金を得られることの重なる部分を見つけ、生き生きと幸せに生きていかれることを、心から願っています。

前野隆司(まえの・たかし)
慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授

[日経ビジネス]