私は真剣に人生120年計画、、、人生はまだ始まったばかり。。。(2/3)

70代で死ぬ人、80代でも元気な人 第2回
精神科医・和田秀樹氏が解説! 90歳を過ぎても元気な人が共通して言う「ある言葉」


人生100年時代――充実した老後のためには老後資金計画など“準備”も欠かせませんが、年齢を重ねるなかで、はつらつと過ごせる体とマインドを維持することも同じくらい重要です。

では、どうしたら、はつらつと年齢を重ねることができるのか?30年以上にわたって高齢者専用の精神科医として、医療現場に携わってきた和田秀樹氏は、70代が「ターニングポイント」だと指摘。70代を無事乗り越えることができれば、元気な80代を迎えられると言います。ただ、裏を返せば、70代には注意すべき危険が潜んでいることを意味します。

そんな70代を乗り越えるための「習慣」と「心がけ」についてのアドバイスがまとめたれた話題の書籍『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』から、第1章の一部を特別に公開します(全3回)。

※本稿は和田秀樹著『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』(マガジンハウス新書)の一部を再編集したものです。

70代はまだまだアクティブにいこう

健康を気づかった節制生活は、自ら「老い」を早めることになるかもしれません。「健康でいたい」「長生きしたい」と願う気持ちが逆にその人を老け込ませてしまうとしたら、何だか皮肉な話です。

いまの70代は、かつての70代とはまったく違います。

かつて、30年くらい前の日本でしたら70代ははっきりとした「老人」でした。しょぼくれたり、シワが刻まれたり、歩行のおぼつかないような老け方が、70代のがごく当たり前の姿でした。

しかし、いまはどうでしょうか?

街角で見かける70代に腰の曲がった人なんかいません。背筋もシャンとしているし、顔色も肌つやも体格もいい。高齢者には見えないごくふつうの人の中に70代は紛れてしまって見分けなどつかないのです。

これは戦後生まれの団塊世代あたりから栄養状態も良くなって、成長期に肉や牛乳のようなたんぱく質をそれまでの世代よりはるかに十分に摂るようになったこととも関係があると思います。40代、50代のころでも外食でステーキや焼き肉を食べ、とにかく精力的に生きてきた世代ですから、70歳になったからといって急に老け込むはずがないのです。

しかも定年の延長で、60歳を過ぎても会社勤めをしてきた70代は少しも珍しくありません。ということは、つい数年前まではまったくの現役であり、仕事によってはいまも現役の人だっています。

つまり、「歳だから」と自己規制するには早過ぎる年代なのです。

むしろ、体力や知力も含めた若々しさをそのまま維持できるように、アクティブに暮らしたほうが、結果として長い高齢期を元気に乗り切ることができるでしょう。

80代後半になれば、さすがに老いを自覚します。老化そのものは、いくら体力があっても、栄養状態が良くても避けられないのです。

いまの時代は80代後半はもちろん、90代でもまだまだ若々しい高齢者が大勢いますが、やはり年齢から来る体力の衰えや記憶力の衰えは自覚していると思います。

ですからその年代になったら、もう老いに逆らう必要はありません。

むしろゆったりと老いに身を任せて、できないことは頼ったり助けてもらったり、あるいは時間がかかってもいいから自分でゆっくりやってみたりして、老いと親しみながら暮らしたほうがいいでしょう。

「気がつけば90歳」というのが理想の老い方

老いはひとくくりにはできません。先にも書いたように、70代、80代、あるいは90代にそれぞれのフェーズがあるからです。「もう70過ぎたんだから」と自分を高齢者の枠にくくってしまう必要はありませんし、個人差も当然あります。

もちろん理想は、80代になっても90代になっても、元気でいられることです。

体力の衰えから来る多少の不自由は仕方ないとしても、90代でも背筋がシャンとして快活な男性はいくらでもいますし、若い人たちに混じって趣味を楽しんだりサークルで勉強している女性もいます。

そういう高齢者に出会うと、「すごいなあ。90歳を過ぎたのにこんなに元気で頭もしっかりしているなんて」と誰もが羨ましい気持ちになります。

「私はいま70歳を過ぎたばかりだけど、もうあちこち調子が悪い。90代でも元気な人はしっかり節制したり、身体も鍛えてきたんだろうな」と思いたくなるでしょう。

ところが、元気な90代の方にきいてみるとみなさん笑います。

「70代なんて年齢を意識したことはなかった。やりたいことをやって、好き勝手に生きてきただけですよ」といった調子です。

「あの当時に比べたら、いまはもう身体も思うように動かないし、疲れやすいし、新しいことを始める気力もなくなってきたし、やっぱり歳には勝てませんね」と笑っています。

つまり90歳過ぎても元気な人は、用心深く生きてきたから元気なのではなく、あるいはとくに身体を鍛えたわけでもなく、自分がやりたいことをやって毎日を楽しんで暮らしてきた人が多いのです。

「気がつけば90になっていた」とみなさん言います。それだけ快活に、毎日を退屈することなく70代を過ごしてきたということです。

そこで私から提案したいのは、70代を老いの入り口と受け止めたりしないで自分がやりたいことをどんどんやって、自由に生きようということです。

まだ老け込むには早過ぎる年齢なのですから、何でもできるはずです。ましてやりたいことや自分が好きなことなら楽しみながらできます。気分はもちろん、身体だってまだしゃんとしているのですから、自分からわざわざブレーキをかける必要はありません。

そして、まずは元気で70代前半を乗り切ることです。

「なんだ、70代なんてこんなものか。それなりに疲れやすくはなってきたけど、自分が好きなことならまだまだ楽しめるんだ」

そう気がつけば、少なくとも自分が高齢になっていくことに対しての悲観的な気分だけは撥ね退けることができると思います。

「喜寿」(77歳)を満面の笑顔で迎えよう

心掛けていただきたいのは、とにかく年齢を十把一絡げにしないということです。

「そろそろ大人しくしなくちゃいけない年齢」「老いは気がつかないうちに進んでいく」といった、戒めなど持つ必要はありません。

老いには個人差があるのですから、自分の好奇心ややってみたいことにブレーキをかけなくていいのです。「もうそれなりの歳なんだから」「みんな節制しているんだから私もおとなしくしてなくちゃ」などと思わなくていいのです。

もし、いろいろな不安が浮かんできたとしても、いまが元気なら「よし、この調子」と自分を励ましてください。

70歳の節目で久しぶりに同窓会に顔を出した男性は、「つぎは喜寿に元気で会おう」という友人の呼びかけに大いに納得したし励まされたといいます。

「そうだな、これからどんどん老いていくんだろうけど、そんな先のことまで心配しても始まらない。とりあえずいまが元気なんだから、次の目標は7年後を元気で迎えることだ」

そう考えれば、「まずはあと7年」と近い目標が生まれます。

「この調子で7年を乗り切ってしまおう」と考えれば、そこから先のことまで不安にならなくて済むし、やりたいこともいまのうちにどんどんやってしまおうという気になります。

そして、気がつけば喜寿。もうすぐ80代に突入です。

まだまだいろいろなことができそうな気がするでしょうし、「80なんてこんなものか」と拍子抜けするぐらい、元気で快活な80歳を迎えることができるのです。

高齢期は長い。まして長寿の時代には20年、30年という高齢期が続きます。

その長さにため息をついて「これからもっともっと衰えていくんだな」と考えても守りの生き方しかできなくなります。それが結局、老け込んだ70代をつくってしまうとしたら、何だかもったいないような気がします。

70歳過ぎて多少の老いを自覚したとしても、やりたいことがあるなら「あと5年は好きなことやってみよう」「よーし、元気な後期高齢者(75歳)になってやろう」など、短めの目標設定をして自分を勢いづけるのも大事ではないでしょうか。

●「若いころのようにいかないこと」に直面したら……第3回へ続く>>

[フィナシー]

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