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ウィスキーなら糖質はゼロです。。。

■日本酒、ビール、ワイン、糖質が一番低いのはどれ?
クイズで学ぶ「お酒と糖質」

みなさん、「カラダにいいこと、毎日プラス」していますか? このクイズでは今知っておきたい健康や医療のネタをQ&A形式でおさらいします。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。では、さっそくクイズを始めましょう。

「お酒と糖質」に関する問題

ダイエットのために、食べ物や飲み物の糖質を気にしている人も多いかと思いますが、では、日本酒、ビール、ワインのうち、最も糖質が低いのはどれでしょうか?

* (1)日本酒
* (2)ビール
* (3)ワイン

 正解は、(3)ワイン です。

赤ワインの糖質は“シイタケ”並み

 ここ数年は「第7次ワインブーム」と言われ、日本のワインの消費量は過去最大を更新しています。その人気には、「健康にいい」というイメージが定着してきたことも背景にあります。

 ワインの健康効果としては、赤ワインに含まれる「ポリフェノール」がよく取り上げられますが、低糖質であることも大きなメリットです。山梨大学ワイン科学研究センター客員教授の佐藤充克さんは、「あまり知られていませんが、ワインは醸造酒の中でも圧倒的に糖質が少ないお酒です。糖質を気にする方はワインを選ぶといいでしょう」といいます。

日本酒、ビール、ワインに含まれる糖質

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赤ワイン、白ワインの糖質は100g当たりそれぞれ1.5と2.0gと他の醸造酒の60%から3分の1程度と低い。糖質の量は炭水化物の総量から食物繊維を引いて算出した(出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂))

 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(文部科学省)によれば、赤ワイン、白ワインの糖質は100g当たりそれぞれ1.5と2.0g。これは、日本酒の3.6~4.5g、ビールの3.1~4.6g(いずれも、純米酒と本醸造酒、淡色とスタウトなどタイプによって異なる)の60%から3分の1程度です。ちなみに、100g当たり糖質1.5gというのは、糖質が少ない食品として知られるシイタケ(菌床栽培・生、1.5g)と同等の数値なのです。

 糖質の量だけでいえば、焼酎やウイスキーは0(ゼロ)gと断トツに低いですが、トータルのカロリーで比較すると、焼酎は100g当たり 146~206kcal(単式か連続式蒸留かで異なる)、ウイスキーは237kcalなのに対して、ワインは赤白共に73kcalと低く、ワインは全体のバランスがとれたお酒なのだといえます。
適量のワイン摂取が血圧を下げる!?

 佐藤さんによると、「適量のワインは血圧を下げる効果が期待できます。イギリスのリバプール・ジョン・ムーアズ大学の研究者が、6000 人を対象に、運動、食事、肥満度と血圧の関係を調べたところ、ワインを多く摂取する人は血圧が統計的に有意に低かったという調査結果が出ました。一方、ビールの場合は血圧は上昇しました」(Annals of Human Biology;24(3):1997,229-247.)。この調査では、ワインを飲む人の中で1日約250ml程度たしなむ人が最も血圧が低いという結果が出たそうだ。

 ワインの血圧を下げる効果について、佐藤さんは「ワインにはカリウムが多く含まれています。カリウムには、ナトリウム(塩分)を体から排出する働きがあります」と説明する。

 また、ワインの味わいの特徴の一つである酸味の基となっている酒石酸や乳酸などの有機酸は、腸内で悪玉菌の生成を抑え、善玉菌を活性化させる働きがあり、腸内環境を整える効果が期待できるそうです。さらに、ワインに豊富に含まれるポリフェノールも腸内環境を良くするのに一役買っているとか。

 低糖質であり、血圧を下げたり腸内環境を整えたりする効果も期待できるとなれば、健康が気になる人にワインが人気なのも納得ですね。
この記事は、「ワインは低糖質だった! ポリフェノールだけじゃない、これだけの効能」(執筆:大塚千春=フリーエディター・ライター)を基に作成しました。

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年09月26日 17:49

こればかりは一度死んでみないと。。。(苦笑)

■死ぬってどんな感じ?

アメリカ政府によると、この地球上では1時間に約7000人が死亡しています。

当然ではありますが、私たちは死という体験についてあまり知りません。死ぬとき、私たちの体と心にはいったい何が起こるのでしょうか? いろいろな情報を総合すると、それほど恐れることはなさそうです。

身体に起こること

死に方は実にさまざま。そこでこの記事では自然死を前提とします。

最初に強調しておきたいのが、正確な「死の瞬間」というものは存在しないこと。死とは一連のプロセスであり、私たちにはわからないグレーな領域もたくさんあります。

とはいえ、法律上の死は2段階に分けられます。最初にあなたの身体に訪れるのが「臨床死」と呼ばれる状態で、心拍、呼吸、血液が止まります。その後、「生物学的死」が訪れるまでの4〜6分間、体の細胞は生き続けます。生物学的死を迎えると脳細胞が死にはじめ、蘇生が不可能になります。

では、そのプロセスにおいて、私たちは何を感じるのでしょうか? スタンフォード大学で緩和ケアを専門とするJames Hallenbeck氏によると、最後の数日は「アクティブ・ダイイング」(積極的死亡)段階と呼ばれているそうです。その間に、次のような順序で欲求と感覚が急速に失われていきます。

1. お腹が空かなくなる。
2. 喉が渇かなくなる。
3. 言葉が話せなくなる。
4. 目が見えなくなる。
5. 耳が聞こえなくなる。
6. 触られた感覚がなくなる。

BuzzFeedBlueによると、ほかにも「息切れ」「抑うつ」「不安」「極端な疲労」「精神錯乱(おそらく酸素不足のため)」「便秘あるいは失禁」「吐き気」などの症状が表れます。

基本的に脳は、少しでも延命を図るために重要度の低いものからゆっくりと機能を停止していくのです。死の兆候は、皮膚にも表れます。皮膚が冷たく青白くなり、場合によっては斑点が出ることもあります。

やがて、咳や飲み込みができないほど弱ってきます。息をすると、喉の後ろのほうで濁った不快な音がしはじめます。これは、「死前喘鳴(しぜんぜんめい)」と呼ばれるもの。他者からは非常に苦しそうに聞こえますが、The Atlanticによると医師が判断できる範囲では死前喘鳴に痛みは伴わないようです。

ただ、死ぬときの痛みまでは医師にもわかりません。もちろん、焼死や銃殺は痛いでしょうが、自然死の場合は何ともいえません。通常であれば、死ぬ直前の痛みは医療関係者が管理してくれます。最後の数時間は意識がないことが多いので、おそらく痛みは感じないでしょう。

ついに身体に死が訪れると、わずかに残されていた脳の機能が急速に失われます。Gizmodoによると、脳は身体を抑えきれなくなり、尿や便が出たり、ごくまれに射精をすることもあるそうです。そう聞くだけで不快感と恐怖を覚えるかもしれませんが、実は脳には秘策があるのです。

心に起こること

身体が死にはじめると同時に、脳もあの世に行くための準備をはじめます。最後の瞬間、多くの人は幽体離脱し、穏やかな場所で親戚とランデブーし、トンネルの向こうに明るい光を見るといわれます。でも実際、何が起きているのでしょうか?

まず、そのような精神状態では、自分に起きている現象を怖いと思うことはなさそうです。ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究では、末期患者と死刑囚に死ぬことを想像してもらい、そのときの精神状態を比較しました。その結果、死が近づくほど、ポジティブな展望を持つことがわかりました。その理由は、死が具体的になるにつれて現実として向き合わざるを得なくなり、受け入れられるようになるからと考えられています。

あるいは、平和な夢や幻想を見ているからかもしれません。ニューヨーク州バッファローのホスピスセンターで行なわれた研究では、死が近い人は通常よりも夢を多く見ていることがわかりました。研究に参加した人の88%が、通常の夢よりもリアルに感じられる夢や幻想を見たことがあると答えたそうです。その内容は「すでに死んだ知人との再会」「どこかへ旅立つ準備をしている夢」「人生の重大な出来事の追体験」などでした。多くの人にとって、それらの夢や幻想は心地よく、死の恐怖を和らげるものでした。

臨床死がはじまると、脳は過熱状態になります。BBC Newsによると、急に電気が流れ、脳全体のさまざまな部位の活動が活発になります。やがて通常よりもはるかに強い興奮を引き起こす神経化学物質が放出されはじめます。「明るい白い光」が見えるのはこのときです。

学術誌Journal of Near-Death Studiesに掲載された論文によると、臨死体験をした人は、文化的・宗教的信念によって変わるものの、同じものを目撃する傾向があるそうです。また、別の学術誌Frontiers in Human Neuroscienceの論文では、そのような体験が起こる時期や順序は人によって異なるそうです。ですから、以下に記す体験が、順不同で起こると考えてください。

* 意識の異常な覚醒状態。起きているときでも夢を見ているときでも起こりえます。
* 幽体離脱体験。通常は自分の体の上を飛んでいる形で訪れます。原因は、側頭頭頂接合部(TPJ)が酸素不足で損傷したためと考えられています。
* 走馬燈。多くの人が、人生の重要な瞬間のプレイバックを見ます。
* 先立たれた家族との再会。会ったことのない先祖に会うこともあります。不思議な世界を訪れ、光でできた生き物と会う人もいるようです。脳の酸素不足により、幻覚が見えていると考えられます。
* 圧倒的な安らぎと安心感。エンドルフィンの分泌によるものと考えられています。
* トンネルの先に明るい光。視覚系が過剰に興奮すると二酸化炭素が増え、光への感度が高まります。また、短時間ですが、他の感覚も強化されます。

全部を体験する人もいれば、一部だけの人もいます。いつ起こるのか、どの順序で起こるのかはわかりません。臨死体験者に聞くと、これらの体験によって死を受け入れられるようになるばかりか、歓迎すらできるようになるそうです。

心がお別れの儀式を終えると、準備完了です。死後の世界があったとしても、私たちはそこに何があるかを知ることはできません。ただ、少なくとも脳は、できるだけ快適な死を迎えようとするようです。

Source: United Nations, The Atlantic(1, 2), BuzzFeedBlue, Crossroads Hospic, Gizmodo, SAGE Journals, NCBI, BBC News, Springer Link, Frontiers

Patrick Allan - Lifehacker US[原文]
(訳:堀込泰三)

[ライフハッカー]

Posted by nob : 2017年09月26日 17:32

すべては諸刃の剣、良薬も過ぎれば毒薬に、、、そして個人差、何よりまず自らの身体を知ることから。。。

■「コーヒーもう一杯」で死亡リスク数%減 欧州調査

 コーヒーは世界で最も多く飲まれている飲料の1つで、さまざまな成分を含んでいます。これまでにも、コーヒーの摂取は健康に良い影響を及ぼすという報告は複数ありましたが、それらは主に米国人を対象に行われた研究の結果でした。

 そこで、フランスの国際がん研究機関(IARC)のMarc J. Gunter氏らは、コーヒー摂取と死亡の関係が、他の人種や他の地域に住む人々にも見られるのかどうか、そして、コーヒーの摂取が特定の死因による死亡のリスクを減らしたり高めたりするのかどうかを明らかにしようと考え、欧州10カ国の市民を対象に研究を行いました。

■欧州45万人のコーヒー摂取頻度を調査し、16年間追跡

 分析対象にしたのは、欧州10カ国(デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、英国)の一般市民で、主に35歳以上の45万1743人(男性13万662人と女性32万1081人)です。

 コーヒーの摂取量は食物摂取頻度調査の中で尋ね、ライフスタイル質問票を用いて、学歴、喫煙、飲酒習慣、運動量などに関する情報も収集しました。

 当初のコーヒーの摂取量に基づいて、国ごとに対象者を分類しました。まず、全く飲まないグループを参照群として設定し、残りの人々を、摂取量が最も少ない人から最も多い人まで並べて4等分しました。主に比較したのは、参照群と、最もコーヒー摂取量が多かったグループ(1日当たり摂取量の中央値は男性 855mL、女性684mL)です。

 コーヒーの摂取量調査から平均16.4年追跡したところ、4万1693人(男性1万8302人、女性 2万3391人)が死亡していました。うち1万8003人ががん、9106人が循環器疾患、2380人が脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)、3536人が虚血性心疾患(心筋梗塞など)、1213人が消化器疾患、1589人が呼吸器疾患で死亡しており、1571人が外傷性の死亡、418人は自殺による死亡でした。

■死亡リスクは男性で12%、女性で7%低下

 これらの死亡とコーヒー摂取量との関係を分析したところ、コーヒーを全く飲まない人々に比べ、コーヒーを最も多く飲む人々の、あらゆる原因による死亡(総死亡)のリスクは、男性で12%、女性では7%低下していました(表1)。これらの差は、統計学的に意味のあるレベルでした。また、コーヒーを飲む量が多い人ほど総死亡リスクが低いことも示唆されました。コーヒー1杯を237mLとすると、1日の摂取量が1杯増加するごとに、総死亡リスクは、男性が3%、女性は1%低下していました。

https_imgix-proxy.n8s.jp_content_pic_20170918_96958A9F889DE0E2EAE5EAE3E2E2E2E5E2EBE0E2E3E5E2E2E2E2E2E2-DSXZZO2088278007092017000000-PN1-1.jpg

統計学的に意味のある数字になったものを抜粋して記載。下向きの矢印は、コーヒーを多く飲む人においてリスク低下が見られることを意味し、上向きの矢印は、逆にリスク上昇が見られることを意味する

 欧州では国ごとに、好まれるコーヒーの抽出方法が違っています。しかし、各国のコーヒー摂取量と死亡との関係に差はなく、抽出方法にかかわらず、より多く飲む人の死亡リスクが低い現象が一貫して認められました。

 コーヒーの摂取は、消化器疾患による死亡リスクの低減とも関係していました。1日の摂取量が1杯増加するごとのリスク低下は、男性が23%、女性は14%でした。

 消化器疾患による死亡の3分の1強は、肝臓の病気による死亡でした。男女合わせて分析したところ、コーヒーを全く飲まない人と比較して、最も多く飲む人々の肝臓病による死亡リスクは80%も低いことが明らかになりました。一方で、肝臓病以外の消化器疾患による死亡のリスクは、統計学的に意味のある低下を示しませんでした。また、コーヒーを最も多く飲む人では、肝硬変による死亡のリスクも79%低くなっていました。

 また、男女ともに、コーヒー摂取量が多い人の肝臓がんによる死亡リスクは、全く飲まない人に比べ40%前後低いことが分かりました。

 男女に差が見られた項目もありました。循環器疾患による死亡と脳血管疾患による死亡では、女性においてのみ、コーヒー摂取量が最も多いグループでリスク低下が認められました。一方で、がんによる死亡、および卵巣がんによる死亡は、いずれも女性においてのみ、コーヒー摂取量が最も多いグループでリスクが上昇していました。

 以上のような関係は、カフェインを含むコーヒーと含まないコーヒーの摂取量を別々に分析しても同様に認められました。

■コーヒー多飲者で肝臓の病気が少ない理由は?

 著者らはさらに、対象者の中から無作為に選んだ1万4800人を対象に、コーヒーの摂取と、血液中の肝機能や炎症、代謝の状態を示す検査値との関係を調べてみました。

 すると、コーヒーの摂取量が多い人々では、肝機能の指標である、ALT(アラニンアミノ基転移酵素)、AST(アスパラギン酸アミノ基転移酵素)、γ- GTP(γ-グルタミルトランスフェラーゼ)、ALP(アルカリホスファターゼ)の値が低く、肝機能は良好であることが示されました。

 さらに女性では、コーヒー摂取量が多い人で、炎症の指標であるCRP(C反応性蛋白)や、動脈硬化の危険因子であるリポ蛋白(a)、血糖値を反映する HbA1c(糖化ヘモグロビン)が低く、いずれも状態は良好であることが明らかになり、コーヒーが健康に利益をもたらす仕組みがおぼろげながら見えてきました。

 得られた結果は、コーヒーの摂取が、総死亡といくつかの死因別死亡の低減に関係していること、ただし女性では、がんによる死亡のリスク上昇に関係することを示しました。

 論文は、2017年7月11日付の「Annals of Internal Medicine」誌電子版に掲載されています[注1]。

[注1] Gunter MJ, et al. Ann Intern Med. 2017 Jul 11. doi: 10.7326/M16-2945.


■知っていますか? 自分のカフェインの「安全量」

 多くのビジネスパーソンが、「あと一息頑張ろう」というときにエナジードリンクや栄養ドリンクを手に取り、「ほっと一息」というときにコーヒーに手を伸ばす生活を送っているのではないでしょうか。そんな日常に一石を投じたのが、先ごろ報道された、20代日本人男性の「カフェイン中毒死」の事故でした。

 カフェインの大量摂取による死亡は非常にまれといわれても、実際に死亡例がでてしまうと、心配になります。自分にとっての安全なカフェイン量とはどのくらいなのでしょうか。

■眠気をはらい、集中力を高めるカフェイン、取りすぎると…

 カフェインは、コーヒー豆、茶葉、カカオ豆、ガラナなどの成分で、それらを原料とするさまざまな飲料や食品に含まれています。また、抽出されたカフェインが、食品添加物としてコーラなどに使用されています。

 カフェインは、中枢神経系を興奮させて眠気をはらい、集中力を高めるといった効果をもたらします。一方で、摂取しすぎると、頭痛、心拍数の増加、不安、不眠、嘔吐(おうと)、下痢などを引き起こします。妊婦の場合には、流産のリスクが高まったり、胎児の発育が阻害されたりする可能性があります。

 繰り返しカフェインを摂取していると、体が反応しにくくなり(カフェイン耐性)、より多くのカフェインを求めるようになります(カフェイン依存症)。そうなった時点でカフェインの摂取をやめると、頭痛、眠気、神経過敏、便秘、うつ、悪心・嘔吐、不安、集中力の低下といった離脱症状が現れます。

■安全に摂取できるカフェインの量は、体格によって異なる

 悪影響を心配することなく、日常的に安全に摂取できるカフェインの量はどのくらいなのでしょう。厚生労働省と食品安全委員会によると、日本では、カフェインの食品添加物としての使用量や、1日当たりの摂取許容量の基準はありません。現在、食品安全委員会などが、カフェインの健康被害に関する情報を収集している段階です。一方、海外のいくつかの国は、成人が摂取しても体に影響がないとみられる1日当たりの最大摂取量を設定しています。

 表1は、欧州食品安全機関(EFSA)が2015年5月27日に発表した、カフェインの安全性に関する科学的意見書に記載されている、健康な成人が摂取しても安全と考えられるカフェインの量を示しています。体重によってかなりの幅があることが分かります。

表1 欧州食品安全機構(EFSA)が、健康な成人が摂取しても安全とみなしたカフェインの量

安全とみなされる量

成人:1回に3mg/kgまで
体重40kgの人なら1回120mgまで
体重60kgの人なら1回180mgまで
体重80kgの人なら1回240mgまで

成人:1日に5.7mg/kgまで
体重40kgの人なら1日228mgまで
体重60kgの人なら1日342mgまで
体重80kgの人なら1日456mgまで

小児~青年:1日に3mg/kgまで
体重40kgの人なら1日120mgまで
体重60kgの人なら1日180mgまで
体重80kgの人なら1日240mgまで

妊婦・授乳婦:1日200mgまで

参考文献:EFSA explains risk assessment. Caffeine

 続いて表2で、日常的に摂取している、または摂取する機会がある製品のカフェイン含有量を確認してください。
表2 主なカフェイン含有製品とカフェイン含有量(その1)

飲料/食品/薬剤
カフェイン量
備考

レギュラーコーヒー抽出液
約60mg
100mL当たり

インスタントコーヒー
約60mg
同上(粉末2gを溶かす)

ピュアココア(無糖)
約10mg
同上(粉末5gを溶かす)

ミルクココア(加糖)
微量
同上(粉末20gを溶かす)

玉露
約160mg
同上

煎茶
約20mg
同上

紅茶
約30mg
同上

ウーロン茶
約20mg
同上

コーラ
10~19mg
同上

ミルクチョコレート
25~36mg
100gあたり

高カカオチョコレート
68~120mg
同上

カフェインサプリメント
200~600mg/日
輸入品

燃焼系サプリメント
100mg/日
国産品

缶コーヒー
100~150mg/本
ショート缶

エナジードリンク
22~142mg/本

栄養ドリンク
30~50mg/本
ほとんどが50mg/本

眠気覚ましドリンク
100~150mg/本

(社団法人全日本コーヒー協会、五訂増補日本食品標準成分表、飲料会社、国民生活センター、製薬会社などが提供している情報に基づく)

表2 主なカフェイン含有製品とカフェイン含有量(その2)

薬局で買える製品
カフェイン量(1回量、1日に使用可能な最大量)
備考

眠気予防薬
 錠剤
 100~200mg/回、300~500mg/日

 口腔内速崩壊錠(SP錠)
 167mg/回、500mg/日
 水なしで飲める

 ドロップタイプ
 167mg/回、500mg/日
 水なしで飲める

 顆粒
 200mg/回、200mg/日
 水なしで飲める

 アンプル剤タイプ
 200mg/回、200mg/日
 20mL/本

 ドリンク剤タイプ
 200mg/回、200mg/日
 50mL/本

総合感冒薬
25mg/回、75mg/日
ノンカフェイン製品あり

解熱鎮痛薬
80mg/回、240mg/日
ノンカフェイン製品あり

鼻炎用カプセル
100~150mg/日
ノンカフェイン製品あり

(社団法人全日本コーヒー協会、五訂増補日本食品標準成分表、飲料会社、国民生活センター、製薬会社などが提供している情報に基づく)

 いかがでしょうか。表1と表2を参考にすると、体重が40kg程度の痩せた女性では、缶コーヒー1本、またはエナジードリンク1本でも、安全な1回量を超えてしまうことが分かります。鎮痛薬などの市販薬を買うときは、ノンカフェインの商品を選んだほうが良いかも知れません。また、薬局で購入できる眠気予防薬は、カフェイン含有量が群を抜いて高いことに注意が必要です。

 カフェインの半減期(*1)は4~6時間です。安全な1回量以下でも、短時間のうちに繰り返し摂取すると、体内にあるカフェインが代謝・排せつされる前に新たに取り込まれることになるので、血中濃度が上昇することに注意してください。

*1 体内で代謝されることにより、血中濃度が半分に低下するまでに要する時間

■カフェイン感受性が高い人は“安全量”でも不眠や頭痛が出現

 さらに注意してほしいのは、個人差です。表1はあくまで参照値で、同じ体格なら安全なカフェイン量も同じとは限りません。なぜなら、カフェイン感受性は人ごとに異なるからです。もし、表1に記載されているより少ない量を摂取した後に不快な症状を感じたら、あなたはカフェイン感受性が高いといえます。健康な成人には有益な量のカフェインでも、感受性の高い人には不眠や頭痛などの害をもたらします(カフェイン不耐症)。

 カフェイン感受性に影響を与える要因としては、年齢、病歴、医薬品の使用、心身の健康状態などが知られており、子どもはカフェインに対する感受性が高く、女性より男性の方が感受性が高い可能性も示されています。さらに近年、いくつかの遺伝子がカフェイン感受性レベルに関係していることが明らかになりました。

 たとえば、日本人においては、4人に1人が、カフェイン150mgを摂取した後に、不安感が高まる等の害が現れる可能性が高い遺伝子を持っていることが示唆されています(筑波大学技術報告. 2011;31:33-38.)。

 また、米国人12万人を対象に、カフェインを摂取したときの反応と摂取量に関係する遺伝子を探した研究では、カフェインの代謝にかかわる遺伝子など、計6個の関与が明らかになりました(Molecular Psychiatry. 2015;20:647-656.)。

■非常にまれだがカフェインアレルギーも起こりうる

 最後に、極めてまれではありますが、カフェインに対するアレルギーの患者が日本で報告されています。カフェイン摂取後にアナフィラキシー(*2)を経験したそうです(Asia Pac Allergy. 2015;5:55-56.)。アレルギーになったら、ごく微量の摂取でも症状が起こる危険性があります。

 すでに日常生活になくてはならないものになっているカフェインですが、安全とされている量が意外に少ないことに驚いたかと思います。取りすぎは健康被害をもたらすことを忘れずに、その利益を上手に引き出すことが大切です。

 *2 蕁麻疹(じんましん)、皮膚のかゆみなどの皮膚症状、咳(せき)、ゼーゼー、くしゃみ、息苦しさなどの呼吸器症状、目のかゆみ、唇の腫れなどの粘膜症状、血圧低下などの循環器症状が組み合わさって出現する
※参考文献:食品安全委員会 ファクトシート 食品中のカフェイン


いずれの記事も大西淳子
医学ジャーナリスト


[日経Gooday 30+]

Posted by nob : 2017年09月26日 09:25

平和条約は核よりも強し、、、ヒト、モノ、カネ…他国の文化と経済が流入すれば北朝鮮の独裁体制は自滅する。。。Vol..2/米国の三人の知性派の見解

■武力は必要なし、北朝鮮の核を止める方法 3人の専門家のアイデアとは

【東京・AP通信】 もし米国が北朝鮮を攻撃したら、世界は新たな核戦争に突入しかねない。しかし交渉では解決できないだろう。北朝鮮の指導者、金正恩がたとえ何か公約したとしても、それが守られることはないだろう。そして、中国。この国がもっと手助けしてくれればいいのだが!

 多くの人はこのように考え、絶望的になって肩をすくめてしまっている。北朝鮮は、米国全土を攻撃できる能力を持つ核ミサイルの開発に向け急速な進歩を遂げているとみているからだ。

 しかし米政府は、あらゆる対策を試みたわけではない。

 以下、米国は北朝鮮に関して政治的な意味で独自性を発揮できるかについて、3人の専門家の意見を紹介する。

 いずれも、戦火を交える必要性はないとしている。

◆抑止力:米国にとって手慣れたゲーム

 抑止力とは、敵に対し軍事行動を起こしても意味がないと思わせることだ。金正恩自身、この力をうまく利用していることは実証済みである。

 核戦略・不拡散の専門家であるマサチューセッツ工科大学(MIT)のヴィピン・ナラング(Vipin Narang)教授は、このことを米政権は理解するべきだと考えている。

 「今回の核プログラムは、北朝鮮がとりわけ体制変化や侵攻、軍縮といった特定の行動を抑止する能力を拡大、もしくは向上させていないという主張はただの現状否定で、差し迫る危機を直視するものではない」(ナラング教授)

 米国がかつて抑止力というゲームを実践したという事実は、明るい材料だ。

 「米国は抑止力の扱い方を心得ている。中国やソ連でこれを実践し、冷戦中は西ドイツや欧州を安堵させることができた。北朝鮮で同じことができない道理はない。金(委員長)は変わり者でも非合理的な人物でもない。戦略的かつ国内の動機には反応してくるだろう」

 ゲーム遂行には2つの要素が必要だが、現在はこれが欠けているとナラング教授は考えている。それは、ドナルド・トランプ大統領政権から北朝鮮への理路整然とした、まとまりのあるメッセージと、米国の地域同盟国に対する強力で信頼のおける説得材料だ。

 北朝鮮の核兵器やミサイル実験は、米国からの攻撃を回避するとともに、米国、日本、韓国、さらに米国の同盟国ではないものの中国との間に不調和を作りだすことを目的としている。もし韓国や日本が米国の北朝鮮への対処能力に疑念を感じるとしたら、両国は単独での戦略を追求し、さらには自ら核兵器開発を検討する圧力につながるだろう。

 さらに、トランプ大統領による「炎と怒り」の脅し文句からレックス・ティラーソン国務長官による融和的な発言をみてもわかるように、ホワイトハウス、国務省、国防省から異なるメッセージが出されているため、北朝鮮は相手の弱みとみなす部分を利用するか、起こるかどうかわからない侵攻を恐れる前に能力増強を図り迅速に行動しようとする動機をいっそう持つようになる。

 「そのため、この不調和が継続する限り、明白かつ効果的に抑止力のポジションを作りだすのは非常に困難になる。私がみるところ、今後の対応は、抑止力行為を実践しつつ同盟国に再確認しておくのと同時に、交渉に向けたチャンネルを常にオープンにしておくことのようだ」

 さらにもう1つ。それはツイートの表現のトーンダウン。

 「韓国は北朝鮮との『融和政策』を打ち止めにするよう、水素爆弾実験が行われた後にトランプ大統領がツイートしているが、北朝鮮は戦略がうまくいったと喜ぶだけだ」

◆中国の仕事ではない

 北朝鮮に核兵器開発を諦めさせようとするこれまでの取り組みは、中国に過度に依存しつつ、いくらかはロシアにも頼る形で行われ、それによって制裁が発動され政治的圧力が課されてきた。この手法は、トランプ大統領が心底、賛同しているようだ。大統領は9月3日の核実験直後に、北朝鮮が「中国にとっての大きな脅威、そして迷惑な存在になった。北朝鮮を支援しようとしているのにほとんど成功していない」とツイートした。

 しかし中国およびロシアの国益は、米国とは異なる。問題解決の負担を両国に転嫁すれば米国のリーダーシップと統制力を損なうと、ジョンスホプキンス大学高等国際問題研究院の上級研究員で、1990年代の北朝鮮による核兵器開発プログラムでの危機に対処する戦略を立案した元国務省高官のジョエル ・ウィット(Joel Wit)氏は述べている。

 「中国は最善の状況下において、北朝鮮に対し限定的な圧力と外交的な接触により側面支援をすることができる。しかし、これまで米国が望むことをすることはなかったし、今後もそれはないだろう。米国が望むのは、圧倒的に大きな圧力を作り出して米国のために問題を解決してくれることだ」

 ウィット上級研究員によると、たとえ中国が共同歩調をとってもうまくいかないとみている。「体制にとって明白な脅威を目の当たりにしたら、北朝鮮の人々は倒れ込んで死んだふりなどしないだろう。きっと激しく対抗してくる」

 さらに続けて、もし北朝鮮を自制させることが主に中国の問題だと主張するのなら、トランプ政権は「中国の協力確保に向けた見通しを実質的に何も示していない」という。北朝鮮はすでに米中間にくさびを打ち込みつつあり、「WMD(大量破壊兵器)というゴールに向けたレース」が始まっていると彼はみている。

 米国は中国を非難するのではなく、問題の核心は米・北朝鮮間にあることを受け入れ、自ら着実に主導していくべきだと彼は考えている。

 「この国には良好な選択肢がないという考えは、誰もが前向きに動くことにつながる。米国が直面しているほぼ全ての外交課題はこれと同じだと言えよう。しかし、こうした運命に任せるような態度がここ10年の米外交で広くみられたため、現在このような事態となっているのだ」(ウィット上級研究員)

◆取引の手腕

 もし米国が望みのものを得ようとするなら、それが何かを知る必要がある。そして、それを手に入れるためには、おそらく何かを諦めなくてはならないだろう。

 韓国・ソウルにある延生大学校のジョン・デルーリ(John Delury)准教授(中国研究)は、今後の最も現実的なアプローチは「対話、交渉、同意」の3段階になると考えている。

 「金正恩もしくは彼の上級顧問と話をしなければ、交渉相手の存在のほか、その肩書、相手の希望でこちらが提供できること、見返りとして得られるものを知ることができない。次に交渉に移る。これは短期間で、リスクを軽減し、敵対意識を少なくし、さらにはわずかだが信頼関係を構築する」(デルーリ准教授)

 米国は、注力する分野を明瞭、明確にすべきだ。交渉により、ミサイルや核実験の一時中断、核兵器の製造凍結、核査察官の派遣、透明性の向上に向けて動きだすだろう。核不拡散の公約も求めるに違いない。

 お互いがいくらか妥協し合わなくてはならないとデルーリ准教授は強調している。

 「複数の要素について、米国やトランプ政権にとっての関心事項、韓国や日本と緊密な調整をすべき事項のうち何を実行し、何を控えるかを検討しなくてはいけないだろう」

 北朝鮮は、ある種の安全保障および朝鮮半島からの米国による核の脅威の撤廃を求めると主張している。いずれも取りかかりのテーマとして適切なようには思えないが、米韓共同の年次軍事演習の規模縮小もしくは中止という、北朝鮮が求めているもう1つの要望リストについては、少なくとも交渉の議題となるかもしれない。

 准教授によると、長期的には、米国は「問題の真の核心」に直接的に対応しなくてはいけないという。それは、米・北朝鮮関係を根本的に変化させる政治問題の解決への取り組みでもある。

 「適切なフレーズが見つからないのなら、これを『和平交渉』と呼ぶことにしよう」

 厳密に言えば、両国は1953年、平和条約ではなく停戦協定により朝鮮戦争を終えたときから交戦状態にある。

 デルーリ准教授によると、交渉は 「経済協力にも深く関与するものでなければならない。なぜなら、金正恩にアピールできる唯一の現状変革は、北朝鮮がただ安全であることだけでなく、繁栄することであると思われるからだ」

 希望的観測だが、政治・経済面での関与がなされると、時間はかかるが北朝鮮の独裁統制が落ち着く方向に作用するのではないか。しかしその交渉プロセスでは間違いなく、両国で複雑な感情や抵抗を呼ぶだろう。

 「お手軽な回答、迅速な解決策、特効薬などないのは事実だ。関係改善に向けた取り組みをすると決めたとしても、それは困難で、時間がかかる道のりとなるだろう」

 「そのため、北朝鮮問題に対しては現実的であることが賢明だ。しかし現状レベルの運命論は、良好なアプローチの採用という意味で逆効果を招いてしまう」

By ERIC TALMADGE
Translated by Conyac

[NewsSphere]

Posted by nob : 2017年09月20日 16:57

平和条約は核よりも強し、、、ヒト、モノ、カネ…他国の文化と経済が流入すれば北朝鮮の独裁体制は自滅する。。。

■「アメリカ軍に勝てるはずない…」北朝鮮の幹部に動揺広がる

北朝鮮の朝鮮労働党や行政機関の中堅幹部たちの間で、「戦争勃発が近づいている」との見方が広まっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋はRFAに対し、「平壌などでは水爆実験の成功を祝う行事が目白押しだが、一部の幹部らの間では、米国との間で戦争が起きるかもしれないとの見方が広まっている。主に中堅幹部が不安を募らせているようだ」と語り、次のように続けた。

「中央は『仮に米国が攻撃してきても、米国を撃破し勝利するであろう』と宣伝しているが、地方の幹部らはこれをまったく信じていない」

労働者を虐殺

慢性的な経済難の中にある北朝鮮において、中央政府は地方政府の面倒をほとんど見られない状態にある。中央集権と計画経済を標榜する体制である以上、本来は中央が地方に対し、政策の実行に必要な予算と資源を配分する必要がある。しかし現状はこれができず、一方的に政策を下達し、「あとは自分たちで解決しろ」と押し付ける状態になっているのだ。

それでも国がどうにか回ってきた理由は、主に3つある。

一つ目は、恐怖政治である。中央からの命令がいかに理不尽であっても、服従しなければ命に危険が及ぶ。スッポン養殖工場を視察した金正恩党委員長が、管理の不備に激怒し、支配人を処刑。その視察時の動画を公開したエピソードが象徴的である。

二つ目は利権だ。現場の幹部たちは言わば、金正恩氏の指示を実行する代理人である。下手に幹部に逆らうと、どんな目に遭わされるかわからない。なので密輸などを生業とする商人たちは、幹部にワイロを渡すのを怠らない。またそのような仕組みの中で、幹部は商人の力を借り、自分の役目を全うする。そうすることで権力を維持し、収入(ワイロ)を維持することができるわけだ。

ただ、このような仕組みの中に身を置いている中堅幹部だからこそ、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)内部での物資の横流しや性的虐待といった、軍紀びん乱についても知り抜いている。

彼らが「戦争には勝てない」と判断するのは、根拠のないことではないのだ。

そして三つ目は、愛国心、あるいは国民を思う心である。どんなに閉塞した社会にも、このような人々はいる。例えば数十万人とも数百万人とも言われる餓死者の出た1990年代の大飢饉「苦難の行軍」の最中において、ある工場の幹部たちは、労働者を救おうと決死の努力をした。もっともその後、幹部たちも労働者たちもスパイ容疑をかけられて虐殺されてしまうのだが。

このようなことが続いたためか、最近では愛国心を持ち続けている幹部も少なくなったようだ。RFAの情報筋によれば、戦争勃発を恐れる中堅幹部たちは、ワイロを貯めて築いた不動産などの資産を処分し、今のうちに金塊に変えて置こうと血眼だという。

金塊に変えてどうするかと言えば、戦争が始まったらそれを抱えて、中国にでも逃げようと考えているのだろう。

戦争は、軍隊だけで戦うものではない。各種の行政を支える中堅幹部がこの体たらくでは、北朝鮮が積極的に戦争計画を立てるのは不可能と言えるだろう。


■「もうウソは聞き飽きた」北朝鮮国民、金正恩氏の弁明に不満

国民の生活苦を顧みず、核兵器とミサイルにばかりカネを注ぎ込む金正恩政権。北朝鮮の庶民とて、それを快く見ているわけではない。北朝鮮の人々の間でも、不満が鬱積してきている。

北朝鮮当局は、それが無視できないレベルに達したと判断したようで、世論をなだめる方策に出た。しかし、効果は全くと言っていいほど出ていないようだ。

核実験やミサイル発射実験が行われるたびに、日本のテレビでは、北朝鮮メディアが流した平壌市民の「喜びのコメント」を紹介する。しかし北朝鮮において、テレビカメラを向けられた人がホンネを語るわけがない。

権力への不満を公に語ったらどうなるかを、北朝鮮国民は過去の教訓からよく知っている。

それにもかかわらず、無謀な核兵器開発に対する不満は日に日に強まっているもようだ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋が、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところによると、地元の朝鮮労働党組織の宣伝部は、高級中学校(高校)の教師を講師にして、人民班(町内会)で当局の立場を説明する講演会を開いている。

その場で語られている内容は概ね次のようなものだ。

「これまでは、核兵器の開発に天文学的な額の資金を費やさざるを得なかった。元帥様(金正恩党委員長)は、人民にひもじい生活をさせないという約束が守れなかったことに対して心を痛めている。しかし開発が成功したので、これからは人民生活の向上に力を入れられることだろう」

最高指導者の反省の弁を伝え、今後の生活向上を改めて約束することで、怒れる世論をなだめようというものだが、話を聞いた住民たちは「過去に国民を餓死させたのは、核兵器が完成していなかったからとでも言い訳するつもりか」などと言って笑い飛ばしているという。

北朝鮮が核兵器の開発を本格化させたのは、経済が傾き始めた1980年代からだ。数十万とも数百万とも言われる餓死者を出した1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」のころにも、開発は続けられていた。北朝鮮の人びとは、国が自分たちのためにカネを使わないことをわかりきっているのだ。

咸鏡北道の西隣の両江道(リャンガンド)でも、当局による同様のプロパガンダが行われている。

現地の情報筋によると、当局は「核兵器が完成したから、残りの軍事費は人民生活の向上に回す」と宣伝しているが、情報筋は「そんなものは怒れる世論をなだめるための弁明に過ぎない」「そんな使い古されたプロパガンダは、もはや人民には通じない」と吐き捨てた。

人民生活の窮乏は「苦しい」というレベルを超え、「深刻」なレベルに達していると情報筋は伝えた。具体的にどのように深刻なのか情報筋は伝えていないが、ガソリンのみならず物価全体が高騰していることを指すものと思われる。

当局は、軍部隊における食糧不足の解消のために、インディカ米を輸入して配給しているが、それすらも市場に横流しされている有様だ。それを見た人々は「兵隊のためのコメすら横流しするのに、核開発に使っていた軍事費を人民生活向上に回す余裕などあるのか」と語っている。


いずれの記事も

高英起 | デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト

[デイリーNKジャパン]

Posted by nob : 2017年09月20日 16:31

モバイルデータ以外はすべてオフが基本、、、そもそも見られてますい情報はスマホ&クラウドに置かないこと以外に自衛手段はありません。。。

■スマホ乗っ取りに注意を 短距離無線通信にもろさ

 人混みの中、ハッカーが短距離無線通信「ブルートゥース」を使って行き交う人々のスマートフォン(スマホ)を次々と乗っ取っていく――。

 こんな危機が世界的に広がる可能性があることが明らかになった。原因は「BlueBorne」と名付けられたブルートゥースの不具合(脆弱性)。日本では内閣サイバーセキュリティセンターが12日夜からツイッターで注意警戒情報を流すなど、関係者は大流行する前の危機封じ込めを急いでいる。

 現在、ブルートゥースは大抵のスマホやパソコンに標準搭載されている。コードレスのヘッドホンやキーボード、マウス、ハンズフリーの通話装置、スマホ画面をテレビ画面に映すシステムなど、多様な使われ方をしている。

 ブルートゥースの不具合に気付き、最初に警鐘を鳴らしたのは米カリフォルニアに拠点を置く情報セキュリティー会社のArmis。2分弱のパソコン操作で簡単にスマホを乗っ取り、写真などの情報を抜き去るデモンストレーション動画を12日に公開した。

 同社によると不具合は8点あり、これらを無線通信を通じてハッカーに突かれると、持ち主に気付かれることなくスマホ内の情報が抜き取られたり、遠隔操作されたりするという。

 一般的にハッカーがパソコンなどの情報端末を乗っ取る場合は、悪意のあるソフトウエアを相手に送りつけ起動させるといった前作業が必要だが、BlueBorneでは不要。ブルートゥースの機器同士を認証し合ってつなぐ「ペアリング」という作業も不要だ。

 ハッカーの無線が届く範囲に、ブルートゥース機能を有効にしたスマホがあるだけでよく、駅のホーム、ホテルのロビー、喫茶店など日常の生活エリアでハッキングにあう危険性がある。

 さらにハッカーは、乗っ取ったスマホを踏み台にして、ブルートゥース機能が付いている周辺機器を次々と乗っ取ることもできる。ビルの受付ロビーから、複数の社員のスマホを介して企業のネットワークに忍び込み、機密データを盗み出したり、情報システムを破壊したりするといった工作も理論上は可能だ。

 同社は乗っ取られる可能性が高い具体的な端末として、基本ソフト「アンドロイド」搭載のスマホ、最新の基本ソフト(iOS10)を使用していないiPhoneのほか、タブレット端末やウィンドウズのパソコンを挙げている。

 既に端末メーカーは対策に乗り出したもようだが、対策ソフトなどが配布され利用者に行き渡るまでには時間がかかる可能性がある。内閣サイバーセキュリティセンターでは、基本ソフトを最新のものに更新すること、安全が確認されるまではブルートゥースの機能をオフにすることなどを当面の対応として推奨している。

(石塚史人)

[日本経済新聞]

Posted by nob : 2017年09月20日 16:22

常に自分自身こそが最大の束縛Vol.2/自らと離れるために(真の自らと出遇うために)カネやモノから離れてみる、、、但し、目的になるとまた不自由な自らに囚われてしまう。。。

モノを手放したら不安が消えた——家電製品もガス台もなくなったら快適で幸せな日々が待っていた

稲垣えみ子さん

古いマンションには全く収納がない。それでもモノがないので、困らないという。

「妙な暮らしをしている。きっかけは原発事故であった。あまりの惨事に、我々は原発がなくても生きられるはずだと勝手に節電を始めた。恐る恐る家電製品を手放し始めたら止まらなくなった。最後には冷蔵庫も洗濯機もテレビも捨て、ついには会社員という地位も手放し、築50年近いワンルームマンションへ引っ越しを余儀なくされた」(引用『寂しい生活』p.20)

「アフロ記者」として有名な稲垣えみ子さんは、2016年に朝日新聞社を退社。2017年6月に出版された最新刊『寂しい生活』には、原発事故をきっかけに、稲垣さんが家の中のものを一つ一つ手放していく過程が綴られている。なぜ「手放す」ことをやめられなくなったのか。「手放す」過程で稲垣さんは何に気づき、何を得たのか。本当の豊かさとは何なのか。朝日新聞社時代の元同僚で、Business Insider Japan統括編集長の浜田敬子が聞いた。
自分で整えられる暮らしのサイズは決まっている

Business Insider Japan(以下、BI):(自宅を訪れて)わ、本当に何もない! 東日本大震災の直後から節電を目標に始めた当初、今のような生活に至ると想像してました?

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モノがなくすっきりとした稲垣さんのアパート。

稲垣:いやー、もう全くこんなことになろうとは、という感じです(笑)。本にも書きましたが、最初は原発に反対するなら、まずは原発のない暮らしなんて本当にできるのか、自分でやってみなくちゃ説得力ゼロだと思って単純に節電を始めただけだった。ところがそれがどんどん面白くなってきてしまって。それまでずっと「ないと生きていけない!」と思っていた家電製品が、「意外となくても大丈夫じゃないか!」となるのが楽しかったんですね。例えば、掃除機がなくても、ほうきがあれば全然オッケーじゃないかと。その、ある種ゲームのような面白さに病みつきになってしまって、いろいろなモノを手放しちゃったんですよね。

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ほうきと雑巾によって嫌いだった掃除が大好きになり、掃除機を捨てるに至った。

でも途中からは、手放していく生活に新たな可能性を感じるようになったんだと思います。それまでは、お金を稼いで欲しいモノを手に入れて、また稼いでさらに次のモノを買って……、というのが豊かな暮らしだと信じきっていた。でも、実はモノを手放していく方が豊かなんじゃないかと。例えば、掃除のことで言えば、ほうきで掃除を始めたら、なんと生まれてはじめて掃除が大好きになって、家がどんどん綺麗になった(笑)、そんなことに、何か光明のようなものを感じたんですね。

BI:昔の洋服を毎日取っ替え引っ替えしている稲垣さんを知っている立場としたら、なんかこの“転換”が本当に驚きです……。

稲垣:いや私にしてみれば、毎日違う服を来ている浜田さんの方が「すごいなー」と(笑)。私にはもうそんなしんどいことはできません。自分で自分を整えられる暮らしのサイズって決まっていると思うようになったんです。暮らしを大きくすればするほど、自分ではコントロールできないものが増えてしまう。例えばすごい豪邸に住んでモノがいっぱいあったら、掃除だけで1日が終わっちゃいますよね。でも今までみんなそういう暮らしを求めてきて、結局暮らしのサイズが自分の手に負えなくなって、家電を買うとか家事のために人を雇うという方向になる。でも、「それって本当に快適なの?」と思い始めたら止まらなくなった。

月1万円で食べていけることが私を支えている

BI:豊かさや生活のサイズについて考えるようになるのに、「冷蔵庫」が転換点だったみたいですね。

稲垣:冷蔵庫って、人々の欲望の拡大を一心に受け止めてきた装置だったと思うんですよ。欲望っていっても良い悪いじゃなくて、お母さんが家族のために美味しい料理を作りたいとか、そういうことまで含めて全部冷蔵庫に詰め込んできたんじゃないかな。

「冷蔵庫があれば、明日や、明後日や、はたまた1週間後のことまで視野に入れて買い物することができる。さらに冷凍すれば1カ月後まで見渡すことだってできるなるほど冷蔵庫とは、時間を調節する装置だったのだ。我々は冷蔵庫を手に入れることで、時間という本来人の力ではどうしようもないものを「ためておく」という神のごとき力を手に入れたのである。(引用『寂しい生活』p.131-132)

BI:稲垣さん、自炊派ですよね? 食材を買い置きできない不自由さをどうしているんですか?

稲垣:いやいやそもそも買い置きはしないんです! そこが浜田さんのような現代人にはなかなか理解されない(笑)。でも実際にやってみると、その日食べる分だけ買う暮らしって、遅くまでお店が開いている現代の東京では難しいことでもなんでもなかった。それでも使い切れないものは干すか、漬けるかですね。これで十分。むしろ冷蔵庫はモノを腐らせるのを長引かせるだけで、結局最後は腐ってしまうけど、干せば干すほど乾いて保存性は高まる。大発見をした気分というか、騙された気分というか。むしろ冷蔵庫を手放してから、ものを腐らせることがほとんどなくなりました。変な話なんですけど。

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ガスの契約もしてない。キッチンにはカセットコンロと鍋一つだけ。

そして、その日食べるものだけ買おうとすると、スーパーに行ってもせいぜい数百円しか使えないんです。それまではカゴにどんどん食品を放り込んでいて、自分が食べていくのにいくらかかるかって考えたこともなかった。でも、その日食べるものしか買えないってなったときに、1日にかかる金額があまりに少なくて驚きました。「え、これっぽっちか!」と。これで生きていけるなら、明らかに給料もらいすぎじゃないかと。いくら稼いでもまだ足りないというお金や会社に対する強迫観念が失われた瞬間です(笑)。いや真面目な話、なんだか悪い魔法から解かれたような、肩透かしを食らったような、うん、すごく爽やかな気分でした。

月に1万円あれば問題なく食べていける。そのことが、何よりも今の私を支えていると思います。月に何十万なきゃいけないって考えるのと、1万円でいいやって考えるのでは生活の立て方が全く変わってきます。で、これまでそんなふうに考えたことすらなかったのは、やっぱり冷蔵庫の存在が大きかったんじゃないかと。

毎日同じものを食べると圧倒的な時間が生まれる

BI:でも、料理をするって「楽しみ」でもあったわけですよね。「今日、何作って食べよう」ということは「生きる」ために「食べる」という目的だけではない「愉しさ」もあるわけです。それを手放すのは、つらくなかったですか。

稲垣:もともと料理が好きだったので、以前はレシピ本もたくさん持っていて、それこそ毎日違う「世界の料理」を作ってました。食材や香辛料も数え切れないほど持ってたし。でも今はガス契約もやめてしまったので、コンロ1つ鍋1つで、しかも冷蔵庫がないから作り置きもできない。となると、単純な料理を作るしかないんです。で、結果的に江戸時代みたいな食生活に。つまりは一汁一菜。ご飯とお味噌汁と漬物とあと一品。で、浜田さんはきっとそれはあまりに侘しいと思われるでしょうが(笑)、これが驚いたことに、全然そんなことなかったんですよ。どうしてなんだろうと自分でも不思議なんですが、どうも料理が単純になった分、味付けではなく食材本来の味を感じられるようになったんじゃないか。というのも、気づけばやたら噛んでるんですよね。噛んでいるうちにちょっとした野菜の甘さにも「甘い!」と感動したりしている。つまりは、自分自身が調理道具になったような。まるで自分の内側の資源を絶えず発見しているみたいな感じです。

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炊飯器の代わりに導入されたおひつ。冷めても玄米の美味しさは保たれる。

というわけで、毎日決まったものを食べても全く飽きません。むしろ、お昼ご飯を食べるのが楽しみで走って家に帰る(笑)。世のお母さんたちは、かつでの私と同じように、昨日と同じものを出したらいけないと思って毎日献立を考えるのに悩んでいるんだと思うんですが、意外と毎日同じものでも、やってみたらみんな満足なんじゃないかと思うんです。作るのも楽だし、献立を考える時間いらない。買い物する時間もかからない。圧倒的に時間が生まれます。

BI:『寂しい生活』の中で、家電は女性の社会進出を助けたと考えられてきたことについて、稲垣さんは「本当にそうなの?」と疑問を呈しています。確かに自身を振り返っても、インターネットの発展などテクノロジーによって全く仕事は楽になるどころか、四六時中仕事をしなくてはならなくなった。テクノロジーは本当に人を幸せにしているのか、と考えています。

「それに、自分自身の過去と現在を比べてみても、『家電があった時代』より今のほうが家事の負担感は減っているのだ。いやー、もしかして……。家電……全然家事を楽にしてないんじゃないの!?いやむしろ負担を増やしているんじゃないかという疑惑が!」(引用『寂しい生活』p.242)

稲垣:今の社会は、経済や働く女性の地位向上なんかも含めて、「もっと上がある」「もっとできることがある」とどんどん上を見させることで、成長を遂げて来たんだと思うんです。そこへテクノロジーの進化も加わって、さらに今のままじゃだめだ、もっともっと上にと際限なく欲望を掻き立てていく。それでみんな、自分にとって本当に必要なものが一体何なのかを考えなくなってしまったんじゃないか。企業が導くままに、多ければ多いほど、速ければ速いほどいいと思ってしまう。

さらにSNSなどで情報がとめどなく溢れ出す中で、仕事だけじゃなくて、結婚しなきゃいけない、子どももいなきゃだめだ、と、求められるものはどんどん増える一方です。でも人生の時間って限られているから、何もかも手に入れることはできない。何でも手に入れようと思って、手に入らないことばかりに目を向けて不安に思ったり、惨めに思ったりするのは、やっぱり情報が多すぎるからなんじゃないかな。みんな今の自分じゃだめなんだって思って、自分で自分を肯定できなくなっていますよね。

私はモノを手放していく生活を体験して、自分が何でもかんでも手に入れようとしなくてもいいんだと感じることができるようになりました。暮らしのサイズが、自分でコントロールできる範囲に収まっているとすごく快適です。むしろ自分に必要なモノがそれほどないんだとわかった分、収入が減っても余裕は増えた。そうなると、余ったモノやお金を人にあげたいと思うようになったんです。利己的でケチな私がこんな「いい人」になっちゃって(笑)、自分が一番驚いているんですが。

半径1キロの自分経済圏があれば不安はなくなる

BI:稲垣さんの生活は、単に節約をして生活を切り詰めていくのとは違うんですね。

稲垣:よく単にお金を使わない人と勘違いされるんですが、そうではなくて、っていうか確かに自分のためにはお金は使わないけれど、でもその分、自分を助けてくれる人、自分にとって大切な人たちのためにはお金を使いたいと思っているんです。例えば1円でも安く買うとか送料無料とか、自分は確かに得するんだけど、その裏で絶対に誰か損しているわけですよね。そういう「自分だけが得すればいい」みたいな行動をとっていると、いつのまにか自分の周りは敵だらけになってしまう。それって地獄です。豊かさを求めたはずが、気がつけば反対の結果になってしまう。

でも、いろいろなものを自分で抱え込まずに人に与えていくと、周りも得するから私を大事にしてくれるし、友達も増えるし。みんなが良くなれば、結局自分も良くなるんですよね。例えば、近所に老夫婦で営んでいる古い酒屋さんがあるんですが、私はちょっと高くてもできるだけそこで買うようにしているんです。あのお店がなくなったら困る人がたくさんいるんじゃないかと思って。そこには近所のお年寄りがよく来るんですが、足元のおぼつかない人や話し相手が欲しくて来ている人もたくさんいて、でもご夫婦は一生懸命話し相手になって、配達してあげようかって言ったり、みんなにすごく親切なんですよ。すごいなーと思って。で、そういうお店がある地域で暮らしているっていうことが本当に贅沢だし、私にとっても安心なんですよね。だから、そこにお金を使いたい。

自分が応援したい人やお店や品物にお金を回していくことで、自分の半径1キロの世界を変えていきたいと思っているんです。私はこれまでの人生で今一番ちっちゃい家に住んでいるんだけど、一番大きな暮らしをしている感覚があります。この街全体が私の家だと思っているんです。

BI:近所のお店が冷蔵庫になったり、ブックカフェが書棚になったり、家の中のものを捨てて、外に持つようになったんですね。

稲垣:近所に稲垣経済圏を作っている感じです。ひとりTPP(笑)。みんな家の中だけですべてを完結させようとするけど、そうすると外に出なくなって、どんどん周りとの溝が広がっていっちゃう。周りとの溝があると、老後が不安だからお金を貯めなきゃとかどんどん自分の利益だけを考える方向に動いていく。で、さらに溝が広がっていく。これだと未来がありません。本当はそんなふうに不安を感じてる暇があったら、もっとできることがたくさんあると思うんですね。

私は今不安定だけど、なんの不安もありません。というのも、今みたいな生活をするようになったら、友達が本当に増えて、「食い詰めたら、いつでもうちにおいで」と言ってくれる人まで現れた。まあ本当に行ったら嫌がられるかもしれないけど(笑)、モノを手放していって初めて、人ってこんなに親切なんだと、と気づきました。

BI:いきなり稲垣級の生活を送るのはハードルが高いかもしれないけれど、まずこういうことから始めてみたら、ということは?

稲垣:私自身も心がけていることですが、「相手が喜ぶことは何かを考えること」じゃないでしょうか? 最近良く思うんですが、人は自分を幸せにすることはできないけれど、他人を幸せにすることはできる。例えば買い物をしてそのお店の人が親切にしてくれたら、その次に近くを通った時に、ちょっと立ち寄って、「この前買ったやつ、すごくよかったですよ」とお店の人に伝えたら、もうめちゃくちゃ喜ばれますよ。もうその人はあなたの友達です(笑)。その他なんだっていい。メールをもらったら相手が喜ぶような一言を返信するとか。すれ違う人とは目を合わせてニッコリするとか。そんなことなら、ちょっと努力すれば私だってできる。

そうするとですね、これは実際に体験しているので、自信を持って言えるんですが、結局自分に幸せが返ってくるんです。つまりは自分を取り巻くみんなが明るくなって、私にも優しくしてくれる。これこそを幸せというんじゃないかと。 お金じゃなくても、言葉一つ、笑顔一つで本当に世界が変わる。だから騙されたと思って是非(笑)。老後のために1億円貯めるよりずっと簡単です。失うものもない。人を信頼し、信頼されることができたら、怖いものなんてなくなります。

浜田 敬子 and 分部麻里 [Business Insider Japan]

[Business Insider Japan]

Posted by nob : 2017年09月12日 14:09

幸せの原点。。。

きみが笑えば

ぼくも楽しい

[東光寺]

Posted by nob : 2017年09月12日 13:44

常に自分自身こそが最大の束縛/自らと離れるために(真の自らと出遇うために)旅に出る。。。

旅とはまた・・・、

新しい自分を発見すると同時に、

自分自身を無くせるひと時であるのかもしれない。


たまに日常から離れることによって初めて、

自分自身の姿が掴めるのかもしれない・・・。


[Mariaさんのブログより]

Posted by nob : 2017年09月12日 13:35

出掛ければ、、、何かをすれば、、、生きて行くこと自体が疲れます、、、、、それでも。。。(苦笑)

■「週末のアウトドア」が
絶対おすすめできないたった一つの理由

梶本修身:医学博士 

なぜあなたの疲れはとれないのか?

 同じような生活をしているはずなのに、「あの人は疲れていないのに、私はすっごく疲れている」と思ったことはないでしょうか。そう、世の中には、「すごく疲れている人」と「ほとんど疲れていない人」がいるのだ。なぜそのような違いが生まれるのか? 実は、日々の「習慣」がその違いを生んでいたのです。本連載では、その具体的な違いをまとめた書籍『なぜあなたの疲れはとれないのか?――最新の疲労医学でわかるすっきり習慣36』から、疲れとは無縁の生活を手に入れるための方法を一部紹介する。

「あの人はまったく疲れていないのに、私はどうしてすごく疲れているのだろう」
そんな経験をしたことはないだろうか。それには、実は理由がある。疲れていないあの人は「疲れない行動」をしていて、疲れている人は「疲れる行動」をしていたのだ!
では、どんな行動が疲れを生み、どんな行動なら疲れないですむのか?
たとえば、アウトドア。週末は外に出かけて、気分をリフレッシュしてエネルギーを養う、という人は、いますぐやめたほうがいい。
その理由を、日本で唯一の疲労医学の教授・梶本修身氏が、最新科学にもとづく「疲れない習慣」についてまとめた話題の新刊『なぜあなたの疲れはとれないのか?』から、一部抜粋して紹介する。

1日を過ごすなら、「家の中」「家の外」どっち?

「疲労」をコントロールするうえで、一番に考えたいのが「習慣」です。

 疲労は、何か大変な作業をしたあとにドシッと体にのしかかってくる感じがあるので、常日頃の習慣を変えたところで、あまり大した影響がないように思うかもしれません。

 でも、日々の小さな習慣を見直すことは、「疲労」をとるうえで実に効果的なのです。

 そのうえで、まず考えたいのは、1日の過ごし方です。

「遠くに出かけて、思い切り気分転換したい」
「山あいの宿で温泉につかってのんびりしたい」
「家の中に1日いると、体がなまってしまう」

 そんなふうに考えて、外に出かけようという人は多いと思います。

 確かに家の中でごろごろしていると、なんだか穴倉にこもっているようで、心も体もなまってしまうような気にもなるかもしれません。

 外に出かければ、いろいろな刺激や新しい発見もあるわけで、気分もリフレッシュして、また仕事をする元気が出てくるかもしれません。

 ところが、外に出かけると、疲れがとれるどころか、もっと疲れてしまうのです。

 ですから、疲れているときに遠出するのは基本的にNG。自分の家でくつろいでふだんの疲れを癒すというのが正解です。

なぜ「アウトドア」がおすすめできないのか?

 なぜアウトドアが疲れてしまうのかを考えてみます。

 そのために、まずは「ホームとアウェイ」についてお話ししたいと思います。

 日常生活の中で、ホームとアウェイを意識したことはあるでしょうか。

 サッカーや野球などのスポーツで、ホームやアウェイという言葉はよく使われますが、ふだんの生活の中においては、ホームが文字通り「家」「自宅」などで、アウェイはそれ以外の「外」すべてです。会社であったり、学校であったり、スーパーであったり、「家」の外のすべての空間がアウェイです。

 何の気兼ねもなく自由にくつろげる自分の家(ホーム)と比べ、アウェイ、すなわち家の外は危険がいっぱいです。

 いつどこで不測の事態に遭遇するかわかりませんし、他人の目にさらされることもあって、無意識のうちに常に「緊張状態」を強いられます。つまり、交感神経が常に優位な状態になっているわけです。

 家から外に出た瞬間、もうそこはアウェイの世界。ということは、毎日8時間以上、外で働いている人は、通勤時間を含めると1日10時間以上をアウェイで過ごしていることになります。

 アウェイで過ごす時間が1日10時間以上もあるということは、動物にとって大きなストレスです。

「外出時の◯◯」が、さらに脳を疲れさせる!

 アウトドアには、他にも私たちを疲れさせる原因が隠れています。

 目的地までの移動手段は電車、自動車、バスなどが考えられますが、そこに着くまでの間、常に緊張した状態が続きます。とくに初めて行く場所への移動は不安や緊張で交感神経が高ぶっています。これが脳を疲れさせるのです。

 目的地に着いたら着いたで、「見知らぬ土地に来た」ということで、警戒する意識が働きます。初めての場所は、本能的に警戒するように脳ができていて、これはヒトに限らず、動物はすべてそうです。

 旅行などで初めての土地に行くと、多くの人がホテルに着いたら1回はホテルの周りを探索します。

「周りにどんなお店があるのか」
「夜の買い出しはどこでしようか」

 そうした動機があるにせよ、本能的には、自分が寝泊まりするところが安全かどうか、危険はないかを調べたくなっているのです。

 こうした行動すべてが疲労の原因です。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2017年09月12日 11:42

どんなものでも諸刃の剣、、、あらゆるものをバランス良く。。。

■飲酒が大腸がんのリスクを上げるのは確実!?
酒量は日本酒2合程度までに抑え、葉酸、食物繊維を積極的にとろう

エッセイスト・酒ジャーナリスト 葉石かおり

数あるがんの中でも、ミドル以上のビジネスパーソンが最も気にするがんは「大腸がん」ではないだろうか。大腸がんにより、毎年約5万人もの人が命を落としている。この恐ろしい大腸がんが、飲酒と深い関係があることをご存じだろうか。一昨年には赤身・加工肉による大腸がんリスクがマスコミで盛んに取り上げられたが、飲酒も大腸がんのリスクを高める要因の1つだという。そこで、日本人の飲酒と大腸がんリスクについて論文を発表している国立国際医療研究センターの溝上哲也さんに話を聞いた。

 こよなく酒を愛し、日々、酒を愛飲する左党にとっても、「がん」はやはり気にせずにはおられない病気である。

 何といってもがんは日本人の死因のNo.1、生涯でがんになる確率は男性63%、女性47%にも達する(詳しくはこちらの記事を参照)。そして、飲酒はがんのリスクを上げる大きな要因の1つであることは、多くの方がご存じだろう。特に、喉頭がんや食道がんのリスクが飲酒によって上がることはよく知られている。この連載でも以前紹介したが、私の身近にも、ウイスキーのロックを水のごとく飲んでいたことが原因で食道がんにかかったと思われる知人がいた。

働き盛りの世代を襲う「大腸がん」

 さて、数あるがんの中でも、ミドル以上のビジネスパーソンの多くが気にするがんというと「大腸がん」ではないだろうか。国立がん研究センターが2016年8月に発表したデータによると、がんの部位ごとの罹患数では、大腸がんは男女ともに2位、男女合わせると大腸がんが最多となっている。さらには女性のがん死亡原因の1位になっている(男性は3位:詳しくはこちらの記事を参照)。大腸がんは50歳を過ぎたころ、そう「働き盛り」とも言える年代から発症率が高くなるという。

 ううむ、アラフィフの私としても、黙って見過ごせない。そういえば自分の周囲の左党たちからも、「人間ドックで大腸にポリープが見つかった」だの、「大腸がんの初期で手術した」という話を聞く機会が増えたように思う。昨今は、著名人でも大腸がんを患った方や、闘病の末、惜しくも大腸がんが原因で他界された方も少なくない。

 大腸がんというと、私は肉や脂質を多く摂取する食生活が原因だとばかり思っていた。2015年には、「赤身肉や加工肉の摂取が大腸がんのリスクを上げる」と発表され、マスコミなどで広く取り上げられたのは記憶に新しい。しかし、どうやらそれだけではないらしい。

 この大腸がん、飲酒と深い関係があるとも聞くが、これは本当なのだろうか。そして、なぜ飲酒が大腸がんに影響するのだろうか。詳しく知りたいところだ。そこで今回は、国立国際医療研究センター 臨床研究センター 疫学・予防研究部 部長の溝上哲也さんに大腸がんとアルコールの関係について話を伺った。

今や大腸がんによる死亡者数は約5万人に!

 まずは大腸がんの現状について溝上さんに聞いてみた。

 溝上さんは、「かつて大腸がんは欧米に多いと言われていましたが、近年は日本でも大きな問題となっています。日本における大腸がんによる死亡者数は、最近では約5万人に達しています」と話す。

 ううむ、やはりそうか。これは、食生活の欧米化が主たる原因なのだろうか?

 「ご指摘のように、生活習慣の変化が影響していると考えられます。腸の長い日本人が欧米型の食事、つまり赤身肉や脂質の多い食事をすることが腸に悪影響を及ぼすと言われていました。一昨年の赤身肉・加工肉のリスクが指摘されて、話題になったのはご存じでしょう。しかし、大腸がんのリスクを上げるのはそれだけではありません。意外と知られていないのですが、飲酒も大腸がんのリスクを高める重要な要因の1つです」と溝上さんは話す。

飲酒が大腸がんのリスクを高めるのは「確実」

 前回も紹介したように、国立がん研究センターでは、日本人のがんと生活習慣との因果関係の評価を行っている。国内外の最新の研究結果を基に、全体および個々の部位のがんについてリスク評価を「がんのリスク・予防要因 評価一覧」としてホームページで公開している。「データ不十分」⇒「可能性あり」⇒「ほぼ確実」 ⇒「確実」の順に科学的根拠としての信頼性が高くなる。

 この評価によると、大腸がんのリスクを高める要因の中で「確実」になっている唯一の要因が飲酒だ。次に信頼性が高いのが「肥満」で「ほぼ確実」となっている。

 では、アルコールの摂取は大腸がんのリスクをどのくらい上げるのだろうか。

 溝上さんたちの研究グループは、5つのコホート研究のデータを合わせた合計約20万人を対象にしたデータを解析して、日本人の飲酒と大腸がんのリスクを評価、2008年に専門誌に発表している(Am J Epidemiol. 2008;167:1397-1406.)。それによると、「男女ともに過度の飲酒で大腸全体、そして結腸、直腸がんのリスクが上がるという結果になりました。特に男性の場合は顕著に現れています」(溝上さん)

 溝上さんの解析結果を見ると、男性では、純アルコールに換算して23~45.9g/日、46~68.9g/日、69~91.9g/日、92g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりもそれぞれ1.4倍、2.0倍、2.2倍、3.0倍と、アルコールの量に比例して、リスクが確実に高くなっていることが分かる。女性の場合も、男性ほど顕著ではないが、アルコール摂取量が23g以上/日のグループは、飲まないグループよりリスクが1.6倍に高まるという結果になっている。

 正直なところ、飲酒の影響がここまではっきり出るとは思わなかった。これは、大腸がんを気にする左党にとっては、かなり厳しいデータではないか。純アルコール23gは日本酒にして約1合。左党からすれば大した量ではない。

 なお、大腸は大きく、肛門近くの直腸と、その上の急カーブしている部分(S状結腸)より上の結腸に分けられるが、そのいずれも飲酒によりがんのリスクが高くなる傾向が見られた。

なぜ飲酒が大腸がんを引き起こすのか?

 溝上さんは、日本人と欧米人に分けて、飲酒量と大腸がんの関係性を分析している。これによると、日本人は明らかに酒量が増えるほど極端に右肩上がりになるが、欧米人は実に緩やかである。

 これは、やはり日本人はアルコール耐性が弱いことが原因なのだろうか?

 「ご存じのように、日本人は人種的に見てもアルコール耐性が弱い方が多くいます。アルコール耐性の強い欧米人は、1日2合未満の飲酒では大腸がんのリスクが上昇していないのに対し、日本人は1.4~1.8倍もリスクが上がっています」(溝上さん)。「人種による違い」と割り切るしかないのだが…、日本人としてはとても残念なデータである。

 ではいったい、どんなメカニズムによって大腸がんが引き起こされてしまうのだろうか?

 溝上さんによると、「飲酒が大腸がんを引き起こすメカニズムはまだはっきりと解明されていない」のだという。

 「まず原因として考えられるのは、アセトアルデヒドによる毒性です。アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドには発がん性があることが実験でも確認されています。日常的に多量飲酒が習慣化している方、そしてアルコールを飲んで、顔が赤くなるような方は、アセトアルデヒドの毒性にさらされる時間も長くなることから危険が高まる可能性があるわけです」(溝上さん)

 「しかし、アルコールの代謝に関わる遺伝⼦型と⼤腸がんの関連性を調べた最近の研究では、必ずしも明確な関連性は出ていません。このため遺伝的な体質ではなく、腸内細菌の働きによってアルコールから生成されたアセトアルデヒドが葉酸の吸収や働きを阻害することにより、⼤腸がんの発生リスクが高まるのではないかという説が有力になっています」(溝上さん)

葉酸は積極的に摂取するといい

 「葉酸はビタミンB群の一種で、名前の通り葉野菜などに多く含まれています。葉酸は、細胞の合成や修復に深く関わる重要な栄養素で、細胞の遺伝情報が入ったDNA(遺伝子)の合成に必要な成分です。ところが、前述のようにアセトアルデヒドは、腸内の葉酸の吸収を妨げる効果があります。これにより、細胞の合成・修復作用が阻害され、大腸がん発生の初期段階となる遺伝子の損傷が引き起こされるのではないかと考えられています」(溝上さん)

 メカニズムこそ明確になっていないものの、がん予防と葉酸に何らかの関係があることは確かなようだ。葉酸の登場で何だかちょっと明るい兆しが見えたような気がする。では日常的に葉酸を摂取すれば、飲み続けていても大腸がんを防ぐことができるのだろうか?

 「残念ながら、葉酸をたくさん摂取しても、大腸がんの罹患リスクが下がるとは言い切れません。タバコが明確な要因である肺がんとは異なり、大腸がんの場合、要因が非常に複雑に絡んでいるためです。とはいえ、葉酸不足にならないよう積極的に摂取するといいでしょう。葉酸はブロッコリーやホウレン草や小松菜などの青い野菜、そして柑橘系のフルーツに多く含まれています。できれば、サプリメントに頼らず、食物から摂取することをお勧めします」(溝上さん)

やはり飲み過ぎは避けたほうがいい

 最後に、溝上さんに、大腸がんを防ぐためのポイントを整理していただいた。

 溝上さんがまず指摘したのが、酒量である。「前ページのグラフからも明らかなように、酒量が増えると大腸がんのリスクが上がります。まずは酒量を純アルコールに換算して23~45.9g未満(日本酒1~2合程度)に抑えること、これが大前提です」(溝上さん)。ああ、やはり今回も「節酒」を免れることはできなかったか…。

 食事については、食物繊維も重要なポイントになるという。「穀物由来の食物繊維を積極的にとることをお勧めします。かつては、ゴボウなどをはじめとする野菜からの摂取がいいとされていましたが、最新の研究によって米や麦などの穀類に含まれる繊維が有効なことも分かってきました。⽩⽶に雑穀を混ぜるなどして⾷べるといいでしょう。その他、牛乳などカルシウムを豊富に含んだ食品も積極的にとってほしいですね」(溝上さん)

 玄米や大麦などは、すでに日々の食生活に取り入れられている方も多いだろう。特殊なものでなく、誰もがすぐに実践できる食材なのがありがたい。

 また、肥満も大腸がんのリスクを高めると溝上さんは警告する。「BMIが25を超えないよう注意してください。そのためにも週 150分を目安に運動することを習慣づけましょう」(溝上さん)。肥満はがんをはじめ、様々な病気の元凶だ。メタボと診断されている方は、さらに注意が必要だ。溝上さんが推奨する週150分の運動は、1日に換算すれば20分ちょっと。1駅分歩く、エレベーターより階段を使うなど、少し意識することで無理なく達成できそうである。

        ◇        ◇        ◇

 大腸がんは昔に比べ、確実に増えている。多くの人が心配するのも無理はないが、その一方で、「大腸がんは早期発見であれば治る確率が高いがん」だと溝上さんは指摘する。だからこそ「早期発見がとても重要です。40歳を超えたら年1回、大腸がん検診を受けてください」と溝上さん。過度に恐れることなく、定期的にがん検診を受けながら、日々の食生活に留意し、酒と長く付き合っていってほしい。

溝上哲也(みぞうえ てつや)さん
国立国際医療研究センター 臨床研究センター 疫学・予防研究部 部長

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年09月09日 11:24

休煙という禁煙のすすめ、休んでいるだけと思えば止められる。。。ホントに美味しく呑めば、自ずと飲酒量も減らしていける。。。

■飲み続けたいならまず禁煙 がんのリスクたばこが助長

  2020年の東京オリンピックを控え、喫煙問題が改めて注目されている。喫煙が、がんをはじめとした様々な病気の原因になることは広く知られている。一方で、お酒の飲み過ぎが体に悪いことも繰り返し紹介してきた。では、タバコと飲酒の2つが重なるとどうなるのだろうか。がんになる危険性が一層高まるといったことはないのだろうか。酒ジャーナリストの葉石かおりが、日本のがん研究の総本山である国立がん研究センターに取材して話を聞いた。

◇  ◇  ◇

■タバコと酒、ダブルになったときのリスクは?

 昔と比べ、今はだいぶ少なくなったものの、左党には喫煙者が案外多い。現に新橋あたりの渋い居酒屋に行くと、タバコの煙で視界が曇るほどである。実際、「お酒を飲むときはタバコも吸わずにはいられない」という左党の読者も少なくないだろう。

 私的なことだが、実父は喫煙が主な原因のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)で他界していることもあって、個人的にはタバコの煙がもくもくの中での飲酒は苦手である。タバコはアルコール同様、嗜好品なので、個々が楽しむ分には問題ないと思っている。しかし以前から問題視されている受動喫煙の被害を考えると、クリーンな空気の中で心おきなく酒をおいしく飲みたいと思う。国でも2020年の東京オリンピックを前に、受動喫煙防止の法整備の議論が交わされている。国レベルでの対策となると、気にせずにはいられない。

 タバコが体に悪影響をもたらし、がんをはじめとした様々な病気の原因になることは、論をまたないところだと思う。また、飲酒も適量以内ならいい影響もあるとはいえ、飲み過ぎが体に悪いことは、これまで記事で幾度となく紹介してきた。では、タバコと飲酒の2つが重なるとどうなるのだろうか。

 実際、私の周囲の左党で、かつ喫煙する人の中には、がんに罹患した人が何人かいる。このため、私はかねがねタバコと飲酒の因果関係を疑っていた。それぞれ単独ではよくないことは分かっているが、ダブルになるとリスクがより高まるのではないだろうか。具体的には、タバコががんの原因になることは周知の事実だが、飲酒によってその危険性がより高まるのではないだろうか。

 そこで今回は、国内におけるがん研究の総本山ともいえる国立がん研究センターで、がんや慢性疾患の疫学研究や大規模コホート研究[特定の集団(コホート)を対象として長期的に経過を追跡する調査手法のこと]を手がけてきた、社会と健康研究センター コホート連携研究部部長の井上真奈美さんに、タバコと飲酒のコンビによるリスクについて話を伺った。

■タバコは百害あって一利なし

 まずは、タバコのがんへの影響を改めて井上さんに確認してみた。

 「タバコにはニトロソアミン、ヒ素、カドミウムといった発がん物質が約70種類含まれています。このため、肺がん、咽頭・喉頭がん、胃がん、食道がんなど、さまざまな部位のがんの発症リスクを確実に高めます」(井上さん)

 国立がん研究センターでは、日本人のがんと生活習慣との因果関係の評価を行っている。国内外の最新の研究結果を基に、全体および個々の部位のがんについてリスク評価を「がんのリスク・予防要因 評価一覧」としてホームページで公開している。最も信頼性が高い評価から順に「確実」→「ほぼ確実」→「可能性あり」→「データ不十分」となっている。

 「タバコとがんの罹患については、全がん、肺がん、肝がん、胃がん、食道がん、膵臓がん、子宮頸がん、頭頸部がん、膀胱がんの発症リスクの信頼性が、最も高い『確実』と評価されています。他の部位のがんについても、乳がんや大腸がんが『可能性あり』となっており、リスクがあると考えられます。そう、タバコは百害あって一利なしなのです」(井上さん)

 百害あって一利なし――。

 ある程度予測できたこととはいえ、ここまでハッキリ断言されると、改めてその怖さがよく分かる。実際、上のがんのリスク評価の表を見ても、信頼性が「確実」である濃い茶色の欄が、圧倒的に多いのが「喫煙」であることがよく分かる。さらに井上さんはこう続ける。

 「世界的には、今は、タバコにはどういった健康への害があるかを研究する段階を脱し、『どうやってタバコのない環境を実現するか?』という『対策』のフェーズにあるといえます。言い換えれば、それほどタバコによる健康被害は甚大で、確実に体に影響があるということです」(井上さん)

 喫煙リスクをはっきり示されると、周囲の愛煙家に禁煙を勧めたくなる。では、ここに飲酒によるリスクが加わると、どうなるのだろうか。

■飲酒とタバコを同時進行させると、がんのリスクが2倍以上に!

 「コホート研究の結果から、飲酒量が多くなると、将来がんになりやすいことが明らかになっています。飲酒量が1日2~3合の男性は、時々飲む人に比べて、がん発生率が1.4倍に、1日3合以上の人は1.6倍になっています。そして、ここに喫煙が加わると、がんに罹患するリスクがさらに高まるのです」(井上さん)

 「ああ、やっぱり……」という声が聞こえてきそう。予想通り、喫煙と飲酒のセットは最悪のリスクなのだ。それはデータにも明確に表れている。

 「喫煙習慣別に飲酒とがんの発生率のデータを見てみると、非喫煙者と喫煙者とでは大きな差があります。『時々飲む』人を1としたときの相対リスクは、適量といわれる『1日1合未満』では非喫煙者が0.87であるのに対し、喫煙者は1.69と、この段階でも倍近い差が出ています。1日3合以上の多量飲酒の場合、非喫煙者は1.02に対し、喫煙者では2.32と倍以上のリスクがあります。非喫煙者は、飲酒量が増えてもがんの発生率はそう高くならないのに対し、喫煙がプラスされると確実に高くなっていきます。つまり飲酒によるがんのリスクは、喫煙によって助長されるのです」(井上さん)

 バブル時代のトレンディードラマ(既に死語?)では、主人公が酒を飲みながらタバコをふかすシーンが当たり前だったが、それはもはや過去のこと。飲酒と喫煙のセットは超危険なのだ。

■セットにすると、なぜがんのリスクが上がるのか?

 では、喫煙と飲酒をセットにした際、がんの発生率が上がる原因は何なのだろうか?

 「詳しいメカニズムは分かっていませんが、現時点で示唆されているのが、アルコールの慢性摂取によって酵素誘導[酵素の合成が誘導され、酵素量が増加すること]される薬物代謝酵素CYP(チトクロームP450)の影響です。アルコールを飲むと、特にCYP2E1の酵素誘導が進みます。CYPは、ニトロソアミンをはじめとする、タバコ中のがん原物質を活性化する作用があると考えられています」(井上さん)

 また、アルコールが体内で代謝される際に生じるアセトアルデヒドにも発がん性があることが知られている。酒を飲んで顔が赤くなる、いわゆる酒に弱い人は、アセトアルデヒドの分解能力が弱いため、アセトアルデヒドが残りやすい。つまり、発がん性のあるアセトアルデヒドにさらされる時間が長くなるわけだ。井上さんは、「このように酒を飲んで赤くなる人は、喫煙とセットにするとがんになる危険性がさらに上がる可能性があります」と話す。

 以前「お酒で赤くなる人、ならない人 がんのリスクも違う」という記事でも紹介したように、日本人は、黒人や白人に比べて、顔が赤くなる人(アセトアルデヒドの分解能力が低い人)の割合が多いので、より気をつけたほうがよさそうだ。しかし、こうなると、もうタバコをやめる以外に対策はないということだろうか……?

 「そうですね、やはりタバコをやめる以外に選択肢はありません。先ほどのデータからも明らかなように、アルコールとタバコのセットは厳禁。酒とタバコのどちらをやめたほうがいいかと言われれば、間違いなくタバコです」(井上さん)

 読者の中にも、酒とタバコを両方とも愛してやまない人は少なからずいると思う。もし、酒を飲み続けたいなら、やはりタバコはやめたほうがよさそうだ。

■受動喫煙による肺がんの発症リスクも「確実」に

 ここで受動喫煙についても触れておきたい。日本の居酒屋や喫茶店では、いまだ喫煙可の店が目立つ。国民健康・栄養調査(2013年)によると、受動喫煙が月に1回以上ある人の割合は家庭で16.4%、飲食店で46.8%、職場で33.1%と、ダントツで飲食店での受動喫煙率が高い。私のように非喫煙者であっても、タバコの煙もくもくの居酒屋で飲んでいたら、どんなリスクがあるのだろうか?

 「受動喫煙による肺がんの発症リスクの信頼性も昨年の8月に『ほぼ確実』から『確実』へと格上げされました。他のがんの発症リスクについてはデータがまだ不十分ではありますが、副流煙のほうが主流煙より有害物質が多いので、安心とは言い切れません。配偶者が喫煙者だと、家族に喫煙者がいない人の1.3倍も肺がんの発症率が上がるという報告もあります」(井上さん)

 ◇  ◇  ◇

 飲酒は「適量(1日1合)を守ろう」という救いの言葉があるが、喫煙の場合、残念ながら卒煙または禁煙以外、手立てがない。現在、日本において男性のがんの30~40%、女性のがんの3~5%がタバコが原因のがんだという。酒を長~く、おいしく飲むためにも、タバコとの付き合い方をちょっと考えてみてはいかがだろうか?

(エッセイスト・酒ジャーナリスト 葉石かおり)

[日経Gooday]

Posted by nob : 2017年09月09日 11:14