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平和条約は核よりも強し、、、ヒト、モノ、カネ…他国の文化と経済が流入すれば北朝鮮の独裁体制は自滅する。。。

■「アメリカ軍に勝てるはずない…」北朝鮮の幹部に動揺広がる

北朝鮮の朝鮮労働党や行政機関の中堅幹部たちの間で、「戦争勃発が近づいている」との見方が広まっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋はRFAに対し、「平壌などでは水爆実験の成功を祝う行事が目白押しだが、一部の幹部らの間では、米国との間で戦争が起きるかもしれないとの見方が広まっている。主に中堅幹部が不安を募らせているようだ」と語り、次のように続けた。

「中央は『仮に米国が攻撃してきても、米国を撃破し勝利するであろう』と宣伝しているが、地方の幹部らはこれをまったく信じていない」

労働者を虐殺

慢性的な経済難の中にある北朝鮮において、中央政府は地方政府の面倒をほとんど見られない状態にある。中央集権と計画経済を標榜する体制である以上、本来は中央が地方に対し、政策の実行に必要な予算と資源を配分する必要がある。しかし現状はこれができず、一方的に政策を下達し、「あとは自分たちで解決しろ」と押し付ける状態になっているのだ。

それでも国がどうにか回ってきた理由は、主に3つある。

一つ目は、恐怖政治である。中央からの命令がいかに理不尽であっても、服従しなければ命に危険が及ぶ。スッポン養殖工場を視察した金正恩党委員長が、管理の不備に激怒し、支配人を処刑。その視察時の動画を公開したエピソードが象徴的である。

二つ目は利権だ。現場の幹部たちは言わば、金正恩氏の指示を実行する代理人である。下手に幹部に逆らうと、どんな目に遭わされるかわからない。なので密輸などを生業とする商人たちは、幹部にワイロを渡すのを怠らない。またそのような仕組みの中で、幹部は商人の力を借り、自分の役目を全うする。そうすることで権力を維持し、収入(ワイロ)を維持することができるわけだ。

ただ、このような仕組みの中に身を置いている中堅幹部だからこそ、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)内部での物資の横流しや性的虐待といった、軍紀びん乱についても知り抜いている。

彼らが「戦争には勝てない」と判断するのは、根拠のないことではないのだ。

そして三つ目は、愛国心、あるいは国民を思う心である。どんなに閉塞した社会にも、このような人々はいる。例えば数十万人とも数百万人とも言われる餓死者の出た1990年代の大飢饉「苦難の行軍」の最中において、ある工場の幹部たちは、労働者を救おうと決死の努力をした。もっともその後、幹部たちも労働者たちもスパイ容疑をかけられて虐殺されてしまうのだが。

このようなことが続いたためか、最近では愛国心を持ち続けている幹部も少なくなったようだ。RFAの情報筋によれば、戦争勃発を恐れる中堅幹部たちは、ワイロを貯めて築いた不動産などの資産を処分し、今のうちに金塊に変えて置こうと血眼だという。

金塊に変えてどうするかと言えば、戦争が始まったらそれを抱えて、中国にでも逃げようと考えているのだろう。

戦争は、軍隊だけで戦うものではない。各種の行政を支える中堅幹部がこの体たらくでは、北朝鮮が積極的に戦争計画を立てるのは不可能と言えるだろう。


■「もうウソは聞き飽きた」北朝鮮国民、金正恩氏の弁明に不満

国民の生活苦を顧みず、核兵器とミサイルにばかりカネを注ぎ込む金正恩政権。北朝鮮の庶民とて、それを快く見ているわけではない。北朝鮮の人々の間でも、不満が鬱積してきている。

北朝鮮当局は、それが無視できないレベルに達したと判断したようで、世論をなだめる方策に出た。しかし、効果は全くと言っていいほど出ていないようだ。

核実験やミサイル発射実験が行われるたびに、日本のテレビでは、北朝鮮メディアが流した平壌市民の「喜びのコメント」を紹介する。しかし北朝鮮において、テレビカメラを向けられた人がホンネを語るわけがない。

権力への不満を公に語ったらどうなるかを、北朝鮮国民は過去の教訓からよく知っている。

それにもかかわらず、無謀な核兵器開発に対する不満は日に日に強まっているもようだ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋が、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところによると、地元の朝鮮労働党組織の宣伝部は、高級中学校(高校)の教師を講師にして、人民班(町内会)で当局の立場を説明する講演会を開いている。

その場で語られている内容は概ね次のようなものだ。

「これまでは、核兵器の開発に天文学的な額の資金を費やさざるを得なかった。元帥様(金正恩党委員長)は、人民にひもじい生活をさせないという約束が守れなかったことに対して心を痛めている。しかし開発が成功したので、これからは人民生活の向上に力を入れられることだろう」

最高指導者の反省の弁を伝え、今後の生活向上を改めて約束することで、怒れる世論をなだめようというものだが、話を聞いた住民たちは「過去に国民を餓死させたのは、核兵器が完成していなかったからとでも言い訳するつもりか」などと言って笑い飛ばしているという。

北朝鮮が核兵器の開発を本格化させたのは、経済が傾き始めた1980年代からだ。数十万とも数百万とも言われる餓死者を出した1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」のころにも、開発は続けられていた。北朝鮮の人びとは、国が自分たちのためにカネを使わないことをわかりきっているのだ。

咸鏡北道の西隣の両江道(リャンガンド)でも、当局による同様のプロパガンダが行われている。

現地の情報筋によると、当局は「核兵器が完成したから、残りの軍事費は人民生活の向上に回す」と宣伝しているが、情報筋は「そんなものは怒れる世論をなだめるための弁明に過ぎない」「そんな使い古されたプロパガンダは、もはや人民には通じない」と吐き捨てた。

人民生活の窮乏は「苦しい」というレベルを超え、「深刻」なレベルに達していると情報筋は伝えた。具体的にどのように深刻なのか情報筋は伝えていないが、ガソリンのみならず物価全体が高騰していることを指すものと思われる。

当局は、軍部隊における食糧不足の解消のために、インディカ米を輸入して配給しているが、それすらも市場に横流しされている有様だ。それを見た人々は「兵隊のためのコメすら横流しするのに、核開発に使っていた軍事費を人民生活向上に回す余裕などあるのか」と語っている。


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高英起 | デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト

[デイリーNKジャパン]

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Posted by nob : 2017年09月20日 16:31