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若かりし頃、、、Vol.4

自分には絶対にできないと信じ込んでいたこと、、、

早寝早起き。。。

Posted by nob : 2012年10月29日 20:41

若かりし頃、、、Vol.3

自分には絶対にできないと信じ込んでいたこと、、、

DIY/日曜大工。。。

Posted by nob : 2012年10月29日 20:36

一人じゃないという最大の幸せ。。。

孤独ではないからこそ

孤独を受け容れ楽しむこともできる

本当に孤独だったなら、、、

Posted by nob : 2012年10月29日 20:33

、、、

■スマホは病原菌の温床、異常な数のふん便性大腸菌群が付着=専門家

 携帯電話をバクテリアが好む温度の耳や鼻、口に近づけると、健康を害することになるかもしれない。

 この危険はしばしば見過ごされると指摘するのは、米家庭医学会(AAFP)のジェフリー・ケイン会長だ。ケイン氏は、コロラド州の小児病院で家庭医療の責任者も務めている。同氏は携帯電話に付着したバクテリアはインフルエンザや流行性結膜炎、下痢などの原因になると話す。

 清潔なタッチスクリーンを維持したいと思っても、携帯電話の消毒に関する医師や医療研究者らのアドバイスと、携帯機器メーカーの提案には隔たりがある。

 携帯電話のクリーニング用に作られた製品もあるが、画面のコーティングにダメージを与えるものや、病原菌を100%完全に取り除くことができないものもある。

 コンピューターや鍵、ペン、固定電話などにも病原菌が付着することはあるが、携帯電話は特に身近なものになっている。つまり、枕やヘルスクラブのトレッドミル(ランニングマシーン)、レストランのテーブルなどから遠くに離れることは決してない。

スマホは病原菌の温床になり得る

 サウスカロライナ医科大学で微生物学と免疫学を教えるマイケル・シュミット教授は「われわれはこの小さな生き物にエサを与えている」とし、「(タッチ画面の)あぶらっこい汚れは誰もが見ている。あぶらがあるところには、微生物がいる」と話す。

 この記事のためにシカゴ支局で無作為に選んだ8台の携帯電話が検査された。どの携帯電話からも大腸菌やブドウ球菌は検出されなかった。しかし、すべての携帯電話から異常な数のふん便性大腸菌群が見つかった。検査はインディアナ州マンシーのHML研究室で行われたが、8台の携帯電話には約2700~4200ユニットの大腸菌群が付着していた。飲用水で上限とされる大腸菌群は100ミリリットル当たり1ユニット未満だ。

 その後HMLは水、アルコール、市販のガラス用洗剤と電子機器用拭きとり布の4種類のクリーニング方法を試みた。最も効果があったのはアルコールだった。ほぼ100%の細菌類を撃退した。この4つのなかでは、ただの水が最も効果がなかった。

 携帯電話メーカーは、大半の家庭用洗剤について、使用を控えるよう注意を与えている。

 アップルの広報担当者は記者に取扱説明書を見せた。そこにははっきりと「ガラス用洗剤、家財用洗剤、エアゾールスプレー、シンナー、アルコール、アンモニア、研磨剤」の使用を禁ずると書いてある。「ブラックベリー」のアドバイスも似たようなものだ。取扱説明書には「液体やエアゾールの洗剤、シンナーをブラックベリー製品に直接、もしくは近くで使用してはいけない」とある。グーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」の広報担当者は、携帯電話メーカー各社はクリーニングの方法について公式な方針をもっていないと述べた。アンドロイド搭載のものや、ブラックベリーそして「アイフォーン」といった高機能携帯電話(スマートフォン=スマホ)を製造する会社はクリーニング用として推薦できるブランド製品は特にないと口をそろえる。

 コーニング・ゴリラ・グラスのシニア・アプリケーション・エンジニア、ボー・ラフィン氏は、アルコールを含ませた拭きとり紙のような市販のクリーニング製品はガラスの性能を落とさないと指摘する。ただ、ラフィン氏は直接スマホについては言及しなかった。

 ラフィン氏は「ガラスに影響を与える唯一のものは塩酸タイプのものだ」としたうえで、「マイクロファイバーの布は、油とほこりを取り除くのに効果的だ」と話す。

 こういった携帯クリーニング用の布は約99%有効だが、シュミット氏はそれでは不十分だと話す。「バクテリアのなかには、わずか10個で病気になるものもある」と言う。

 大学生100人の携帯電話を検査した2011年の研究では、携帯電話が病気を引き起こす可能性のある「病原体のため池」になっていることがわかった。ガーナのケープコースト大学によるこの研究では、携帯電話に付着したバクテリアの高い濃度と種類の多さが指摘された。研究は同じ年に学術誌「Journal of Applied Microbiology(応用微生物学ジャーナル)」に掲載されたものだが、タッチスクリーンのようなガラスの表面に触れることで、20~30%のウイルスが指先から容易に移り得る、と警告した。

 家庭用化成品メーカー、SCジョンソンの広報担当者は、同社のガラス用クリーナーは電子機器には勧められないと話す。ただし、同社は電子機器向けの製品も販売している。

 家電量販店大手ベスト・バイのギーク・スクワッド(技術支援やIT問題解決サービス)でテクノロジー関係のサポートを担当するデレク・マイスター氏は、紫外線殺菌装置が最適だと指摘する。携帯電話に触ることなしに、紫外線が病原菌を殺すからだ。「PhoneSoap(フォーンソープ)」と呼ばれる新製品を作る業者によると、この製品は携帯電話をチャージしている間に短波長紫外線(UV-C)を使って携帯電話をきれいにする。2013年1月に出荷が始まる予定だ。

 また他の動物の皮膚よりバクテリアに対する抵抗力あることで知られるサメの皮膚をまねた微細なパターンを使う新興企業もある。コロラド州オーロラにあるシャークレット・テクノロジーズは医療機器や家具、調理台などを手がける企業だが、2013年下期までに電話用の製品を発売する予定だ。

[THE WALL STREET JOURNAL]

Posted by nob : 2012年10月29日 20:26

JALの稲盛氏に続き、、、近藤氏に期待。。。

■【新聞ウォッチ】東電再建にトヨタから助っ人、近藤詔冶・日野自動車元社長に白羽の矢

経営再建中の東京電力が「トヨタ流」のコスト削減手法を導入するという。11月に発足する外部専門家による「調達委員会」に、トヨタ自動車の元常務で、日野自動車の社長、会長を務めた近藤詔治・現相談役を招くと、きょうの読売が1面準トップで報じている。

発電所のタービンや変圧器など10億円以上の調達案件を個別に審査し、コスト意識の徹底を図り、毎年1000億円以上のコスト削減の上積みを目指すという。近藤氏は1965年、東大法学部を卒業後、トヨタ自動車に入社。トヨタ時代には第一購買部長を務めるなど,部品の調達部門の経験が長く、「現地現物主義」をモットーとしている。

東電は今後10年間で3兆3650億円規模のコスト削減を目標に掲げているが、ぬるま湯体質を改めるには、外部経験者による厳しいチェックが不可欠。東電の再建には、一時トヨタ元社長の奥田碩氏に白羽の矢が向けられたこともあった。

東電では2012年3月期の最終損益が7816億円の赤字を計上。福島第1原子力発電所の事故処理に関する費用や原子力損害賠償費などで特別損失は2兆8678億円に拡大した。原発の再稼働も見通せずに将来的な展望が見えにくいことから、有能な若手社員が相次いで退社しているという。この先、人材難に陥る可能性も指摘されるなど、新たな課題も浮上している。

《福田俊之》

[RESPONSE]

Posted by nob : 2012年10月29日 20:20

貴方に足りないのは、、、

貴方自身を愛する力。。。

Posted by nob : 2012年10月27日 08:29

物事の本質は、、、

第三者に導かれたり

第三者にしてもらったことの中にではなく、、、


自ら考えて決めた

そして自ら実行した事柄の中にしか存在しない。。。

Posted by nob : 2012年10月27日 07:39

できることからでなく好きなことから始める、、、やがてその好きなことが得意なことになる。。。

■自分の「強み」を知り、
時間をかけて育てていくことで成功した
「てるりん」の愛称で親しまれる
一級建築士のパーソナルブランド構築方法

 一生モノの顧客を獲得するには、「それなりの対価を支払ってでも他の人ではなく、貴方にお願いする」というような貴方のファンを多く持つ事が目標であり、そのためにも自分自身のブランドを作る=パーソナルブランドの構築が必要になります。

 このパーソナルブランドを構築する為の第一ステップが、「差別化」つまり「自分の強みを見つけて差別化をはかる」ということですが、ただ漠然と自分の強みは○○だからと思うだけでは、周りの人や縁があった潜在顧客に対して「差別化」をしているとは言えません。

 客観的に自分自身を明確に分析し、「長期的に儲けられるビジネスとしての強み=パーソナルビジネスモデルメッセージ」を掘り起こし、その「強み」を求めている顧客は誰なのかを見極め、そしてその顧客に「貴方でなくてはならない」という、より明確な理由を提示する為にも、その「強み」の強化が必要になってきます。

 今回は、この「強みを強化する」方法についてお話していきます。

~あなたの強みを強化する3つのヒント!~

 第4回まで、ビジネスにおける強みの分析、そしてその強みを求めるマーケットの選択についてお話をさせて頂きましたが、この強みをより強化することにより、貴方しかできないサービスの構築が可能になります。

 この強みを強化するには、どうしたら良いのか?

 最も大事なことをまずお伝えします。

 日々の仕事に使われている「優先順位」と「時間配分」です。

①60パーセントを強みに割り当てる

 自分のビジネスモデルを確立するのに必要なのは、自分の得意分野を伸ばし、自分の短所はカバーするだけにとどめる訓練をすることです。つまり、強みに焦点を移すということが重要です。

 自分の得意分野を伸ばすのは、自分の苦手な分野を得意分野に変えることより簡単で大切なことです。それなのに多くの人は、自分の苦手な分野を克服して、その部分をできるだけ伸ばしていこうとする努力をしてしまいます。それはとても素晴らしい事だと思いますが、そのことによって強みである得意分野を磨く大切な時間を削っているというのは非常にもったいないことです。

②30パーセントを新しいことに割り当てる

 これは、ただ単に新しいことに割り当てるということではありません。

 自身の強みをより強化し、常に競合の先を行くためには、常に強みをベースに修正を加えて、そのときの経済状況や時代に沿って、顧客の要求やニーズに適したものに変えていく必要性があります。

 つまり、ここでの新しいことというのは、「強みをベースとした新しいサービス・商品を作る」ことに割り当てるということです。

 私が常に意識している言葉ですが、「確固たる商品のブランドが出来上がっても安心してはいけない。なぜなら、顧客の好みは、賞味期限がついていて、陳腐化しやすいものであるから」というものがあります。

 これは「20世紀の三大広告人」のひとりに選ばれた、元コカ・コーラ社の最高責任者であるセルジオ・ジーマのブランド構築の定義の中の言葉です。

 ブランドが成功し、競合の先を行くのであれば、それがだめになる前に、修正を加えて、継続的に伝えるメッセージやイメージを顧客の要求やニーズに適したものに変えていく必要性があるということです。

 あなたがせっかく確固たる強みを構築しても、常に競合が追いかけてきますからその時代によって、自分の強みを新しい形で確立していく努力をしなければ、ある日気が付いたときには、競合に追い抜かれている可能性があるからです。

③10パーセントを弱みに割り当てる

 苦手な分野のない人、自分の苦手な分野に全く取り組まないで済む人は1人もいません。

 大事なことは、自分自身は弱点を最小限に抑えることであり、その部分を得意な分野に変えることではないということを知っておく必要があります。 そして、もう一つ重要なのは10%の時間の中で、弱みを強みとするパートナー又は、スタッフを見つけるということです。

「私の弱みを強みとする誰かを見つけよう。これで、1+1が11になる」

 これは、自己啓発分野でアメリカを代表すると言われるコーチの一人であるマーク・ビクター・ハンセンの言葉です。

 たいていの場合弱みを強みに変えようとする場合「自分」で行おうとするため、達成することが難しく不可能に思えてしまいますが、すこし視点を広げて考えれば「自分の弱みを強みに持つ自分ではない人」と連携することにより、弱みを強みに変えることは可能になるということです。

 今回は、一時的に収入は減っても、自分自身の「強み」を強化することによって口コミが広がり、ビジネスを成功させた「てるりん」の愛称で市民に愛される一級建築士、市成照一さんをご紹介させて頂きます。

明石市で活動しながら強みづくり

 兵庫県明石市でWING建築設計事務所を営む一級建築士の市成照一さんは「てるりんの住まいる相談会」で明石・神戸はもちろん大阪方面までその名を知られています。住宅の新築・リフォームの設計・工事監理、また住宅の調査診断を行い新築・中古物件の購入判定を行うサービスを商品として掲げています。さらに欠陥住宅やリフォーム詐欺の悩みを抱える消費者の相談に乗り、リフォーム業者との調整を行うといった依頼にも応じています。建築士という専門性を生かして消費者の安全や財産を守るために「NPO法人・欠陥住宅を撲滅する会」も立ち上げていますが、だからといって市成さんが市民運動家というわけではありません。一級建築士という専門性の中から自分の個性、他と異なる自分だけの強みを追求した結果、このような活動に至っているのです。

 市成さんは48歳でサラリーマン生活に終止符を打って起業。そこで直面したのが建築士の名義貸しや、住宅購入者に実態のない工事監理で欠陥住宅を平気で販売している住宅業界の知られざる裏面でした。

 住宅の新築やリフォームのビジネスには、住宅・不動産会社や工務店以外に建築士事務所が介在します。けれど実際には、施主から建築計画・設計を持ち込まれる建築士事務所はごく少数で、大半は住宅・不動産会社や工務店から設計図面の作成や確認申請の代願業務を受注する建築士事務所であり、そうした下請け業務においてはどうしても住宅・不動産会社や工務店側の利益を優先するのが常です。

 正義感の強い市成さんには消費者のために最善でない業務をおこなうことに耐えられませんでした。独立から2年後の平成2004年2月、50才の誕生日に市成さんは、明石から「欠陥住宅撲滅運動」を立ち上げました。

 住宅の調査診断、新築・中古住宅の購入判定調査、新築・リフォームの設計・工事監理、欠陥住宅の鑑定業務等々を、消費者側に立ってサービスする建築士に徹するのです。住宅に欠陥があるので調査をして販売会社に意見書を書いてほしい、リフォームの見積や工事が適正かどうかで悩んでいる消費者の相談に積極的に取り組み、依頼があれば住宅・不動産会社や工務店・リフォーム業者と交渉もします。

「ところが、多くの消費者にとって住宅を購入する際の相談相手は住宅・不動産会社や工務店であり、建築士事務所の建築士にお金を払って意見を聴こうとか相談しようという考えはなきに等しいのが、2004年当時の状況でした。したがってなかなかビジネスにはなりませんでした」と市成さんは当時を振り返ります。

 その年の9月に、西明石で初めて「欠陥住宅撲滅セミナー」をおこないました。11月には、明石市主催の「ゆうゆう塾」でセミナーを開く機会を得て、5ヵ月間にわたって講演をしました。また、自らにニックネーム「てるりん」と名付けて「てるりんの住まいる講座」「てるりんの住まいる相談会」等を開催しました。明石市内で毎月10万部発行している「ミニコミあかし」誌が毎月告知を掲載してくれる支援もあり、講座・相談会の存在は次第に明石市民に知られるようになっていきました。

 参加者も増え、個別の具体的な相談をする人も現れ始めましたが、それが市成さんの顧客となるまでにはなかなか至りません。

 それでも、地道な活動に注目してくれる人もいて、2005年1月に姫路のFM21Genkiに出演したのを皮切りに、5月には朝日放送のテレビ番組「おはよう朝日です」に出演するチャンスもめぐってきました。さらに朝日新聞・読売新聞・神戸新聞・建通新聞や神戸市のFMわいわいや三木市役所内のエフエムみっきい、明石ケーブルTVにも登場しました。

 市成さんは「おはよう朝日です」で、住宅リフォーム詐欺の問題を取り上げ、消費者が悪徳リフォーム業者にだまされないようにする方法を話しました。

 すると、このテレビ番組を見た人から「おばあちゃんがリフォーム会社にかなりのお金を払ったようなのだが、工事内容と金額が適正かどうか調査してほしい」という依頼が市成さんに舞い込みました。

「調査をした結果、私が出した見積金額の10倍ものお金を払っておられました。私がリフォーム業者に工事内容にかかる金額への疑問を指摘すると、業者は調査結果を認め、払ったお金の70%を返して来ました」(市成さん)

 この話は、2005年8月27日付の神戸新聞・明石版朝刊の記事になりました。

 市成さんはリフォームトラブルの解決と予防いう実績で、知名度アップを勝ち取ったのです。

欠陥住宅騒ぎの1年前から培った実績が花開く

 その年の2ヵ月半後に、市成さんの活動を後押しする大きな風が吹きました。

 2005年11月17日に国土交通省が、千葉県にあった建築設計事務所の元一級建築士による地震などに対する安全性を確認する構造計算書の偽造があったことを公表したのです。これは構造計算書偽造問題とか耐震偽装問題と呼ばれて後々まで大きな波紋を呼ぶことになりました。偽造された構造計算書に基づいて建設されたマンションは耐震不適格と判断され、何も知らずに購入した入居者たちを苦しめる欠陥住宅問題が大きくクローズアップされたのです。この騒ぎが起こる1年も前から欠陥住宅撲滅問題に取り組んできた市成さんは、正義感あふれる建築士として一躍その真価を認められることになりました。

 市成さんは自分の強みを、住宅問題で迷っている人、悩んでいる人、困っている人を助ける「住宅業界のアンパンマン」であると明確に絞り込み、その認知度も高まりました。

 けれども、市成さんにはもう1つ大きな課題が残っていました。競争力です。構造計算書偽造問題以後、市成さんと同様のサービスを掲げる建築士事務所や調査会社も増えました。そんな競争の中で消費者に、市成さんを選んでもらうにはどうしたらよいのでしょうか。

 その時、市成さんが思いついたのはサラリーマン時代のことでした。建築社員である市成さんは、営業社員と二人三脚で動きます。たとえば新築住宅の契約を取るために、建築社員は顧客の希望とか条件を聞いて設計図を引きます。ところが市成さんはいつもその設計図が遅いといわれ、ダメ社員のレッテルを貼られていました。なぜ遅いかといえば、他の建築社員が顧客の話を2~3回聞いたうえで図面を引き始めるのに対して、市成さんは建設予定地へ何度も出向きじっくり土地を観察し、それから設計を開始するのです。このためお客様に設計図を提出するまでに時間がかかったわけです。

 今では独立した建築士事務所ですから、市成さんに時間制限はありません。そこで改めてお客様と何度も会って時間をかけてじっくり話を聴き、対話をしながら「イメージ設計」をすることにしました。そのやり方は、たとえばこんな風になります。

 これから土地購入と新築住宅を建てたいお客様がいた場合、市成さんは最初に「設計図が出来上がるのは半年後です」と伝えます。それから何度もお客様の話を聴き対話する機会をつくります。お客様が生まれてから今日までの人生を振り返り、これからどんな住宅がベストなのか、何が必要なのかを考えていきます。その対話はときにお客様自身の「現在→過去→未来→現在へと心の旅」となり、自分のこれまでの人生にどのような価値があったのか、自分の果たすべき使命・役割とは何か。それを実現するための住まい方とは?等までできるだけ詳しく描き出します。もちろん予算や場所などの条件がありますから、希望することがすべて実現できるとは限りません。ですが、対話を重ねていくうちに、おのずとその優先順位が定まり、市成さんの頭の中にあるイメージとお客様のイメージするものが合致していきます。市成さんはイメージ設計をします。土地探しはそれからでも間に合うというのです。

「もう1つ決めていることがあります。それは価格では勝負しないということ。家は高い買い物ですから、見積金額に100万円、200万円の差が出ることもめずらしくありません。それぞれの設計図書に基づいて積算・見積した金額になっているからです。それを、『他社と比べて高いから負けろ』といわれても一切値引きはしません。私は、設計図書完成までのストーリーからお客様に話をしています。その結果、見積金額が他社より高くても選んで頂きました」とサラリーマン時代を振り返ります。

 消費者が住宅で幸せになってほしいとの思いで、たとえ苦しくても妥協をしない姿勢を貫くがために、2004年50才の決断である欠陥住宅撲滅を目指して以来2008年まで長く苦しい経営難が続きました。「欠陥住宅やリフォーム詐欺から明石市民を守る」活動で忙しい日々を送っていましたが、脱下請宣言の2004年から事務所はずっと赤字続きで終に貯金を食いつぶしてしまい、借入金が増え続けました。

「不思議なことに貯金がゼロになったころから、ようやくクチコミが広がり着実に受注できるようになりました」(市成さん)

 このタイミングを見計らって、市成さんは積極的にインターネットの有料広告を含めたインターネットの活用をスタートしました。

 何年も前の新聞の切り抜きを持って講座や相談会に来られる明石市民やてるりんのブログの愛読者からの受注もめずらしくないそうです。明石市民を対象に講座や相談会を重ねてきた市成さんは、第三者の口コミ伝達者である、インターネットを利用することで、商圏を一気に拡大しました。

「下請けの仕事から手を引いて6年の歳月が経ち、ようやく事業が上向きかけたところで、第3者の口コミ伝達者の役割を担う専門家ポータルサイトをはじめとする積極的なインターネットの活用を始めましたが、これでよかったのだと思います。私は時間をかけて自分の強みを熟成させたのです。最初に強みを見極め、覚悟を持ってそれに十分な時間を使い、強みが出来始めたところで、口コミを拡大する為に有料の専門家ポータルサイトに登録した。もし強みをしっかり見極めないで、それを強化することもしないで、最初から広告だけに頼っていたら、今の成功はなかったような気がします」(市成さん)

 住宅の新築やリフォームは、個人の私的内面に踏み込まざるを得ないビジネスです。永きに渡り草の根の活動を続けてきた市成さんの人柄とポリシーを見込んで依頼を決めたお客様とは、最初からスムーズに心が通いあうことでしょう。

 太陽のような晴れ晴れとした笑顔を輝かせる市成さんのブログの最後の署名はいつも「情熱てるりん」で締めくくっています。そこには、明石という地域に特化したクチコミで足元をしっかり固めた喜びがあふれています。

人脈や伝手で営業しても成果が見込めない分野で成功する秘訣とは

 競合が多く価格競争に陥りがちな業界で、見事にパーソナルブランドを構築した、てるりんこと市成さんの成功した要因は何だったのか、もう一度まとめてみます。

①一級建築士という専門性の中から自分の個性、他者と異なるオンリーワンの強みを追求した。

②「てるりん」という印象に残る、そして覚えてもらいやすく忘れられないニックネームを自ら付けた。

③強みと相反する下請けの仕事から手を引き、手を引いた分で作った時間を強みの強化にあて欠陥住宅撲滅のために「てるりんの住まいる講座」というネーミングでセミナーを開催したり、「てるりんの住まいる相談会」を行った。

 このような覚悟をもった時間の有効的な使い方をすることにより、市成さんは、欠陥住宅のことなら「てるりん」というパーソナルブランドの構築に成功したのです。

 ついつい、忘れてしまいがちですが、すべての人々に平等に与えられているもの。それは「時間」です。とてもシンプルですが、平等に与えられている時間を得意分野に出来る限り割り当てていくことが、すでに自分よりも経験豊富である、または既にパーソナルブランドを確立している人に勝つための非常に効果的な手法となります。

 なぜなら…

1.強みに時間をかけることにより、成功体験を得られやすくなり自信を持つことが可能になる。反対に弱みに時間をかければかけるほど、不得意分野である為に自信を失ってしまう。

2.強みに時間をかけることで、人よりも多く強みを生かしたサービスを考えることが可能になる。

3.同じ強みを持った同業者よりも時間をかけることにより、より知識と経験を持ってお客様に提案をすることが出来る。

 このようなメリットが隠されているからです。

 是非自分の強みを大いに伸ばす時間を確保して下さい。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2012年10月26日 11:03

日本全土が放射性物質の拡散予測地域、、、安全な場所など何処にもない。。。

■規制委:放射性物質拡散を予測…16原発、過酷事故想定

 原子力規制委員会は24日、東京電力福島第1原発事故のような過酷事故が発生した場合、全国の16原発について、放射性物質の拡散予測地図を公表した。事故を前提にした予測地図の公表は初。4原発では国の「原子力災害対策指針」で住民避難などを充実させる30キロ圏を超えて広がっており、自治体の防災計画策定に影響しそうだ。

 福島第1原発を除く16原発で、(1)福島第1原発1〜3号機と同量の放射性物質が放出された場合(2)すべての原子炉で炉心溶融が起きた場合−−の2種類を試算。気象条件は一部原発を除き、昨年1年分のデータを使用。各原発の16方位で、国際原子力機関(IAEA)が定めている避難の判断基準(事故後1週間の内部・外部被ばくの積算線量が計100ミリシーベルト)に達する最も遠い地点を地図に表した。極端な気象条件を排除するため、上位3%のデータは除外した。

 この結果、東電福島第2原発(福島県、計4基)▽同柏崎刈羽原発(新潟県、計7基)▽中部電力浜岡原発(静岡県、計3基)▽関西電力大飯原発(福井県、計4基)−−の4原発で30キロを超えると試算された。1サイトで世界最大級の出力を持つ柏崎刈羽原発は、陸側では東南東方向に40.2キロ離れた魚沼市まで達した。浜岡原発では海上だった。残りの12原発は30キロ圏内だった。

 規制委事務局の原子力規制庁は「架空の前提条件を基にした試算であり、精度や信頼性には限界がある」としている。地図は、地元自治体が来年3月までにまとめる地域防災計画の資料にするため、規制庁と独立行政法人・原子力安全基盤機構が作製した。【中西拓司】

 ◇地形考慮せず試算

 放射性物質が最も多く出た東京電力福島第1原発2号機と同様、約10時間にわたって放出が続いたと設定。風向、風速、降雨量などについて、1年分の気象データ8760パターン(365日×24時間)を地図上に積み重ねた(一部原発を除き、気象データは昨年1年分を使用)。ただし、極端な気象を除外するため、拡散分布地点の遠い上位3%に入るデータは除いた。計算システムの制約上、山間部や河川、湖沼などの地形を考慮しておらず、それに伴う風向などのデータも加味されていない欠点がある。放出源は地表面に設定しているため、実際の飛散状況とは異なるとみられる。試算では、米国の原子力規制委員会(NRC)が使用しているコンピューターシステムを使用した。

 ◇解説…試算の限界、説明必要

 拡散予測地図の作製は、安全神話からの脱却を意味し、事故を前提とした国や自治体がどの範囲まで対策を考えるかを判断する目安になる。しかし、計算上の制約から現実と異なる条件を前提としており、今後、活用の仕方で自治体に混乱を招くことも予想される。

 原発から放出された放射性物質は、地形や降雨の影響を受けながら地表に沈着する。原子力規制委員会は今回、原発周辺の自治体が来年3月までに策定する地域防災計画の参考にしてもらうため、迅速な試算を重視。拡散に影響を与える山岳地などの地形を考慮せず、放出時点での風向や風速で一方向に広がっていくという仮定で計算した。それだけに、事務局の原子力規制庁は「地図の信頼性には限界があり、あくまでも参考」と説明する。

 今回の地図は平均的な気象条件の下での試算であり、実際に事故が起きたときは、うのみにすることなく、その時点の気象データをもとに柔軟な対応を考えなければならない。

 今後、原発周辺自治体は地域防災計画の策定作業を本格化させるが、試算を示された地元の住民に不安が広がるだろう。規制委は試算の限界を丁寧に説明していく必要がある。【西川拓】

[毎日新聞]

Posted by nob : 2012年10月25日 09:42

冒険は、、、

ある日唐突に始まる。。。

Posted by nob : 2012年10月22日 21:21

ひとつの終わりは、、、

またひとつの始まり。。。

Posted by nob : 2012年10月22日 21:18

一億総自営業者社会、、、それがすべて一人会社であることが究極の理想。。。Vol.2

■社長は会社を「大きく」するな!
山本憲明 [税理士]

「右肩上がり成長」が、
今後さらに難しくなる理由

前回の連載では、「管理の手間が増大する」「経費(固定費)が増える」という、大きな会社が抱える構造的な問題点についてお話をしました。さて本日は、少子高齢化のような外部環境的な視点から、「会社を大きくする」ことの難しさをお話ししていきます。

日本の少子化、
60年前と比べると?

 第2次世界大戦後、日本の経済は高度成長期を迎えて、ずっと右肩上がりで成長してきました。しかし、バブルが崩壊したあと、低迷を続けているのは周知の通りです。これから再度の成長に期待したいところですが、それもなかなか難しいのではないでしょうか。

 人口動態の面から考えても、今後経済が順調に成長していくことは厳しいと思います。

 ハリー・S・デント・ジュニア氏の研究によると、「消費支出が多い40代後半の人口が多いときに景気が良くなり、少ないときに景気が悪くなる」そうです。日本の場合、40代後半の人口と株価はこれまでよく連動していたようで、バブル崩壊も予測できたようです。

 日本のバブル景気を支えたのは団塊の世代(1947~1949年生まれ)で、別名、第一次ベビーブーム世代です。この世代の年間出生数は250万人を超え、3年間の合計は約806万人。ちなみに、2011年の出生数は105万人です。

 このセオリーをそのまま使うと、1971年から1974年くらいまでに生まれた人(団塊ジュニア世代)が、40代後半を迎える2016年から2023年くらいは好景気になりますが、そのあと再び景気は悪くなっていきます。

人を増やして大きくしても、
10年後、どうするのか?

 これが当たるかどうかはわかりませんが、現実的に考えて、日本は今後、超高齢化社会になることが見えていて、働き盛りの人が少なくなり、年齢の高い人がどんどん増えていきます。そう考えると、「右肩上がりの経済」になるとは到底考えられません。

 会社のことを考えたとき、これからあと10年程度、人を増やして売上を増やし、会社を大きくしていくことは可能かもしれません。ただ、それができたとしてもその後どうするのか、という問題が残ります。

 また中小企業は、直接の取引先が景気に影響されない会社でも、その「取引先の取引先」が景気に左右されて売上が落ち、結果、影響を受けるということが多々あります。「うちは景気に左右されないから大丈夫」ということは、現実的にはありません。

 2008年ごろのリーマン・ショックのときもそうでした。あまり景気に左右されることのなさそうな会社であっても、立ち行かなくなってしまったことがありました。

 こうした点から考えてみても、「人をどんどん雇って規模を大きくし、売上を増やしていき、利益を出し続けること」がいかに大変なことか、おわかりいただけるかと思います。

 そうであれば、小さな会社で柔軟に対応し、利益を増やしていったほうが賢明ではないかと私は考えています。

テクノロジーと
ソーシャルメディアについて

 別の視点からも見ていきましょう。スマートフォンなどのテクノロジーの発展とFacebookやTwitterといったソーシャルメディアの台頭も、この問題と無関係ではないと思います。

 テクノロジーの発展により、「会社に行かなくても仕事ができる」ということが可能になり、「ノマドワーカー(オフィスに行かず、カフェ等で仕事をする人)」という言葉も、ここ数年で市民権を得ました。

 さらに、ソーシャルメディアの台頭により、会社の業種・業態を越えて、個人同士がすぐつながれるようになりました。集客を行う、または事業を起こすための仲間を集めることが容易にできるようになったのです。

 この結果、才能がある、もしくはやる気のある個人が、規模の小さい事業をどんどん立ち上げていくことも考えられます。

 こうした流れが加速していくと、大きな会社の存続意義がどんどん薄くなってしまうのではないかと思っています。むしろ、大きいゆえのハンデ、家賃や人件費、もろもろの管理などが重くのしかかり、競争に負けてしまうのではないでしょうか。

 また、今後、テクノロジーの発展により、もっと画期的なツールが発明されるかもしれません。そうなったとき、そのツールをビジネスに使いこなせるのは、間違いなく「小さな会社」だと思います。

「社員への高い給料」も
重くのしかかる

 最後に、日本の大きな会社が持っている歴史的な仕組みについてもお話します。

 一般的に大きな会社では、社員の給料が高く、福利厚生も充実しています。高度経済成長期に大きくなった会社は、規模が大きければ大きいほど経済成長の恩恵を受け、利益をたくさん出しました。そして社員をたくさん雇い、社員の給料についても、経済成長に合わせてどんどん高くなっていきました。

 しかし今、日本は未曾有の不景気の真っただ中で、回復の見込みもありません。景気が悪くなったからといって、給料を下げることはなかなかできません。日本の多くの大企業は、売上が下がり続けても、給与水準は昔と大きく変わりません。今のような時代には、「大きな会社ほど経営が厳しくなってくる」、という状況に陥ります。

 私の知人が勤めている会社も、業績が悪くなり、人が余ってしまうような状態になり、営業の正社員の多数を、別会社に転籍させることになりました。会社のために一生懸命がんばってきた人がそうなると、悲劇です。

 そうならないためにも、将来のことをよく考えて、会社を大きくするかどうかの判断をしたほうがいいのではないかと思います。

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■続き

「小さくても儲かる会社」の
マーケティング

前回の連載では、少子高齢化のような外部環境的な視点から、「会社を大きくする」ことの難しさをお話ししました。さて本日は、規模を大きくせず、「小さくても儲かる会社」を作るためのエッセンスの1つ、マーケティングについて、少しお話ししていきます。

大企業と同じ土俵で
勝負しない!

 これまでの連載では、「1人当たりの粗利」「大きな会社の構造的な問題」「少子高齢化」といった切り口から、「会社を大きくし、それを維持することの難しさ」をお伝えしてきました。

 では本日は、「小さくても儲かる会社を、いかにして作るか」に焦点を当てたいと思います。

「小さくても儲かる会社」を作るためには、粗利をどう増やしていくか、ということを常に考えなければいけません。

 業種・業態によって、粗利を増やす方法論はさまざまですが、「小さくても儲かる会社」を作るために大切なのは、「小さなナンバーワンを目指す」ことです。

 なぜなら、大企業と同じ土俵で勝負してしまっては、「価格」「宣伝」といった面で勝ち目がないからです。

商品・サービスに
「差異」を作る!

 では、「小さなナンバーワンを目指す」ためには、どんなことをすればいいのでしょうか。それは、あなたの商品・サービスに「差異」を作るということです。

 商品・サービスがどれだけ優れていても、ほかでも作っているようなものであれば、なかなか売れません。もし価格競争になったら、小さな会社には勝ち目がありません。したがって、「違い」を作る必要があります。

 その「差異」を作るのは、容易ではありません。ですので、小さな会社では、差異を作る際には「分母と分子」に焦点をあてて下さい。

 まずは分母となるものを設定します。分母は、世の中全体ということではなく、例えば「○○市内」とか、「○○業界で」のように、狭い範囲にしましょう。その中での差異を考えるのです。その分母の中で、一番になるものを考えます。

「あなたにしかできないこと」を
商品・サービスに!

 そう考えたとき、例えばどんなものがあるでしょうか。

 具体的には「○○市内で唯一の高齢者向け宅配弁当」や「税理士業界で、小さな会社のサポートをさせたら日本一」といったイメージです。

 欲をいえば、「日本で、あるいは世界で、唯一あなたにしかできないこと」を商品・サービスにできれば完璧です。

 そうすれば、その分母の中であなたの商品が売れることになり、売上も増えていきます。分母の中で商品が売れれば、それを少しずつ水平展開していくことで、ほかの分母にも売ることができます。あなたの扱っている商品・サービスに工夫をつけ加えてみて下さい。必ず売上が増えていきます。

 マーケティングというと、「大きな広告を打つ」「ネットなどのITを活用する」といった派手な宣伝手法に目を奪われがちです。ですが、一番大切なのは商品・サービスそのものです。それを忘れないで下さい。

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■続き

「小さな会社」が大きく儲けた
2つの事例

前回の連載では、規模を大きくせず、「小さくても儲かる会社」を作るためのマーケティングについて、お話ししました。さて本日は、「小さな会社」では実際にどんなことをビジネスとしてやっていけばいいのかを考えたいと思います。その方法論と事例をお話しいたします。

「好きで得意なこと」は
儲けにつながる

 前回の連載では、小さな会社の「マーケティング」について、お話をしました。本日はもう少し突っ込んで、「実際にどんなビジネスをやっていくのがいいのか」を考えてみたいと思います。

 よく「好きなことを仕事にする」のが、いいか悪いかという議論がされます。この問題について個人的には、「できる限り、好きなことや得意なことを仕事に結びつけたほうがよい」と思っています。その理由としては、2つあります。

 まず1つ目の理由は、「好きなことや得意なことには、没頭できる」ということです。今でも競争は激しいですが、今後さらに起業する人も増え、インターネットなど仕事のツールも発達し、ますますその傾向は強まるでしょう。そんな中で戦っていくためには、やはりその仕事に没頭していかなければ勝ち目がありません。

 仕事に没頭するためには、好きだったり、得意で仕事を進めやすかったりするほうが断然有利です。私のまわりでも、「こんな商売、成立するのかな?」と思うような仕事でうまくいっている人がたくさんいます(後ほど、事例をご紹介します)。

 それは、その人がその仕事を大好きで、没頭しているからです。うまくいかないときがあっても、とにかく仕事に没頭して食らいついていけば、必ず勝機があります。

あなたの商品・サービスに
「遊び」をとり入れよう!

 2つ目の理由ですが、「好きなことは、差異を生みやすい」からです。前回の連載(マーケティング)でも触れましたが、差異というのは、ほかの人や会社との違いのことです。これが、売上を増やす大きな要因となります。

 なぜ、好きなことが差異を生みやすいのか。好きなことは「遊び」の範疇に入ることが多いため、その「遊び」を仕事に結びつければ、ほかの人との差が生まれやすいからです

 あなたの大好きなことは何でしょうか。おそらく、仕事と関係ない「遊び」といえるものが多いのではないかと思います。

 例えば、スポーツ。私は野球をずっとやっていますが、好きで好きでたまりません。ただそれは、私にとっては本当の遊びで、仕事に結びつくとは考えていません。

 本当に野球が好きで、草野球に年間500試合出場するなんていう超人がいたとしたら、その人は草野球界では名の知れた人になっているでしょう。例えばその人が、「対戦したい草野球チームをつなげて、手数料としていくらかをもらう」という商売を始めたとしたら、おそらく成立するでしょう。

 これだけでは事業のレベルとしてはダメかもしれませんが、それをブラッシュアップしていけば、多くの売上を得られるようになる可能性は十分にあります。

「好き」をビジネスに育てた
2つの事例

 ではここからは事例です。私の知っている2人の知人の話をしたいと思います。

 1人目は、趣味ではじめた「ヒーリング」をビジネスにした例。もともと興味があり、独学で勉強し、最初は友達や会社の同僚に無料でやっていたそうです。それを続けるうちに、口コミで噂がどんどん広がり、遠方からも問い合わせがくるようになりました。やがて、ビジネスとして成立するレベルにまで成長。今では、噂を聞きつけた経営者などからもオファーが殺到しています。

 2人目は卒業式・演奏会などの録画代行をビジネスにした例。具体的には、学校で行われる卒業式や演奏会を録画・編集し、その映像を父兄に売るサービスです。もともとは、自分の子どもが出る演奏会の録画・編集をやっていて、その動画を見た友人から頼まれたのが、このビジネスのはじまりです。多くの人に「録画・編集=難しいこと」という意識があり、潜在的なニーズがあったのではと思います。

 いずれも「好き」をビジネスにまで育て上げた例です。「何をやっていけばいいかわからない」と思ったときは、一度、自分の「好き」をビジネスに活かせないかを考えてみましょう。

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Posted by nob : 2012年10月22日 07:26

拍手、、、日本の自衛隊は武器を捨て国際救助隊に、、、世界を牽引する真の平和国家に。。。

■陸上自衛隊が誇る4000人の精鋭部隊
50度近い過酷な環境でも「日本品質」の国際貢献
多田 和市

 チームプレーは日本の「お家芸」とよく言われる。一人ひとりの力は小さくても、チームとして各自の役割を決め、知恵を出し合い、励まし合って取り組めば、不可能を可能にすることもできる。それこそ組織の力だ。

 「日経ビジネス」は10月22日号で「奇跡を起こす すごい組織100」と題した特集をまとめ、企業や団体から復興支援やスポーツ、先端科学研究のチームまで、成果を上げているすごい組織を100事例取り上げた。この特集と連動して、「日経ビジネスオンライン」では今日から5回にわたり、一般にはあまり知られていないすごい組織の実像を紹介する。

 1回目の今回は、防衛省陸上自衛隊の中でも精鋭中の精鋭部隊と言われ、過酷な環境下で活動に従事する「中央即応集団(CRF)」に迫った。

 一般にはあまり知られていないが、約15万人の防衛省陸上自衛隊には、国内でのテロやゲリラによる攻撃や大災害などへの対応、国連平和維持活動(PKO)をはじめとする国際活動といった特殊な活動に従事する「すごい組織」がある。「中央即応集団(CRF)」という約4000人の組織だ。

 昨年発生した東京電力福島第1原子力発電所の事故に際しては、CRFに所属する「第1ヘリコプター団」及び「中央特殊武器防護隊」などが関連施設に給水・放水・消火活動を行った。陸上自衛隊の中でもとりわけ海外で活動ができる組織だけに、人気が高く、志の高い精鋭が集まっているという。現在、南スーダンやハイチ、東ティモールなどで国際貢献活動を行っている。

 今年1月中旬から3月下旬にかけて、CRFは国際貢献活動の一環として、アフリカの南スーダンに約210人の部隊(先遣隊、第1次要員)を派遣した。南スーダンは昨年7月、スーダンから分離独立し、国連を中心に各国から「国造り」のための支援を受けている。

 CRFの先遣隊はまず、まさに何もないところにテントを張って、宿営地の整地と道路の修復などに取りかかった。今年6月から南スーダンで本格的な協力活動を展開している第2次要員の施設部隊が生活するための基盤作りが主な任務だった。

「活動7割」作戦を実行

 2月中旬に現地入りした先遣隊の坂間輝男隊長(現・陸上自衛隊富士学校普通科部教育課第1戦術班教官)は、作業が昨年12月に立てたスケジュール通りに進んでいることを確認できた。だが、テントでの生活が隊員の体に予想以上のダメージを与えていることも分かった。

 現地の外気温は46~47度に達し、テントの中も40度を超える。炊事所ができるまでは食事も携行用のパック飯で我慢。約2カ月間は簡易トイレしか使えず、汚物を凝固剤で固めて処分しなければならなかった。

 熱帯夜が延々と続く中、先遣隊の隊員はほぼ全員が腹を下し、多くが点滴を打った。「テントの備え付けエアコンは全く利かず、ウガンダなどから調達したペットボトルの水をひたすら飲んで暑さに耐えるしかなかった」と、先遣隊に加わった隊員は証言する。

 そこで坂間隊長は3月初め、「活動7割」作戦を実行することにした。

 毎週月曜7時半からの朝礼と毎週金曜夕方の終礼で、坂間隊長は「活動を7割程度に抑えるように」と繰り返し指示を出した。

「先遣隊はよく鍛えられていてポテンシャルが高い。7割の力でも十分に計画した作業をこなせる。3割の余力で自分自身の健康状態や建設機械・車輌などの安全点検に気を配るようにさせた」(坂間隊長)のだ。

 3月中旬には、禁酒を解いた。過度のストレスを溜め込まないようにし、事故を未然に防ぐ措置を取った。 ストレスは、海外協力活動では大きなリスクになる。CRFにはメンタルヘルスに関する専門の部隊があり、海外派遣に行く隊員を中心にストレスコントロールなどについて指導している。

戦略的な輸送・補給体制を敷く

 先遣隊が課せられた任務を遂行するうえでポイントになるのは、建設機械などの輸送や水・食料、消耗品、燃料などを手際よく補給する体制だ。何もない海外の拠点で施設作りをするには、必要なモノが必要な時にないと作業がスムーズに進まない。「すごい組織」には、戦略的な輸送・補給体制が不可欠となる。

 宿営地の整地や道路の補修・整備などに使った建設機械は、日本から輸送用飛行機でウガンダのエンテベ空港に運び、その後は重機を含む大型車両などは陸路で3~4日かけて南スーダンの宿営地まで運んだ。軽い車輌などは中型航空機に載せ換えて南スーダンの首都にあるジュバ国際空港に空輸した。

 燃料はジュバ市内で手配したが、冷蔵庫やクーラーボックス、紙皿などの消耗品をウガンダで調達して業者に運んでもらった。先遣隊の補給係を担当したCRF司令部後方補給部の西山義康氏は「必要なモノが必要な時間内に調達できるか、神経を尖らせた」と話す。

 CRF司令部の鶴村和道・後方補給部長は「派遣の前の十分な調査と、補給に関するしっかりとした計画と準備、訓練が重要だ。しかし、現地に行ってモノを買うことは訓練しにくい。だから派遣前の視察では、現地の商習慣をしっかり見ておく必要がある」と話す。

 それでも想定外だったのは、隊員が飲む水の量の多さ。調達する水の量を増やし、ウガンダからの調達頻度を2週間に1度から1週間に1度に切り替えた。「予備調査に行った昨年11月に比べて、派遣された今年1月中旬は想像を超えて暑かった」(西山氏)という。

 炊事所が使えるようになってからは、担当者が料理を作った。野菜や肉などの食材と冷凍冷蔵コンテナは国連から調達した。

 ものすごい暑さだったこともあり、国連からトイレ・シャワーコンテナ(トイレ×3とシャワー×3内蔵)を借り、トイレとして使った。4月中旬には、日本から空輸されたトイレコンテナを使うようになった。

 坂間隊長はこう総括する。

「南スーダンのど真ん中に物資を運ぶのは大変だった。しかし、今回は十分な準備ができた。2010年のハイチ派遣での成功体験が生かされたからだ。建設機械などの輸送は日通が担当したが、自衛隊のニーズに合うように細かく対応してくれた。宿営地を作る場合、段取りがポイントになる。人数が増える前に、送られてきたテントを整然と張る。整地した後にコンテナハウスやシャワーコンテナなどを順番に設置していく」

 宿営地作りと並行して、先遣隊は現地で支援活動に当たる国連南スーダンミッション(UNMISS)と調整して、日本が行うべき国際貢献活動を決めてくる。今回の貢献活動の1つが、ウェイステーション(一時泊まり所)の建設だった。「施設作りなどを中心に、日本の部隊に任せれば安心だと評価されている」と坂間隊長は話す。

陸上自衛隊の中でも精鋭が揃う

 CRFをトップとして引っ張る日高政広・司令官は「うちの組織には、『海外のPKOにぜひ参加したい』という志の高い人間が4000人集まっている。世界から高く評価されており、日本の自衛隊はすごいなと言われている」と話す。

 CRFは、陸上自衛隊の中でもほかにない機能や能力を備える「オンリーワンの組織であり、ナンバーワンを目指している」(CRFの日高政広司令官)。

 陸上自衛隊唯一の落下傘部隊である「第1空挺団」、陸上自衛隊最大の航空科部隊である「第1ヘリコプター団」、主に海外協力活動の先遣隊として派遣される「中央即応連隊」、テロやゲリラによる攻撃に対処する「特殊作戦群」、核・化学・生物兵器に対処できる「中央特殊武器防護隊」、生物剤の同定および治療を行う「対特殊武器衛生隊」、国際平和協力活動に必要な教育訓練や調査研究に当たる「国際活動教育隊」で構成しているからだ。

中央即応集団(CRF:Central Readiness Force)とは?
 2007年3月28日、防衛大綱(2004年12月)に示された防衛力を果たすため、国際平和協力活動などや国内における各種事態(ゲリラや特殊部隊による攻撃など)に即応するために新たに編成された、陸上自衛隊の方面隊と同様に防衛大臣直轄の部隊。場所は朝霞駐屯地内。


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CRFの主な活動
 さらに海外では、国連の要請に応じて、PKOや国際緊急援助活動を行っているほか、ソマリア沖において海賊対処などの国際任務に当たっている。2007年1月防衛庁が防衛省に移行。PKOなどが本来任務になったことが、CRF設立の背景にある。こうした国際平和協力活動などはCRFが各方面隊から派遣された隊員の指揮を執る。現在南スーダンで施設作りに取り組んでいる最大約330人の施設部隊は、各方面隊から派遣された隊員で構成し、CRFの指揮下にある。

 「これを今自分がやらなければ、誰がやるのかという強い使命感がある」と、CRFのある隊員は熱く語る。CRFが「すごい組織」である理由は、国際貢献という大きな任務を背負っているからにほかならない。

[日経ビジネス]

Posted by nob : 2012年10月22日 07:13

そして消費税も推して知るべし、、、徹底的な監視を。。。

■復興予算 不適切な執行は止めよ

 「あきれた」と言うほかない。東日本大震災の復興予算の使い道である。被災者や被災地と懸け離れた各省庁の事業が次々と明らかになってきた。

 問題の事業には次のようなものがある。▽核融合研究所のスーパーコンピューターなど(42億円)▽反捕鯨団体の対策(23億円)▽海外の若者を招待する交流事業(72億円)▽中小企業の設備投資補助(2950億円)▽国立競技場の復旧費(3億円)▽沖縄県の国道整備(6千万円)

 被災地とどんな関係があるのか。例えば、刑務所の職業訓練費に流用した法務省の言い訳は「受刑者が小型重機の技能を取得すれば被災地の役に立つから」。苦しいこじつけである。

 各省庁の流用は、政府の対策本部が昨年7月に決めた「復興基本方針」をよりどころとする。実施施策の項目に、被災地の事業のほか「密接に関連する地域」「大震災を教訓として全国的に緊急に実施する必要性が高い施策」とあるからだ。あらかじめ何にでも使えるように付け加えた項目では、と勘繰りたくなる。

 復興予算は5年間で約19兆円、10年間で23兆円程度を見込む。すでに計18兆円を計上した。財源は13年1月から25年間の所得税増税と、14年6月から10年間の住民税増税で賄われる。国民は「復興のためなら」と納得した。流用はその気持ちを踏みにじるものだ。

 そもそも全国の防災対策も含め被災地と関係の薄い事業は、別の会計に計上すべきである。一般会計で予算の獲得が厳しい事業を、「上限なし」の復興予算に潜り込ませたとしか思えない。

 復興は遅れている。予算不足も起きている。被災した中小企業の再建を支援する「グループ補助金」は、申請が予算枠を大幅に上回った。補助を受けられず、再建のめどが立たない商店や事業所が少なくない。「復興の予算はどれだけ残っているのか」と被災地から不安が出るのは当然だ。

 野田佳彦首相はきのう「真に必要な事業に絞り込む」と来年度の見直しを表明した。それでは遅い。本年度予算も未執行分はただちに止めるべきである。

 国会はあすの参院決算委員会でこの問題を審議する。11日に予定した衆院の小委員会は民主党の欠席で流会になっていた。

 予算チェックは国会の重要な仕事である。ほかに流用はないか隅々まで点検し、責任の所在を明らかにすること、襟を正すことが必要だ。国民の不信は強い。

[信濃毎日新聞]

Posted by nob : 2012年10月17日 14:28

まさに二次災害と労働搾取、、、瓦礫処理という全国放射能汚染計画進行中。。。

■焼却灰、袋詰めせず

 柏崎市が岩手県大槌町の震災がれきを本格的に受け入れた際、焼却灰を袋詰めせずに処分場に埋め立てる方針であることがわかった。試験焼却の灰は袋に詰めてから埋めるが、本格受け入れ後は「試験焼却で安全性が証明された」としてそのまま土中に埋める。

 市は16日、試験焼却したがれきなどの焼却灰を雨や風、日光にさらされても耐えられる樹脂製の袋に詰め、同市東長鳥にある処分場に運び込んだ。

 この日はセメントと混ぜ合わせて固めた飛灰が12袋で計11・9トン、燃え残ったゴミが4袋で計2・38トン。深さ約4メートルの土の上に置かれ、遮水シートと土をかぶせた。その上で線量を測り、異常はなかった。

 市は今後、処分場にたまった水を浄化して河川に流す際に放射性物質が含まれていないかや、周辺の地下水を検査する。異常がなければ、本格的にがれきを受け入れ、焼却灰の放射性セシウムが1キロあたり100ベクレル以下であれば、そのまま埋め立てる予定だ。

 16日の作業を見学した処分場近くの峠集落の町内会長、室賀則顕さん(63)は「これから何十年、何百年と焼却灰はここに置かれる。むき出しで処分され、放射性物質がたまって流れ出さないのだろうか。市には今後も徹底して地下水の検査をしてほしい」と注文をつけた。

 同じく震災がれきの試験焼却を終えた三条市は焼却灰を固めて袋に詰めて保管しているが、どう埋め立てるかは未定だという。(富田洸平)

[朝日新聞]

Posted by nob : 2012年10月17日 14:02

結局は効率の問題、、、見かけ上のスタイルではない。。。

■フリーランスがノマドなんて、大間違いだ!

自称ノマドなのに経営者を務める大石哲之さんの
“ハイパーボヘミアン”という生き方

オフィスではなくカフェなどの場所でWi-Fiやクラウドを駆使しながら働くスタイル「ノマド」が注目を集めている。しかし一方で、ノマド批判が一部でブームとなっているのも事実だ。ネット上では有名無名問わず、多くの人がこの話題を論じ、過激な批判も目立つ。

なぜ、ノマドはこんなにも話題になるのか。それはノマドという言葉が、単なる仕事術やスタイルを越え、なぜ人は働くか、人はどう働くべきなのかといった根源的な問題を突きつけているからなのではないだろうか。

そこで当連載『ノマドってどうよ? ~賛否両論から「働く」を考える~』では、ノマドの話題を軸にしながらも、「理想の働き方は?」と言った根源的な問題を考えていきたい。

今回は、ソーシャルメディアなどでノマドに関して様々な発言を行なうコンサルタント・作家の大石哲之さんに登場いただいた。(インタビュー日:2012年10月上旬)

■大石哲之さん
1977年生まれ、東京出身。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、外資系経営コンサル会社アクセンチュアに就職。その後、株式会社ジョブウェブを起業し、取締役副社長に就任。同社退社後は、株式会社ティンバーラインパートナーズを設立(現職)。『3分でわかるロジカル・シンキングの基本』など著書も多い。「tyk projects」というノマドをキーワードにした有料サロンも展開中 (ご本人のウェブサイトより)
公式サイト:http://tyk97.blogspot.jp/
Twitter:@tyk97
Facebook=https://www.facebook.com/tyk97

【ノマドへの見解/筆者の印象】
[ノマド肯定派]
前回ご登場いただいたアシシさんは、定住の地を持たないという意味で“ガチノマド”を自称していたが、大石さんはノマドの一派であるがフリーランスではない“ハイパーボヘミアン”を自称している。「やれやれ、また新しい分類か」と思うなかれ。ノマドについて書いているうちに筆者も気づいたが、現状のノマドという言葉の定義は広すぎる気もする。ノマドのさらに細かい区分と、“ハイパーボヘミアン”については大石さん流の解釈をブログに掲載しているので、時間と頭脳に余裕のある方はこちらも読んでみてほしい。
http://tyk97.blogspot.jp/2012/08/blog-post_5261.html

みんな、間違ってるぜ!
ノマド=フリーランスじゃない!

――これまでの当連載を読んでいただいたとのことですが、感想はいかがですか?

 みんな、テーマがテーマなだけに、言いたいこと言ってて面白いですね。まあ、僕も言いたいことを言わせてもらいますが(笑)。

――大石さんはノマドを自称されていますが、フリーランスではないですよね。世間の認知としては、フリーランスとノマドは一緒に扱われることも多いですが……。

 一般的に、ノマドというのは外でリモート(※1)で働いて、これは代表的な例で言えば、カフェで作業するフリーランスみたいなイメージだと思いますが、その意味では僕はフリーランスではないです。

 自由に働きたいというモチベーションで働いていますが、だからこそ僕はフリーランスではないです。僕が思うに、フリーランスは自由ではない。僕は今、会社を経営していて、むしろフリーランスの方々をまとめているようなイメージですね。

 ただし、僕は作家としても活動していますが、これは出版社などから受注するという形をとるので、この仕事に関してはフリーランスと言えるでしょうね。

 だから、フリーと経営者が半々くらいといったところですね。

(※1)ネットワークには繋がっているが、物理的には離れた場所に設置されたパソコンなどを指す。ここでは、会社の外に置かれているPC上で、場所を自由に移動しながらネットワークを活用して労働しているイメージ。

フリーではないノマドとは?
実は組織で働く方が効率的

――なるほど。世間でノマドと言えば“カフェで働くフリーランス”くらいの認識だと思うので、フリーではないノマドの方の話を聞いてみたいです。というわけで、大石さんの経営者としての側面にスポットを当てたいのですが、経営されているティンバーラインパートナーズという会社は、どういった会社ですか?

 いくつか事業はあるんですが、コンサルを行なっているのと、就職・転職サイトを運営しており、人材紹介やヘッドハンティングなどをやっています。

――会社のスタッフは何人いるんですか?

 3人です。僕も含めると4人ですね。基本給は支払っていますが、成果給ですね。

――今までのノマドはフリーランスという立場の人が多かったのですが、組織で仕事をする意味は、何かあるんですか?

 クライアントは共通だったり、人材のソースは共通だったりするから、組織で行なう方が効率的なんですよね。

――海外にいらっしゃることも多いようですね?

 会社の仕事とはあまり関係ないのですが、執筆業のほうで海外ネタを書くことなどが多いので、取材を兼ねて海外に出向いています。

――現在のような働き方によって、労働時間や報酬はサラリーマン時代と比べて変わりましたか?

 うーん、あまり具体的なことは諸問題で言えないですが、労働時間はかなり短くなりました。報酬は、僕は会社員時代がかなり昔のことなので何とも言えませんが、その頃よりは増えていますね。まあ、会社員時代よりは不安定で、たとえばリーマンショックの頃は所得がなかったりしましたが(笑)。

 自分では自身のことを“スモールビジネス事業家”と呼んでいるんです。「スモールビジネスでノマドをしましょう」というのが、僕が言いたいことです。

ノマドの観点からすると
フリーランスは最悪な働き方!!

――では、ノマドに適した業種や働き方はあるんですか?

 ノマドを時間や場所に囚われない自由な働き方と定義すると、フリーランスはノマドに向かないと思いますね。自分で働かなくてはいけないし、請負ですし、対面の作業が必要ですし。

 フリーランスとして朝から晩まで働く人もいますが、僕から言わせれば、フリーランスをやっている限り、ラットレースからは抜け出せないですね。やっぱり、自分で事業とか仕組みをつくらない限りは、働き詰めの生活からは抜け出せないですね。

――フリーランスである以上は、マネジメントによって所得を得られないので、必ず実労働が必要になってくるということですね。世間では、社畜とフリーランスが対立軸として扱われることが多いですが(煽ってるのは僕みたいな人間なのですが)、どちらもラットレースであると……。

 ですね。あと、僕の周囲には起業家が多いので、働き詰めですが、いつかはIPO(新規上場)で何十億もの巨額の富を得たいというタイプの人も多いです。

 でも、僕はそれもしんどいので、うまく事業の仕組みをつくりつつ、スモールビジネスの経営者として、そこそこの収入を得るぐらいのスタンスのほうが楽だな、と思いました。僕の周囲にも同じ考えの人はいますが、目立たないのであまり語られないんですよ。

小さな会社だからこそ
ノマド的な働き方ができる

――単純に、「もっと稼ぎたい」「巨額の富を得たい」という野望はないんですか?

 葛藤はありますよ。あわよくば上場させたいとか。ただ、従業員3人の現在の会社を100人の会社にしたとして、どちらも同じビジネスモデルで成立させるのは難しいですね。あくまで小さな会社だからこそ、できるビジネスモデルもあると思います。

 まあ、新しい事業をつくってIPOをやるなど、成功を目指したいですが、今のところ僕はやってないということです。いつかやるかもしれませんが。

――もっとできる能力があるかもしれないのに、ある程度のところで止めてしまうことには、何か意味があるんですか?

 まず、税金が高いですよね。一生懸命働いても税金でとられたらあんまり意味でないですから……。たとえば、50人とか100人ぐらいの規模の会社にしたとして、それで所得は今の1.5倍止まりという場合も、周囲の会社を見ていると多いんですよ。

 1.5倍も税金を取られたら、あんまり変わらなくなっちゃうというか。当然、従業員の数だけ責任や管理コストは増えるけど、所得はあまり上がらなくなっちゃう。そんなことが起こり得る。できるだけ僕も従業員も自由に働けて、だけどある程度の報酬がもらえるという仕組みを考えています。

 ……まあ、こんなこと言ってますけど、たとえば新しい事業を考えて起業して、3年くらいでIPOして100億稼げたら、その後どんな働き方をするか関係ないですよね。それがベストだと思うんですよ。能力があればね。

 そういう意味で、所詮は僕たちは超勝ち組コースを渡れなかった凡人なので、ノマドだとかノマドじゃないとか、そういう小さな議論ではなくて、貧乏人の庶民なりに仲良く生きていこうよ、とそういう話ですね。

ノマドだろうが社畜だろうが
ヒエラルキーの話はチンケだ

――ノマドも社畜もチンケであると(笑)。

 そうですね。ノマドが良いとか社員が良いとか、ヒエラルキーの話をしているけど、頂点に君臨する人からしたらどちらもチンケだってことなんですよ。僕がやってることなんて、本当にチンケです。偉くもなんともないです。そこを自覚するのは大事ですね。

――少し質問が変わりますが、大石さんはノマド的な働き方をする人がもっと増えるべきだと思いますか?

 うーん、僕自身は働き方なんてどうでも良いと思っています。

――なるほど。たとえば、元同僚が大石さんと同じようなノマドになりたいと言ったら、賛成しますか?

 業種によって違いますが、元同僚だったら「やればいいんじゃない」と言いますね。どういう生活をするかは、人それぞれですからね。大きな企業をつくって大儲けしたいという人もいますし、知名度や名声が欲しいという人もいますし、phaさん(※2)のように、お金もいらないからできるだけ楽をする生活を目指すという人もいます。

(※2)pha(読み:ふぁ)。 1978年生まれのブロガー。今年8月に『ニートの歩き方』という本を出版し、一部で話題となる。自身をニートと位置づけ、決まった定職を持たないが生活はできているという、まさにノマドな人。phaさん、当コーナーへの出演、お待ちしております。

――今世間で、ノマドと呼ばれているような人についてどう思いますか? たとえば、イケダハヤトさんとか。

 うーん。いいんじゃないですかね。ブログとかのアフィリエイトで食っていこうとしているわけでしょ。本で言えば印税で食っているようなもので、それは素晴しいことだと思います。ただ、彼が言ってることはよくわからないところもあるけど。

――安藤美冬さんはいかがでしょう?

 あの人はセミナーとかで食っていますよね。ノマドをどう定義するかによりますが、ノマドが自由な働き方だとすれば、あの人は今学校もやっているらしいし、タレントのような仕事もされて、すごく忙しいと思うので、自由で楽な生活ではないような気はしますね。まあ、組織にしばられないという意味ではノマドなのかもしれませんが。

―― 一方で、そういう人々が一部で支持されている背景には、今までのサラリーマン的な価値観へのアンチが特に若い人の間で盛り上がっているのかな、とも思うんですが。

 そうだね。僕はコンサルなので、生産性を上げるとか物理的な話をしていますが、イケダさんとかはもっと精神的な話が多いですけどね。「嫌いなことはやりたくない」って彼は言うんだけど、それはその通りだなって思う。

シェアハウス、シェアオフィスは
ノマド的ではない!

――ノマドの方々が主張していることについて、僕がよくわからないのは、シェアハウスについてです。確かに、住居をシェアするとコストは減ると思います。ただ、シェアハウスを利用するということは、そのハウスのなかのルールに従わなくてはいけないということだと思うので、生活の自由度はむしろ下がってくると思うんですよね。あれだけ自由を尊重したいノマドなのに、矛盾してないかと思うんですが……。

 確かに、シェアハウスがなんでノマドなのかよくわからないよね。僕の基準では、自由度が上がれば上がるほどノマド力が上がっていくと思うので、そういう意味では不便だよね。

 まあ、一緒に居た方が楽しいとか、寂しくないとか、それなりにメリットがあるのはわかるんですけど、でも自由度が増すかと言われればそうじゃない。

――むしろ不自由ですね。

 今、ノマドの人々は商品を何でもシェアしてコストを浮かすのは良いんだけど、それを持ってして「消費時代の終焉だ」なんて大上段なことを言うから、批判が出てくるんだよね(笑)。

 それに企業だって、シェアード・サービスと言って、もうずっと前からシェアの発想はあるんですよ。たとえば100個の会社があって、経理部門とか人事部門が100個あってもしょうがないじゃないですか。

 だから、そういうのは1ヵ所に集約させて、そこで集中処理して、しかもそれを中国とかインドとか、そういう場所に持っていけばどんどんコストが下がるんですよね。こういう手法は、経営においてごくごく当たり前に行われているんですよ。

 だから、シェアで消費時代が終わるなんて言っているけど、単なるコスト削減でしかなくて、別に新しくはないですね。フリーランスより企業のほうが先を行っている。

 シェアハウスだとかシェアオフィスとかで働いて、ノマドだって言ってるけど、もしそこで朝から晩まで働いてたら、ぜんぜん自由じゃないですよね。表層的なところでは自由に見えるかも知れないけど、本質を見ていない気がする。

大石さん、ご立腹!
「この連載は何がやりたいの?」

 だいたいこのノマドの議論は、何がゴールなんですかね? あなたはこの連載で何がやりたいの?

――ダイヤモンド・オンラインを見ている層は、圧倒的にサラリーマンが多いと思うんですよ。で、サラリーマンじゃない働き方をしている人が出てきているけど、その実態はどうなんだ、という話です。

 それはフリーランスでしょう。

――そうなんですけど、ノマドと呼ばれている働き方は、これまでのフリーランスとはどうやら少し違う価値観なんじゃないかと思うわけですよ。

 いや、一緒でしょう。そこは一刀両断したいよ。一緒だよ。

――うーん(答えに窮する)……。たとえば、クラウドというテクノロジーがありますよね。これは過去にはなかったものです。紙の資料を持たなくても良くなったので、働く場所が自由になったわけですね。

 それは場所の自由の話だよね。組織に縛られないフリーランスとは、別のベクトルの話でしょう。ペーパーレスなんて、大企業のほうがよっぽどやってるよ。

 僕は就業形態の話と時間や場所の自由というのは、別の概念だと思うんですよ。そこを一緒にしないでほしい。別の議論だよ。

時間と場所を自由に使える
フリーランスはノマドなのか?

――時間と場所の自由がノマドだと僕は認識していますが、そのなかで時間と場所を自由に使っているのがフリーランスという形態の人が多いので、それが目立っているから、「ノマド=フリーランス」になってしまっています。大石さんみたいに、フリーランスじゃないノマドも居ますよね。

 だから、フリーだろうが社員だろうが、いろんな形態でノマド化はできると思いますよ。それに企業だって、ノマド化しているんですよ。大企業だってノマド化しているよね。コストの安い外国の労働者を使って、作業効率を上げたりしている。これはまさにバーチャル化であり、ノマド化ですよね。

 企業のほうが、フリーランスよりはるかに進んでいます。ノマドの手法というのは、フリーランスがやっているような手法ではなくて、もっとビジネスの手法として、企業が昔から行なっていることなんですよ。ブームになってノマドが軽いもんだと思われると、残念ですね。

 逆に、そういう技術の革新で、フリーランスでもそういう時間や費用の削減が楽に行なえるようになったといったテクニカルな側面こそ、ノマドブームで本質的に語るべきところですね。

――テクニカルな変化によって、個人の働き方がどう変わるか、というところは取り上げていきたいですね。

 それはあると思います。世界規模での働き方の再編はすでに始まっていて、それが個人で実感できるレベルになってきているということじゃないですかね。個人が一番変化が遅いですから。

 僕に言わせれば、フリーランスなんて全然効率的じゃないし、単価が下がるだけだから。生産性を上げなければ、わざわざノマドになる必要なんてないですからね。

――そうですね。流行のキーワードに踊らされるのではなく、生産性や単価を上げ、実利を追究するスタイルとしてのノマドを、この連載では考えたいと思います。今回はありがとうございました。

■今日のまとめ

 当連載を執筆している関係で、ノマドを人に説明する機会が増えたが、「ノマドって、フリーランスを言い換えただけでしょ」という考え方が目立つ。僕自身も何だが流されて、ノマドの話なのかフリーランスの話なのかがごっちゃになったまま、議論が進行することが多い。

「職業はノマド」なんて主張が出てきたから、ややこしくなってしまったけど、本来はノマドとフリーランスは別の概念だ。ノマドというのは、技術革新によって、働く場所を自由にし効率化することで労働時間を押さえて、自由を増やしましょうということだ。会社を辞めて独立するとか、そういう話ではない。

 大石さんは、「フリーランスになることはお勧めしないが、ノマド化するのは素晴しい」というスタンスの人だったので、今回はノマドとフリーランスの違いを意識できて良かったと思う。今後は、「ノマドはフリーランスではない」という考えを徹底させたいと思った。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2012年10月17日 13:46

一億総自営業者社会、、、それがすべて一人会社であることが究極の理想。。。

■社長は会社を「大きく」するな!

山本憲明 [税理士]

会社は「規模」ではなく、
「稼ぐ力」で見ろ!

日本には昔から「会社は大きくするもの」「目指せ!右肩上がり経営」という考え方があります。しかし、この100年に一度といわれる不況の中、安易な「拡大・成長戦略」では、会社は疲弊し、経営者はもちろん、働く社員も幸福感を得られません。そもそも、「大きな会社=儲かる会社=いい会社」なのでしょうか?税理士の視点から、この問題を解説していきます。

会社の稼ぐ力は、
「1人当たりの粗利」で見る!

 起業志望者や、起業したての経営者から見て、「うらやましい」と思う存在があります。それは、「大きな会社」です。

 私も何年か前までは、大きな会社を見るにつけ、「いいなぁ。うらやましい」と思っていました。しかし今、そんな気持ちはなくなりました。

 その理由は、「大きくて、勢いのある会社であっても、実はそれほど儲かっていないことが多い」からです。もちろん大きな会社でも、「稼ぐ力」を持っており、本当に儲かっている会社もあります。しかし、そんな会社は多くありません。

 では、「会社の稼ぐ力」とは、どのように判断すればいいのでしょうか?
本当に儲かっているかどうかを見分けるために、私はある指標を使っています。

 それは、「(従業員)1人当たりの粗利」です。

 粗利という言葉は、みなさん聞いたことがあるかと思います。「売上」から、「原価」(売上を上げるために必ずかかる費用)を引いたものですね。※粗利のことを、会計用語では「売上総利益」といいます。

 例えば、コンビニエンスストアなどの小売業であれば、「売上高-仕入れ金額」が粗利になります。

会社で稼いだお金(粗利)を、
いったい何人で生み出しているか

粗利を従業員の数で割ったもの、それが「1人当たりの粗利」です。

つまりこの数値は、「会社で稼いだお金(粗利)を、いったい何人で生み出しているか」を表すものであり、会社の本当の力を探るバロメーターなのです。

「1人当たりの粗利」は、株式を公開している上場企業であれば、私たちでも計算することができます。その方法をお伝えします。

 まずは、「○○(会社名) 有価証券報告書」とグーグルやヤフーなどの検索エンジンで調べてみて下さい。

 有価証券報告書を開くことができたら、「従業数の状況」という表を探して下さい。そこに従業員数が載っています。従業員数の算定については、実質的な労働力を考慮して、「従業員数+平均臨時雇用者数×0.5」で算出します。

 売上総利益(粗利)については、「連結財務諸表等」の中に載っていますので、数字を抜き出してみて下さい。

 売上総利益を、従業員数で割ると出てくるのが、「1人当たりの粗利」です。

もはや「大企業=儲かる会社」では
なくなってしまった

 1人当たりの粗利は、もちろん企業によってさまざまです。諸説ありますが、1つの目安として、かつては非上場企業の平均で1000万円、上場企業の平均で1500万円といわれていました。

 上場の有無にかかわらず、5000万円近い数字を上げている会社もありますが、多くは1000万円前後に落ち着きます。その一方で、1000万円を大きく下まわっている会社もあります。

「そんなこといっても、大企業は儲けているんじゃないの?」
こうした疑問をお持ちになられる方も多いかと思います。しかし、誰もが知っている大企業でも、今、厳しい状況に追い込まれているのです。

 次の数字は、日本を代表する電機メーカーの2011年度の有価証券報告書から算出した1人当たりの粗利です。

○パナソニック 1981701(百万円)÷330767(人)=5.991=約599万円
○シャープ 412008(百万円)÷56756(人)=7.259=約726万円
○NEC 907916(百万円)÷109102(人)=8.321=約832万円

 いかがでしょうか。日本を代表する企業であっても、「1人当たりの粗利」という観点からみると、決して「儲かっている」わけではないのです。

なぜ「1人当たりの粗利」が
大切なのか?

「1人当たりの粗利」は、社員の給与や、各種経費の源です。少ない場合は、当然給与も少なくなります。

 1人当たりの粗利が1000万円だとすると、そこから「給与と経費と利益」を出さなければなりません。そうすると、給与の限界も決まってきます。

 いわゆる大企業は、高度経済成長時の恩恵を受け、大きな利益を得ました。この「貯金」のおかげで、給与水準等も含めて、大企業は何とか存続しています。ただ、それにも陰りが見えてきました。

 現在、シャープは5000人の人員削減を計画中で、パナソニックも2011年度、約3万6000人の人員削減を行いました。大企業で行われているこうしたリストラは、企業としての体力の無さを如実に表しています。

 電機業界のみならず、巨大企業で潰れるわけがないと思われていたJALも、経営破たんしました。

 では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

次回以降の連載では、「大きな会社」が抱える弱点、また、「小さくても儲かる会社」をいかにして作っていくか、という話をしていきたいと思います。

[DIAMOND online]


■続き

大きな会社は「儲からない」。
その理由は?

前回の連載では、「1人当たりの粗利という観点から見ると、大きな会社は決して儲かっているわけではなく、厳しい状況にある」というお話をしました。では、なぜそんなことが起こるのでしょうか。「大きな会社」ならではの、構造的な問題点について、税理士の視点から解説していきます。

「管理の手間」で、
粗利は減ってしまう!

 なぜ、大きな会社では1人当たりの粗利が少なくなるのでしょうか。その最大の原因は、「大きな会社では、内向きの力が必要になる」からです。

 社員が多いと、管理の手間が増大します。社長1人の会社と、社員が20人いる会社を比べてみましょう。

 一般的には、社員が20人でも「かなり小さな会社」といわれますが、1人の場合と比べると、管理のためにやるべきことが圧倒的に増えます。具体的には、

・給与計算、給与の支払い(振込手続きなど)
・社会保険、雇用保険などの加入手続き、年度更新などの手続き
・年末調整、税金(源泉税)の支払い、管理
・勤怠の管理(有給休暇の管理等も含む)
・社員との面談、給与、昇格の評価など
・事務所選び、引っ越し、レイアウト変更等(社員が増えるたびに)
・面接、入社時の手続き、退職時の手続き
・個人情報の管理、社員からの情報漏えいの管理

 といったことをしなければいけません。

総務・経理を雇うほど、
「1人当たりの粗利」は減る!

 これだけの事務をこなすためには、最低でも1人は、各種処理や手続きなどを専門にこなす「総務・経理」といった人材が必要になります。

 ここで再度確認ですが、1人当たりの粗利というのは、売上から原価を引いた粗利を、社員数で割ったものです。

 このような総務・経理といった間接部門の社員が増えると、その方は売上に直接関係してきませんので、1人当たりの粗利は減ってしまいます。

「会社は俺が売上を上げて支えている。お前は何もしていない」

 私が大企業の経理部門で働いていたときのことです。よく営業の先輩のEさん(いい人ですが口の悪い人でした)に冗談で言われたものです。冗談だとすぐわかる言葉でしたので、傷ついたりすることはなかったのですが、もし本気でそのようなことを言われたら、普通は傷ついてしまうでしょう。

 このように、大きな会社では管理の手間が増大し、その結果として1人当たりの粗利が減ってしまうことを忘れてはなりません。

会社を大きくすると、
「経費」がどんどん増えていく!

 会社を1人で経営しているときは、経費はほとんどかかりません。通信費、交通費が主な経費で、それ以外は心がけ次第でいくらでも減らせます。そのため、売上があまりなくても、お金はそれほど減りません。

 しかし、規模の拡大を狙って、いったん人を増やしてしまうと、経費がどんどん増えていきます。

 まず人を雇った瞬間、事務所が必要になります。自分1人でやっているときは、大した問題はないのですが、人を雇えば、そうも言っていられません。その人の働く場所を確保する必要があるからです。

 事務所を借りるときには、多額の保証金や敷金が必要になります。私は、普通のアパートを借りて、郊外に事務所を構えています。ですから礼金1カ月、敷金2カ月程度で収まったのですが、普通に事務所として借りようと思えば、そうもいきません。

 そもそも、事務所を探して契約しようとすると、「わりと広めで家賃が高い物件」を選ばざるを得ない形になります。さらに保証金として、家賃の10カ月分が必要、などという物件も珍しくありません。

 このように、「事務所を借りる」だけで、いろいろと出費がかさんでしまうため、資金があまりない状態では、借入をしなければなりません。

一度会社を大きくすると、
もう止められない!

 借入をするとなると、金利負担がかかってきます。その金利を払うため、さらに売上を増やす必要があります。

 売上を増やすためには人員が必要で、その人員が増えると、また事務所を拡張・移転しなければなりません。そうするとまた保証金がかかって、というように、とにかく経費がスパイラル状に増えていくわけです。もちろん、人件費も増えていきます。

 給料はもちろん、社員の社会保険料の半分を、雇い主が負担しなければなりません。実はこれが非常に大きな金額になり、大変です。

 一度規模を拡大してしまうと、経費がどんどん増え、それをダウンサイジングしていくのは本当に大変です。ある程度の規模で維持していくか、無限に拡大していくか、この2つの選択を迫られることになります。

 このように、「会社を大きくする」ことで、経費がどんどん増えていくわけです。経費が増えても、売上がそれ以上に上がらなければ、赤字になり、経営も苦しくなります。

「固定費」が、
会社を倒産させる

 人件費や家賃といった経費は、「固定費」と呼ばれるもので、毎月固定的にかかってくる経費です。

 したがって、何かのはずみで売上が下がってしまったとき、固定費をまかなえなくなり、その果てには倒産、といったケースを何社も見てきました。

 会社を大きくしていくのはメリットしかないと思いがちですが、こういった側面があることを忘れてはいけません。

「管理の手間が増大する」「経費(固定費)が増える」。大きな会社ほど、1人当たりの粗利が減ってしまうのは、こうした問題を抱えているからです。

 無論、大きな会社であっても、「会社が儲かる→人を雇う→事業拡大→さらに儲かる」というループにのれれば、それにこしたことはありません。

 ただ、今後、少子高齢化になり、労働者人口と消費者人口と減り続ける日本にあって、「会社を大きくし続ける」のは非常に難しいのではないかと思っております。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2012年10月17日 09:00

動機や思惑がどうあれども、、、止まるのであれば良し。。。

■小沢一郎立つ 脱原発 野田潰しの大仕掛け

ドイツ視察の隠れた狙い

 10年後の「原発ゼロ」を政策に掲げた「国民の生活が第一」の小沢一郎代表が今月16日からドイツへ視察に行く。言うまでもないが、ドイツは2022年までの原発全廃を決めた国だ。一方、日本はというと、「2030年代に原発ゼロ方針」も口先だけのペテンだった。原発を動かさなければ経済が成り立たないのであれば、なぜ、ドイツは脱原発ができるのか。小沢の視察は、役所や米国、大企業の言いなりで、ウソばかりついているペテン首相に対する強烈な宣戦布告になりそうだ。

 小沢らのドイツ視察は16~20日の5日間。小沢のほかに文科副大臣を務めた森ゆうこ参院幹事長、党の原発ゼロチーム座長の松崎哲久副幹事長らが同行する。

 アルトマイヤー環境大臣との会談や、再生可能エネルギーによる電力自給率147%を誇る村への訪問、原発立地自治体の町長に会って、原発全廃後の雇用問題についても話を聞く予定で、その辺の大臣の物見遊山の外遊とはずいぶん、違う。この辺に小沢の本気度が見えるのだが、その裏にはしたたかな戦略、仕掛けが見え隠れする。

「ドイツは02年に、2022年の原発全廃をいったん決めました。ところが、メルケル首相になってから経済界が圧力をかけ、全廃は2032年まで延期された。しかし、福島原発事故後、再度2022年に方針を戻したのです。ドイツでは14年前から電力は自由化され、発送電分離も進んでいる。核のゴミを最終処理できない原発の本質的問題を直視した結果、原発との決別を決断したのです」(ドイツ事情に詳しいジャーナリスト)

 小沢が行くことで、こうしたドイツの取り組みが日本にも紹介され、広まれば、当然、日本はなぜやらないのか、野田は何をやっているんだ、という話になる。

 小沢は「原発は過渡的エネルギー」と位置づけ、「国が前面に立って、一日でも早く福島原発事故を封じ込めなければならない」と主張している。「生活」は2022年の「原発ゼロ」を基本政策の第1番に掲げ、「『消費増税反対』や『地域主権』よりも『原発ゼロ』に優先順位を付けている。これを指示したのはもちろん、小沢代表です」(生活関係者)という。

 野田政権は、選挙向けに「2030年代の原発ゼロ」方針を掲げたものの、財界や米国の圧力で閣議決定できなかったのは周知の通り。核燃料サイクルも見直さず、原発政策の矛盾といい加減さが浮き彫りになっている。

 このタイミングで小沢がドイツに行けば、両者の違いがますます際立つ。小沢は自身の政策をアピールできるし、野田のペテン師ぶりも浮き彫りにできる。

 小沢にしてみれば、一石二鳥というか、王手飛車取りみたいな手だ。

「小沢さんにとって『脱原発』は信念であると同時に、次の選挙で必ず争点になるというカンが働いているのでしょう。国民の意識の高まりを誰よりも分かっているのだと思います。ドイツは『原発ゼロ』を政治主導で決めた。政治がどう動き、どんな法律を作って、決断したのか。それを『生活』の政策に生かすことになると思います」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

「生活」はドイツ訪問の直後に第2次公認発表、結党パーティーと話題が続く。最近、パッとしなかった小沢だが、ようやく大仕掛けが見えてきた。

[日刊ゲンダイ]

Posted by nob : 2012年10月11日 13:34

いつも夢の途中。。。

「夢の途中」そう気付いたら

なんだかちょっと楽になって


答えなど無くていいんだよ


どうしてなんだ?みんな抱えてる怖さや不安を隠したりして


「強くない」ってそう言い切ったら

暗く濁った闇に灯り灯る


連綿とゆく時間の中で

僕は確かにここで呼吸(いき)をする

柔らかい陽の光を浴びれば

また目を覚まして

また歩き出せる


僕は「今」を信じて歩こう

たとえそこに祈り叶わずとも


[ハジマリノウタ〜遠い空澄んで〜 /いきものがかり]

Posted by nob : 2012年10月10日 15:36

古くて不便で手間暇かかるものが、、、

心を癒し豊かにしてくれる。。。

Posted by nob : 2012年10月09日 05:00

節約発想からの脱却、、、必要とする金額を生涯稼ぎ続けるために。。。

■浪費繰り返すプチ高所得者の精神構造 
-「年収300万父さん」は、なぜ豊かなのか
一生心配ない「貯蓄体質」のつくり方とは

家計の見直し相談センター 藤川 太

一見、華やかそうなアッパー・ミドルの生活であるが、内情は火の車というのが実態だ。実はいま私たちが真に学ぶべき生活設計の知恵は、ロウアー・ミドルの生活のなかにある。

「二極化」――。富める者と、貧しい者との格差拡大を象徴する言葉として定着してから久しい。そしていま、この二極化は新たなフェーズに入りつつある。

公務員や一部の大企業の社員など、2008年秋のリーマン・ショックの荒波をダイレクトに受けず、大きな賃金ダウンに見舞われなかった人たちがいることは確か。なかには「5000万円以上していた都心のマンションの価格が20%以上も下がっている。この機会に購入しようかと思うのだが」と相談にくる人もいるくらいだ。

その一方で全世帯の22.2%は貯蓄がなく(図1参照)、いつ家計が破綻するかわからない綱渡り状態なのだ。これが「収入はない」「年収300万円未満」のロウアー(低所得者層)の話ならまだしも、「1000万~1200万円未満」のクラスで6.6%、つまり15世帯に一世帯が貯蓄ゼロ。さらに「1200万円以上」の世帯でも6.0%が無貯蓄というのだから、驚くばかりである。

もっとも、1万世帯以上の家計診断を行ってきた私の感覚でいうと、年収800万~1500万円の世帯はアッパー・ミドル(上位中所得者層)のポジションにすぎない。世間一般の見方からすれば「裕福な家庭」となるのだろうが、仮に貯蓄があっても100万円、200万円ということがザラ。このアッパー・ミドルには40代、50代のビジネスマンが多く、子供の教育費、住宅ローンの返済などの負担が大きくのしかかっており、台所事情は決して楽ではない。

実はいま、そんな中高年のアッパー・ミドルの一部が“貧乏スパイラル”の罠にはまり込んで、ロウアーへ没落しつつある。フリーターやニートに代表される若年ロウアーの厳しい現実は何ら改善されない一方で、新たなロウアー予備軍として、アッパー・ミドルの転落組が生まれ始めた。これが、先に指摘した二極化の新たなフェーズにおける構造変化の大きな特徴なのだ。

そんなアッパー・ミドルのつまずきの第一歩が何かというと、ボーナスの大幅ダウン。基本給に手をつけることは労働法で定められた「労働条件の不利益変更」に当たるため難しい。そこで会社は業績に連動させる形でボーナスをカットしていく。図2は日本経済団体連合会がまとめた大企業のボーナスの推移で、2009年夏、冬ともに対前年比で15%以上の大幅ダウンとなっている。

しかし、これはあくまでも平均妥結額で見たもの。アッパー・ミドルはもともとボーナスの支給額が大きいだけに、同じ15%の率でもカットされる絶対額は膨らむ。私のところに相談にきたアッパー・ミドルのなかには「ボーナスがカットされたうえに残業代もなくなって、年収が200万円もダウンした」という夫婦が少なからずいる。

では、これから景気が回復すればアッパー・ミドルの年収が元に戻るかというと、そうは問屋がおろさない。かつての年功序列型賃金の影響が尾をひき、いまでも彼らの年収は実際の働き以上の水準にある。会社サイドとすれば、これから会社の屋台骨を支えていく20代、30代を厚遇したいと考えるのは自明の理。そのおこぼれを期待することすら難しくなっている状況なのだ。

それでも会社に自分のポストがあるのなら、まだ恵まれている。なぜなら彼らアッパー・ミドルに対するリストラ圧力は、決して弱まることはないからだ。2009年、大手百貨店が50歳以上を中心に退職金の割増額を最大2000万円にすることを条件に早期退職者を募ったところ、社員の4分の1もが応募して話題になったことは、まだ記憶に新しい。

しかし、そうした好条件に応じたとしても、これまで通りの生活が維持できるかどうかははなはだ疑問である。40代、50代で同じような年収を保証してくれる職など、目を皿のようにして探しても、まず見つからないだろう。そうやって無職のまま1年間を無為に過ごしただけで、割増分の退職金の大半を食いつぶしてしまう。後はロウアーの仲間入りに向けて、貧乏スパイラルの坂道を一気に転げ落ちていくだけなのだ。

そうした没落していくアッパー・ミドルに共通している点が、割り切りのできない“プチ高所得者”であるということだ。「少しお金に余裕ができたから」といっては、湧き上がる欲にまかせて買い物を繰り返す。その結果、教育費や住居費を除いた月の生活費が40万円以上という家庭も多い。そして一度味わった甘い生活を「フツーの生活」と錯覚してしまい、年収がダウンしても生活水準を切り下げる割り切りができなくなる。

普段の生活のなかでお金に対する感覚がルーズな彼らだけに、仮に貯蓄があってもその金額は想像よりもはるかに低い。貯蓄額を尋ねて返ってきた答えが「100万円」ということすらある。生活を切り詰めなければ、あっという間に消えてしまう“雀の涙”程度の蓄えしかない。それにもかかわらず妙なプライドが邪魔をして、自分たちが置かれた厳しい現実から目をそむけようとする。

たとえば男性の場合、マイカーを手放すことを嫌がる。マイカーといっても、所詮はプチ高所得者なので贅沢しようにも限界がある。ベンツやBMWなどの高級外車は“高嶺の花”で、フォルクスワーゲンやプジョーなど海外市場では大衆車クラスに乗っていることが多い。

それでも買えば300万、400万円はするが、その維持費も意外とばかにならない。外国製の精密な電子部品がいくつも組み込まれており、車検や定期点検で交換すると数十万円が飛んでいく。本来は軽自動車に買い替えてもいいところだが、「ご近所の目もある。オレに相応しい車は最低でもこのクラスだ」といって頑として譲らない。

一方、妻も知らぬ間に浪費を重ねていることが多い。特に子供の教育に関するものが大きい。プチ高所得者の場合、私立学校へ進学させていることが多く、公立学校とくらべて月謝が高かったり、寄付金や施設費などの出費がかさむことはもちろん、親同士の交際費が意外とばかにならないのだ。

実は、それより何より真っ先に見直すべきものが住宅ローンである。06年から08年にかけて都心でちょっとしたマンションブームが起きた。東京の湾岸エリアに30階、40階建てのタワーマンションが林立し、5000万~8000万円クラスの物件をプチ高所得者たちがこぞって購入していたのだ。

しかし、身の丈以上のマンションを購入していた可能性が高い。それというのも、賃金の伸び率が横ばいで推移していたのにもかかわらず、住宅ローンの貸出残高が前年比2ケタ以上伸びているから(図3参照)。つまり、この時期にマンションを購入したプチ高所得者は、自分の賃金に見合わない高いバブリーな物件に手を出した公算が大きいのだ。

実際、家計が苦しくなって相談にきたケースで、額面年収の800万円に対して、住宅ローンの年間返済額が250万円ということがあった。「余裕のある家計を実現したいのなら、住宅ローンの年間返済額は年収の20%以内」というのが、家計診断の経験から弾き出した私独自の基準だ。この場合、家計を圧迫しているのは明白。返済期間を延長して毎月の支払額を減らすにしても、「75歳までに完済」といった年齢条件に引っかかったりして限界がある。思い切って売却し、安い賃貸に住み替えるのが賢明だ。

しかし、ここでも妙なプライドが邪魔をして、正常な判断を下せない。「賃貸物件に引っ越したなんて学校で知られたら、子供が何ていわれるかわからない」「ローンの返済と変わらない金額の家賃を払うのだったら、このまま住んでいてもやりくりは同じ」といって、固定資産税や管理費、そして高い利息をせっせと払い続けることが少なくないのだ。

水面下では自己破産する人も増えている。そうした悲劇を避けるためにも、「自分は割り切りのできない高所得者かもしれない」と思い当たるアッパー・ミドルがいたら、いますぐ家計見直しの手を打つことをお勧めする。

[PRESIDENT online]


■子供への住宅資金援助で共倒れ危機 
-「年収300万父さん」は、なぜ豊かなのか
一生心配ない「貯蓄体質」のつくり方とは

家計の見直し相談センター 藤川 太

一見、華やかそうなアッパー・ミドルの生活であるが、内情は火の車というのが実態だ。実はいま私たちが真に学ぶべき生活設計の知恵は、ロウアー・ミドルの生活のなかにある。

最後に若年ロウアーの子供世代と、すでに退職金をたんまりと手にしたうえに、年金生活をエンジョイしているアッパー(高所得者層)の親世代が、揃って没落していきやすい盲点について触れておく。

いまの子供世代は、かつてのバブル景気を経験していない。超難関の就職戦線を潜り抜けて「ホッ」としたのも束の間、年収はいつまでたっても200万、300万円と低く抑えられたまま。上を見てもポストは大量採用されたバブル入社組で満席状態であり、自分が入り込む隙間は見つかりそうにない。

そこで先行きに対する厳しい見方が芽生え、日常生活は現実的かつ堅実なものになっていく。だからアフターファイブにお金を使ってまで1杯やることに価値を見出せない。また、買っても渋滞している土日しか使えず、維持費ばかりが飛んでいく自動車にも、はなから関心が持てないでいる。実際「免許を取ろうとも思わない」という若者が増えている。

そんな若手ロウアーの楽しみとして静かなブームとなっているのが何と「貯蓄」なのだ。毎月2万、3万円ずつでもコツコツ貯める。次第に預金通帳を開いて、数字が増えるのを確認することに快感を覚えていく。そうこうしているうちに、友達と預金通帳を見せ合い、「こんなに貯まったんだ」「ヘェー、すごいな」と会話を楽しんでいる自分に気つく。

とはいえ、それも貯蓄額が100万、200万円くらいまでの話。結婚をして、通帳の金額が400万、500万円と増えるのにしたがって、彼らは「頭金も貯まったことだし、そろそろマンションでも買おうか」と考え始める。無理をせず、自分たちで用意できる頭金と月々の収入を考え、身の丈に合った物件を購入するのなら何ら問題はない。数百万円で買える中古公団だってある。

しかし、ここで“悪魔のささやき”が彼らの耳に入ってくる。「せっかくマンションを買うのなら、退職金も残っているので援助する。それを頭金の足しにして、都心の広いところに住んだらどうだ」と親から声がかかるのだ。一見、ありがたい話ではあるが、これが後に大きな災いをもたらす。

いくら頭金の額を増やしても、購入金額そのものが大きくなれば、月々の返済額は多少なりとも膨らむ。それに地価の高い高額物件なら、固定資産税や都市計画税がアップする。そこに毎月の管理費もかさんでいく。また部屋数が増えれば、光熱費だってばかにならない。そうなると、子供の家計が破綻するリスクは跳ね上がる。もし緊急事態に陥っても、親は救いの手を差し伸べられるのか。

2000万円の退職金を手にしていたとしても、退職記念の海外旅行で100万円、住宅をバリアフリー化するためのリフォームで500万円、それに車を買い替えて400万円と使っていたら、残りは半分の1000万円。それに2人いる子供のマンション購入におのおの300万円援助したら、手元に残っているのはわずか400万円である。「まさか」と思ってはいけない。これは実際の話に基づいたシミュレーションなのだ。

図5に見るように、もととも老後の生活のお金に強い不安を持っていたはず。年金で足らない分を毎月貯蓄から5万円ずつ崩していくのにしても、10年間で600万円だ。年金の支給が始まる65歳時点での女性の平均余命は23年。それを考えたら1380万円の蓄えが必要になる計算である。一時、大金が懐に入ったからといって、それに目がくらんで散財したり、子供を援助する余裕など初めからないのだ。もちろん、子供が緊急事態で苦しんでいても黙っているしかなく、後は親子で共倒れという悲惨な結末を待つばかりとなる。

それゆえ子供世代は、自分の身の丈以上の物件を選ばないことはもちろんのこと、そのまま賃貸物件に住み続けるという選択肢を検討することも重要だ。これから日本の人口は減り続けていく。その結果、賃貸市場の需給関係が緩くなって、家賃相場はダウントレンドに入るからである。また契約の際の条件も緩和され、高齢になったからといってNGというようなことはなくなり、いつまでも安心して住んでいられるようにもなる。

一方、親世代は虎の子の退職金を使うのではなく、増やすことを考える。日本航空の破綻で同社OBの企業年金が減額されたように、あてにしていた年金が満額もらえる保証はどこにもないのだ。

そこで勧めたい投資方法が、日本国内、欧米などの先進国、そして中国やブラジルなど経済成長著しい新興国の3つに分散投資していくこと。どこか1つが落ち込んでも、ほかの2つでカバーすることでリスクの低減ができる。とはいえ、情報入手の手間などを考えると、個別の株式に投資をしていくのは難しい。そこで各地域・国の株式の指標に連動して基準価格が変動する投資信託やETF(上場投資信託)を活用するのがベストだ。

現在「PIIGS」と呼ばれる、ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの財政危機に瀕したユーロ諸国の動向が危惧されている。しかし翻ってみれば、一昔前まで経済大国として栄耀栄華を誇ってきた日本も、いまや大幅な財政赤字を抱え込んでいるではないか。没落するときのスピードは想像以上に速い。いまから家計を見直して必要な対策を打ち始めても、決して遅くはないのだ。

[PRESIDENT online]

Posted by nob : 2012年10月09日 04:10

それぞれの自分基準のビジネス、、、スタイルではない価値観の問題なのだけれど。。。

■働くのは1年で4ヵ月だけ、残りはサッカー観戦へ!?
定住地を持たない“ガチノマド”ライフの実態

オフィスではなくカフェなどの場所でWi-Fiやクラウドを駆使しながら働くスタイル「ノマド」が注目を集めている。しかし一方で、ノマド批判が一部でブームとなっているのも事実だ。ネット上では有名無名問わず、多くの人がこの話題を論じ、過激な批判も目立つ。

なぜ、ノマドはこんなにも話題になるのか。それはノマドという言葉が、単なる仕事術やスタイルを越え、なぜ人は働くか、人はどう働くべきなのかといった根源的な問題を突きつけているからなのではないだろうか。

そこで当連載『ノマドってどうよ? ~賛否両論から「働く」を考える~』では、ノマドの話題を軸にしながらも、「理想の働き方は?」と言った根源的な問題を考えていきたい。

今回は、ノマドを実践する1人であり、“ガチノマド”を自称するフリーランスの経営コンサルタントである村上アシシさんにご登場いただいた。(インタビュー日:2012年8月下旬)

■村上アシシさん
本名・村上敦伺さん、通称アシシさん。1977年生まれ、北海道札幌市出身。大学卒業後外資系経営コンサル会社アクセンチュアに就職。6年間働き、退社時の役職はマネージャー。2006年からは独立し、個人コンサルタントとなる。サッカーの国際大会がある度に開催国に出向き観戦し、世界中を放浪、自身を“ガチノマド”と名乗る。
公式サイト:http://atsushi2010.com/
Twitter:@4JPN
Facebook=https://www.facebook.com/atsushi.murakami

【ノマドへの見解/筆者の印象】
[ノマド肯定派]
本人自ら“ガチノマド”(=ガチなノマド)を自称することから、ノマドに対する思い入れは強いようだ。一方で、ただのノマドではない呼称を付けるところに、現在、メディアに取り上げられる機会の多い著名なノマドへのアンチとも受け取れる。どこがどう“ガチ”なのかは本編で紹介する。

――はじめまして。今日はよろしくお願いします。今回は、アシシさんご本人から出演したいとご連絡をいただいたのですが、登場してくださった理由はなんですか?

 僕はノマドについて他の方とまた違った考え方をもっているんで、そこを語りたいと思いました。まあ、自著の宣伝になれば良いかな、とも思いまして(笑)。

W杯がどうしても見たくて、会社を休職
お金より自由がほしいアシシさんのワークスタイル

――プロフィールを拝見しますと、大学卒業後アクセンチュアに就職して、6年間働いて2006年に独立してコンサルタントをされていらっしゃいますね。独立されたきっかけを教えていただけますか?

 2006年のワールドカップ(開催国:ドイツ)がどうしても見たかったんです。で、3ヵ月間、自己都合で休職をすることにしました。W杯を見たいという理由で休職するのがバレるのは嫌だったので、会社にはMBAを取得するために英語力を高めなくてはいけない、だから、語学留学のためにカナダに行くという名目で休むことにしました。そこで、カナダに1ヵ月留学してから、カナダ経由でドイツに向かいました。

 ……と、いろいろ細工はしましたが、まあテレビ放映もされていますし、結局は会社にバレました。まあ、会社のルールではたとえW杯に行きたいという理由であっても、直属の上司が許せばOKなんですよね。で、3ヵ月経って日本に戻らなければいけないときに、海外の自由な雰囲気に触れていたら会社に戻りたくなくなってしまいまして。社畜にはなりたくないと思いました。

 実はそれ以前から、僕より先に独立した先輩や、仕事を紹介してくれるエージェントからも助言をいただいていて、「お前なら独立してもやっていけるよ」と言われていたんですね。そういうことも理由の1つで、会社を辞めて独立しました。

――W杯に向かう前までは会社に不満はなかったんですか?

 なかったですね。会社のなかにいると、仕事内容はすごく充実していました。毎日深夜2時に帰宅しても、僕のなかでは納得できていましたし、それなりの報酬をもらっていたので。

 ただ、海外に出るといろんな価値観の人と出会うことになりますよね。そのなかで、様々な生活をしている人の話を聞くうちに、自分の働き方は狂っていた、働きすぎていた、と思いました。

――独立してからすでに6年間が経過していますが、事業の調子はどうですか?

 安定していますね。コンサルという仕事の特徴ですが、仕事を紹介してくれるエージェントが複数いまして、まあ人材派遣なんですが、そういう人達と仲が良いので、僕の働き方に合った仕事を紹介してくれています。

――仕事を紹介してくれるエージェントとの信頼関係があるということですね。ノマドは影響力で仕事が来るという話もありますが、やはり仕事をくれる発注元との関係が重要ですよね。

 サッカー観戦から戻ってくる1ヵ月前に、そろそろ日本に戻るから案件を紹介してください、と言うときちんと適材適所な仕事を紹介してくれるんですね。そこで、いくつかの候補のなかから、忙しさと報酬を見ながら決めていきます。個人コンサルは6年間やっていますが、挫折というのはあまりなかったですね。

――コンサル業界は門外漢なので、重箱の隅をつつくような細かい話になるかもしれませんが、プロジェクトによっては契約を延長したいとか言われることもあるんじゃないですか?

ロンドン五輪を観戦したアシシさん

 それはありますよ。個人コンサルは1ヵ月や2ヵ月など小さな単位で契約を更新していきます。でも、その際に、ロンドン五輪があるとなると、どうしても現地でサッカー観戦がしたいので、五輪前に契約は打ち切ります、という前提ですすめます。それをお客さんに直接伝えることもあれば、エージェントに伝える場合もありますね。で、それでも村上を使いたい、というクライアントとは契約します。あとから希望を出すと関係が弱くなってしまうので。

 あと、今まで個人コンサルをやってきて、最も長く1つの会社で個人コンサルを続けたのは8ヵ月なんですよね。だいたい助っ人で入って、役目が終わると契約も終わるというのが多いです。逆に、長期の契約と違って、今すぐ来てほしいとか、そういう案件も多いんですよね。

――ただ、やはり「○月で必ず辞めます」という条件は、「いつでも働きます」という人と比べて弱くなったりはしないですか?

 確かに損になることはありえますね。ただ、先ほども話したように個人コンサルはそもそも契約期間が短い。それにマーケットが狭いので、競合もそれほど多くはないですから、仕事の出来不出来、これまでの経歴とかを見ながら総合的に判断されるので、今まであまり問題になったことはないですね。

――あと、場合によっては半年以上休まれることも多いということは、働き出したときに仕事のカンが戻らないとか、そういうことはないですか?

 今のところないですね。逆に、長期で休んでいるとモチベーションがすごく上がります。働きたくてしょうがない、という感じになります。

――もう1つ質問です。単純に、1年の半分だけではなく、全部働けばもっと儲かるわけですよね。僕なんかはわりと貧乏性で、仕事があるなら受けることが多いんですけど、そういう考えはないんですか?

 そこがノマドになるかどうかの気質の問題ですね。僕はそれほど物欲がないので、キャリアが欲しいとか、お金が欲しいとかあんまりないんですよね。それよりも自分が楽しみたいとか、そういうことが僕のなかでは大きいんです。

 あと、人生には優先順位があって、若いうちにしかできないことがあるとも思っています。僕は結婚して家庭も持ちたいし、そうなると独り身の今ほどは自由にならないですから。

――前回登場されたイケダハヤトさんに続き、ノマドの方々は家庭に対して意外にしっかりとした考え方をお持ちですね。でも、現在の年齢では(アシシさんは34歳)、1年の半分を休んだとしても稼げるかもしれないけど、今後も稼げるかどうかは心配になりませんか?

 僕は40代になったら、個人コンサルとして現場に出ることはないと踏んでいます。40代の個人コンサルはいるんですけど、そうなるとどんどん単価があがっていくんですよ。さらに、ポジションも高まるので、そんな重要な役目を会社に所属しない個人に任せるのか? という問題点が出てきます。そうなるとやはり狭き門なんですよね。40代になっても下っ端で良い、という発想もありますが、そうなると現場で上に立つ人が30代とかになって、扱いづらくなったりしますからね。

 だから、今のような働き方ができるのは30代のうちのあと5年ぐらいかな、と思っています。40代になったら、それまでに仕組みを作って起業するというのも手ですし、逆にエージェントの立場になるというのも手ですね。何かしらの変化、決断は必要になってくるでしょうね。

フリー(ノマド)になって、
労働時間と単価(報酬)はどう変わったのか?

――読者がいちばん興味を持つのは、会社員時代と個人コンサル時代で、労働時間や所得はどのぐらい変わったのか、というところだと思います。

 この6年間を平均すると、1年間に4ヵ月しか働いていないんですよ。ちなみに去年は1.5ヵ月しか働いていません。労働時間を単純に期間で割ると、労働時間は3分の1ということになると思います。会社員だったころは、土日の出勤が必要なプロジェクトだとしても、会社の命令なら行かなくてはなりませんが、今は土日の出勤が必要な案件は断っています。その他もろもろを考えると、単純に年間の労働時間は5分の1ぐらいになっていますね。働いている時期は、終電が終わるまでには帰れる程度ですかね。

――労働時間は総合すると5分の1ぐらいに極端に減っていると。所得はどうですか?

 所得は減っていますよ。これは特定の会社の話ではなく、コンサル業界や、外資銀行などの所得水準の話ですが、仕事ができて役職が付いていれば、30代だと年収は額面で1000万円は越えると思います。で、僕の場合ですけど、1年間フルに働けば、余裕でそれを上回るんですよ。だから、単価で言えばアップしていますね。ただ僕の場合は4ヵ月間しか働かないので、当然年収は1000万円には届きません。家族を養っているわけではないので、今の年収で十分やっていけてますけど。アクセンチュアの元同期はマンションを買ったり外車を買ったり、羽振りのいい生活をしてますけど、僕は一切生活水準上げてないんですよ。夕飯は300円の牛丼をよく食べるし、服もユニクロが多いです。それで節約した分をサッカー観戦旅費に充ててるんですけどね。

ウィークリーマンションをフル活用!
定住地を持たないガチノマド実践法

――日本に帰られたときはウィークリーマンションを契約しているという話を聞きましたが、本当ですか?

 僕は都内に定住している場所はないんですよ。まず、実家が札幌なんですけど、海外から日本に帰るときは札幌に寄って実家に荷物を置きます。で、都内で暮らす用の必要最低限の荷物を持ちます。今回は、段ボールが2個とスーツケースが2個でした。それを郵送します。で、ウィークリーマンションに入居します。割引キャンペーンで、2週間限定で住むと半額以下という物件が多いんですよ。それを活用しています。

 で、本格的にプロジェクトに入る前に、面談がありますよね。その段階ではどの会社で働くかまだ決まっていません。なので、その期間はできるだけ安いウィークリーマンションを活用して、都内を転々としながら面談に臨みます。今は家賃・管理費・光熱費・インターネット代・契約手数料など、込み込みで2週間6万5000円とかですね。と言うことは単純計算で月額13万円ですね。20平米なんですけど。これはすごく安い。この暮らしは、ものが少ないからできることなんですよね。スーツケースに入らない荷物は持たない主義なので。

 で、会社が決まったら、会社のできるだけ近いマンスリーマンションに切り替えます。1ヵ月15万円とかですね。まあ、普通の賃貸契約と比べると高いと言えば高いですが、もう働き出しているので所得もあがります。僕は仕事を始めるとできるだけ仕事に集中したいので、会社の近くに住んで通勤代を浮かせますね。

――なかなか真似をするのが難しそうな生活ですが、すごく参考になります。スーツケースに入らない荷物は持たないって、映画「マイレージ マイライフ」(※1)みたいですよね。

(※1)2009年アメリカ映画。ジョージ・クルーニー主演。主人公は会社に所属はしているが、年間を通してほとんどアメリカ国内を移動し続け、スマホ(劇中ではiPhoneではなく確かBlackBerryだった。時代ですね)を駆使して仕事をこなす、というスタイルはノマドそのもの。アシシさんと話していて、マイレージマイライフはノマド映画だと気づいた次第。

 なぜこんな生活をしているかというと、長期で海外に行っているときに東京での賃貸契約を切れるからです。家賃を払わなければ、かなり浮きますからね。定住する場所を本当に持たない。だから僕は、“ガチノマド”なんです。

――なるほど、ガチノマドを自称される理由が分かりました。本当に定住地を持たないという意味だったんですね! 本日はありがとうございました。

 まあ、コンサルだからこんなことが出来るんでしょうね……。

■今日のまとめ

 分量の問題で書けないことがたくさんあったけど、アシシさんとのインタビューは1時間30分を越え、有意義な話がたくさん聞けた。実際にノマドや期間労働者を目指したいという、特にコンサル関係の職種にとってはすごく参考になるものではないだろうか。自著の宣伝の一環とはいえ、年収などキワドイ部分もいろいろ語っていただいて助かった。

 このような働き方ができるのは30代まで、など終わりを定めているのも、とても現実的だと思った。現実的に考えた結果、一見トリッキーな生活スタイル(ウィークリー・マンスリーマンションを移動するガチノマド)になっているというのが面白いなと感じた。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2012年10月08日 02:45

それぞれの自分基準の暮らし、、、スタイルではない価値観の問題なのだけれど。。。

■一挙公開!超節約術の驚愕テクニック 
-「年収300万父さん」は、なぜ豊かなのか
一生心配ない「貯蓄体質」のつくり方とは

家計の見直し相談センター 藤川 太 

一見、華やかそうなアッパー・ミドルの生活であるが、内情は火の車というのが実態だ。実はいま私たちが真に学ぶべき生活設計の知恵は、ロウアー・ミドルの生活のなかにある。

注目したいのが、手取り年収300万~500万円前後のロウアー・ミドル(中位低所得者層)の“スーパー節約術”である。手取り年収がわずか400万円なのにもかかわらず、毎年着実に200万円も貯蓄している夫婦が何組もいたりする。

たとえば30代で子供が1人というケースでは、月の生活費が約13万円に住宅ローンの返済が約4万円。確かに200万円近く貯蓄に回せる計算である。ちなみに食費は2万~3万円程度。3000万円の物件の購入で組んだ住宅ローンも、貯蓄から1500万円ほど頭金に回しているので、余裕を持って返済できる金額に収まっている。

毎月40万円も生活費にあてているプチ高所得者とはまさに大違い。「これだけの支出でよく生活していけますね。どう節約の技術の限界にチャレンジしているのですか」と称賛の意味を込めて尋ねた。すると「これで支出が少ないって一体どういうことでしょう。もっと切り詰められないかと思って相談にきたのに……」と切り返され、たじろいでしまったことがある。

そんな彼らの食費の面での節約術から見ていくと、レシピの工夫や改善がすごい。たとえばロールキャベツの具材ですぐ思い浮かぶのは牛肉や豚肉。しかし、彼らは肉の代わりにもやしを使う。もやしの値段は100グラム当たり16円程度で、肉と比べたら10分の1以下。それにもやしには、たんぱく質、カロチン、ビタミンCなどの栄養素がバランスよく含まれているうえに、カロリーが低い。だから家計にも健康にも優しい。

実は面白いことに、このもやしの1世帯当たりの購入量が増えているのだ。図4に見るように09年は05年と比べて22.3%増の6.74キログラム。確かに価格が安値で安定していることも手に取りやすくさせているのだろう。さらに栄養豊富で安価な果物の代表がバナナであるが、やはりこちらも同22.9%増の23.0キログラムへ急増している。「もやし消費」「バナナ消費」を志向する賢い節約家族が増えていることを示すデータと捉えられそうだ。

また、大根を買うときは葉っぱを切り落とさずに、まるごと1本買ってくる。葉っぱはお浸しにして、硬い青首のところは大根おろしにする。また、残りは皮を剥いておでんなどの煮込みの具として使う。ここまではどの家庭でも行っている。ところが彼らは、剥いて残っていた皮をニンジンなどと炒めてキンピラ風にしたりして食べ切ってしまう。「皮には実の部分よりもビタミンCが多く含まれています。捨てたらもったいないでしょう」と当たり前のように話す。

次は食材の買い出しであるが、あらかじめ買い物リストを作っておくのは常識。しかし、ある節約長者の主婦はリストを紙に書き出さない。余白があれば、つい余計なものまでリストアップしてしまう恐れがあるからだ。ではどうするかというと、手の甲、それも親指と人差し指の間のわずかなスペースに書いていく。他人に気づかれて恥ずかしい思いをしたくないという気持ちも働いて「3、4品、書くのがやっと」であるそうだ。

そうしたストイックな姿勢は買い物の現場にも顕著に表れる。子供はなるべく一緒に連れていかない。「このお菓子がほしい」となるのが目に見えているからである。また、スーパーにあるカートは利用しない。手にカゴを持って買い物をしていると次第に重くなり、「決めたものだけ買って、早くレジを済まそう」と自制心が働くようになるのだ、というから頭が下がる。

もし、あなたが「牛乳はスーパーの安売りで買うのが1番お得」と信じていたら、それはもはや時代遅れの節約術だ。いまや意外なところで意外なものが安売りされている時代。その最たる例がドラッグストアでの牛乳の安売りである。ドラッグストアからすれば、大幅赤字を覚悟でスーパーより安い値段で牛乳を売っても、主力商品である化粧品や薬をついで買いしてくれれば、十分に元が取れる。もちろん賢い主婦は牛乳の“1点買い”で店を後にする。

そうした超安売り商品の情報に敏感になるために「底値帳」なるデータ集を手作りしている節約長者もいる。「何月何日の何時に、どのお店で、どの商品がいくらで売っていたか」を一覧表にしていく。そうしていると次第に「どの店で、いつ底値で売り出すか予想できるようになる」という。投資家が為替や株価のチャートを自分でつけて相場観を養うのと同じように、買い物の“底値感”を体に覚えこませるトレーニングにつながっているのかもしれない。

一方、衣料品の購入はどうかというと、「いまやユニクロは贅沢。しまむらで買え」というのが節約上手のロウアー・ミドルの合言葉。さすがに体面を考えて主人の普段着はユニクロにすることもあるが、妻や子供の分はしまむらで済ませる。何せ婦人ワンピースが1470円、シャツやスカートなど子供用の服の8点セットが2000円という破格の値段で売られているのだから。なお、主人のスーツは5000円で買える西友のセットアップスーツなどが常識化しつつある。

貧乏でも幸福 
英労働者階級の生活の中身

こう話していくと何だか爪に火を灯すような、ちまちました息苦しい生活を送っているかのように思ってしまう人もいるだろう。しかし、節約上手なロウアー・ミドルであればあるほど、「お金が大切」なことは当たり前であって、口に出すことはほとんどない。むしろ家のなかには潤いが感じられ、家族仲良く楽しそうに生活をしているものなのだ。

たとえば、いまや1部屋に1台がほぼ当たり前のテレビであるが、彼らの家にはリビングに1台あるだけのことが多い。週末の夜は家族全員が集まって、同じ番組やDVDなどを見て楽しむ。そうすれば、リビング以外の部屋の光熱費はかからない。それに番組の感想などをきっかけにして、子供が何を考え、どのようなことに興味を持っているのかがわかり、親子間のコミュニケーションをスムーズに保つことだってできる。

休日の過ごし方だが、大混雑のレジャーランドへ行き、親子4人で2万円ほどのチケットを買ったものの、アトラクションに乗るのに2、3時間待ちはザラで、結局乗れたのは3つ、4つだけというような愚策は、彼らの選択肢のなかには初めから存在しない。ではどうするかというと、近くの公園に手作りのお弁当を持ってピクニックがてら出かけるのだ。

もちろん公園だから入場料など一切かからない。豪快なアトラクションはない代わりに、サッカーボールを思いっ切り蹴ることのできる広場がある。ちょっとした遊び道具を用意しておくだけで、体をフルに動かしながら親子で楽しい時間を過ごせる。

ことほどさように、彼らはものやお金に頼らなくても、楽しい時間を過ごせる術を熟知している。もちろん、同じことが個人的な趣味にも活かされている。

ゴルフといえば、一昔前まで社用族のものというイメージが強かった。しかし、バブル経済が弾けてからゴルフ離れが著しく、ゴルフ用品がだぶつき、格安の値段で売られている。前からゴルフに興味を持っていた私の知人はこれをチャンスと考え、ドライバーを除いたバッグ付きのフルセットをわずか2万円で買って練習を始めた。近々、念願のコースデビューを果たすそうだが、「インターネットの“早割り予約”を利用して土日でも5000円以下のコースを選ぶつもりだよ」とさも楽しそうに話す。

ここで思い出されるのが、イギリス人の労働者階級のライフスタイルである。かつて7つの海を支配した大英帝国であるが、「揺りかごから墓場まで」に象徴される高福祉政策の反動による財政破綻などによって1970年代以降、「イギリス病」と呼ばれる深刻な不景気に悩まされる。20%以上の失業率が続き、まさに職にありつければ御の字の状況であったのだ。

しかし、彼らの生活が不幸のどん底かというと、そうではない。「ビデオ・ナイト」を設定して、お酒や料理を友人の家に持ち寄り、ビデオ鑑賞をしながら皆で楽しんでいる。また、休日になると「ピクニック・バンパー」という大きなバスケットに、残り物のゆで野菜やパン、ソーセージを詰めこんでピクニックに出かける。日本の節約上手のロウアー・ミドルが実践していることを、彼らは40年以上も前から行っていたのだ。

「We were poor but we were happy」

ワーキングクラスの人が過去を振り返るときの常套句だそうである。その訳はずばり「私たちは貧乏だったが、幸せだった」。日本には「武士は食わねど高楊枝」という言葉があるが、そんな片意地をはらずとも、お金がないなら、ないなりに日々の生活を楽しむ方法を学ぶ時代が到来しているような気がする。

[PRESIDENT online]

Posted by nob : 2012年10月08日 02:29