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常に最良の主治医は自分自身。。。

■医者に任せっきりの「二流患者」は損をする 最高の医療を受けるには「患者力」が必要だ

病院ランキングや名医ガイドのたぐいが相変わらず人気を集めている。だが、『一流患者と三流患者』を書いた米テキサス大学MDアンダーソンがんセンター永代教授の上野直人氏は、こうした風潮に異論を唱える。

同氏は、最高の医療を保証するのはランキングでもブランドでもなく、患者自身がいかに医療に参加するかの「患者力」だと力説する。

一流と二流、三流の違いは

 ──タイトルの「一流患者」「三流患者」とは?

医者と一緒に考え、治療を選択し、納得のいく治療を選び取れる患者さんを一流患者としました。それに対し、医者の言うことはすべて受け入れ、自ら考えることなしに一言「お任せします」の患者さんを二流患者、文句ばかりで病院との信頼関係を作れないモンスター患者を三流患者としました。最低限のことしか病院から引き出せず、本人が損するタイプです。

あえて一流、三流と呼びますが、その意図は患者間に優劣をつけることではなく、自分の患者力がどのレベルにあるかを見直して、よりよい医療を受けられるよう、スキルを上げることです。

──「お任せします」はもう通用しない?

自分の身を守るためにも、二流患者の物言わぬスタンスは、ぜひ改めてほしいです。新しい治療法や薬が出て治療の選択肢が増え、医療はどんどん高度化、細分化している。医者は膨大な情報と日々格闘しており、正直手いっぱいです。医者も人間。国家試験は医療従事者として最低限の能力を保証するものであって、運転免許証を持っていても自動車事故が起きてしまうのと同じ。丁寧な運転の人もいれば暴走癖の人もいる。この医者は大丈夫か、本当に自分のことを考えてくれているか、患者はつねに質問をぶつけて突っつくことが大切です。医者との会話で医者を試す、といってもいい。

この治療法でいいか、ほかの治療法はないか、組み合わせはどうか。自分の生き方に合った最適な治療を医者から引き出していくのです。

みんな遅かれ早かれ病院の世話になるときがやってくる。病気に向き合う準備を先延ばしにせず、たとえば風邪を引いて受診するときなど、今から練習を始めてほしいのです。

──まずは、この薬は何のための薬ですか、と聞くことからですね。

そう、とにかく質問です。何となく引っ掛かったら必ず聞くことを習慣にする。なぜこの病名か、なぜこの診断か、なぜこの検査をするのか、なぜこの薬か、なぜ効かなかったのか。Why(なぜ)をつねに問う。自分が直面している事実を理解するためです。専門用語の羅列でわからないなら、わからないとハッキリと言う。なぜ?を重ねることで、自分の理解も深まっていく。医者にとっては、質問が気づきのきっかけにもなります。見落としや別の可能性に気づいて、より多くの選択肢が提示できるかもしれない。

それから診察時には必ずメモ帳とペンの持参を。一言断って会話を録音するのもいいし、誰かに付き添ってもらって話の受け手を増やすのもいい。医者とのコミュニケーションは真剣勝負。一言も漏らさず聞くぞという意気込みでいきましょう。疑問は放置せず、その場でも次回でもよいので、必ず聞くようにしてください。

話を理解できたかどうか確認するのにいちばんいい方法は、自分が受けた説明を他人に話すこと。聞かされた側が要領を得ないようなら、自分がちゃんと理解できていないってこと。次回受診時に、医者相手に話して反応を見る。僕の場合は大抵僕のほうから聞きますね。どう、ちゃんと理解してる?ちょっと話してみて、と。これは必ずやります。

ネットで得た情報は医者と共有を

──病気の医学的な正式名を必ず聞くことも強調されていますね。

ネットで調べるとき、正式な病名で検索したほうが情報が精査されます。セカンドオピニオンを取る際にも意思疎通がスムーズになる。

それから、ネットで得た情報は医者と共有し、わからないところは医者に聞くようにしてください。僕の患者さんはネットで見たものをプリントアウトして持ってきますよ。僕もそれを歓迎していて、必ず情報共有しようと約束します。ネットで見つけたサプリメントや代替療法を試したいなら、その前に絶対見せてくださいと。プリントアウトを見ても判断がつかない場合は、自分でもサイトを見に行きます。そこまでするのが医療従事者の責任ですから。

──日米の差は患者力の差だと書かれていますが。

実際には米国の患者だって一流ばかりでは全然ない。ただ米国では、患者力を与えることが重要だという意識を医療側が持っていて、病院全体で患者を一流に引き上げていく仕組みというか、サポートが日本よりはある。まず医者が患者に質問を促します。小児科なら、子供の患者に対し「質問はないか」と必ず聞く。親がいると話しにくいなら席を外してもらう。そうやって医者に質問することが当たり前という感覚を育てていく。そうした中で、優れた患者がキャッチボールを通して育つ可能性が高いというだけ。

 ──日本ではまだ、躊躇してしまう患者も多いかもしれません。

でも、質問し情報を正しく把握することは、日常生活のあちこちでやっていることでしょう。医者に対してだけ、恐縮して言えないとか遠慮してしまうとか、聖域視する必要はないし、そんな神話はなくさないといけない。医者には説明責任が、患者には医者の言葉を理解しようとする責任があります。

医者が投げたボールをきちんと受け止め、しっかり投げ返す。説明下手だったり面倒がったりするような医者の悪投は「ちゃんと投げて」と投げ返す。大事なのはキャッチボールです。キャッチボールする理由の一つは、相手がまっとうな医者かどうかを見極めることでもある。

患者が要求しないから医者が変わらない

──何といっても「3時間待ち3分医療」の現実があります。

現状のシステムを変えるためには、患者側からの突き上げが必要です。医療側には大きなプレッシャーになる。10年経っても20年経っても何も変わらないのは、誰も要求しないから。もっと説明を受ける時間が欲しい、それが要求である、とわからせないといけない。動かすのは患者団体などではなく、やはり個々の現場です。消費者ベースの市場なのに、消費者が声に出さないから市場ニーズが低い状態のままなんです。

日本のモノやサービスの質が成熟しているのは消費者が要求したから。それと同じ。医療だけを聖域視するのはおかしい。現実に、患者とともに医療を進めていきたいと考える若手や中堅の医者はとても多くなっています。医者が患者の面倒を見る時代から、医者のよさを最大限引き出すために、患者が医者を試し育てる時代へと移行しているのです。

上野 直人(うえの なおと)/1964年生まれ。和歌山県立医科大学卒業。ピッツバーグ大学付属病院にて米国内科専門医取得。現在は腫瘍内科医として研究、臨床に携わ り、専門は乳がん、分子標的療法開発。チーム医療推進にも力を入れ、日本でも医療従事者と患者向けの教育活動を行う。著書に『最高の医療をうけるための患 者学』。

[東洋経済オンライン]

Posted by nob : 2016年06月25日 16:46

それまでの生き方の完結としての逝き方。。。

■畳の上で生まれ、死ぬのは今どきどれだけ希有なことか

本川 裕 [統計データ分析家]

終戦直後は9割以上が家で生まれ、家で死んでいた

「畳の上で死にたい」という言葉がある。これは、本来は、非業の死を迎えることなく、普通に家で死にたいという意味であるが、今では、持病が悪化して入院している病院、あるいは危篤で運び込まれた病院ではなく、日ごろ住み慣れた家で安らかに死にたいという意味だと勘違いしてもおかしくない状況となっている。

 戦後の大きな変化のひとつは、生まれたり死んだりする場所が家から病院に変わったことである。いつごろ変わったのか、どのようなテンポで変わったのかなどを知るため、こうした変化をデータで追ってみよう。出生届や死亡届を集計している厚生労働省の人口動態統計では出生や死亡の場所も集計しており、図1はこのデータにもとづいて描いたものである。

◆図1 生まれるのも死ぬのも今では家でなく病院
   ──家で生まれる人・家で死ぬ人の割合の推移

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 図を見れば分かる通り、終戦直後は9割以上の人が家で生まれ、家で死んでいた。

 その後、出生場所が高度成長期の1960年を挟む10年間ぐらいで一気に病院に移り、1980年以降、家はほとんどゼロとなった。そして死亡場所の方は、変化は出生場所より遅く、2000年代半ばまでだんだんと病院が多くなっていった。そして2005年ごろから約15%で横ばいとなった。

 最新データの2014年には、出生場所については、実家を含め家での出産(生母の実家での出産を含む)は0.2%とゼロに近い。また、死亡場所については、自分の子どもの家を含め家で亡くなるのは14.9%にすぎない。家以外の死亡場所としては、病院が主であるけれども、老人ホームが5.8%、介護老人保健施設が2.0%と病院以外の施設も増加傾向にある。

 こうした変化は、日本人にとって、医療が技術的、施設的、制度的に充実して身近な存在となり、極力安全な出産の確保、および死亡直前の救命の可能性の追求から、生死に関し医療の介入を不可欠とするに至ったからである。

日本では家で亡くなる人が特に少ない

 しからば、こうした傾向は先進国共通なのかが気になる。図2にはヨーロッパの参加国と死亡場所を比較したデータを掲げた。これを見ると、日本は特に病院での死亡が多く、自宅での死亡が少ないことが分かる。

◆図2 死亡場所の世界比較

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 病院で死亡する人はフランスでも6割以下、スウェーデン、オランダでは4割、3.5割とずっと少ない。海外では、自宅やナーシングホームなどで死亡する人が多いからである。

 ナーシングホームは、医療・福祉が一体化された、要介護者のための施設の呼称である。特に米国で発達したシステムで、生活の介助や機能訓練を行う。日本においては介護老人福祉施設や介護老人保健施設がその役割を果たしている。日本の場合、こうした施設で暮らしていても、最後の段階では病院に搬送する場合がほとんどなので、病院での死亡が多くなっていると考えられる。

 高齢者の多くが希望する通り、家や普段の暮らしの場で死を迎えることができない理由としては、在宅医療・介護の体制や住宅の質が十分でないことが挙げられている。これに加え、在宅の看取りについて、本人希望の優先度や延命措置の限度に関する本人・家族・医療介護関係者の社会的合意ができていないため、死に臨んではともかく病院へ移送し、病院でもいったん受け入れたからには対処するからという側面が無視できないだろう。

畳の上で死ねる都道府県は?

 次に地域別の特徴を見てみよう。出生場所はどの地域も病院が主なので省略し、死亡場所の構成比の上位都道府県を調べ、結果を表1に整理した。

◆表1 死亡場所割合の上位県(2014年)

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 以前は家で死亡することが多かったことから、最初は私も、古くからの慣習が残る地方圏の方が家で亡くなる人が多いだろうと考えながら都道府県別のデータを整理していたが、結果を見ると、家の割合が高いのは、上から、奈良、兵庫、東京、神奈川となっており、むしろ、大都市圏、特に近郊地域で、家での死亡が多い。

 これに対して、病院で亡くなる人が多いのは、北海道や四国・九州といった遠隔地の諸県である、また、病院以外の施設で亡くなる人が多いのは鳥取、大分、長野である。病院やその他の施設での死亡は、このように、地方圏の特徴なのである。

 理由を考えてみると、やはり、人口当たりの施設数として、病院やその他の施設が多いか少ないかが大きく影響していると思われる。つまり、死亡場所が家である割合が大都市圏で高いのは、畳の上で死にたいという望みがかなえられての結果というより、施設のキャパシティ上の余儀ない結果である側面が強いといえよう。また、大都市圏では独居老人の孤独死が多いことも影響している可能性があろう。現在の「死亡場所が家」である14.9%の者の中には、不本意なまま家で亡くなった人が、かなりの割合を占めていると考えられえる。

 残された子どもに迷惑をかけないように事前準備を進めたり、臨終の方式に当人の希望を反映させようとする「終活」が、人生の最期を過ごす場所の選択を含めさかんに議論されている。自宅での死については、本人の希望と家族が求める死亡直前の救命の可能性の追求とのバランスが求められるので、在宅診療や時間制約のない訪問診療が人的、制度的、コスト的に可能かが重要であろう。

 就職活動を「就活」と呼ぶのになぞらえて、結婚へ向けての活動は「婚活」、出産へ向けての活動は「産活」とも呼ばれるが、「終活」へ向けて自宅診療を容易にする円滑・柔軟な医療的支援体制が充実してくれば、出産についても、赤ちゃんが生まれてはじめて目にする風景が重要だととらえ、かつてのように自宅での出産が「初活」としてブームになるかもしれない。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2016年06月24日 09:46

常識っ!、、、かと思ってました。。。(苦笑)ご自身を護るために実践をおすすめします。。。

■トイレのフタは流す前に閉める!?英国研究チームの警鐘

トイレ掃除も小まめにして

トイレのフタってなんだか不潔そうで、「外では触りたくない」という人も少なくないのでは? しかし、用を足した後、フタをきちんと閉めてから水を流すことで、食中毒などの感染症リスクを軽減できるという研究が報告されています。

◆腸管出血性大腸菌O-157やノロウイルスなど、下痢や嘔吐を引き起こす食中毒は、幼児や高齢者、抵抗力の下がった人が罹患すると命の危険も。そのリスクを、「トイレで用を足した後、フタを閉めてから流す」ことで軽減できる、とする興味深い報告があります。

◆英国リーズ大学のマーク・ウィルコックス教授率いる研究チームは、細菌に感染した排泄物のサンプルを用い、水洗トイレに流して実験。水を流す際にトイレのフタを閉めなかった場合と、フタを閉めた場合では、空気中に漂う細菌の量にどれだけの違いがあるかを測定しました。

◆その結果、フタを閉めなかった場合では、流したときに汚水が便座の上、最大26cmまで細菌が飛び散り、便座や床に付着することが映像で確認されました。さらに、細菌を含むミクロな飛沫は、90分経った後でも個室内の空気中に浮遊していると判明しました。

◆一方、フタを閉めた状態で流すと、便器内の空間では細菌が確認されたものの、空気中に漂う量は、フタを閉めなかった場合と比べものにならないほど減少していました。

◆ウィルコックス教授は、「不特定多数の人が触れるトイレのフタからの感染を防ぐために、あえてフタのないトイレを設置している公共施設などもあるが、今回の結果から考えるとそれは逆効果で危険だ」と警鐘を鳴らしています。

◆さらに、「フタを開けっぱなしにしたからといって必ずしも病気になるわけではないが、少なくともウイルスに感染している時は、フタを閉めて流すようにするべき。フタに触れても、その後に手を洗えば問題ない」と述べています。

◆家族や職場、学校など、トイレを共有する人の間で病気の原因となるウイルスを拡散させないためにも、日常的にトイレの後はフタを閉めてから流すことを習慣づけておくといいでしょう。

◆和式トイレの場合は、多くはフタがなく、便器が浅いため、飛散が大きいという別の調査結果もあります。また、便器の位置が足元に近く、ズボンの裾などに飛沫がついて細菌を運ぶことになりやすいと考えられます。除菌効果のあるウェットティッシュなどを携帯すると便利です。

◆トイレ掃除でも普段から除菌を心がけるといいでしょう。ノロウイルスなどはアルコール消毒では効果が薄いので、感染者が発生した場合は、塩素系漂白剤を水で250倍に希釈したものを使用します。

◆便器や便座、フタ、水洗レバーのほか、手洗いシンクやカラン、ペーパーホルダー、ドアノブなども忘れずに。必ずビニールやゴム製の手袋とマスクを装着し、十分な換気を心がけてください。

(監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子)

[ケータイ家庭の医学SP]

Posted by nob : 2016年06月10日 15:27

技術はもとより心と身体のセルフコントロール力に長けておられる、、、自律神経の切り替わりが迅速かつ円滑なのでしょうね、、、素晴らしい。。。

■トップクラスの心臓外科医が伝授“集中力を保つ”4つの秘訣

今や、残業するほど仕事ができないと思われる時代。限られた時間で最大の成果を出すには──。経営トップ、心臓外科医、3つ星シェフ……斯界のプロにそのテクニックを聞いた。

■30分の昼寝で頭がすっきり

日本の心臓外科医でトップクラスの手術数を誇るのが、埼玉医科大学国際医療センター心臓血管外科の新浪博士教授だ。年間の執刀数は300例を超えている。

「世界に出れば標準的な数ですよ」と新浪医師は謙遜するが、日本の心臓外科医の平均が年間30例ほどなので、その10倍以上は突出した手術数だ。

極めてデリケートな心臓手術を数時間、ときには10時間以上にわたって行うには大変な集中力が必要だろう。しかも、1日に1度しか手術しない外科医も多いなか、新浪医師は必要とあらば2度、3度の手術を平然とこなす。その疲労度は相当なものだと想像できるが、どの手術も集中力を切らすことができない大事なものばかり。彼の集中するための秘策は、なんなのだろうか。

1日数回の手術で集中力を維持する秘策は、「昼寝」だ。

「先の手術が終わって自分の部屋に戻り、ソファに座ってお茶や食事をしていると知らないうちに寝ています。ふと気がつくと30分から1時間過ぎていて、頭がすっきりしています」

手術と手術の間に少し寝るという方法は、新浪医師が順天堂大学の助教授時代に師事した天野篤氏から直々に伝授されたのだという。

「天野先生は、手術と手術の合間に少しでも暇があったら寝たほうがいいよ、とアドバイスしてくれました。天野先生自身も寝るのですが、みんなのいるところで寝るから誰もリラックスできない(笑)。だから私は自分の部屋に戻って寝るようにしています」

それにしても、すぐに寝られるというのは一つの才能だろう。昼寝だけでなく、夜の寝つきもすこぶるいいそうだ。そんな話を実兄でサントリーホールディングス社長の新浪剛史氏にするととてもうらやましがられるという。

「彼はよく『どうやったら寝られる?』と聞きます。逆に、どうして寝られないのかわかりませんね。寝られないならその時間をもらいたいくらいです(笑)」

集中力を高めるためには、新浪医師が習慣化している2つの“儀式”も役立っているようだ。

一つは手術前に必ず達磨にお祈りすること。

「別に宗教を信じているわけではありませんが、難しい手術も多いので、最後は神頼み、仏頼みだと思っています。小さいころから川崎大師にお参りしていた関係で、そこで買ってきた達磨を教授室に置き、『今日の手術もうまくいくようにお願いします』と手を合わせてから手術に向かいます」

もう一つの方法が、夜寝る前に翌日の手術のプランを考えること。

「電子カルテなどをパパッと見て、頭の中でプランを設計します。ここが手術のキモだなとか。それが集中力アップになるかはわかりませんが、決まったパターンに持ち込めるので、最初の手術が何時からで、次は何時からでとスケジュールが組みやすいんです。もちろんイレギュラーも起きますが」

新浪医師は自分で執刀するようになってからの約20年間、この習慣を繰り返してきた。年間300例を超すほどの実績があるので、それに裏打ちされたパターンは豊富なバリエーションを持つ。数が質を担保しているのだ。

プラン通りに手術が進む確率は「通常は95%くらいですが、緊急手術の場合でも80%くらい」とかなりの高率だ。

寝る前に明日の仕事のプランを立てておくことは誰でもできる。翌日スケジュール通りに仕事をこなすためには参考にすべき習慣だ。

■集中と弛緩のメリハリを

だが、いくら昼寝をしたり事前準備をしても、長時間にわたる仕事では集中力が途切れることもあるだろう。

新浪医師の場合は、長い手術の中にオンとオフを設けるという。たとえば心臓の手術は、冠動脈バイパス手術は人工心肺を使用せずにできるが弁の修復や大動脈の手術は心臓や大動脈の中にアプローチするため、人工心肺で患者の心臓をいったん止めることとなる。心臓が停止している間の手術は緊張感、集中力ともにマックスの状態だ。だが、その前後で体温を下げる時間や体温を戻す時間などがあるので、そこはあえてリラックスし、集中力のメリハリをつけている。それによって本当に必要なときに力が発揮できるのだ。

「3〜4時間の手術なら、高い集中力が発揮できるのは、そのうち1時間半ほどです」

一般のビジネスマンは、外科手術ほど緊張感が高まる場面はないかもしれないが、一つの仕事の中で集中すべき大切なところを見極めて、集中するところと気持ちを緩めるところをつくると、うまく集中力を維持できるのではないだろうか。

集中力を長く保つためにはやはり体力も必要だ。心臓の手術が何時間にもわたれば、その間は立ちっぱなしになる。

「最近、週に1度か2度、スポーツジムに通っています。これは兄貴の推薦でね。体力増進だけでなく、栄養面でもアドバイスがもらえるので食生活も改善できます。これはよい仕事につながっていくと思います」

いくらオン、オフのメリハリをつけても、基礎的な体力が不足していれば、集中力は途切れてしまう。日ごろから健康に留意し、体力を高めているからこそ、ここぞというところで最高のパフォーマンスを発揮できるのだ。

▼新浪博士流“集中力を保つ”4つのコツ

[1]昼食後やスキ間時間に寝る
少しでも暇があったら、本を読んだりテレビを見るのではなく、30分でも潔く寝る。そのことで頭がすっきりして次の仕事に集中できるように。

[2]前日の夜に段取りを考える
頭の中で翌日の仕事のプランを練ることで、優先事項がはっきりして、集中すべきポイントが明確に。他の作業効率もあがる。

[3]一つの仕事の中でオンオフを設ける
長時間作業となると、ずっと集中はできない。「ここが一番のキモ」と思われるところにあわせて集中力を高め、ほかでは少しリラックスする。

[4]ジム通いで基礎体力をつける
どんなに集中しようとしても、基礎体力がなければ続かない。新浪教授は実兄の新浪剛史氏推薦で週に1度か2度、ジムに通っている。

[PRESIDENT online]

Posted by nob : 2016年06月07日 15:48

ギャップイヤーとサバティカル、、、素晴らしい。。。

■有給休暇で仕事効率が倍増!? 休むと成果が上がる、の実証結果とは

■「ギャップ・イヤー」認める米国

先日、オバマ大統領の娘マリアがハーバード大学への入学を決め、注目を集めたのは入学が2017年になることだった。本来ならば今年2016年の入学のはずが1年先に見送っている。これはアメリカでは「ギャップ・イヤー」と呼ばれる、大学入学前に1年ほど休暇を取り、見聞を広めてから学業に戻る制度だ。アメリカン・ギャップ協会の調査によると、年間およそ3万〜4万人が1年のギャップ・イヤーの後に大学に入学しているという。多くの学生は学業を休んでボランティアをしたり、旅行をしたり、企業インターンをしたりと自由な1年を過ごす。

マリア・オバマが入学予定のハーバード大学は、むしろ学生に1年休んでから学業に復帰することを促している。1年休養して教科書を離れて社会に目を向けることは、自分が何を学びたいかを理解する機会になるからだ。さらにインターンなどから自分の仕事への興味や向き不向きも感じるようになるかもしれない。何よりも、受験で無我夢中だった自分を冷静に見直す時間になるだろう。

社会人にもこうした疲れた頭を冷却する制度はある。たとえば大学の職員には、サバティカルという、一定期間勤務したのち1年ほど研究などに打ち込む時間が与えられる。ずっと勤務するよりも、リフレッシュすることでより発想が豊かになることを期待するものだ。組織にもよるが、給料はおよそ1学期分かそれ以上になる。

そして最近は日本の企業でも、介護休業などさまざまな休暇の取得を認めるようになった。たとえば育児休業は上限で1年まで。給料は得られないが、給付金は最初の6カ月は月給の67%、7カ月目からは50%になる。必要に駆られてのことかもしれないが、仕事から頭を切り替えるいい機会にはなるだろう。ほか、日本の年次有給休暇は半年勤務で10日発生する。それから1年勤務するごとに1〜2日増え、最高20日程度になる。ところが、こうした公の休業ですら、日本では連続して取りにくいのも事実。たとえ取ったとしても、戻ってきたときに果たしてどうなるかを考えると手を出しにくい。

グラフィックデザイナーのステファン・セグメイスターは、仕事におけるこうしたオフを、ちょっとおもしろい形で提唱している。それはこんなものだ。

■休暇をとりながら働くことの効果

たとえば人生の始め25年ほどを勉強に費やし、その後40年を働くことに使い、老後をおよそ15年ほどと試算する。ステファンが提唱するのは、この15年のうちの何年かを分割して、働いている現役時代に配分することだ。たとえば、表のようなイメージだ。

これなら退職は先に伸びるが、その分働いている期間をより充実した形にできるわけだ。あくまでもサンプルに過ぎないが、ひとつの働き方の例といえるだろう。ときにじっくり休んで充電をして、また仕事に戻ることで集中して仕事ができるだけでなく、休養中に得た経験から新しい発想が生み出せるようになる。

イスラエル、アメリカ、ニュージーランドの研究チームが、サバティカルで休業をとった研究者の健康状態、ストレスレベル、対人関係について調査をして発表している。それによると、休業をとった職員は、よりエネルギッシュになり、新鮮な気持ちで研究にとりくみ、プロとしての意識がより高まっている。何よりも、健康状態がよくなり、ストレスレベルが在職中よりもはるかに下がっているそうだ。

さらには、できる限り街を離れ、仕事と関係のない場所で過ごした職員のほうが、どこか仕事につながっているよりもよい結果になっているという。そのためこの研究者たちは、企業に対してもサバティカルの制度を推奨している。

1年の休業はより仕事の能率を上げ、発想をクリエイティブにしてくれるものだが、企業に居ながらの休業はそう簡単なものではないだろう。ならば、もう少しだけ短くして、休業により効果的に“脳休め”をする、こんな研究も発表されている。

■仕事から“離れる”と成果が上がる理由

インディアナ大学の心理学者Lile Jia氏らは「遠方の教訓――創造的な認識に対して、空間的な距離が持つ効果」という論文を発表している。実験の方法は、数十人の学部生をふたつのグループにわけ、各々が思いつく限りの交通手段を挙げてもらうというもの。

グループ1:この課題は「ギリシャで学ぶ」インディアナ大学生が考案したと伝える。

グループ2:「地元インディアナ州で学ぶ」インディアナ大学生が考案したと伝える。

このふたつのグループには明らかな違いが見られ、グループ1「ギリシャで考案」と聞いたグループのほうが、思いつく交通手段のほうが多かったという。

なぜ、「課題がどこで考案されたか」が重要なのだろうか。

それは、遠くで考案されたという意識から、地元の交通手段だけでなく、さまざまな手段へと思考が広がっていったからだ。つまり、インディアナ州の中を動くのではなく、世界中を動く手段を考えたというわけだ。

今回のように地理的な距離ばかりでなく、時間や確率的な距離でも、人は同じ反応を示すそうだ。「距離的に近く感じられる」ことで、より具体的でイメージ通りの意味でとらえて考えてしまう。ところが「距離が遠い」ことによって、より抽象的に発想することが可能になるというわけだ。

これこそが、休暇が仕事の効率を高め、発想を豊かにする理由である。

つまり、“日常”を離れて距離をおくことで、思考はふいに“何がどこにある”“ここはどこだ”といった具体性をなくして抽象的になり、空間がひろがり、今までと違うアイデアが浮かぶようになる。仕事から離れて初めて、今まででは考え付かなかったようなことに思いを巡らせるようになるのだ。

■休んで思い込みから脱却する

いつものメール、いつもの電話、何も考えずとも思い浮かぶ電車の名前……ある型にはまったことで、別の考えはそこには存在しなくなり、ただひとつのやり方を“正しい”と思い込んでしまう。そこを抜け出て漠然と名も知らない“乗り物”に乗り、説明ができない美しい波音を聞くことで、探していた答えが浮かぶかもしれない。

長期の休暇は難しくとも、堂々と「発想の転換をして、より仕事の効率をあげるために休んできます」と、そんな風に言ってみてもいいのかもしれない。

ステファンは「これから何をしたいか考えていて一番役に立つのは 周りにいる経験済みの人と話すこと。1人で想像するよりずっと効果的です」と語っていた。日本では、どうもそのあたりのコミュニケーションはとりにくいものだが、周りに長い休みをとった人がいたなら思い切って聞いてみたい。それは、どんな風なものなのか。

[脚注・参考資料]
CNNPolitics.com, Malia Obama to attend Harvard after gap year, 2016
Wired, Importance of Vacation, 2011
Psychology today, Do Sabbaticals Lead to Positive Work Outcomes?,by Ronald E Riggio Ph.D. 2010
Stefan Sagmeister, The power of time off, TED, Oct 2009
(上野陽子=文)

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2016年06月07日 14:54

変革につながるのは、リーダーとしての流麗な弁舌ではなく愚直な実行。。。

■ハーバード大教授が徹底解説!オバマ広島訪問の本当の理由
サンドラ・サッチャー教授に聞く

佐藤智恵 [作家/コンサルタント]

ハーバードビジネススクールでリーダーシップの専門家として数多くの講座を受け持つサンドラ・サッチャー教授。特にリーダーの決断とモラルについて議論する選択科目「モラル・リーダー」は、ハーバードの看板授業だ。授業でトルーマン大統領(当時)の原爆投下について教えているサッチャー教授は、今回のオバマ大統領の広島訪問をどのように評価したのか。徹底解説してもらった。(聞き手/佐藤智恵 インタビュー〈電話〉は2016年5月29日)

オバマ大統領の広島訪問に対する
ハーバード大教授の評価とは?

佐藤 サッチャー教授はハーバードでトルーマン大統領の原爆投下について教えていますが、今回のオバマ大統領の広島訪問をどのように評価しますか。

サッチャー オバマ大統領はとても勇気ある決断をしたと思います。中国や韓国など、日本政府が日本の戦争責任をめぐる論議を終わらせてしまう口実になるのではないか、という懸念を示した国もありましたから、複雑な政治状況であったことは確かです。そんな中で大統領は現在の政治状況を包括的に見た上で、広島訪問を決断しました。

 リーダーシップの観点から見ても、オバマ大統領は正しい決断をしたと思います。なぜなら彼は広島で3つの重要なメッセージを世界に伝えることができたからです。

 1つめは、原爆投下という歴史から学ぶこと、原爆の犠牲者や遺族に人間としての思いやりを示すことがいかに大切かということ。2つめが、アメリカは自国の行動について責任をとる国なのだ、ということ。そして、最後に、どの国にとっても、自国の歴史と向き合い、歴史から学ぶことは重要だ、ということです。

佐藤 オバマ大統領は、世界の模範となるリーダーシップを示したと言ってもいいのでしょうか。

サッチャー とても力強い「モラルリーダーシップ」(道徳的なリーダーシップ)を示したと思います。現職大統領の広島訪問は、オバマ大統領のリーダーシップなくしては実現できなかったでしょう。

広島訪問に込められた5つの目的

佐藤 広島でのオバマ大統領の演説は、私たち日本人だけではなく世界の人々の心を打つ歴史的なスピーチであったと思います。サッチャー教授は、この演説内容をごらんになって、オバマ大統領のどのような思いを感じましたか? 大統領の広島訪問の真意はどこにあったのでしょうか。

サッチャー オバマ大統領のスピーチの全文を注意深く読み解いていくと、広島訪問には5つの目的があったことが分かります。

 まず1つめは、原爆投下の犠牲者を哀悼することです。オバマ大統領は多くの方々が亡くなったことだけではなく、死に至るまでの過程でどれほど苦しんだかについても言及しています。例えば、次のような箇所です。

「私たちは、(原爆投下によって亡くなった)10万人を超える日本人の男性、女性、そして子どもたち、数千人の朝鮮半島出身者、12人の米国人捕虜を悼むために(広島を)訪れるのです。

 ここ広島の中心に立てば、原子爆弾が投下された瞬間、人々がどんな思いをしたか、想像せざるをえません。目の前で起きた出来事に、子どもたちはどれほど混乱し、怖い思いをしたか。それを感じ、彼らの無言の叫びに耳を傾けるために広島を訪れるのです。あの恐ろしい戦争で、それ以前、あるいは、それ以降に起きた数々の戦争で、多くの罪なき人々が亡くなりました。私たちは犠牲となった全ての人々のことを忘れないために、ここを訪れるのです」

(出所:ホワイトハウス公式ウェブサイト、翻訳:筆者、以下同)

 2つめは、人間の絆、つまり、すべての人間は、人間性という共通の絆でつながっていることを伝えることです。それは次のような箇所に象徴されています。

「私たちが広島を訪れるのは、愛する人々のことを思うためです。朝一番に笑顔を見せてくれる子どもたち、食卓越しに優しく手を触れてくれるパートナー、そして、愛情いっぱいに抱きしめてくれる父親や母親。こうした人たちのことを思い浮かべれば、71年前、亡くなった人々にも同じように大切な人との大切な時間が流れていたことが分かります」

 3つめは、“人類が抱える根源的な矛盾”について語ることです。彼はその矛盾を次のように説明しています。

「私たちの思考力、想像力、言語能力、道具を作る能力、自らを自然と区別し、自然を意のままに変化させる能力、これらは人類だけが持つ特別な能力ですが、同時にとてつもない破壊力をもたらすものでもあるのです」

サッチャー 4つめは、世界の国々にとって、自国を防衛することは必要不可欠なことですが、武力を行使する際には、道徳的なルールに基づいていなければならないということです。意見が違う人々に対しても、人間性を尊重しなさい、というメッセージが、次のような箇所から読み取れます。

「広島はこの真実を教えてくれます。人間社会が科学技術と同じスピードで進化していかない限り、技術が人類を破滅させることもあるのです。科学の分野で原子分裂という革新がおこったのであれば、同じように人間社会のモラルもそれに応じて革新していかなければなりません。

 私たちは戦争そのものへの考え方を変えなくてはなりません。外交によって紛争を防ぎ、すでに始まった紛争については終結させる努力をしなければなりません。世界の国々はますます相互依存を高めるようになっていくことでしょう。しかしそれは、暴力的な対立ではなく、平和的な協力関係につなげていくべきです。他の国を破壊する能力ではなく、何を築き上げてきたかによって、国としての価値を評価されるべきなのです」

 そして5つめは、歴史から正しい教訓を学び、よりよい世界を築き上げることに貢献してほしいという願いを世界の人々に伝えることです。

「なぜ私たちはここ、広島を訪れるのでしょうか。そう遠くない昔に、この地に放たれた恐ろしい力について深く考えるためです。(中略)ここで亡くなった方々の魂が私たちに語りかけます。自らの心の中をのぞき、あなたは何者で、何ができるかを考えよと。

 私たちには、歴史を直視する責任があります。こうした悲惨な出来事が二度と起こらないようにするために何が出来るかを自問すべきなのです。

 何よりも大切なのは、私たちが人類の一員であることを認識し、お互いの関係をよりよいものにしていくことです。これもまた、人類だけがもつ特殊な能力です。私たちの運命は遺伝子によって決まっているわけではありません。過去の失敗を繰り返すように定められているわけではないのです。私たちは学ぶことができるし、選択することもできる。子どもたちに新しい物語を伝えることができます。戦争が起こることもなく、残虐な行為が許容されることもなくなった、新しい世界の物語を伝えることができるのです」

すべてのリーダーをめざす人々に
模範的な行動を示したオバマ大統領

佐藤 確かにサッチャー教授に分析していただいた上で、演説をあらためて読み返すと、「広島を訪れる理由」が何度も強調されていることが分かります。

 戦後71年たった今年、現職の大統領による広島訪問は、なぜ実現したと思われますか。やはりオバマ大統領でなければ実現できなかったでしょうか。

サッチャー オバマ大統領の行動から判断するに、彼は何よりも被爆者の方々に直接会いたかったのだと思います。彼は思いやりに満ちたリーダーで、これまでもアメリカ国内でも様々な事件の犠牲者のもとに自ら出向き、面会しています。

 アメリカが冒した行為によって苦しんできた人々に、大統領自らが会いに行き、彼らのことを思いやる。これはすべてのリーダーをめざす人々にとって模範になるのではないでしょうか。

 日本の被爆者、そして、遺族の方々もまた、オバマ大統領の気持ちを思いやっていたように思います。現職のアメリカ大統領として広島を訪れ、「広島で起きた悲惨な出来事から教訓を学びましょう」というのは、道徳的な葛藤もあったと思います。しかし、そうした葛藤や大統領の思いを被爆者の方々も深く理解していたように感じました。

佐藤 アメリカ国内でも事件の犠牲者に直接、会いにいったとのことですが、最近ではどのような例がありましたか。

サッチャー 最近では米カリフォルニア州の福祉施設で発生した銃乱射事件で犠牲者となった方々の家族に直接会いに行きました。

佐藤 2015年12月、カリフォルニア州サンバーナディーノで14人が犠牲者になった銃乱射事件ですね。ミシェル夫人とプライベートで訪れ、犠牲者の遺族らと3時間近くにわたって面会したそうですね。

サッチャー そうです。アメリカでは銃規制が不十分であるために、銃による事件が後を絶ちません。そのため、オバマ大統領はいわゆる“銃犯罪による犠牲者の喪主”としての役割を担い、犠牲者や遺族に思いやりを示すことによって、銃がもたらす危害を訴えているのです。アメリカだけではなく他国でも同じ問題を抱えていますが、オバマ大統領は、銃規制を強化しなくてはならないという姿勢を明確にしています。

 オバマ大統領は、共感力の高いリーダーであり、傷ついている人々の気持ちに寄り添うことができる人なのだと思います。広島訪問は、こうしたオバマ大統領の人間性を象徴していると思います。

オバマ大統領のモラルリーダーシップは
いかに形成されたか

佐藤 オバマ大統領はなぜ犠牲者や弱者に対して、特別な思いやりを示すのでしょうか。やはり彼が国際的な環境で育ってきたことも影響していますか?

サッチャー オバマ大統領が最初に執筆した自伝『マイ・ドリーム―バラク・オバマ自伝』には、彼が若い頃、アイデンティティー問題に苦しんだことが書かれています。

 彼は「自分が何者であるか」について常に考え、その現実をありのままに受け入れようとしてきた人です。ケニア出身の父親とアメリカ人の白人の母親との間に生まれたことが、自分の人生にどのような影響を与えてきたか、について、かなりのページを割いて書いています。『こうした両親のもとに生まれたことは、多くの利点をもたらしたが、同時に人生を複雑にもした』『自分は何者であるかを問い続けることで、ようやく人生が満たされた』といった内容が書いてありました。

 オバマ大統領は、ハーバードロースクールを修了後、シカゴのコミュニティーオーガナイザーになります。そこで恵まれない黒人の人々が、必要な社会資源が得られるように、行政に訴えかける活動をはじめたのです。コミュニティーの人々がお互いに協力しながら生活を向上させ、生活環境を改善するための手助けをしました。

 つまり彼には政治家になるまでの過程で、自分のアイデンティティーを追求してきた長い歴史があるのです。自分の生い立ち、インドネシアでの居住経験、家族環境などすべてを受け入れようとしました。だからこそ、彼の考え方は国際的なのだと思います。世界には様々な人々がいて、それぞれ自分とは違っている点もあれば、共通点もある。その事実を偏見なく受け入れられるのです。

佐藤 オバマ大統領が広島訪問を決断するにあたって、最も大切にした価値観は何でしょうか?

サッチャー 人間にとって最も重要な価値観とは何か、を考えて、決断したと思います。人間同士をつなげている価値観とは何だろう。人々がよりよい市民となり、お互いの意見を尊重するような世界にするために必要な共通の価値観とは何だろう。私たちが過去、そして、未来の行動に対して責任をとるために、そして、人間がさらに学び、変化し、成長していくためには、どんな価値観が必要だろうか。こうしたことを考えて決断したと思います。

「平和」と「核なき世界」というのは単なるスローガンではありません。どれほど実現が困難で、多大な時間と労力を要したとしても、現実的な目標であるべきなのです。

佐藤 「人間にとって最も重要な価値観」とは、一言でいえば、道徳観のことでしょうか。

サッチャー そうです。人間としての道徳観です。モラルリーダーシップの核心は、他人の人間性を尊重することです。それはまさにオバマ大統領が広島での演説で伝えたことであり、広島を訪問するという行動で示したことです。同じように、オバマ大統領を受け入れた被爆者の方々もまた、高い道徳観を示されたと思います。

 私は個人的に被爆者の方々が謝罪を求めるのではなく、核なき未来を実現してくださいと伝えたことに、とても感銘を受けました。被爆者の方々は、私たちには現在だけではなく、次世代のために未来を築き上げる責任があることを示しました。これは非常に重要で、道徳的な行為であったと思います。

佐藤 被爆者の方々もまた、モラルリーダーシップを示した、と考えますか。

サッチャー そのとおりです。これほどの苦しみを与えた相手に対して、怒りや恨みを持ち、「生きている限り、絶対に許さない」と思うのも当然のことです。にもかかわらず、被爆者の方々は、「核なき世界の実現に向け、一緒に取り組みましょう」とおっしゃった。これは人間の精神の偉大さや高い品格を象徴する姿勢であり、被爆者の方々は日本だけではなく世界中の人々の模範となるリーダーシップを示したと思います。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2016年06月07日 13:52

呼吸・姿勢・歩行は、健康生活の根幹です。。。

■日本人の9割ができていない!?「正しい立ち方」

竹下雄真 [デポルターレクラブ代表]

「正しい立ち方」できていますか?

 あなたは「胸を張って立ってください」といわれたら、きちんと胸を張れるだろうか。普段、デスクワークが多い人は胸を張っているつもりでも、うまくできていないことが多い。

 そういう方が胸を張ろうとすると、胸やアゴが突き出ていたり、お腹が出てしまうこともある。正しい胸の張り方をしている人は、私から見ていてもかなり少数だ。

 ここでは、ヨガの「ターダ・アーサナ」という直立したポーズをご紹介する。これは山のポーズとも呼ばれ、立位のポーズのベースとなる。

 一見ただの「気を付け」の姿勢に見えるが、実際にやってみると体がグラグラして、まっすぐ立っていられないことに気付くはずだ。現代人は、まっすぐ長時間立つという習慣がなくなってきているのである。

 仕事で疲れて家まで帰るとき、電車内では片方の足に体重を乗せて立っていたり、吊り革にだらしなくつかまっていたり、とまっすぐ立っている人は少ない。こういったところから体のゆがみが生じてしまう。

 ターダ・アーサナでまっすぐ胸を張って立つ習慣をつけるだけで体のゆがみは取れ、心身ともに健康になっていく。

「正しい立ち方」=「ターダ・アーサナ」とはこれだ!

 正しい立ち方(ターダ・アーサナ)とは、以下のとおりだ。

(1)足をそろえて、背筋を伸ばしてまっすぐに立つ。このとき、両足の親指の内側をつけ、足の指はぴったり床につける。
(2)内もも、おしりを締めて下半身全体を安定させる。両手は両脇に下ろし、肩に力が入らないように注意する。
(3)胃が引っ込むように鼻から息を吸い、肋骨を左右に開く。
 このとき、頭が上からつられているように背骨をまっすぐにする。肋骨を左右に広げるように意識すると、胃が引っ込む。
(4)吐く息で背中が丸まらないように意識しながら、左右の足全体に体重を乗せたまま呼吸を繰り返す。

 ポイントはまず、アゴが出ないようにすること。横から見て、耳たぶのラインから、肩の骨、腰の出っ張っている骨、くるぶしまでのラインがまっすぐになっていることだ。慣れないうちは壁に背中をつけて立ってみるといい。かかとを壁につけて立つと腰が前に出てしまうので、おへその下にある「丹田」を意識してグッとお腹をひっこめると背中がムリなく壁につくはずだ。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2016年06月07日 11:43

私も実践中、、、おすすめします。。。

■家にあるアレを使うだけ!ニキビを早く治すための簡単スキンケア

あのスキンケアでNO MORE!ニキビの悩み

疲れが溜まってしまった時、寝不足が続いている時、お酒や油っこいものを食べ過ぎてしまった時、太陽を浴びすぎてしまった時…など、必ずといっていいほど現れるのが「ニキビ」です。
そんな時に限って、大事な日を控えていたりすることが多く、焦ったことのある女性はたくさんいると思います。
でも、実はニキビは集中ケアをすればいつもより早く治すことだってできるのです。
今回はそのオススメスキンケアについてお話しします。

ニキビを良くするにはコレを使おう!おうちで簡単スキンケア

どこの家庭にもあるといわれるあのアイテムで、ニキビの箇所を集中ケアしましょう。
そのアイテムとは、「絆創膏」です。
まさに傷を守り、治癒する絆創膏ですが、実はニキビにもとても有効的だと言われているのです。
ニキビに薬を塗っても、一晩たつと寝相で薬が落ちてしまいがちですよね。
でも、絆創膏をしっかりと貼っておけばそれを防ぐこともできます。
また、ニキビはとても刺激に弱いです。
寝ている間に枕やシーツで無意識にこすってしまって悪化させている場合があるので、絆創膏を貼り守ってあげましょう。

では、早速ですが絆創膏を使ったニキビ集中スキンケアをしてみましょう!
やり方はとってもシンプルで誰でも簡単にできます。

1.顔全体をしっかりと洗顔し、顔の汚れを落とします。
2.ニキビの箇所に薬をしっかりと塗ります。
3.少しだけ乾いたところで、絆創膏をピッタリではなく、少しスペースの余裕をもたせ貼ります。

たったこれだけの3ステップです!
これなら苦労もせず、簡単に、そして誰にでもできますよね。

たった1つのニキビでも、女性にとっては命取りといっても過言ではないほど大きな存在です。
でも、これからは絆創膏を上手に使いニキビを一気に治し、美しい肌をキープするようにしましょう。

[美BEAUTE]

Posted by nob : 2016年06月07日 11:21

それが一番いい

■ビートたけし、苦笑いで東京五輪返上を提案…一番偉い“知事”は「IOCに返還というヤツ」

 タレントのビートたけし(69)が5日に放送されたテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」(日曜・前11時55分)に出演し、2020年の東京五輪返上をぶち上げた。

 番組では、東京都の舛添要一知事(67)の政治資金の私的流用疑惑や辞任論について議論。現時点で舛添氏が辞任して都知事選となると、4年後の都知事選が東京五輪の時機と重なることが指摘された。さらに番組に出演していた前宮崎県知事の東国原英夫氏(58)が、もし舛添氏が辞任した場合の都知事選に出馬するかを問われ「全然ないです。ないです」と否定する一幕などがあった。

 番組は出演者が口々に持論を語って収拾が付かない状況となり、たけしが「一番えらいのは五輪をIOC(国際オリンピック委員会)に返還というヤツ。一番えらい。東京都はお返ししますと。五輪をやっている状態じゃなくなったから、お返ししますと」と、混乱する都政の現状について苦笑いしながら極論をぶち上げた。

 これに対し、元参院議員の田嶋陽子氏(75)が「それでいいよ」と真顔で同調。スタジオは笑いに包まれていた。

 なお東京での五輪開催を巡っては、東京で開催予定だった1940年大会を日中戦争の影響などで38年に返上した歴史がある。

[スポーツ報知]

Posted by nob : 2016年06月07日 11:08