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■イラク人、国外脱出の波 「戦争うんざり」毎日2千人

 イラクを脱出するイラク人の波が止まらない。ヨルダン、シリア両国合わせて120万人に達し、今も毎日2000人がシリアに逃れる。アンマンのイラク人は皆疲れ、「戦争はうんざり」と嘆いた。

 「内戦とは考えたくない。外国と国内の政治勢力の助けを受けたギャングの組織的な争いだ」

 8カ月前にバグダッドを逃れたイラク航空の地上職員(42)は、「胸の病気の治療」を理由に長期滞在を続けていた。30日にアンマンで行われたブッシュ米大統領とイラクのマリキ首相の首脳会談については「何も期待していなかった」という。

 「でも、米国と首相には治安改善の責任がある。米軍には撤退して欲しいが、今撤退すると、本当の内戦になる」

 運輸省法律顧問(70)、クルド人ビジネスマン(54)などアンマンに逃れているイラク人はみな、同じ心配を口にした。

 首脳会談前、マリキ首相は、米軍のイラク撤退時期を焦点のひとつとして臨む構えを見せていた。AP通信は、シリアのダマスカスに逃れたイラク人が、会談について「イラク人のイラク撤退時期について話し合うんだろう」と冗談を飛ばしたと伝えている。

 イラクの全人口は2680万人(06年推定)。国連などによると、ヨルダンに長期滞在するイラク人は約50万人、シリアに約70万人。イラク戦争後の脱出者は100万人とされ、06年以後、特に増えている。

 昨年末にアンマンで起きたイラク人による自爆テロ後、ヨルダンが入国を制限したため、脱出の波はいまシリアに向かっている。

〔朝日新聞〕

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Posted by nob : 2006年12月02日 19:10