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■死刑確定囚100人超え懸念 4人執行の背景

 法務省は25日、9年ぶりとなる「一度に4人の死刑執行」に踏み切った。就任3カ月足らずの長勢法相が執行命令書に署名した背景には、執行されていない死刑確定囚の「100人超え」が目前に迫っていた現状と、署名を拒否した杉浦正健前法相の存在があった。

 死刑判決は近年多く出ており、死刑確定者は03年ごろまで毎年2~7人程度だったが、06年は20人を超えた。

 一方、実際に死刑囚の命を奪うことになる命令書への署名には消極的な法相が多い。最近10人の法相は、約30カ月の在任期間中に5人分の署名をした森山真弓元法相を除けば、最多で3人しか署名していない。結果、03年まで50人台で推移してきた未執行者は24日現在で98人。年明けに100人を超える勢いだった。

 「100人超えを許したら制度としておかしくなる。終身刑の議論はあっていいが、段階を踏まないと」。法務省幹部は危機感を募らせていた。

 昨年10月から今年9月まで法相だった杉浦氏は命令書への署名を拒否した。死刑執行者数の統計は、年締め。執行ゼロになれば92年以来14年ぶりだった。幹部は「今年をゼロにするのは絶対に避けたいという気持ちはある」と「年内執行」への執着を認める。

 別の幹部は「一度に4人というが、(杉浦前法相が拒否した)前回との2回分だから」と話す。

 執行は、国会審議に影響を与えにくい閉会中に行うのが通例。19日の閉会後、天皇誕生日の前は避けたいとの配慮も働いたとみられ、限られた選択肢の中から、クリスマスの朝の執行となった。

 長勢法相は25日午後、記者団に「法の規定にのっとって適正に、慎重に判断した」と話した。

〔朝日新聞〕

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Posted by nob : 2006年12月26日 23:50