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■露「死刑執行は悲劇的過ち」 英仏は決定を尊重

 イラクのサダム・フセイン元大統領の死刑執行について、各国はそれぞれ談話などを発表した。死刑制度の廃止を訴える欧州だが、多くは元大統領の犯罪が法廷で裁かれたことを受け入れる姿勢を示した。一方、ロシアは処刑は過ちとして、イラク情勢の悪化に懸念を示した。

 ベケット英外相は30日、英政府を代表し、「イラク人を殺害した罪で元大統領がイラクの法廷で裁かれたことを歓迎する。元大統領はその責任を問われた」との談話を発表。その上で、「英政府は被告人や犯罪行為にかかわらず死刑制度の廃止を世界に訴える。ただ、イラクの主権国家としての決定は尊重する」として、元大統領の死刑執行は、やむを得ないとの見解を示した。

 フランス外務省は声明で、「すべてのイラク人に将来を見据えて国民の和解と統合に努めるよう求める」と強調。死刑については、「元大統領の死刑執行はイラク国民と当局の決定」とだけ伝えた。また、バチカンの報道官は処刑は「新たな悲劇である」と述べた。

 一方、プーチン露大統領の外交上のブレーンであるコサチョフ下院国際問題委員長はラジオ局エホ・モスクブイに「死刑執行は結果の予測がつかない悲劇的な過ちだ。米国人に対する抵抗が弱まることはなく、状況は飛躍的に不安定となるだろう」などと述べた。また、露外務省のスポークスマンは「死刑執行によって軍事・政治的状況がさらに先鋭化し、民族・宗教的緊張が高まる可能性がある」と警告した。(ロンドン・蔭山実、パリ・山口昌子、モスクワ・遠藤良介)

〔産経新聞〕

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Posted by nob : 2006年12月31日 23:55