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■06年難民申請、イラク人が急増 2万人以上に

 イラクから欧米やアジアの主要国(50カ国)に難民申請をしたイラク人が昨年急増し、2万人以上にのぼったことが23日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のまとめで明らかになった。06年の国別申請者数では世界で最も多い。同年に宗派間抗争が激化したことが要因とみられる。国際的には難民申請者数はここ数年で大きく減っているなか、治安回復の兆しが見えないイラクが突出している。

 UNHCRが発表した06年の難民申請者の総数は、前年より10%減の約30万人だった。うちイラク人は、前年比77%増の2万2150人。昨年後半、特に10~12月にかけて8100人が申請して急増した。申請先はスウェーデン(9000人)が最も多く、オランダ、ドイツ、ギリシャなど。

 イラク人からの難民申請は、03年3月に始まったイラク戦争が近づくなかの02年、最高の約5万人を記録。しかし、翌03年には半減し、04年は約1万人にまで減った。

 イラクの場合、隣国シリア、ヨルダンで計約200万人が避難生活を送っているが、一時的な避難とみなされるため、この統計には含まれていない。また、内紛で家を追われるなどしてもイラク国内にとどまっている「国内避難民」も、推計約200万人にのぼる。

 UNHCR報道官は「イラク情勢はさらに悪化する可能性がある。欧米諸国にたどり着いて難民申請できたのはごく一部。これからもイラク難民の流出は続くだろう」と話している。

 イスラエルとの紛争を受け、レバノン人の難民申請(2745人)も前年比66%増と大幅に増えた。ほかに難民申請が多かったのは中国(1万8300人)、ロシア(1万5700人)、トルコ(8700人)など。

〔朝日新聞〕

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Posted by nob : 2007年03月28日 10:30