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日本の徴収力はおそらく世界一、、、サラ金より怖い。。。

■【コラム断 ジローラモ】イタリアの年金見限って

 人生の契約。そもそも公務員・会社員以外の天引きされない個人商店経営のイタリア人は、いまだに税金を払う気がない。レジを打たなかったり、手書きレシートの発行で脱税を図ったり。政府もそこは訳知りで、客がカフェやバールでの注文後、レシートなしで店外に出ようものなら、見張りの査察官のチェックで、客・店双方に罰金が科せられる。払わないのなら、取れるところから取ろうと、税金を高額所得者や高額商品にたくさんかける。消費税が一律の日本でよく見かけるイタリア製高級車を本国ではあまり見かけないのは、そういう訳だ。

 他方、税金をちゃんと納めている市民にはさまざまな恩恵が与えられる。そのひとつが、INPS(イタリア社会保障保険公社)から支払われる公的年金。80年代までは、イタリアが世界でも有数の“年金生活者大国”であった事実がある。例えば、結婚している女性または結婚していなくても子供がある女性は、勤続15年で受給資格が発生する。よって30歳の女性が資格を得て、政府は寿命が尽きるまで支給し続けねばならないという特殊な例も発生した。一般的なイタリア人の共通の楽しみは、自分の給与水準の一番高い時をねらって早々とリタイアし、年金の恩恵にあずかって、第二の人生を謳歌(おうか)することにある。

 ところが90年代に入って、年金財政の収支バランスが崩れ始めると、政府は受給年齢の引き上げなど度々改定を行い、団塊世代の大量リタイアに備えて08年からは、受給条件はより厳しくなる。かく言う私は早々とイタリア年金を見限り、薔薇(ばら)色の年金生活を夢見て、20年間ここ日本で年金保険料を納めてきたが、なんということか! この日本の年金も危なそうではないか! マンマミーア。

 (エッセイスト・ジローラモ)

〔産経新聞〕

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Posted by nob : 2007年07月07日 09:36