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■女性誌相次ぐ創刊 50代に熱視線
50代向けの女性誌創刊ラッシュ50代向けの女性誌創刊ラッシュ

 「さあ、自分のために何をしよう」というキャッチコピーとともに、50代を対象とした女性誌の創刊が相次いでいる。一昔前のオバサンイメージとはうって変わって、元気で若々しく、自分への投資を惜しまないのがいまどきの中高年女性。子育てを終え、人生のセカンドデビューを迎える彼女たちに出版社が熱い視線を送っている。(中曽根聖子)

 「上品元気」今月20日、マガジンハウスは50代向けを堂々と宣言した女性誌「クロワッサンPremium」を創刊する。キーワードは「上品元気」。ともに50代後半の木原光知子さんと前田美波里さんが表紙を飾った創刊準備号(3月発行)は、増刷分を含め8万5000部が完売。編集部には「こんな雑誌を待っていました」と大きな反響が寄せられた。

 驚くのは表紙に50代の文字が5カ所も躍っていたこと。竹内正明編集は「周囲からはオバサンとみられがちな50代を前面に打ち出すことには議論もあったが、今の中高年は一昔前に比べ、若々しく行動的。年齢を重ねることに自信を持った彼女たちはマイナスイメージでとらえていない」と説明する。

 「さあ、自分のために何をしよう」のキャッチコピーで女性の心をつかんだのは集英社が先月創刊した「●clat(エクラ)」。エクラはフランス語で「きらめき、輝き」の意味。創刊号は黒木瞳さんを起用したパリ特集や通販特集が好評で、8万3000部がほぼ完売した。

 さらに来年3月には、30代向けの「VERY」や40代向け「STORY」のラインナップをそろえる光文社が、新たに「HERS」を創刊する。対象とするのは40代後半から50代だ。

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 従来の女性ファッション誌といえば若い女性が主な対象。販売額が9年連続マイナスという雑誌不振のなか、出版社が50代に熱い視線を注ぐのはなぜか。

 エクラの田中裕則編集長によると、今の50代は「アンノン族」という流行語も生んだファッション誌の元祖「an・an」(昭和45年創刊、マガジンハウス)「non・no」(同46年、集英社)で中学、高校時代を過ごすなど、「雑誌文化の中で育った初の世代」。それだけにファッションやオシャレに対する関心も高く、「自分なりの価値観や審美眼をもった彼女たちが読む雑誌がなかった」という。

 竹内さんも「出版界には中高年女性は書店に足を運ばないという思い込みがあり、本来なら雑誌好きのこの世代が飢餓状態に置かれていた」と分析する。

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 一般的に女の50代は、子育てを終え、夫は定年退職にさしかかる時期。消費トレンドに詳しい電通総研の山崎聖子主任研究員は「時間も金銭的にも余裕があるこの世代は、人生のセカンドデビューを迎え、自分への投資を惜しまない。最後に残った大きな消費集団として期待されている」と指摘する。事実、エクラが想定する読者層は可処分所得が1000万円前後の世帯だ。

 人生はこれから。出版社がいま、注目するのは消費意欲と購買力を兼ね備えた“新しい50代”だ。HERSの新倉博史編集長は「それぞれに病気や離婚など修羅場をくぐり抜けた人生のベテラン。目の肥えた大人の女性を納得させる雑誌作りが求められている」と意気込む。

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〔産経新聞〕

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Posted by nob : 2007年10月10日 09:46