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発想が本末転倒。。。

■明日の私:「障害者自立支援法」見直し 独り立ち遠く、将来不安

 障害者にも原則1割の利用者負担を求める「障害者自立支援法」。福田政権になって見直し論議が活発化しているが、批判は昨年4月の施行前からあり、「ようやく」の感が強い。現場では「自立」に向けた展望が見えないことへの不安感が一段と強まっている。【有田浩子】

 ◇利用料、支出ずしり--「脱施設」も受け皿不足

 「仕事はしたいけど思うように働けない。今の工賃は少なくて言えない」。千葉県佐倉市の住宅街にある指定障害福祉サービス事業所「オリオンハウス」に7月から通う高橋英一さん(45)は恥ずかしそうに話した。

 高橋さんには脳性マヒがあるが、7月までは隣の八千代市内の職業センターで園芸などの仕事に就き月約7万円稼いでいた。

 支援法がスタートして、職業センターの利用料や食費など自己負担はゼロから月約3万円に増えた。障害が進み、「生活介護」を中心としたオリオンハウスに移ったのを機に両親と世帯を分離する手続きをとったため、利用料は低所得者扱いになって安くなった。だが、車椅子を使うようにもなったため、バスの送迎費なども自己負担に加わり、合計額はやはり月3万円を超える。

 オリオンでは機能訓練をしながら陶芸の仕事をし、工賃は月数千円。障害年金は約6万6000円だ。高橋さんは「結婚もしたい。でもこれだけじゃ食べていけない」と将来への不安を訴える。

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 埼玉県春日部市の東武伊勢崎線武里駅に近い建物の3、4階に「ともに福祉会」が運営する「ケアホームなないろ」がある。精神や知的障害を持つ30、40代の6人が平日の夜間を職員とともに過ごし、日中は同法人が運営する事業所に通う。すべて個室(10畳)で、2食付き月7万円。

 自閉症の息子(31)が「なないろ」で暮らす母親(62)は「支援法が始まり食費や送迎費などが増えたため、月12万~13万円は最低かかる」と話す。障害年金(約8万3000円)だけではやりくりできず、差額負担が重くのしかかる。

 週末は自宅で面倒をみているが、いつまで親が世話を続けられるか不安は尽きない。支援法は「施設から地域へ」ともうたうが、こうした受け皿は少なく、自宅から独り立ちもままならない状況だ。

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 問題は利用者の負担増ばかりではない。支援法により報酬が月額から日割り方式に変わり、障害者は体調などにより通えない日もあることから、多くの事業所が減収になった。減収を補おうと土曜や祝日に施設を開くと、それは結局、労働条件の悪化を招く。

 実際、ともに福祉会の一つの事業所は収益が当初見込みの半分に落ち込んだ。オリオンも国の特別対策の対象から外れたことなどもあり、赤字運営になった。ひずみは人件費に行き着き、人材も集まりにくくなっている。

 ともに福祉会の矢口幸一理事長(51)は「特別対策は時限的で、高齢化で親の介護力が落ちる中で安心できる仕組みになっていない」と指摘する。

 ◇「1割負担」議論の焦点に 民主は凍結法案提出--所得保障の必要も

 支援法は受けたサービスに応じ利用料を負担する「応益負担」の原則に基づき、1割負担を求めるのが特徴だ。ただ、障害が重い人ほど負担が重くなる。民主党は1割負担凍結を柱とする法案を国会に提出しており、1割負担問題が当面、大きな焦点になりそうだ。

 障害者福祉は03年度に自分でサービスを選ぶ支援費制度が導入されたが、利用急増で財源不足に陥った。そこで、介護保険への統合と、同保険の保険料負担年齢引き下げ(現在40歳以上)がセットで論じられた。だが、同保険の06年改正で統合は見送られ、身体、知的、精神の3障害を一元化し、介護保険と同様に1割負担を盛り込んだ支援法が成立した。

 昨年4月の施行により負担増を嫌ってサービス利用を中断したりする利用者が出たこともあり、政府は今年4月から、1割負担の上限額を引き下げるなどの負担軽減措置を講じた。しかし、2カ年の時限措置で、その後の見通しは立っていない。

 立教大学コミュニティ福祉学部の高橋紘士教授は障害基礎年金と生活保護費にギャップがあることを踏まえ「年金の基準そのものを見直すか、あるいは手当で埋めるかなど所得保障についての議論をすべきだ。重要なのは財源。消費税の議論なくしてはありえないのではないか」と話す。さらに「支援法では施設から地域へという方向性は出たが、まだ自立して暮らせる条件が整ったとはいえない」と指摘する。

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 ■障害者自立支援法のポイント

・身体、知的、精神の3障害を一元化

・介護給付の必要度を示す障害程度区分は6段階に

・サービス量に応じ費用を負担(応益負担)

・日中活動を六つに再編。施設中心から地域とかかわる暮らしに移行。就労支援を強化

・都道府県、市町村にサービス量の数値目標を盛り込んだ計画策定義務づけ

・障害福祉サービスの関係予算07年度4873億円(前年度比11.4%増)

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 ■1割負担の月額上限額

        06年度から 07年度から

生活保護世帯      0円     0円

低所得1   1万5000円  3750円

低所得2   2万4600円  6150円

一般     3万7200円  9300円

 ※通所、在宅サービスを利用する場合。07年度からの軽減は期限2年の特別対策。低所得は住民税非課税世帯で、本人の所得などにより1と2に分かれる。一般で軽減対象になるのは年収約600万円まで

[毎日新聞]

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Posted by nob : 2007年10月13日 23:58