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■青森県議会、「核処分場拒否」条例を否決へ
使用済み核燃料の再処理で出る放射能が強い「高レベル放射性廃棄物」の最終処分場受け入れ拒否を宣言する条例案が6日、青森県議会に提出された。同処分場については昨年、高知県東洋町が同様の条例を制定して注目され、青森県も受け入れ拒否の姿勢を再三表明してきた。ところが、今回の条例案は否決される見通し。処分場を誘致した自治体には国から巨額のカネが入る。条例を拒む背景には「誘致の選択肢を残しておきたい」との思惑がかいま見える。
拒否条例案を出したのは野党3会派(計5人)。三村申吾知事は条例は不要との立場で、自民党(27人)、民主党系会派(8人)など議会の大半も同調している。
知事が条例を不要とするのは、県が前知事時代の95年、国から「知事の了承なしに県内に処分場を造らない」との確約を得ているとの理由からだ。野党は確約について「知事の了承があれば造れるということ。処分場拒否の担保にならない」と条例制定を求めるが、知事は「国との確約は重い」としている。
ある県幹部は「(処分場を拒否するか否かは)その時その時の知事が判断するのが民主主義の原則だ」という。将来、誘致にかじを切る選択肢を残すためにも、条例で拒否を宣言すべきではない、との考えからだ。
背景には、誘致に伴う大きなメリットがある。国は、処分場の適地かどうかの調査だけで、地元に6年間で90億円を出す。処分事業そのものによる巨額の税収もある。
県内には、処分場誘致に前向きともとれる動きも出ている。六ケ所村の隣、東通村の越善靖夫村長は、処分場問題を「議論すべきだ」との考えを表明。また、高レベル廃棄物を30〜50年間、貯蔵する施設をすでに抱えている六ケ所村でも、建設業者などの間に誘致待望論がある。ある村議は「放射能が弱まった後、よそに持っていくより、六ケ所村で地域振興してほしい」と打ち明ける。
県は、条例不要論を「処分場容認」と受け取られることは避けたい考えで、三村知事は2月、国から新たな確約を取る考えを県議会で表明した。ただ、確約の内容について国、県の関係者は「以前の確約より踏み込んだものは難しい」と口をそろえる。
[朝日新聞]
Posted by nob : 2008年03月11日 13:33