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はじめからそうしようよ。。。
■MS会長「それぞれ方向性追求」…ヤフー買収、再交渉せず
来日中のビル・ゲイツ米マイクロソフト(MS)会長=写真=は7日、東京・赤坂のホテルで記者会見し、インターネット検索2位の米ヤフーの買収が失敗したことについて、「それぞれ独立した方向性を追求すべきだという結論になった」と述べた。
当面はヤフーとの再交渉をせず、単独でネット事業を強化する方針だ。
今後の戦略について、「最新技術の登場で広告主の選択肢は増えるし、ソフトウエアの技術で競争していきたい」と、研究・開発に力を入れる考えを示した。
ヤフーは、MSによる新条件の提示があれば買収交渉再開の可能性があるとの考えも明らかにしている。これに対し、ゲイツ会長の発言は、MSが再びヤフー買収に乗り出すとの観測を打ち消し、3か月続いた騒動にいったん区切りをつける形となった。
ビル・ゲイツ会長の7日の会見要旨は以下の通り。
◇
パソコンは、世界に大きなインパクトを与えている。創造性を発揮し、生産性を向上させるためのツールとして使われている。
(マイクロソフトの基本ソフトである)ウィンドウズと、(アイコンを利用した)グラフィカル・ユーザー・インターフェイスが本格的に定着した最初の市場は、日本だった。日本市場は、我々にとって、アメリカと合わせた二大市場となっている。
マイクロソフトは、日本の顧客から多くのことを学んだ。様々な要求や要件から、学習した。
ソフトウエアと、世の中は常に変化している。これまでの歩みの中で、我々は、偉大なソフトウェア・プラットホームの構築と、パートナーとの協力に取り組んできた。演算装置がますます強力になっていることで、より野心的な取り組みもできるようになってきた。現在、最先端の研究に対して年間80億ドル近くの研究開発投資を進めている。われわれが、どれほどソフトウエアの力を信じているかは、このことからも理解してもらえると思う。
私は、今後10年間を、第2のデジタル・ディケードと呼んでいる。すばらしい状況になるはずだ。コンピューターは、ますます強力になり、さらにインターネットとつながり、ソフトウエアの活用方法を変えていくだろう。
ここに、具体的な発表が二つある。
一つはウィンドウズ・メディアセンターに関するパートナーとの協力だ。いろいろな形でウィンドウズの展開を進めていく。来月には詳しい内容を明らかにできると思う。
もう一つは、若いソフトウエア開発者への支援だ。かつては、私自身、若き開発者だった。新しいアイデアの多くは、若い人たちから生まれるものだ。「ドリーム・スパーク」は、そうした若い人向けの新しいプログラムだ。マイクロソフトのプロ向けのツールすべてを、学生には無償で提供する。日本の若い開発者が活躍するのを楽しみにしている。この革新的なプログラムに関して、各方面から好意的な反応がかえってきている。
私は、「コンピューティング」はまだ始まったばかりだと考えている。マイクロソフト日本法人には、樋口(泰行)社長のもと、2500人以上の社員がいる。非常に評価の高い職場であるという認識が広がっていることを、うれしく思っている。
<質疑応答>
−−ヤフーの買収を断念すると発表した。今後再び買収を検討する可能性はあるか。
ゲイツ会長 ヤフーと対話するために相当努力した。結論は、それぞれ独立した方向性を追求すべきだということだ。スティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)が声明を出しているが、今現在マイクロソフトは独立した戦略に集中しているという(バルマーCEOの)言葉を引用させてほしい。
−−北米のパソコン市場は過去5年で1・5倍になっているが、日本では横ばい。この要因は何だととらえているか。
ゲイツ会長 日本のパソコン市場は世界でも最大で、技術革新が進んでいるものの一つだ。その中でも市場をさらに広げるにはどうしたらいいか、パートナーともども考えている。
興味深いのはパソコンの日本における使用、とくに若い学生の使用率が低いという点だ。教育におけるオンライン化を進めていかなくてはならないと考えている。
テレビ番組もインターネットに乗せて見られるようにしたり、紙から読むのとおなじくらい、パソコンの画面から文字を読むのを魅力的にしたりするのもよいだろう。
データを一度デジタル化すれば、録音も引用も、人に送ることも簡単になる。新しいゲームなどのアプリケーションが、パソコン市場を強力にしていくだろう。これで、市場をさらに拡大したい。ご存じの通り、世界では市場は大きく伸びているので。
−−家庭用ゲーム機やポータルサイトなどでのマイクロソフトの地位は、日本では低い。どのようにてこ入れしていくのか。
ゲイツ会長 製品によってシェアが高い国もあれば、低い国もある。コア製品(ウィンドウズ、サーバーなど)は、どの国においても非常に順調だ。サーバーで言えば、日本での成長は台数、シェアともに優秀だ。
家庭用ゲーム機は、アメリカとイギリスでのシェアが大きい。一方で、(マイクロソフトの家庭用ゲーム機の)Xboxがまったく存在しないような市場もある。会社としてはさらに改善しようとしているが、日本での成功の牽引役は、これまではコア製品だった。オンラインについては多大な投資をしている。マイクロソフトは、常に学習し、新しいことやろうとしている企業だ。
−−今年7月に一線から退くものの、会長職にはとどまると聞いている。7月以降、何がどう変わるのか。
ゲイツ会長 7月1日は、私のキャリアが変わる時だ。17歳から今まで、マイクロソフトではフルタイムで働いてきた。7月からは、パートタイムの会長として、戦略面でマイクロソフトを手伝う。しかしフルタイムの仕事として従事するのは、(慈善活動を支援する)ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団だ。願わくば、マイクロソフトのイベントや財団に関する発表のために、これから定期的に日本に戻れればと考えている。
こうした流れは、相当前から計画していた。人々は、マイクロソフトというと、私を連想するようだが、私がやってきた仕事はほんの一部であり、もっと他の人が評価されるべきだと思う。変化はあっても、支障はない。私も、財団の活動に大きく貢献できるだろう。
−−ヤフー買収がうまくいかなかったことで、グーグル追撃を目指す戦略に変化は出るか
ゲイツ会長 グーグルは、検索分野で大きなシェアを持っている。これからも検索に関連して、様々な技術革新をもたらすだろう。われわれは、かれらとソフトウエア技術を通して競い合いたいと考えている。最新技術がどんどん出てくるし、広告主に対してインターネット広告のいろいろな選択肢が与えられる。技術の進歩に伴い、投資をしなくてはならないだろうが、いろいろな進歩を実現し、選択肢を増やしていきたい。
−−マイクロソフトが、次の10年も業界をリードしていくためには、何をすべきか。
ゲイツ会長 マイクロソフトは、いろいろな意味でリーディング・ソフトウエア・カンパニーを長きにわたってやっている。最初からすばらしいリサーチや長期的な投資を行い、パートナーシップを組むことによってリーダーになれた。われわれは、引き続き最善のソフトウエアを作り続ける。これが最も重要なことであり、実行する価値があると思っている。思い出せないほどいろいろなことが過去にはあったが、競争自体はずっと健全だったと思う。
今も、競争は激化している。データベースにもゲームにも、競争はある。検索だけでなく、いろいろな他の市場にも競争がある。それはすばらしいことだと思う。(メディア戦略局 粂川昌央)
[読売新聞]
Posted by nob : 2008年05月08日 23:52