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■大分県教委の教員採用汚職:高校教員採用でも 小学校からすべてで不正

 大分県の小学校教員採用を巡る汚職事件で、同県の高校教員採用でも不正が行われていたことが分かった。収賄容疑で再逮捕された県教委義務教育課参事、江藤勝由容疑者(52)は中学教員採用でも不正な口利きをしていたことが判明しているが、高校教員採用は同課とは別の課が所管しており、小学校から高校までの教員採用すべてで不正が行われている実態が浮かんだ。

 県警も同様の情報を入手しており、裏付けを進めている模様だ。

 高校教員の採用試験は、小・中学校教員と同様に7月から9月にかけて実施される。1次は筆記や面接など、2次は模擬授業や面接などがある。08年度採用試験は588人中26人(競争率22・6倍)、07年度は764人中27人(同28・3倍)がそれぞれ採用された。この競争倍率は07、08年度の小学校教員採用試験の11倍余より2倍以上高くなっている。

 ある高校教員の男性は「高校教員は小、中より採用が少なく競争率が高い。(採用試験に際して)コネやカネ、商品券を贈るのは当たり前。同僚教員が約20人集まった会で、不正採用で入ったことを明かした教員がうち半数もいたほどだ」と話した。

 ◇「10年保存」無視、評定票廃棄

 舞台となった07、08両年度の小学校教員試験の答案用紙や面接結果を記した評定票を、所管する県教委義務教育課が「10年保存」の文書管理規定を無視して廃棄していたことが分かった。

 県教委によると、管理規定では、保存期間を文書の重要度に応じて「1年未満」「1年」「5年」「10年」「30年」に分け、各課が年度ごとに決めている。答案用紙や健康診断書などは「教員採用選考試験」との項目で、保存期間を「10年間」としていた。

 ところが、実際には07、08年度の試験(06、07年夏~秋に実施)を含めた少なくとも過去数年間は、庁舎内の一室に保管していた文書を、試験翌年の3月末に廃棄していた。保管した期間は半年程度だった。【梅山崇】

[毎日新聞]


■大分県教委の教員採用汚職:逮捕の参事に、別系統からも指示 口利きリスト複数押収

 大分県の教員採用試験を巡る汚職事件で、県教委参事、江藤勝由容疑者(52)=収賄容疑で逮捕=が総括を務めていた義務教育課人事班に、複数の人物からの「口利き」が集中していた疑いが強いことが分かった。上司だった元教育審議監の二宮政人容疑者(61)=同=とは別の人物からも不正合格の指示を受けていた可能性が高いという。県警は、複数存在した「口利きリスト」を押収し、数系統あったとみられる「指示ルート」の解明を進めている。

 関係者によると、江藤容疑者が07年度の小学校教員採用試験で行った点数の加点などの改ざんは、二宮容疑者の指示で行われていたという。二宮容疑者は合格させたい受験生に印を付けた「口利きリスト」を江藤容疑者に渡していた。

 しかし、県警に押収された複数のリストの中には、二宮容疑者が「見たことがない」と関係者に話しているものもあり、採用試験の実務を総括していた江藤容疑者に、複数の人物から口利きがあったとみられる。

 江藤容疑者は03年4月から県教委教職員第1課(現義務教育課)の人事係に配属され、翌年以降、主幹や総括課長補佐として入試や教員採用の実務を担当した。当時「うわさでは聞いたが、入ったら本当に(口利きが)あった。当たり前のように上司は頼んできた」と周辺に話していたという。

 こうした証言から、不正採用のシステムは03年以前からあったとみられる。

 一方、二宮容疑者は、07年度の小学校教員採用試験で、複数の受験生を合格させるよう江藤容疑者に直接指示していたという。同年度に江藤容疑者が受けた口利き依頼は少なくとも15人以上にのぼっていたが、二宮容疑者は「15人以上の口利きを指示していない」などとも話しているという。

 こうしたことから、江藤容疑者に不正合格を指示・依頼した人物が、二宮容疑者のほかにもいる可能性が強くなっている。

[毎日新聞]

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Posted by nob : 2008年07月11日 12:55