« nothing to say... | メイン | 邦人と同水準の賃金を支払うか否かに是非はかかっている。。。 »

原発推進の影で回避できない核保有化、、、日本とても例外ではない。。。

■原爆の日 核廃絶への動きを強めたい

 きょうは広島で、九日は長崎で被爆六十三年の「原爆の日」を迎える。核兵器廃絶への願いと、平和の誓いを新たにしたい。

 無数の市民が犠牲になり、いまだに多くの人が苦しんでいる。しかし援護態勢はまだまだ不十分だ。早く手を差し伸べなければならない。

 たとえば原爆症の認定。国は今春、条件を大幅に緩和した新基準を導入し、「積極認定」に転じた。前進したのは確かだが、認定対象から外れた疾病があるなど不十分さは否めない。国に勝訴しながら認定されていない原告も少なくない。国は一刻も早く救済を急ぐべきだ。

 健康被害の問題は依然深刻だ。日赤長崎原爆病院は昨年度の診療状況に基づき「被爆者の高齢化とともに、白血病など血液のがんが増加傾向にある」と分析している。

 また名古屋大による疫学調査では、広島で被爆した人のうち、浴びた放射線が少量で健康に影響が少ないとされた人でも、被爆していない人よりがんで死亡する率が高いことが分かった。

 こうした新しい知見を踏まえながら、医療面などの援護態勢をさらに強化していく必要がある。

 一方、核廃絶の願いを踏みにじるような動きがあるのは残念だ。米国とインドが原子力協力協定の発効へ向けた手続きを進めているのだ。

 インドは本来、核拡散防止条約(NPT)に加盟して核兵器を放棄しない限り、核技術の提供を受けられない。だが、米印協定では「特例」として提供を認める。

 原発の拡大が見込まれるインド市場への参入が大きな狙いだ。しかし協定は核保有を追認することになり、NPT体制は根本から揺らぐ。

 ほかの国も保有を目指しかねない。北朝鮮やイランの核問題が深刻なときに二重基準を許してはなるまい。唯一の被爆国である日本は特に強く反対していくべきだ。

 他方で明るい材料もないではない。キッシンジャー、シュルツ両元国務長官ら米国の四人の元高官が昨年、「核兵器のない世界を実現しよう」と提唱した。国際会議を開催するなどして新たな潮流になりつつある。

 テロリストに対しては核の抑止効果はなく、新しい危険な核時代に入りつつあるとして、米国主導で核兵器全廃を目指そうという主張だ。

 ブッシュ現政権ではとうてい実現が望めない政策だ。しかし次期大統領を争っているオバマ、マケイン両候補ともに核兵器の大幅削減に意欲を示しており、新たな可能性が開けるかもしれない。

 楽観はできないにせよ、日本もこうした潮流に積極的に加わり、悲願の核廃絶の実現を図っていくべきだ。

[愛媛新聞]

ここから続き

Posted by nob : 2008年08月06日 23:19