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核廃棄などするわけがない。。。

■「21年間の足かせ」解けた北朝鮮…核廃棄までは険しい道

韓半島の安保情勢が重大な転機を迎えている。

北朝鮮に対する米国のテロ支援国家指定解除の措置が20年9ヵ月ぶりに断行され、米朝はこれまで難航をしていた北朝鮮核施設の検証方式に合意した。北朝鮮は、脳出血の手術を受けたとされる金正日(キム・ジョンイル)総書記の写真を58日ぶりに公開し、金総書記の健在を誇示した。

米国務省のマコーマック報道官は11日午前11時(韓国時間12日午前0時)に声明を発表し、「北朝鮮は、非核化のための一連の検証方法に同意した」とし、北朝鮮のテロ支援国家指定を解除することを明らかにした。そのうえで「北朝鮮は、核施設の無能力化の再開を明確にした。これは6者協議の『行動対行動』の原則が作動していることを示している」と説明した。

米国は、北朝鮮が87年11月に大韓航空(KAL)爆破事件を起こしたことを受け、88年1月に国務省のテロ支援国家指定リストに北朝鮮を含めた。

いっぽう、米国と北朝鮮は、今年6月26日に申告された寧辺(ヨンビョン)核施設に対する検証を先に実施し、専門家による核物質関連サンプルの採取を可能にさせ、未申告施設に対しては、北朝鮮の同意を得て検証を実施することで合意したと、米政府高官が11日に明らかにした。

クリストファー・ヒル米国務次官補(東アジア太平洋担当)は、今月1〜3日の訪朝の時、北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官との間で、このような「順次検証案」に合意し、先日ブッシュ米大統領の最終裁可を得たという。

北朝鮮の朝鮮中央テレビは11日午前、金総書記が人民軍第821部隊傘下の女性砲中隊を視察する写真を公開した。北朝鮮メディアが金総書記の写真を公開したのは、8月16日に朝鮮中央通信が金総書記の軍部隊視察の写真を出して以来初めて。

これは、健康悪化説が流れた金総書記が、政権を堅固に掌握していることをアピールしたものと受け止められる。

先週末以降に集中しているこのようなニュースは、米朝関係の進展に合わせて、韓半島にも意味ある進展を予告する。

米朝が両国間の主要懸案をほぼ同時に妥結したのは、任期が終わりに近づいているブッシュ政府と北朝鮮の利害関係が一致したためと分析される。

北朝鮮は、テロ支援国家の烙印を取り除くことで、外部からの金融支援などを通じて回生を模索できる転機をつかんだことになる。米国は、北朝鮮の要求を聞き入れる代わりに、北朝鮮の非核化2段階措置を間もなく終え、第3段階(核廃棄)に進入する土台をつくる外交的成果を期待できるようになった。

ただ、北朝鮮の未申告施設に対する検証を「相互同意」の下に実施するとしたのは、時間に追われた「米国の譲歩」と解釈され、米国保守層と日本の反発を買いそうだ。日本はこれまで、拉致被害者問題の解決をテロ支援国指定解除の前提条件に掲げてきた。

米朝が核検証に合意にたことを受け、今月中に6者協議の首席代表会合の開催が予想されるなど、非核化プロセスが正常軌道に乗ることになった。しかし北朝鮮は、今後の核交渉の過程で更なる補償を要求するものとみられ、窮極的な核廃棄段階に進むまでには曲折が予想される。

いっぽう、テロ支援国家指定解除に合わせて金総書記の写真が公開されたことで、金総書記体制が突然崩壊するといった急変事態の可能性は低くなったと、北朝鮮専門家たちは分析する。ただ、金総書記の写真がいつ撮られたかは明確でなく、金総書記の健康悪化説がすっきり晴れたわけではない。

[東亜日報]


■【主張】北のテロ指定解除 約束破れば再指定せよ 拉致で日米連携の再確認を

 北朝鮮が核申告の検証枠組みに同意したことを受けて、米政府は北に対するテロ支援国家指定を解除した。日本政府が慎重な判断を求めたにもかかわらず、内容よりも形の合意を優先する結果となったのはきわめて遺憾である。日米同盟や拉致問題に及ぼす影響も深く懸念される。

 米国務省が発表した合意によれば、北朝鮮は6月に提出した核計画申告に盛り込んだ全施設の立ち入りや試料採取を受け入れ、国際原子力機関(IAEA)にも「重要な諮問や支援」の役割が与えられた。しかし、申告されなかった施設の査察には「相互の同意」が前提と明記され、北に拒否権を与えたに等しい譲歩である。

 また、申告から除かれたウラン濃縮やシリアなどへの拡散行為の解明は事実上先送りされたほか、核完全廃棄に不可欠な核兵器製造・貯蔵施設、核爆弾の数量、核実験施設などの検証も明確でない。いずれも今後の検証体制に重大な禍根を残すのは確実である。

 指定解除後も米国は核実験や人権侵害などで多くの制裁を維持し、実質的影響はない。日本も独自の制裁を延長した。とはいえ、北が「敵視政策の象徴」としてきたテロ支援国リストから除かれる象徴的意味は大きく、その影響は拉致問題にも及ぶだろう。

 ≪瀬戸際外交に屈した米≫

 解除のタイミングやここに至る経過にも大きな問題があった。

 ブッシュ大統領は6月、指定解除方針を議会に伝えたが、「北が包括的検証に応じない」との理由で解除を遅らせてきた。反発した北は夏以降、核無能力化作業停止、IAEA要員排除、プルトニウム再抽出などの動きをエスカレートさせ、核実験準備ともとれる行動も見せた。

 北の挑発に直面する度に譲歩を重ね、最後は指定解除に追い込まれた6カ国協議のヒル米首席代表の責任は重大だろう。「包括的で強力な検証」を掲げた大統領がいかにも北の瀬戸際外交に屈した印象を強めたのは否定できず、マケイン共和党大統領候補など米国内でも強い批判が出ている。

 だが、日本政府の対応にも問題はなかったか。伝えられた合意にこれだけの詰めの甘さがあり、中曽根弘文外相がライス国務長官に「まだ確認すべき点がある」と慎重な判断を求めたのは当然だ。訪米した中川昭一財務・金融担当相も「認められない」との意向を伝えはした。

 それでも大統領が最終判断を下す前に、こうした重大な懸念を麻生太郎首相自らがきちんと伝えてほしかった。拉致問題への影響も考えれば、この段階の解除が日米同盟の根幹を揺るがし、将来に問題を残しかねないからだ。

 ≪首相自らが前面に立て≫

 国民も「プロの政治家」を自任する首相に期待したはずだ。結果として日本の意向を尊重しない同盟の現状を見せつけてしまった首相への失望感は小さくない。

 指定解除は拉致被害者家族会にも深い衝撃と失望を与えた。飯塚繁雄代表は「手の届かないところですべてが決まるむなしさを感じる」と語り、増元照明事務局長は「同盟国民の命を助ける協力をしない裏切り」と批判する。

 ブッシュ大統領は2年前、横田めぐみさんの母、早紀江さんと面会して、「拉致解決へ働きかけを強めていきたい」と約束した。この約束はどうなったのか。

 北がテロ支援国家に指定された1987年の大韓航空機爆破事件が示すように、拉致は国際テロ工作の一環として行われた国家犯罪である。

 家族会は何度も訪米して「拉致は現在進行中の国家テロ」と訴え、テロ支援国家指定の理由に拉致が盛り込まれた。

 指定解除は家族会に対する背信行為でもある。麻生首相は「被害者全員を返すよう強く主張する」と家族会に約束した。飯塚代表は「大きなカードを失った分、日本政府にはそれに匹敵する政策をしてもらうしかない」という。

 米高官によれば、指定解除は暫定的で、北が約束を破れば再指定もあり得るという。検証手順は月内にも開かれる6カ国協議で最終確定をめざし、14日にワシントンで開かれる日米韓次官級協議でも最重要課題となる。

 日本政府はあくまで厳正かつ包括的な検証の実現を要求し、拉致問題解決についても日米の連携を改めて確認すべきである。

[産経新聞]

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Posted by nob : 2008年10月13日 19:47