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どちらが正しいのか、、、私達一人一人の考察が不可欠。。。

■【主張】イラク撤収 次はアフガンを論じよう

 イラクで国連物資などを空輸している航空自衛隊部隊を年内に撤収させる命令が出された。南部サマワで活動していた陸自は一昨年に撤収しており、約5年間にわたる自衛隊によるイラク復興支援活動は完了する。

 国際平和協力の最前線で、日本が諸外国とともにリスクを共有して汗を流した意味は大きい。

 空自は4年前から、クウェートを拠点にサマワへ陸自物資を空輸し、陸自撤収後は首都バグダッドなどへ国連要員や多国籍軍の物資などを運んだ。これまでの輸送回数は810回で、約4万6000人、671トンを運んだ。

 自衛隊への評価はきわめて高く、1人の犠牲者も出さなかったことは精強さの賜物(たまもの)だ。麻生太郎首相は「自衛隊員は私の誇りです」と述べた。自衛隊の労苦に敬意と感謝を重ねて表したい。

 内閣府による一昨年の世論調査で陸自活動を評価した回答は7割を超した。自衛隊派遣に批判もあったが、イラクの国造りへの協力が国民意識を変えたといえる。

 撤収する理由は、多国籍軍の駐留根拠である国連決議が年末で期限切れとなることや、イラクの手による復興が進んでいること−などである。イラク復興支援特別措置法に基づいて来年7月まで空自部隊を派遣できたが、撤収はやむを得ない措置だろう。

 問題はこれからである。

 日本の国際平和協力のもう一つの柱であるインド洋における海自の給油支援は来年1月15日に期限が切れる。だが、これは延長して国際社会の一員として最低限の責務を果たさなくてはなるまい。

 新テロ特別措置法改正案の参院での採決はいまだにめどが立っていない。民主党は早急に結論を出すべきだ。さまざまな条件をつけて採決を引き延ばしてきたが、国の安全保障を政争の具にしている限り信頼は高まらない。

 26日夜にはインド・ムンバイでイスラム過激派によるとみられる同時テロが発生し、日本人を含む多数が犠牲になった。テロとの戦いで日本は給油支援以外に何ができるのか。民主党の小沢一郎代表はアフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)参加を実現したいと月刊誌に寄稿した。これはたたき台になりうる。

 来月25日まで延長された臨時国会は、ソマリア周辺沖の海賊対処も含め、国際平和協力の具体策を詰める絶好の機会である。

[産経新聞]


■空自イラク撤収 貢献の在り方議論する時

 政府が、イラク復興支援特別措置法に基づきイラクで空輸活動に当たる航空自衛隊部隊の年内撤収を決め、浜田靖一防衛相が撤収命令を出した。

 多国籍軍の駐留根拠である国連決議が年末で期限切れとなるのが主な理由で、政府は九月に撤収方針を発表していた。国内で議論が分かれた二〇〇四年からのイラクでの自衛隊活動が、これで終了する。

 空自は〇六年に陸上自衛隊が撤収した後もクウェートを拠点にイラクの首都バグダッドなどへ多国籍軍や国連の要員、物資を空輸してきた。輸送回数は二十六日までに八百十回、総量は約六百七十一トンに上る。犠牲者が出なかったのは幸いだ。

 政府は今後、インド洋での給油活動を継続するための新テロ対策特別措置法改正案を成立させ「テロとの戦い」への積極姿勢を国際社会にアピールする考えだ。国際貢献が自衛隊の本来任務となり、海外派遣を求める声が内外で高まっている。

 米国の新政権誕生でアフガニスタン本土への派遣要請がくるとの見方がある。ソマリア沖の海賊対策で政府は護衛艦派遣に積極的だ。自衛隊の海外派遣を随時可能にする「恒久法」制定を求める声も根強い。

 しかし、憲法九条を持つ日本は、自衛隊の活用には抑制的でなければなるまい。名古屋高裁は今春、イラクでの空輸活動に違憲の判断を下している。

 空自のイラク撤収は、経験を検証し、今後の海外派遣の在り方を議論する機会であろう。政府の戦闘地域、非戦闘地域の区分は妥当だったのか、隊員の安全と武器使用のかかわり、集団的自衛権の問題など、深い議論が必要な点は多い。検証と合意形成の努力なしに、なし崩し的に自衛隊の海外派遣を拡大することがあってはならない。

[山陽新聞]

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Posted by nob : 2008年11月29日 23:29