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確かに不要ではあるけれど。。。

■大阪・公立の小中高、携帯禁止…橋下知事方針
「学力向上策」と説明

 大阪府の橋下徹知事は3日、来年3月までに政令市(大阪、堺両市)を除く府内の全公立小中学校で携帯電話の持ち込みを禁止する方針を明らかにした。

 府立高校では校内での使用を禁止する。携帯サイトの利用をきっかけにした犯罪やいじめの増加などを受けたもので、文部科学省によると、携帯電話の校内への持ち込みや使用を都道府県単位で禁じるのは初めて。

 橋下知事は、この日の記者会見で「学校に携帯電話は必要ない」と強調。「携帯電話への依存度が高くなれば、学習時間が短くなる」と学力向上策でもあると説明した。

 府教委は近く、禁止方針を各校に通達。通学時の安全確保などのために必要な場合は、保護者側と協議の上で持ち込みを認め、下校時まで学校側で預かるなどの対応を検討する。

 府教委が今年7月に府内で調査したところ、公立小学校の88%、公立中学校の94%が携帯電話の持ち込みを禁じている一方で、9割超の府立高校が授業中以外は使用を認めていた。

[読売新聞]


■大阪知事「ケータイ禁止令」、波紋…歓迎と戸惑い

 大阪府の橋下徹知事が表明した「ケータイ禁止令」が波紋を呼んでいる。

 来年3月までに、政令市を除く府内の公立小中高校で、携帯電話の持ち込みや校内での使用を禁じるという方針。ネットいじめや交流サイトを巡る犯罪など、子どもとケータイの「つきあい方」に悩んできた教育現場では歓迎する声があがるが、一方で、「既に普及してしまったものを今さらダメといっても……」と戸惑う声もでている。(東京社会部 吉原淳、山下昌一、大阪社会部 森重孝)

「学校現場を後押し」と評価

 「現場を後押ししてくれる発言。ありがたい」

 大阪府枚方市のある中学校校長は、橋下知事の方針を高く評価する。

 授業中は机の下でメールばかり。顔を上げたと思えば今度は携帯で教室内を写真撮影——。そんな生徒たちに手を焼き、学校への携帯電話の持ち込みを禁じたのは数年前だ。だが、持ち込む生徒は今も後を絶たず、保護者を呼んで注意すると逆に「他校では許可しているのに、うちはダメなのか」と抗議されるという。「これからは保護者にも『府全体で決まっていることだ』と説明できる」と校長は歓迎する。

 一方で、これまで多くの学校で校内使用が認められてきた高校には、戸惑いの声も広がっている。「家庭との緊急連絡に必要では」「部活の連絡に使っているケースもある」——。ある府立高校の場合、携帯が普及し始めた数年前に学校内の公衆電話は撤去されている。「生徒を納得させることができるだろうか」。この高校校長は、説得に不安をのぞかせる。

 府が一律禁止の方針を固めた背景には今年7月、府内の小中高の児童生徒計約1万3600人を対象に実施した調査結果があった。

 これによると、1日に3時間以上携帯を使う中学生は18・2%、高校生は29・5%。「メール受信時、3分以内の返信」を心がけている中学1年生は17・1%、小6でも16・8%もいた。1日101回以上メールを送信するのは、最も多かった高1女子では8・0%に上った。

 悩んでいるのは大阪ばかりではない。

 読売新聞で全国の都道府県・政令市の教育委員会に聞き取り調査したところ、回答のあった61教委のうち、5県4市の教委が携帯の使用や持ち込みについて統一的な規制を導入していた。和歌山県の場合、2002年2月から、小中学、高校での持ち込みを禁止。川崎市や三重県なども校則の「学習に必要ないもの」に携帯を含める運用をするなどして、一律禁止にしている。

 しかし、これ以外の教委では、学校ごとの対応に任せているのが現状だ。

 「行政が一方的に持ち込み禁止と言っても、無理がある」とする仙台市では「各家庭の事情を踏まえて市の指針を策定したい」とする。年内に予定していた携帯使用のルール策定も、保護者らの意見を慎重に聞くため、越年させることにした。

「ルール学ばせねば」の声も

 内閣府の調査では、小学生の31%、中学生の58%、高校生の96%が携帯電話やPHSを利用しているという。教育関係者の間では、「これだけ普及しているのに、学校で禁止するだけで実効力があるのか」との疑問もくすぶる。

 今年10月から、小中学校への携帯持ち込みを原則禁止することにした横浜市でも、「既に普及していることを前提に、家庭と連携し、使うべき場所や時間など、携帯との上手なつきあい方を教えたい」としている。

 ある府内の中学校長は、橋下知事の方針を評価しながらも、「学校内での規制だけでは不十分」と話す。同校では昨春から学校への持ち込みを禁止したが、今も学校裏サイトには「死ね」などの書き込みが続き、生徒間のトラブルは絶えない。「携帯のルールをどう学ばせるか。『携帯教育』はまだ始まったばかりだ」

 佐伯胖・青山学院大教授(教育学)の話「橋下知事の方針表明は、『学校での携帯は認めない』という強いメッセージを広げるという点で意味がある。ただ、家庭での使用時間が増えることも懸念され、家庭での対応も重要なことを忘れてはならない。一般的に携帯やネットは子どもの方が詳しく、親は教育することに臆しがち。だが、ほかの日常生活でのしつけと同じように、基本的なルールを身につけさせることが大切だ」

中傷、いじめ後絶たず

 「あの子はエンコー(援助交際)している」「病気持ち」——。ある高校2年の女子生徒は、何者かによって携帯の自己紹介サイト「プロフ」を勝手に作成され、事実無根の書き込みをされたという。

 最近、この生徒から相談を受けた「全国webカウンセリング協議会」(東京都)の安川雅史理事長によると、中傷の文言は徐々に過激になり、プロフを信じ込んだ同級生から一言も声をかけられなくなった。生徒は登校前に吐き気を訴えるなど精神的に不安定になり、転校に追い込まれたという。

 文部科学省の調査によると、携帯電話を使ったいじめは2007年度に5899件に上り、前年度に比べ1016件増加した。いじめ全体に占める割合も拡大している。神戸市須磨区と北九州市小倉北区の高校では、ネット上で中傷などを受けた生徒が相次いで自殺したケースもある。

 警察庁によると、今年上半期に出会い系サイトなどを利用して被害にあった18歳未満の生徒・児童は356人。このうち98・3%の350人が携帯電話から接続していた。

官房長官が方針支持

 河村官房長官は4日夕の記者会見で、橋下知事の方針について、「学校に持ち込むのは全面禁止して構わない」と支持した。長官は「子どもたちの安心安全の問題は、(別の)方法で考えられるのではないか」と述べた。

[読売新聞/12.05追加]


■携帯の一律禁止は問題

 大阪府の橋下知事が「小中学校への携帯電話持ち込み禁止」を打ち出した。だが、一律に禁止しても大丈夫だろうか? 子供のセキュリティーのために、親が携帯電話を持たせる場合もあるからだ。(テクニカルライター・三上洋)

実際は多くの小中学校が持ち込み禁止

 大阪府の橋下知事が公立小中学校への携帯電話持ち込みを禁止する方針をを打ち出した。これは大阪府教育委員会がまとめた提言によるもので、原則として小中学校では持ち込み禁止、高校では校内での使用禁止とするもの。これについて河村官房長官や塩谷文部科学相なども歓迎するコメントを出している。

 このような宣言が出ると「今まで学校では携帯電話は許されていたのか?」と思ってしまうが、実際には多くの小中学校が携帯電話の持ち込みを禁止している。大阪府教育委員会の調べでは、小学校の88%、中学校の94%が携帯電話持ち込みを禁止にしている。これが守られていないため、改めて一律に禁止するルールを作ろう、というのが橋下知事の趣旨だ。

子供の防犯ツールとしての携帯電話

 小学校高学年と中学生は、かなりの割合で携帯電話を持っているのが現実だ。小学生高学年では、塾通いをきっかけに親が携帯電話を持たせる場合が多い。小学生の塾は、夕方5時か6時ごろからスタートするところが多いため、行き帰りの安全対策に携帯電話を持たせている。クラブ活動から直接塾へ行く生徒は、学校へ携帯電話を持ち込む必要があるだろう。

 防犯ツールとして携帯電話を持たせる親もいる。携帯電話各社のキッズケータイは、防犯ブザーを装備するなど、子供のセキュリティ対策も重視している。たとえば最新機種では防犯ブザーを押すだけで、親へ自動的に通話する、位置情報を自動的にメールするといった機能がある。電車で通学する子供を持つ親にとっては、携帯電話は防犯ツールとしても重要だと言えるだろう。

 共働き世帯が増加したことも、子供の携帯電話所持率アップに影響している。親が働いている時間でも子供との連絡を取れるようにするため、子供に携帯電話を持たせる親が多い。学校の行き帰りにメールをさせる親もいる。携帯メールが親子のコミュニケーションにも役立っているのだ。

一律禁止ではなく柔軟な許可制度が必要

 ここからは筆者の個人的意見になるが、一律禁止ではなく、届け出さえすれば携帯電話を持ち込んでもOKとする制度が必要だろう。東京都内のある中学校では、電車通学する生徒に対して携帯電話の持ち込みを許可している。登校すると職員室へ持って行って携帯電話を預け、帰りに返してもらうという方式にしている。これならクラブ活動から直接塾へ行く、という時でも子供に携帯電話を学校へ持ち込める。

 子供が携帯電話を使うことに対しては、出会い系などの有害サイトの影響、SNSで犯罪に巻き込まれるといった心配がある。しかし有害サイトについては、来年2月から携帯電話各社による未成年への強制フィルタリング導入が始まる(以前の記事「携帯フィルタリング適用がようやくスタート」)。これによって有害サイトからの悪影響は、ある程度は防止できるだろう。

 現実問題として、子供たちは携帯電話を重要なコミュニケーションツールとして活用しており、携帯電話を持つこと自体を一律に禁止するのは難しい。それよりも初めて携帯電話を持つ小学生や中学生のために、携帯電話の安全な使い方や、有害サイトの危険性などを教えることが重要だ。学校の授業の妨害になるようではダメだが、家庭や子供の事情に合せて、学校への持ち込みを許可するべきではないだろうか。

[読売新聞/12.05追加]

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Posted by nob : 2008年12月04日 18:01