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対策はいくつもある。。。

■米NY旅客機不時着水:「ハドソン川の英雄」 自ら乗客無事確認 機長、最後に脱出

 【ニューヨーク高橋秀明】気温氷点下6度のニューヨーク市で、ハドソン川に155人が乗った旅客機が不時着水した事故は、機体水没まで約1時間というわずかな時間で全員が救出された。ブルームバーグ・ニューヨーク市長は、「見事な着水をし、全員の脱出を確認した」と機長の対応を評価。地元メディアは「(機長は)ハドソン川のヒーローだ」と称賛した。

 離陸直後にエンジンに鳥が衝突する「バードストライク」に見舞われた事故機のチェスリー・サレンバーガー機長(57)は、空港へ引き返すことが困難と判断すると、マンハッタン島などの市街地を避け機体をハドソン川に導いたとみられる。

 ニューヨーク市中心部マンハッタン島の西側を流れるハドソン川は、着水現場付近では川幅が1キロ以上ある。この日は朝から雪が舞い、川は一部で凍りかけていた。

 救助にあたったニューヨーク市消防局のトーマス・ミラント消防士が、複数の乗客の話として毎日新聞に語ったところによると、事故機は離陸してまもなく「ボン」という大きな音がして降下しはじめた。米メディアによると、機長は「衝撃に備えろ」とアナウンス。頭をひざに沈め祈る人もいたが、機内はおおむね静かで、パニック状態にはならなかった。

 乗客によると「かなりの速さで降下したが、機長がうまく機体をコントロールしながら着水した」という。米CNNテレビによると、着水後すぐに機内に冷たい水が入ってきた。だが乗客の男性は「みな冷静で、女性と子どもを先に脱出させた」と語った。

 乗客は前方ドアに装備された緊急脱出用の空気ボートを展開させ乗り移った。一部の乗客は徐々に沈んでいく機体の翼の上に集まり、救助を待った。

 市消防当局や沿岸警備隊のほか、現場付近を航行するフェリーや観光船も救助にかけつけた。

 ミラント消防士は「20人ほどを救助した。乗客はみな腰のあたりまで水につかり寒さを訴えたが、みんなが生きて帰れたことを喜んでいた」と語った。

 操縦歴40年以上で米空軍でF4戦闘機の操縦経験もあるサレンバーガー機長は、最後に機内を2往復し人が残っていないことを確認後、自らも避難したという。

 ◇とても寒かった--日本人2人

 無事が確認された滝川裕己さん(43)と出口適さん(36)は、大阪市中央区の貿易会社「堺商事」の現地法人「サカイ・トレーディング・ニューヨーク」に所属。堺商事によると、2人はアラバマ州へ出張に向かう途中だった。事故後の16日午前9時過ぎにかけた電話で、滝川さんは「ゴムボートで避難した。とても寒かったが、けがもなく大丈夫だ」と話したという。

 ◇航空機に鳥衝突、羽田で年100回超

 国土交通省航空局によると、国内でも空港を中心に鳥による被害が報告されている。主要空港は海鳥の生息に適した場所も多く、完全に追い払うのは難しい状況だ。

 同省によると、国内で03~07年の5年間に航空機に鳥が衝突したバードストライクの件数は、72空港などで5691件に上る。このうち、最も多い羽田は▽05年126回▽06年118回▽07年172回--など、年間100回以上のペースで報告されている。

 国交省東京空港事務所は、航空保安協会に対策を依頼。毎日午前5時半~午後7時半、東西両地区で1日各5回、バードパトロールを行い、実包や空砲、花火などを使って、サギ、ウミウなどを追い払っている。

 かつては、車に乗せたスピーカーから鳥が死ぬときの声を流して追い払っていたというが、現在は慣れてしまって効果がないという。また、10~3月までは冬場のカモ対策として、東地区のパトロールを1回増やしている。しかし、空港は「完全に追い払うのは難しく、いたちごっこ」と頭を悩ませる。

 ◇着水は正しい判断--航空評論家の鍛治壮一さんの話

 状況から判断すると離陸直後に鳥が飛び込んでエンジンを止めたようだ。もしマンハッタン島に降りていたら同時多発テロのようなことになりかねなかっただけに、機長のハドソン川への着水の判断は正しく、ラッキーなケースだと思う。鳥が巻き込まれることはよくあるが、機体が強化され普段はトラブルは多くない。鳥を巻き込むリスクは避けようがない。

 ◇引き返したら失速--航空評論家の浜田一穂さんの話

 最近上映された映画「ハッピーフライト」でも、バードストライクの問題が取り上げられていたが、飛行機の歴史が始まったときからある問題。ツバメ1羽でもエンジンに異常が生じるため、捕獲用にタカを放つなどさまざまな対策が試みられてきたが、難しい。機長はあらゆる事態を想定して訓練するほかない。今回も両方のエンジンが鳥を吸い込んで飛行不能になったとみられるが、空港に引き返そうと無理に旋回していたら失速して墜落した可能性が高い。

[毎日新聞]


■07年日本のバードストライクは1320件

 ニューヨークの空港を飛び立った米旅客機が15日午後(日本時間16日午前)、離陸直後にエンジントラブルで失速、ハドソン川に不時着した。乗客乗員155人は全員救助された。厳寒で周囲に高層ビルが林立。大惨事となりかねない中、冷静な操縦で犠牲者を1人も出さなかった57歳の男性機長は、「ハドソンの奇跡」を起こした英雄として全米の称賛を浴びている。

 旅客機は離陸直後にガンの一種の大型の鳥の群れに突っ込んでおり、鳥がエンジン2基に飛び込んで推進力を失ったとみられる。「双発機のエンジンが2つともだめになるケースは極めて珍しい」と日本の航空関係者。通常は残る正常なエンジンで飛行を続け、近くの空港に着陸する。

 国交省によると、機体に鳥が衝突する「バードストライク」は日本で2007年には1320件の報告があり、うちエンジンに吸い込んだ事例は約230件。墜落したり死傷者が出た事故は発生していないが、米国では1960年にボストン国際空港で米旅客機が墜落、62人が死亡するなどの惨事が起きている。

[サンスポ]


■【NY旅客機事故】鳥衝突、日本でも多発 抜本策なし

 航空機が鳥と衝突する「バードストライク」は国内でも多発している。国土交通省によると、民間航空機で平成15年から19年までの5年間に5687件発生。19年だけでも1320件発生している。大半が機体(機首や主翼前縁)への衝突で、エンジン部分への衝突は230件だが、「エンジン停止」は起きていない。航空自衛隊でも19年に47件のバードストライクが報告されているが、トラブル発生はない。

 ただ、「鳥を避けようとして大きな操作をすると(航空機の)性能に影響が出るかもしれない。逃げた方向に鳥の群れが来るとか、他の飛行機、障害物があるとか。そういう状態になったらどうしようもない」(日航現役操縦士)といい、抜本的な対応策は見当たらないのが現状だ。

 日本航空と全日空では、「機長が異常を感知して自主的にエンジンを停止したケースは過去にある」というが、今回のニューヨークの事故のようにバードストライクが直接の原因でエンジンが停止した例はこれまでになく、「エンジン2基停止も、原因がバードストライクというのも恐らく初めてのケースではないか」(同)という。

 日航や全日空によると、空港周辺で鳥の群れを発見した場合は、操縦士が管制塔に通報し「バード・スウィープ(鳥駆除)」を要求するほか、各空港での鳥の状況に関する情報を共有、注意喚起を促している。

 空港側でも鳥対策を講じており、成田空港では(1)1日4回の滑走路パトロール(2)週1回程度業者による散弾銃での駆除(3)エサとなる虫の発生予防のための草刈り−などを実施している。

 航空事故調査にあたる国交省運輸安全委員会によると、「重大事故、インシデント、イレギュラー」と事故の程度による3段階の区分で、過去にバードストライクによる重大事故は2件発生しているが、いずれも「機体損傷」で航行に影響はなく、負傷者も出ていない。

 最近では、20年3月11日に福岡空港を離陸した日本航空のボーイングMD90型機(乗員乗客132人)が離陸2分後にバードストライクに遭い、操縦席右側下機首部分の外板がへこむ損傷などが確認された例がある。 

[産経新聞]


■バードストライク:花火爆発音、着実に効果--北九州空港 /福岡

 ◇過去3年間では88件発生

 米ニューヨークで発生した旅客機の不時着事故。原因は、離陸直後に鳥と衝突した「バードストライク」とみられるが、北九州空港でも過去3年間に88件発生。ただ、定期的に花火の爆発音を鳴らすなどの措置で半減させるなど着実に効果を上げている。

 北九州空港事務所によると、06年3月の新空港開設当初はバードストライクが頻発。エンジンに鳥を巻き込むトラブルもあった。このため同年10月から航空保安協会事務所の職員4人が常駐。春夏1日5回、秋冬は同4回、車で巡回しながら威嚇発砲(空砲)したり、定期的に花火の爆発音を鳴らすようにした。

 その結果、06年に44件あったバードストライクは07年は25件に激減。昨年は19件に減ったという。

 また、航空自衛隊築城基地(築上町など)では03年春、着陸態勢に入ったT4練習機の左エンジンに鳥が入るトラブルが起きた。以後、目視などでの監視や、パイロットへの注意喚起、離着陸のタイミングをずらしたほか、大音量で鳥を追い払うようにした結果、徐々に減り、昨年度はゼロだった。【出来祥寿】

[毎日新聞/18日追加]


■【主張】航空事故と鳥 対策にさらなる知恵絞れ

 鳥の衝突が原因とみられるエンジントラブルで、米ニューヨークのハドソン川にUSエアウェイズの国内線旅客機が不時着した。幸い機長の冷静な判断と巧みな操縦で乗客乗員155人全員の救出が確認された。

 着水も完璧(かんぺき)で、主翼が壊れずに機体の浮きの役割を果たした。乗客は厳冬の川面に放り出されることなく、救出作業はフェリー会社の船も加わって迅速に行われた。この救出劇からも学ぶところは多いだろう。

 鳥が航空機に衝突して起きる事故は「バードストライク」と呼ばれる。今回のように全エンジンが同時に停止することはまれだというが、それにしても死者が出なかったのは奇跡的だった。日本国内でもバードストライクは頻繁に起きており、改めて対策に万全を期すよう求めたい。

 米東海岸は鳥が多いことで知られる。事故機は双発ジェットだったが、鳥は左右のエンジンそれぞれに同時に飛び込み、推力を奪ったとみられている。

 国土交通省によると、日本国内の航空機に対するバードストライクは、平成19年には1320件も発生し、過去最多を記録した。空港周辺の干潟が鳥の生息地やエサ場になりやすい。昨年3月には福岡空港を離陸した直後の日本航空機が渡り鳥と衝突し、機体前部が大きくへこむ事故も起きた。

 国交省は14年に鳥衝突防止対策検討会を設置し、銃器や花火の爆発音で鳥を追い払ったり、鳥のエサとなる虫を駆除したり、対策に乗り出してきた。

 米連邦航空局(FAA)に倣って、エンジン内に実際に鳥を投げ入れ、停止せずに安全に飛行できるだけの強度があるかを確認する実験も行っている。パイロットも鳥の群れを発見した場合は、速やかに追い払うよう管制側に求めている。

 航空関係者からは「いずれも抜本的対策ではなく、根絶するのは難しい」との声も聞かれる。だが航空機事故は一瞬にして数百人規模の命を奪う大惨事につながることを忘れてはならない。離陸すれば着陸まで機体を修理できないのも航空機の宿命だ。

 バードストライクに対しては、機体設計時の安全対策も含め、さまざまな角度から知恵を絞る必要があろう。考えられる手はすべて打ち、少しでもその発生確率を減らすことが求められる。

[産経新聞/18日追加]

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Posted by nob : 2009年01月17日 21:05