« 得意なことをすることなら誰にもできる。。。Vol.2 | メイン | 最も克服困難な人生最後まで残るもの、、、 »

自明のこととはいえども。。。

■密約文書「ファイル5冊引き継いだ」…元条約局長

 外務省の内部調査で日米安全保障条約改定時の核持ち込みを巡る「密約」の関連文書が見つかったことについて、東郷和彦・元同省条約局長は22日、テレビ朝日の番組で「密約に関連する文書を5冊のファイルにまとめた上で後任に引き継いだ」と証言した。

 東郷氏は文書の詳細については明らかにしなかったが、「国民に説明し、ねじれを解消すべきだ」と述べた。東郷氏はこれまで読売新聞の取材に対し、核密約に関する文書がファイル数冊分存在したことなどを証言していた。

 東郷氏は近く設置される有識者を交えた調査委員会や、国会での聞き取りに対しても「協力したい」と話している。

[読売新聞]


■[核密約]
非核堅持は日本の務め

 外交はダンスに例えられる。日米両政府は手を取り合って踊っているだろうか。

 日本の「核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則のうち、「持ち込ませず」をめぐる密約問題は、これまでの政策の大きな転換点になりそうだ。岡田克也外相の指示を受けて調査していた外務省が、核を搭載した米艦船の日本通過・寄港を黙認する日米両政府の核密約の存在を裏付ける文書の存在を確認したからだ。

 秘密議事録そのものは見つかっていないというが、「何をいまさら」というのが大方の反応ではないだろうか。

 というのは、米国では公文書がすでに公開されているのに、歴代自民党政権は「事前協議の申し入れがない以上、核は持ち込まれていない」と一貫して存在を否定してきた。核持ち込みは事前協議の対象だが、これまで一度も開かれたことがなく、米議会で1974年、「寄港する際、核兵器を降ろすことはしない」と証言したラロック退役海軍少将ら、非核三原則の実態を疑わせる発言が飛び出していたからだ。

 米国では文書が公開されているのに、一方の当事国が否定するのはいかにもおかしい。岡田外相は近く設置する有識者会議で精査し、来年1月に公表する考えだ。関連文書が破棄されたとの情報もあり、徹底的に調査してもらいたい。政府は、外務省の方針転換を踏まえ、核密約を認める見通しだ。自民党はこれまであるものを、ないと長く言い張ってきた。自民党にも説明責任があるはずだ。

 米側の公文書によると、日米両政府は60年1月、核持ち込みを事実上容認する秘密議事録に調印した。「持ち込ませず」については92年7月、ブッシュ大統領(当時)が米艦船から戦術核兵器の撤去完了を表明しており、現在は搭載されていないはずである。

 問題はむしろ、核密約を認めたあとである。事前協議のあり方など日米安保条約をめぐる国民的な論議が高まってほしい。

 秘密議事録の存在については、民主党政権への交代前になって、歴代外務事務次官らが次々と証言しはじめた。なぜか。非核三原則に密約が存在することを日本側の責任者が知らせる。「持ち込ませず」について、一時的な通過・寄港を認めるいわゆる「非核2・5原則」に変更する素地をつくりたいためではないかとの疑念が消えない。非核三原則を変更しようとする考えがあるのであれば、本末転倒といわざるを得ない。

 オバマ米大統領はことし4月のプラハ演説で「核なき世界」の実現と核の不拡散を訴えた。日本の非核三原則はその考えにも合致するはずだ。

 鳩山由紀夫首相も国連で、非核三原則の堅持をあらためて掲げた。唯一の被爆国として日本の発言は国際社会の中で、存在感を持つはずである。首相が演説したように、核保有国に核軍縮を促し、非核保有国には持つ誘惑を絶つよう主張できる唯一の国であるのだ。それに説得力を持たせるためにも、非核三原則を曲げてはならない。

[沖縄タイムス/23日追加]

ここから続き

Posted by nob : 2009年11月22日 21:44