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マンデラは道を示した、、、国を創るのは国民一人一人。。。
■アパルトヘイト崩壊しても格差は広がる一方
【ヨハネスブルク=中西賢司】南アフリカの反アパルトヘイト(人種隔離政策)運動指導者ネルソン・マンデラ氏(91)が27年余に及ぶ獄中生活から釈放されて11日で20年。
人種差別を法律で制度化したアパルトヘイト体制は崩壊したが、この間に貧富の差が一層拡大するなど自由のひずみが顕在化している。
マンデラ氏は白人支配下の1962年、アフリカ民族会議(ANC)指導者として活動中に逮捕され、64年に国家反逆罪で終身刑判決を受けて服役した。経済制裁による国際的孤立で対話路線に転じたデクラーク大統領(当時)の釈放表明を受けて90年2月11日、西部ケープタウン近郊の刑務所を出所した。
これが民主化への転換点となり、アパルトヘイト関連法は全廃され、94年に有色人種が初めて選挙に参加し、黒人が主導するマンデラ政権が誕生。2年後に全人種平等を柱とする新憲法が制定された。
法的権利は平等になったが、この20年間で多くの矛盾が露呈した。
政府は、雇用などでの黒人優遇政策を推進し、中所得層が生まれたが、貧富の差は拡大。大統領府の統計などでは、黒人の失業者は労働力人口の約3割にあたる358万人(2009年)に上り、94年から倍増した。黒人平均所得は、白人の約7分の1でしかない。生活保護制度は存在せず、大半の黒人層はかつて居住を強制された貧民街暮らしから抜け出せないままだ。
エイズ禍も広がり、国民平均寿命(43・8歳)は過去10年で7歳も下がった。
背景には、ANC政権の腐敗や政策の失敗が指摘されているが、黒人層を支持基盤に持ち、下院議席の3分の2近くを占めるANCの前に、野党の批判はかき消されている状態だ。アパルトヘイト時代から黒人社会の変化を撮影している地元カメラマンのビクター・マトムさん(50)は「社会制度の整備が十分でない中、自由主義だけが幅を利かせている」と指摘した。
[読売新聞]
■マンデラ氏釈放から20周年、祝福する南アフリカ
【2月11日 AFP】南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)政策下で投獄され、後に黒人初の同国大統領に就任したネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)氏が釈放されてから20年を迎えた11日、マンデラ氏が獄中生活を送ったケープタウン(Cape Town)の刑務所前には多くの人が集まり、祝福の行事が行われた。
現与党アフリカ民族会議(African National Congress、ANC)で反アパルトヘイト運動時代からのベテラン活動家であり、実業家のシリル・ラマフォサ(Cyril Ramaphosa)氏が主催した朝食会の席で、ラマフォサ氏はマンデラ氏釈放の時を振り返った。「獄中で27年間も過ごしてきた男が、釈放されようとしていた。しかし彼はまったく穏やかで、落ち着き払っていた。今の若者だったら『なんてクールなんだ』と言っただろう」。1990年の2月11日、釈放後の第1歩を踏みしめるマンデラ氏を歓迎するため、ビクター・フェルスター(Victor Verster)刑務所(現ドラケンステイン刑務所)の前に集まった一団の中にラマフォサ氏はいた。
20年後、同じ広場に集った昔の反アパルトヘイト運動の同志や閣僚らに向かってラマフォサ氏は、マンデラ氏釈放の日はひとつの祝福だと述べた。「われらが国民に尽くすために生きてきた1人の人間の生を、われわれは祝福している。われらが民が同志ネルソン・マディバ(Nelson Madiba)を生かし続けたのだ」--ラマフォサ氏はマンデラ氏の氏族名を用いて語った。「彼は牢の外にいる者たちのために、生き続ける必要があることを分かっていた。人びとの戦いなくしては、マディバが釈放されることもなかっただろう」
南アフリカの各メディアは同日、一斉にマンデラ氏釈放から20周年を報じ、特別号を発行する新聞社もあった。刑務所前での行事は各ラジオやテレビで中継された。
南アフリカの英国国教会の元大司教で、マンデラ氏と同じノーベル平和賞受賞者のデズモンド・ツツ(Desmond Tutu)氏は、マンデラ氏釈放の日から今日まで、南アフリカが旅してきた長い道のりを思い出す日にしようと演説した。「ビクター・フェルスター刑務所からネルソン・マンデラが放たれ、自由となった日、われわれの集合的な精神は高揚した。あの日こそ、屈辱が終わりを迎えることが約束された日だった」
しかし、同国の「良心の番人」と目されているツツ元司教は、多くのことが成し遂げられた一方で、これからなすべきことも多いと語りかけた。「本当の変革を起こそうと思ったら、ネルソン・マンデラが釈放された日の精神を、われわれは再び取り戻さなければならない。過去を忘れることがあってはならないのだ」(c)AFP
[AFPBB News]
Posted by nob : 2010年02月13日 00:07