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遅いっ!!!
■放射能汚染、コメ検査実施の動き広まる
私たち日本人の主食、コメがいま揺れています。牛肉や野菜に広がった放射能汚染、コメは本当に安全なのか。そんな声を受けて収穫の季節を前に、全国の自治体ではコメの検査を行う動きが広がっています。その実態を追いました。
温暖な気候に恵まれた千葉県鴨川市。東日本で一番早くコメの収穫時期を迎えています。こちらは来週刈り取られる予定の「早場米」です。
「おいしくできています。おじいちゃんのお米は大好き」
ですが、育てた満田さんの顔色は冴えません。というのも・・・。
「『サンプリング調査』のお米を3キロご用意していただきたい」(鴨川市の担当者)
実はこの田んぼで育てられたコメが来週、検査の対象になるのです。千葉県で初めてのコメの検査。万が一、基準値を超える放射性セシウムが検出されたら、出荷停止などの措置が取られます。
「しっかり検査して“安心安全”という形で消費者に渡れば・・・。だけど心配です」(農業 満田清さん)
千葉や静岡など18の都府県が今後、コメの検査を実施する予定です。静岡県では、県内の農家から採取したコメのサンプルを検査機関に送りました。今週中にも結果が判明する見通しです。なぜ今、コメが問題なのでしょうか。
「コメの検査態勢はさらに充実しないと」(学習院大学 村松康行教授)
農作物への放射能影響について、福島県のアドバイザーを務める村松教授はこう指摘します。
「土に『1』ある放射性物質が玄米に最大『0.1』いくだろう」(村松康行教授)
村松教授によりますと、土壌にある放射性セシウムをコメは根から吸い上げます。土壌に放射性物質が「1」あると、そのうち「0.1」の割合で玄米に吸収されるといいます。
農水省が原発事故の後、示した目安によれば、コメの0.1に対し、キャベツは0.0078、じゃがいもが0.067。目安と比較すると、コメの吸収率は非常に高いことがわかります。
一方、原発事故を受けてコメの汚染対策に取り組む現場があります。福島県農業総合センター。ここで今、世界で初めての実験が行われています。
「一番低いのはあちらで、大体セシウム134と137を足して2000ベクレル/kg。一番濃いのが6万ベクレル/kg」(福島県農業総合センター 藤村恵人研究員)
ここではセシウムに汚染された土壌を人工的につくり、稲がどのくらい吸収するのかシュミレーションしています。汚染された土壌を段階的につくり、稲が影響をどう受けるか詳しく調べます。稲の汚染の実態を把握するのが目的です。
(Q.コメは大丈夫だろうかと多くの人が思っているが研究の感触は?)
「大丈夫だと思いますが、何とも言えないですね。土壌の質によってだいぶ違う。5000ベクレル/kgだとしても(セシウムが)10%いくものと1%しかいかないものがある。ここで5000ベクレル/kgで安心したと思ったら、ダメなところも出てくるかもしれない。今の段階では何とも言えない」(藤村恵人研究員)
研究結果は9月上旬にもまとまるといいます。日本人のコメの消費量は年間58.5キロ。肉などに比べて、口にする機会は圧倒的に多い。村松教授はこう警鐘を鳴らします。
「米は食べる量も多いですので、行政側の検査態勢をきめ細かくしていかなければならないことと、我々消費者も大体どれくらいの濃度か、把握していく必要があると思います」(学習院大学 村松康行教授)
福島県飯舘村。例年であれば、青々とした実りの季節ですが・・・。
「(Q.田んぼはどこからですか?)このラインからずっと。(Q.この状況をご覧になって?)どこから手をつけていいのか分からない」(飯舘村 稲作農家・杉浦光一さん)
4月からコメの作付け制限がされ、再開の予定は立っていません。
「何年この状態が続くか分からない。おそらく来年、再来年帰ってきて作れるよとなっても、米は売れないだろうという見方をしています」(杉浦光一さん)
農家の人にも、消費者にも深い傷を残した原発事故。その傷が癒える見通しはまだ見えてきません。
[TBS News]
Posted by nob : 2011年08月03日 01:53