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■六ケ所村の核燃再処理工場:原燃社長「廃止措置に1.4兆円」 /青森

 ◇政策見直しに異議

 日本原燃の川井吉彦社長は28日の定例会見で、六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場を現時点で閉鎖した場合、解体などの廃止措置に約1・4兆円かかるとする試算を示した。使用済み核燃料を再処理するより埋めた方が安上がりだとする内閣府原子力委員会の専門部会の試算に対し「環境影響や政策変更のコストも比較検討してほしい」と述べ、核燃料サイクル政策見直しへの動きに異議を唱えた。【山本佳孝】

 25日に開かれた専門部会では、核燃料サイクルについてコストの試算結果を公表。使用済み核燃料を全量再処理し、プルトニウムやウランを取り出して再利用する現在の計画では、地中に埋める直接処分に比べ発電量1キロワット時当たりの費用が約1円高く、「コストが2倍になる」とした。

 これに対し、川井社長は、直接処分はまだ技術的知見が不足しているとし、「プルトニウムを含む高レベル放射性廃棄物を捨てることになり、放射能の影響が低下する時間がかかるなど課題は多い」と指摘。「サイクル事業は環境保全の面からも必要で、コストだけの問題ではない」と訴えた。

 専門部会では建設から操業、解体までに要する再処理の総事業費を12・2兆円としているが、川井社長は、今事業を止めてもこれまでの建設費約2・2兆円に加え、解体や処分の廃止措置にさらに約1・4兆円かかると説明。専門部会ではこうした政策変更コストを直接埋設では算入していないと指摘した。

 一方、再処理工場の完工予定まで1年を切ったが、県の安全対策検証委員会の議論が継続中など、08年にトラブルで中断した工場の試験再開の見通しは立っていない。川井社長は「来年10月の完工を目標に頑張る」と述べ、日程変更の考えはないことを強調した。

[毎日新聞]


■福島原発の汚染土、中間貯蔵は30年 政府が工程表

 政府は29日、東京電力福島第1原子力発電所の事故に伴う除染作業で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設の整備に向けた工程表を公表した。2012年度中に立地場所を福島県内で選定し、14年度をメドに搬入を始める。それまでは市町村ごとに仮置き場で管理するよう求めた。中間貯蔵の期間は最長30年を見込み、この間に福島県外で最終処分を終えるとした。

 ただ工程表では放射性物質の最終処分の見通しは示せず、処理技術の研究に努めるとするにとどめた。建設に時間がかかるとはいえ3年間の仮置き期間は長いとの見方がある一方、保管期限を示せば地元の理解が得やすいとの考えもある。

 細野豪志環境・原発事故担当相が同日、福島県庁で佐藤雄平知事と会談し、工程表を提示。福島県の市町村長にも説明した。

 中間貯蔵施設の建設地について原発相は「大変申し訳ないが、福島県内にお願いせざるを得ない」と改めて説明。保管する汚染土などは県内で発生したものに限り、建設地は「遅くとも12年度中に国が責任を持って決める」と語った。佐藤知事は工程表を「きちんと精査したい」と述べ、施設の規模や立地条件などを国が明らかにするよう求めた。

 環境省が10日にまとめた基本方針では、高濃度の汚染廃棄物が相当量発生した都道府県ごとに中間貯蔵施設を造るとしていた。工程表では福島県内だけに中間貯蔵施設を建設する方針を提示。福島県外では汚染の程度が比較的低く、量も限られると理由を説明している。

 環境省の試算では、除染に伴う廃棄物は最大約2800万立方メートル。東京ドーム23杯分に相当する。保管に必要な敷地面積は3~5平方キロメートルに上る。

 このほか中間貯蔵施設には、最新技術による廃棄物の減容化設備も併設する方針だ。

[日本経済新聞]

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Posted by nob : 2011年10月29日 23:30