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一億総自営業者社会、、、それがすべて一人会社であることが究極の理想。。。Vol.2

■社長は会社を「大きく」するな!
山本憲明 [税理士]

「右肩上がり成長」が、
今後さらに難しくなる理由

前回の連載では、「管理の手間が増大する」「経費(固定費)が増える」という、大きな会社が抱える構造的な問題点についてお話をしました。さて本日は、少子高齢化のような外部環境的な視点から、「会社を大きくする」ことの難しさをお話ししていきます。

日本の少子化、
60年前と比べると?

 第2次世界大戦後、日本の経済は高度成長期を迎えて、ずっと右肩上がりで成長してきました。しかし、バブルが崩壊したあと、低迷を続けているのは周知の通りです。これから再度の成長に期待したいところですが、それもなかなか難しいのではないでしょうか。

 人口動態の面から考えても、今後経済が順調に成長していくことは厳しいと思います。

 ハリー・S・デント・ジュニア氏の研究によると、「消費支出が多い40代後半の人口が多いときに景気が良くなり、少ないときに景気が悪くなる」そうです。日本の場合、40代後半の人口と株価はこれまでよく連動していたようで、バブル崩壊も予測できたようです。

 日本のバブル景気を支えたのは団塊の世代(1947~1949年生まれ)で、別名、第一次ベビーブーム世代です。この世代の年間出生数は250万人を超え、3年間の合計は約806万人。ちなみに、2011年の出生数は105万人です。

 このセオリーをそのまま使うと、1971年から1974年くらいまでに生まれた人(団塊ジュニア世代)が、40代後半を迎える2016年から2023年くらいは好景気になりますが、そのあと再び景気は悪くなっていきます。

人を増やして大きくしても、
10年後、どうするのか?

 これが当たるかどうかはわかりませんが、現実的に考えて、日本は今後、超高齢化社会になることが見えていて、働き盛りの人が少なくなり、年齢の高い人がどんどん増えていきます。そう考えると、「右肩上がりの経済」になるとは到底考えられません。

 会社のことを考えたとき、これからあと10年程度、人を増やして売上を増やし、会社を大きくしていくことは可能かもしれません。ただ、それができたとしてもその後どうするのか、という問題が残ります。

 また中小企業は、直接の取引先が景気に影響されない会社でも、その「取引先の取引先」が景気に左右されて売上が落ち、結果、影響を受けるということが多々あります。「うちは景気に左右されないから大丈夫」ということは、現実的にはありません。

 2008年ごろのリーマン・ショックのときもそうでした。あまり景気に左右されることのなさそうな会社であっても、立ち行かなくなってしまったことがありました。

 こうした点から考えてみても、「人をどんどん雇って規模を大きくし、売上を増やしていき、利益を出し続けること」がいかに大変なことか、おわかりいただけるかと思います。

 そうであれば、小さな会社で柔軟に対応し、利益を増やしていったほうが賢明ではないかと私は考えています。

テクノロジーと
ソーシャルメディアについて

 別の視点からも見ていきましょう。スマートフォンなどのテクノロジーの発展とFacebookやTwitterといったソーシャルメディアの台頭も、この問題と無関係ではないと思います。

 テクノロジーの発展により、「会社に行かなくても仕事ができる」ということが可能になり、「ノマドワーカー(オフィスに行かず、カフェ等で仕事をする人)」という言葉も、ここ数年で市民権を得ました。

 さらに、ソーシャルメディアの台頭により、会社の業種・業態を越えて、個人同士がすぐつながれるようになりました。集客を行う、または事業を起こすための仲間を集めることが容易にできるようになったのです。

 この結果、才能がある、もしくはやる気のある個人が、規模の小さい事業をどんどん立ち上げていくことも考えられます。

 こうした流れが加速していくと、大きな会社の存続意義がどんどん薄くなってしまうのではないかと思っています。むしろ、大きいゆえのハンデ、家賃や人件費、もろもろの管理などが重くのしかかり、競争に負けてしまうのではないでしょうか。

 また、今後、テクノロジーの発展により、もっと画期的なツールが発明されるかもしれません。そうなったとき、そのツールをビジネスに使いこなせるのは、間違いなく「小さな会社」だと思います。

「社員への高い給料」も
重くのしかかる

 最後に、日本の大きな会社が持っている歴史的な仕組みについてもお話します。

 一般的に大きな会社では、社員の給料が高く、福利厚生も充実しています。高度経済成長期に大きくなった会社は、規模が大きければ大きいほど経済成長の恩恵を受け、利益をたくさん出しました。そして社員をたくさん雇い、社員の給料についても、経済成長に合わせてどんどん高くなっていきました。

 しかし今、日本は未曾有の不景気の真っただ中で、回復の見込みもありません。景気が悪くなったからといって、給料を下げることはなかなかできません。日本の多くの大企業は、売上が下がり続けても、給与水準は昔と大きく変わりません。今のような時代には、「大きな会社ほど経営が厳しくなってくる」、という状況に陥ります。

 私の知人が勤めている会社も、業績が悪くなり、人が余ってしまうような状態になり、営業の正社員の多数を、別会社に転籍させることになりました。会社のために一生懸命がんばってきた人がそうなると、悲劇です。

 そうならないためにも、将来のことをよく考えて、会社を大きくするかどうかの判断をしたほうがいいのではないかと思います。

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■続き

「小さくても儲かる会社」の
マーケティング

前回の連載では、少子高齢化のような外部環境的な視点から、「会社を大きくする」ことの難しさをお話ししました。さて本日は、規模を大きくせず、「小さくても儲かる会社」を作るためのエッセンスの1つ、マーケティングについて、少しお話ししていきます。

大企業と同じ土俵で
勝負しない!

 これまでの連載では、「1人当たりの粗利」「大きな会社の構造的な問題」「少子高齢化」といった切り口から、「会社を大きくし、それを維持することの難しさ」をお伝えしてきました。

 では本日は、「小さくても儲かる会社を、いかにして作るか」に焦点を当てたいと思います。

「小さくても儲かる会社」を作るためには、粗利をどう増やしていくか、ということを常に考えなければいけません。

 業種・業態によって、粗利を増やす方法論はさまざまですが、「小さくても儲かる会社」を作るために大切なのは、「小さなナンバーワンを目指す」ことです。

 なぜなら、大企業と同じ土俵で勝負してしまっては、「価格」「宣伝」といった面で勝ち目がないからです。

商品・サービスに
「差異」を作る!

 では、「小さなナンバーワンを目指す」ためには、どんなことをすればいいのでしょうか。それは、あなたの商品・サービスに「差異」を作るということです。

 商品・サービスがどれだけ優れていても、ほかでも作っているようなものであれば、なかなか売れません。もし価格競争になったら、小さな会社には勝ち目がありません。したがって、「違い」を作る必要があります。

 その「差異」を作るのは、容易ではありません。ですので、小さな会社では、差異を作る際には「分母と分子」に焦点をあてて下さい。

 まずは分母となるものを設定します。分母は、世の中全体ということではなく、例えば「○○市内」とか、「○○業界で」のように、狭い範囲にしましょう。その中での差異を考えるのです。その分母の中で、一番になるものを考えます。

「あなたにしかできないこと」を
商品・サービスに!

 そう考えたとき、例えばどんなものがあるでしょうか。

 具体的には「○○市内で唯一の高齢者向け宅配弁当」や「税理士業界で、小さな会社のサポートをさせたら日本一」といったイメージです。

 欲をいえば、「日本で、あるいは世界で、唯一あなたにしかできないこと」を商品・サービスにできれば完璧です。

 そうすれば、その分母の中であなたの商品が売れることになり、売上も増えていきます。分母の中で商品が売れれば、それを少しずつ水平展開していくことで、ほかの分母にも売ることができます。あなたの扱っている商品・サービスに工夫をつけ加えてみて下さい。必ず売上が増えていきます。

 マーケティングというと、「大きな広告を打つ」「ネットなどのITを活用する」といった派手な宣伝手法に目を奪われがちです。ですが、一番大切なのは商品・サービスそのものです。それを忘れないで下さい。

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■続き

「小さな会社」が大きく儲けた
2つの事例

前回の連載では、規模を大きくせず、「小さくても儲かる会社」を作るためのマーケティングについて、お話ししました。さて本日は、「小さな会社」では実際にどんなことをビジネスとしてやっていけばいいのかを考えたいと思います。その方法論と事例をお話しいたします。

「好きで得意なこと」は
儲けにつながる

 前回の連載では、小さな会社の「マーケティング」について、お話をしました。本日はもう少し突っ込んで、「実際にどんなビジネスをやっていくのがいいのか」を考えてみたいと思います。

 よく「好きなことを仕事にする」のが、いいか悪いかという議論がされます。この問題について個人的には、「できる限り、好きなことや得意なことを仕事に結びつけたほうがよい」と思っています。その理由としては、2つあります。

 まず1つ目の理由は、「好きなことや得意なことには、没頭できる」ということです。今でも競争は激しいですが、今後さらに起業する人も増え、インターネットなど仕事のツールも発達し、ますますその傾向は強まるでしょう。そんな中で戦っていくためには、やはりその仕事に没頭していかなければ勝ち目がありません。

 仕事に没頭するためには、好きだったり、得意で仕事を進めやすかったりするほうが断然有利です。私のまわりでも、「こんな商売、成立するのかな?」と思うような仕事でうまくいっている人がたくさんいます(後ほど、事例をご紹介します)。

 それは、その人がその仕事を大好きで、没頭しているからです。うまくいかないときがあっても、とにかく仕事に没頭して食らいついていけば、必ず勝機があります。

あなたの商品・サービスに
「遊び」をとり入れよう!

 2つ目の理由ですが、「好きなことは、差異を生みやすい」からです。前回の連載(マーケティング)でも触れましたが、差異というのは、ほかの人や会社との違いのことです。これが、売上を増やす大きな要因となります。

 なぜ、好きなことが差異を生みやすいのか。好きなことは「遊び」の範疇に入ることが多いため、その「遊び」を仕事に結びつければ、ほかの人との差が生まれやすいからです

 あなたの大好きなことは何でしょうか。おそらく、仕事と関係ない「遊び」といえるものが多いのではないかと思います。

 例えば、スポーツ。私は野球をずっとやっていますが、好きで好きでたまりません。ただそれは、私にとっては本当の遊びで、仕事に結びつくとは考えていません。

 本当に野球が好きで、草野球に年間500試合出場するなんていう超人がいたとしたら、その人は草野球界では名の知れた人になっているでしょう。例えばその人が、「対戦したい草野球チームをつなげて、手数料としていくらかをもらう」という商売を始めたとしたら、おそらく成立するでしょう。

 これだけでは事業のレベルとしてはダメかもしれませんが、それをブラッシュアップしていけば、多くの売上を得られるようになる可能性は十分にあります。

「好き」をビジネスに育てた
2つの事例

 ではここからは事例です。私の知っている2人の知人の話をしたいと思います。

 1人目は、趣味ではじめた「ヒーリング」をビジネスにした例。もともと興味があり、独学で勉強し、最初は友達や会社の同僚に無料でやっていたそうです。それを続けるうちに、口コミで噂がどんどん広がり、遠方からも問い合わせがくるようになりました。やがて、ビジネスとして成立するレベルにまで成長。今では、噂を聞きつけた経営者などからもオファーが殺到しています。

 2人目は卒業式・演奏会などの録画代行をビジネスにした例。具体的には、学校で行われる卒業式や演奏会を録画・編集し、その映像を父兄に売るサービスです。もともとは、自分の子どもが出る演奏会の録画・編集をやっていて、その動画を見た友人から頼まれたのが、このビジネスのはじまりです。多くの人に「録画・編集=難しいこと」という意識があり、潜在的なニーズがあったのではと思います。

 いずれも「好き」をビジネスにまで育て上げた例です。「何をやっていけばいいかわからない」と思ったときは、一度、自分の「好き」をビジネスに活かせないかを考えてみましょう。

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Posted by nob : 2012年10月22日 07:26