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一億総自営業者社会、、、それがすべて一人会社であることが究極の理想。。。Vol.9

■社長は会社を「大きく」するな!【実践編】
山本憲明 [税理士]

「人を減らさず、仕事を減らす」。
会社を小さくする方法。

「小さくても、しっかり儲かる会社を作る」がモットーの税理士、山本憲明氏。前回の記事では、「社員数の増減によって、売上がどう変わったか」を話してもらった。最終回である本日は、「会社を小さくする方法」を話してもらう。

今の法律では、
人は辞めさせられない

「会社を大きくするな!」と言われても、ある程度大きくしてしまったので、小さくするためにどうすればいいのかわからない、という社長さんもいらっしゃるかと思います。

 小さくするにも、人を無理に辞めさせることはできません。法律から考えても、雇った人を辞めさせることは難しいのが現状です。

 そういった場合には、人を減らすのではなく、「仕事を減らす」ことが有効だと思っています。事実、私の事務所では、「仕事を減らす」ことで、結果的に人も減り、会社を小さくすることができました。

 仕事を減らすためには、2つの方法があります。

 1つは、仕事自体を減らすために、商品やお客さまなどを減らしていくことです。コストがかかりすぎたり、利益率が悪かったりして、利益の出ていない商品の販売をやめる、あるいは手間がかかりすぎて採算がとれないお客さまとの取引をやめるということです。

 私の税理士事務所でも、1~2年目にお客さまが結構増えてしまって、人手が足りなくなったことがありました。そんなとき、人を雇えば当面の課題をクリアすることはできます。

 私も人を雇って、仕事をしてもらいました。しかし、何も考えずに商品や仕事を増やして、「人手が足りなくなったら人を雇う」ということをずっと続けて行くと、大変なことになる可能性があります。

 例えば、「業界全体が大不況になって、仕事がなくなって給料が払えなくなる」「新人への教育が不十分で、サービスの品質が落ちてしまい、お客さまに損害を与えてしまう」といったことです。

 また社内でも、人が増えすぎてしまって管理が大変になり、その管理のために時間やお金がかかってしまいます。

 そんなときは一度立ち止まって、商品やお客さまを減らしたり、絞ったりしたほうが、長い目で見ると仕事がうまくいくのではないかと思っています。

仕事を減らす方法2
効率化で、無駄を削る

 2つ目の仕事を減らす方法は、効率化です。今やっている仕事や、その仕事を行うための作業を分析して、無駄を削り、マニュアルなどを作って仕事にかかる時間ロスをなくしていく方法です。

 忙しくなってきたからといって、何も考えずに人を増やして対応するという方法をとったり、仕事の内容について考えずにいたりしたら、あっという間に仕事が膨張してしまい、非効率になっていきます。

 それを阻止するためには、マニュアルやチェックリストなどを作って、仕事の標準化や効率化を進める必要があります。

「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」

 先日の連載でもお話ししましたが、これはパーキンソンの第一法則と呼ばれるものです。まさにこの通りで、簡単に人を増やすと、必要のない仕事も簡単に増えてしまうことを忘れてはなりません。

 仕事、商品、お客さまの量を常に管理し、仕事を効率化していくことは、経営にとってはとても重要なことです。これは何も会社を小さくするに限ったことではないかと思います。

(連載了)

[DIAMOND online]

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Posted by nob : 2012年12月26日 10:42