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ヘルスケアの基礎知識、、、覚えておきたい。。。
■お腹が凹む最新キーワード33——正しい知識で引き締め効果をアップ
できれば空腹との闘いや「苦行のエクササイズ」なしに、ラク〜に腹を凹ませたい。その実現のために最強の味方は、じつは「基礎知識」なのだ。脂肪を落とす体のメカニズムが頭に入れば、意識せずに生活は変わってくるはず。ここでは「脳でお腹を凹ます」ための重要用語を紹介しよう。
必ず知っておくべき基本用語
メタボリックシンドローム
人はなぜに腹をへこませなければならないのか……。最大の目的がメタボリックシンドロームの回避にある。言葉の定義は、内臓脂肪(下写真参照)が蓄積したタイプの肥満をベースとして、それに血糖値高め、血圧高め、血中脂質(コレステロールや中性脂肪)の異常の状態を2項目以上合併していること。複数重なることが問題なのは、その場合に内臓脂肪の増加による代謝の変化が背景にあって、動脈硬化の進行が一気に加速するためだ。
たとえ血圧や血糖値といった個々の検査値の異常は軽度であっても、それらが重なることで心筋梗塞など心臓血管障害で死亡するリスクが高まる。日本人は、欧米人と比較して糖尿病を発症しやすいため、そのリスクを早めに評価するためにも重要だ。逆にいえば、これらのリスクを下げる最も有効な手段は、若いうちからポッコリお腹の原因となる内臓脂肪を低下させることなのだ。
内臓脂肪
写真はCT(コンピュータ断層撮影)で見た腹部の輪切り写真(「日経ヘルス for MEN」世代である『日経ヘルス』藤井編集長のもの)である。赤く示された部分が内臓脂肪。腸など内臓の周囲にたまり、血糖値の異常などをもたらす原因となる。
腹囲
2008年に始まった特定健康診査・特定保健指導制度(メタボ健診)で検査される項目の一つ。「おへその位置で測ったお腹まわり」なので、ズボンのウエストサイズより若干大きめになることが多い。日本肥満学会の基準によると、男性では85cm以上がメタボリックシンドロームの基準の一つになる。腹囲が採用されている理由は、身長の大小や筋肉量の差を考慮しても、内臓脂肪の量と最も相関が高いとされているためだ。つまり、対象者全員をこれでスクリーニングすることで、より詳しい検査につなげる狙いがある。
BMI
ボディマス指数(体格指数)とも呼ぶ。身長と体重の関係を表す数字で、かつては体の肥満度を測る最も重要な指標とされていた。自分の体重(kg)を身長(メートル表示なので172cmの人は1.72)の2乗で割ることで計算できる。判定基準は国によって異なるが、日本肥満学会では22前後(18.5〜 24.9)を「普通体重」、25以上を「肥満」、18.5未満を「低体重(やせ)」としている。しかし、BMIは体脂肪率を考慮していないので、ボディビルダーなどは、脂肪が少なくても筋肉量が多いため肥満に算出されたり、逆に見かけはやせでもじつは内臓脂肪が多い「隠れ肥満」を見逃すなど課題も多い。最近ではBMIより腹囲や体脂肪率の測定が重視されるようになった。
体脂肪率
その名の通り体内に含まれる脂肪の割合のことである。じつは体脂肪率を正確に測定するのは非常に難しい。かつてはアルキメデスの原理を応用した「水中体重測定法」などが用いられてきたが、最近では「生体インピーダンス法」という体内の電流の流れ方を利用した計測法が広く用いられている。家庭用の体脂肪計の原理もこれである。なお、体脂肪は低ければ低いほどよいわけではなく、体の機能を維持するためには一定の体脂肪が必要である。国際的な基準は定められていないが、国内では30歳以上の男性の場合、17〜23%が適正範囲で、25%以上を肥満とすることが多い。
血糖値
血液中のブドウ糖の量を示す検査値。ブドウ糖は、全身の組織が活動するための重要なエネルギー源だが、血液中の濃度が高い状態が続くと、体内の微小血管が徐々に破壊されていく。これが2型糖尿病だ。糖尿病を放っておくと全身の臓器に障害をもたらし、腎不全、失明などの原因となる。メタボリックシンドロームの診断基準となるのは空腹時の血糖値が110mg/dl以上の場合だ。
インスリン
体内で糖の代謝を調整するほか、筋肉ではアミノ酸の取り込みによるたんぱく質合成を促進するホルモン。インスリンは血糖値を正常に保つために重要な働きをするが、人によっては過食などで血糖値が高い状態が続くとインスリンを分泌する膵臓(すいぞう)の機能を障害。2型糖尿病の原因となる。
インスリン抵抗性
体内の組織でインスリンの効き方が悪くなった状態を示す言葉。もともと糖尿病の患者では健康な人と比較して、同じ量のインスリンを注射しても血糖値が下がりにくいという研究結果から、糖尿病が進行するメカニズムの一つとして注目された。さらに最近では、肥満、動脈硬化、高血圧など生活習慣病の背景にある重要な病態だと考えられている。メタボリックシンドロームと診断された人では、インスリン抵抗性を調べる検査(経口ブドウ糖負荷試験など)を行うこともある。インスリン抵抗性は、食事の改善のほか、レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)や有酸素運動などでも改善することが分かっている。
血中コレステロール値
コレステロールは全身の組織の細胞に見られる重要な脂質である。コレステロールは肝臓で合成されるが、水に溶けないため血液中ではリポたんぱく質という物質と結びついた粒になって運ばれる。リポたんぱく質にはLDLとHDLの2種類があり、コレステロールを血管や組織に運ぶのがLDL。余分なコレステロールを肝臓に戻す働きをしているのがHDLだ。動脈硬化は、血管の内膜にたまったコレステロールの塊が起こす病気なので、いわゆる「悪玉」と呼ばれる LDLコレステロールが多すぎたり、「善玉」のHDLコレステロールが少なすぎたりするときが要注意である。メタボリックシンドロームの診断基準では HDLコレステロールの値が40mg/dl未満の人が要注意となっている。
中性脂肪
体の中に存在する脂肪の一つ。人の体ではエネルギー貯蔵物質として利用されている。食事のとりすぎで余った糖質を材料にして肝臓で作られ、皮下脂肪や内臓脂肪に蓄積される。中性脂肪は多少高くなっても、すぐに体に悪影響が出るわけではないので、かつては健康管理上重要視されていなかったが、最近、血液中の中性脂肪が高いと動脈硬化の原因となることがわかり、メタボリックシンドロームの診断基準(150mg/dl以上)の一つにされている。なおアルコールの飲み過ぎも中性脂肪を高める要因になる。
脂肪肝
肝臓に脂肪(とくに中性脂肪)が蓄積した状態。男性では40歳前後で多発する。食べ過ぎのほか、アルコールの飲み過ぎでも肝臓に中性脂肪がたまりやすいことがわかっている。しかも、最近、アルコールを飲まないのに脂肪肝を発症する人の中に、肝硬変や肝臓がんを発症する場合があることが明らかになり、非アルコール性脂肪性肝炎(通称NASH)として注目されている。
肝機能検査
肝臓は、体の維持に重要なたんぱく質を合成したり、体の中の毒素を分解するなど重要な働きをしている。肝臓の機能を調べる血液検査として広く用いられるのがGOT(AST)、GPT(ALT)、γGTPなどの検査値だ。これらは肝臓の細胞の中にある酵素で、これらが血液中に多くあるときは、何らかの原因で肝臓の組織が破壊されていることを示す。
企業の健康診断や人間ドックで行われる血液検査結果の例。左欄には肝機能や血中脂質について正常値が掲載されている。ほぼ正常値だが、中性脂肪は食事などの影響を受けやすいため、大きく変動している。
血圧
血管の中の血液の圧力のこと。一般には動脈の血圧を示す。心臓が縮んで血液を送り出すとき(収縮期)の値(最高血圧)と広がるとき(拡張期)の値(最低血圧)を測定する。血圧が高い状態は動脈硬化を進めるため、若いうちから血圧の管理が必要だ。最高血圧が140mmHg以上が高血圧と診断されるが(日本高血圧学会)、健康管理上は120未満を目指すことが推奨されている。
体を動かす前にチェック —— トレーニング用語
基礎代謝
人間の体は、何もせずにじっと横になっていたとしても、生命活動を維持するためにエネルギーを使っている。その量を示しているのが基礎代謝で、単位は kcalで表される。ちなみに厚生労働省『日本人の食事摂取基準』(2005年版)によれば、30〜49歳の男性の平均的な基礎代謝量は「基礎代謝基準値」22.3kcal/kgに体重(kg)をかけると割り出せる。
例えば、体重65kgの人ならば約1450kcalが基礎代謝分となるわけである。そして、1日の食事で必要なカロリー量は、各人の身体活動の程度によって異なるが基礎代謝量の1.5〜2倍。それより多くとった分は体脂肪として蓄積されていく。逆にいえば、基礎代謝を増やせば食べても太りにくい体になるというわけだ。筋トレで全身の筋肉量を増やしたり、有酸素運動で心肺機能を向上させてエネルギーを使いやすい体にすることも基礎代謝アップにつながり、少しずつ楽に腹をへこませられる体になっていく。
有酸素運動
常に酸素を消費しながら筋肉を収縮するエネルギーを得るような運動のことを指す。ジョギング、ウオーキング、水泳、自転車のように、体にある程度の負荷をかけながら長い時間継続して行う運動が有酸素運動だ。有酸素運動の特徴は、心肺機能を改善する効果があるほか、長時間持続的に運動するためエネルギーを得る過程で体脂肪を燃焼する働きがあること。そのためメタボリックシンドロームなどの患者では、体脂肪を減らすために有酸素運動の習慣が大切になってくる。
METs
メッツ。運動の強さを酸素摂取量をもとに算出した値で、安静時に対して何倍に相当するかを示す。厚生労働省が発表した「健康づくりのための運動基準 2006〜身体活動・運動・体力〜報告書」では、スポーツだけでなく、通勤時の歩行や家事などあらゆる身体活動の強さをメッツで表し、3メッツ以上であれば掃除機がけなどの日常の動作も生活習慣病の予防に役立つと結論づけた(下左図)。ちなみに一般的な有酸素運動であるジョギングやエアロビクスは6メッツ、ランニングや水泳は8メッツとなる。これに相当する日常動作は雪かきが6メッツ、階段を上るが8メッツだ。
日常動作の運動量
METs(メッツ)を用いれば、散歩や掃除など日常動作の運動の強度も表すことができる。なお、METsで表した数字に時間をかけるとExという単位になる。厚生労働省では3METs以上の動作で週に23Ex行うことを推奨している。
体幹
人の体のうち頭、首、手足を除く部分。つまり胴体のことである。肺、肝臓、胃腸など重要な臓器が体幹の中に詰まっている。そして、体幹を包んでいる腹筋、背筋などは臓器を守るとともに、体全体のバランスを取り、走る、投げる、跳ぶなど、あらゆる動作の基礎となる重要な筋肉だ。エクササイズで体幹トレーニングを重視すれば運動能力がアップするうえ、仕事で椅子に座っているときにも働く筋肉なので基礎代謝量を大きくする働きがある。
インナーマッスル
インナーは「内部の」という意味。インナーマッスルは、体の比較的深い部分にある筋肉のことである。厚い胸板を作る大胸筋や力こぶの上腕二頭筋など、体の表面にある筋肉(アウターマッスル)のように大きな力を出すことはできないが、腕や肩を滑らかに回すなど細やかな動作をスムーズに行うにはなくてはならない筋肉だ。特に関節の周囲には、インナーマッスルがたくさんあり関節の位置や細やかな動作を調節している。スポーツを上達させたり、関節のトラブルを予防するためには、インナーマッスルを鍛える必要がある。
腹筋群
腹筋というと多くの人が、板チョコのように割れた格好いい腹直筋を思い浮かべるが、腹直筋は腹筋群の一部にすぎない。腹部には薄い筋肉が何層かに分かれて胸部の肋骨と骨盤を支えている(下図)。こうした筋肉全体を鍛えることは、内臓や背骨をガッチリと守り腰痛の予防にもつながる。
腹筋群
肋骨から脚の付け根までの腹側には、膜のような筋肉があらゆる方向に張り巡らされている。腹を凹ますときには「魅せ筋」である腹直筋だけでなく腹筋群をまんべんなく鍛えてほしい。
ストレッチ
関節を動かすことで目的の筋肉を引っ張って伸ばすエクササイズで、運動を行う前の準備体操などに使われる。誰でも知っているラジオ体操のように関節をリズミカルに動かすことで筋肉の伸長と収縮を繰り返す「柔軟体操」に対して、一般的にストレッチと呼ばれる「静的ストレッチ」は、目的の筋肉をゆっくりと伸ばし、適度に伸びたところで数十秒保持する方法である。ゆっくり伸ばす理由は、筋肉が急に伸ばされると脊髄からは逆に筋肉を収縮させようとする「伸展反射」が起こり、筋肉が十分に伸ばせないという考え方があるためだ。
レジスタンス トレーニング
トレーニングマシン、バーベル、ダンベルなどを用いたウエートトレーニングのように、筋肉に一定の負荷をかけて行うトレーニングの総称。かつて生活習慣病の予防を目的とする運動としては主に有酸素運動が推奨され、筋トレは軽視されていたが、1990年にアメリカスポーツ医学会が有酸素運動にレジスタンストレーニングを併用した方が生活習慣病の予防効果が高いと方向転換したことで、この言葉が注目された。
スロートレーニング
レジスタンストレーニングの方法の一つ。その名の通り、ウエートやマシンをゆっくりと動かして行う。筋肉に長い時間負荷をかけると、普段あまり使わない筋繊維にも刺激が伝わり、運動効果が上がりやすい。脂肪分解作用がある成長ホルモンの分泌も活発になる。負荷を大きくしなくてすむうえ、動作をゆっくり行うことで正しいフォームを保てる、反動を使うクセを矯正できるなどの利点もある。そのため最近では、中高年のレジスタンストレーニングに幅広く採用されている。「上げる」「下げる」などの各動作に3秒以上かけると効果があるという。
バランストレーニング
姿勢を保つために重要な役割を果たしているインナーマッスルを鍛えるトレーニング方法。例えば、最近、地方自治体の健康教室などで広く行われているバランスボールエクササイズは、大きなボールの上に腰掛け骨盤を前後左右にグルグル回すもの。不安定な状態で姿勢を保つために、腹筋群や背筋など体幹のインナーマッスルが鍛えられる。このほか不安定なクッションを用いたり、片足立ちで動作を行うなど、さまざまな方法が考案されている。
見えないところで働く —— ホルモン用語
男性ホルモン
男性では主に精巣から分泌され、筋肉の増強、性欲の亢進、気力・体力の向上などをもたらしていると考えられる。男性ホルモンは、20代をピークに年齢とともに少しずつ減少するほか、ストレスなどが原因で急減することもあり、倦怠感や性欲減少などの症状をもたらす。また男性ホルモンを作るもとになるのが DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)だ。DHEAは「ホルモンの母」ともいわれ、成長ホルモンや副腎皮質ホルモンなどの正常な働きを保つのに欠かせないが、加齢とともに減少することが知られている。
成長ホルモン
動物の成長を促すホルモンで、脳の脳下垂体前葉という場所から分泌される。成長ホルモンは、成長期に骨を伸ばすのに必要なほか、成人でもたんぱく質の合成を促し筋肉量を保ったり、脂肪を燃焼させたり、精神活動を高めたりするのに役立っている。そのため、加齢により成長ホルモンの分泌量が減ると、気力・体力が低下したり肥満の原因になる。
セロトニン
動物の体内にたくさん存在する神経伝達物質。特に腸内には豊富で、消化機能を調節している。脳内のセロトニンは、人間の精神活動に大きく影響している。最近では、脳内のセロトニンの不足が、睡眠障害、憂うつ気分などの原因になっていると考える研究者も多い。セロトニンはアミノ酸の一種であるトリプトファンから作られるが、食品でトリプトファンをとっても脳内には移行しないので精神的な効果は期待できない。
メラトニン
睡眠と覚醒のリズムをコントロールしているホルモンで、脳の松果体(しょうかたい)から分泌される。朝、太陽の光を浴びると目の網膜を通じて松果体に情報が送られ、夕方近くなると分泌量が増加、自然の眠気などをもたらす。このことから「朝に太陽光」は体内時計を正常化するのに大切な役割を果たしていると考えられている。
最新研究で分かった —— さらに知りたいキーワード
活性酸素
細胞内ではミトコンドリアと呼ばれる小さな器官が、酸素を用いてエネルギーを生み出しているが、このとき化学的に不安定な物質である活性酸素もたくさん作り出している。活性酸素には、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素など、いくつかの種類がある。活性酸素の多くは抗酸化物質により取り除かれるが、残った活性酸素がミトコンドリアなど細胞の機能に障害を与え、生活習慣病や老化の原因となる。
アディポネクチン
人の脂肪細胞から分泌されるホルモン様のたんぱく質の一種。脂肪細胞から分泌される物質には善玉と悪玉があるが、アディポネクチンは善玉の代表。インスリンの効きを良くしたり、動脈硬化の進行を遅らせたりする。アディポネクチンを増やすには、内臓脂肪を減らしたり運動習慣を持つことが必要だ。
LOH症候群
男性ホルモンの低下がもたらす体の不調を表す言葉で、男性更年期障害とも呼ばれる。最近、LOH症候群が注目されるのは、男性ホルモンが減ることで、生きがいを感じなくなったり、社会に適応できなくなるなどの精神症状をもたらす場合があるほか、筋力低下、頭痛などの身体症状も表れるからだ。LOH症候群を放置すると、がんや生活習慣病にかかりやすいという研究もあり、重症の患者ではホルモン補充療法を行うこともある。
GLUT4
血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むためのたんぱく質(糖輸送担体)の一つ。GLUT4は、主に脂肪組織や骨格筋の細胞内に存在し、インスリンの働きで細胞表面に表れブドウ糖を細胞内に取り込む。有酸素運動などでGLUT4を増やせば、メタボリックシンドロームなどでインスリンの効きが悪くなった状態(インスリン抵抗性)をリセットできる。ブドウ糖が取り込まれ、血糖値を下げることにつながる。また、最近ではレジスタンストレーニングを行った後に、 GLUT4が細胞膜に表れ、インスリン抵抗性を改善することもわかってきた。
GLUT4の働き
血液中のインスリンが高まると脂肪組織や骨格筋に存在するGLUT4が細胞表面に移動し、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込む。最近の研究で運動による筋肉への刺激でも同様の効果があることがわかった。
褐色脂肪
体内にある脂肪組織の一つで、人間の場合、乳幼児のときに首や胸の中の大きな血管の周りにたくさん存在するが、大人では4割ほどに減る。褐色脂肪が注目されたのは、エネルギーを貯蔵する役割を果たす脂肪組織にもかかわらず筋肉細胞のように脂肪を燃焼し熱を作り出すことができるためだ。褐色脂肪を活性化すれば基礎代謝を高められる。運動効果と寒冷刺激の両方が加わる水泳に活性化効果があることが知られている。
GI
グリセミックインデックスの略で、血糖値の上がり方を示す指標である。GI値が高い食品ほど食後の血糖値が高いため、低GI食品がメタボリックシンドロームの予防には適している。例えば、同じ炭水化物でも白米よりも玄米が、さらにスパゲティなどのパスタはGI値が低いことが知られている。
レプチン
脂肪組織が作り出すホルモンで食欲と糖質代謝の調節を行っている。レプチンは食事を始めて20〜30分後に分泌される。まずは脳の食欲中枢に働いて、食料が十分に補給されたことを伝えるので食欲はしだいに治まってくる。同時に、脂肪組織には、脂肪を分解してエネルギー源として供給するのを促す働きをすると考えられている。いわば肥満予防に働くはずのレプチンなのだが、内臓脂肪が増えすぎるとレプチンが放出されすぎて体が麻痺。いつまでも食べ続ける体になってしまうことも分かってきた。メタボリックシンドロームの予防には内臓脂肪の量を落としレプチンの働きを正常に保つこと大切だ。
(文/荒川直樹、イラスト/三弓素青、佐瀬麻友子)
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Posted by nob : 2013年01月19日 12:10