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遅かれ早かれ行き着くべき先のTPP参加の是非の問題にあらず、、、全世界無関税自由競争経済社会を生き抜くためのビジョン欠落という本質的な問題。。。

■TPP交渉参加 「未来の繁栄」の突破口に 離脱の選択肢はあり得ない

 安倍晋三首相が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明し、「アジア太平洋の未来の繁栄を約束する枠組み」と述べた。TPP参加は、日本が抱える長期デフレ、少子高齢化による内需縮小、国際競争力の低下などの難題を突破する切り札として期待できる。

 まだ、交渉の場に立ったにすぎないとはいえ、大きな一歩を踏み出したことを歓迎する。

 自民党内の反対が強いTPP交渉への参加は、政権発足時に「7月の参院選後」と予想された。それに比べると大幅な前倒しだ。2月の日米首脳会談で「全ての関税撤廃を約束するものではない」との共同声明を発表した後、高い支持率を背景に一気に党内をまとめた首相の決断を評価したい。

 ◆規制改革のテコにせよ

 もちろん、楽観は全く許されない。交渉を進める11カ国による承認手続きなどは進んでいる。実際に日本が交渉に加わるのは、早くても7月ごろとみられ、出遅れは覆うべくもない。

 多国間交渉では、先行グループが後から加わった国よりも有利なのは当然だ。日本が出発点から不利な状況にあることは甘受せねばなるまい。首相がいう「民主党政権にはない自民党の交渉力」が試されるのは、これからだ。

 アジア太平洋を舞台に、農産品や工業製品など幅広い分野で関税を撤廃し、サービス、投資などでも共通のルールをつくるのがTPPだ。

 日本を加えた12カ国の国内総生産(GDP)は約27兆ドル、全世界のGDPの4割を占める。しかも、この巨大な自由貿易圏は今後さらに成長が見込まれる。日本のGDPを3・2兆円押し上げるともいう。

 人口減時代を迎え、国内市場の拡大が難しい日本は、その活力を取り込み、外に向かって経済を開く契機にしなければならない。

 TPPのルールづくりの過程で日本国内に存在するさまざまな無用の規制があぶりだされれば、安倍政権の「脱デフレ3本目の矢」となる規制緩和を中心とした成長戦略のテコにもなるだろう。

 だが、こうした通商政策、経済活性化策としてとらえると同時に、中国をにらんだ戦略的な意味に、目を向けるべきだ。

 首相がTPPを「同盟国である米国とともに新しい経済圏を作る」と位置づけたのは重要だ。

 中国は、その経済力と軍事力を背景に、アジア太平洋地域への影響力を強めている。中国抜き、米国主導のTPPへの参加は、同地域の経済秩序を、中国の覇権ではなく、日米豪などを中心とした自由主義経済の枠組みとし、共有することにほかならない。

 オバマ政権は中国を見据えたアジア太平洋戦略の中核にTPPを据えている。日本と米国が結束し、TPPの存在感を高めれば中国牽制(けんせい)の効果も持つだろう。

 ◆対中戦略の意味大きい

 中国もTPPを警戒しているのは間違いない。それは当初、消極的だった日本、韓国との自由貿易協定(FTA)や東南アジア諸国連合(ASEAN)を軸とした東アジア包括的経済連携(RCEP)に意欲的になったのが、米国のTPP参加の動きが出てきた後だったことを見ても明らかだ。

 民主党政権の菅直人元首相が参加検討を表明して約2年半、TPP反対論は収まらない。とくに農産品の関税撤廃を警戒する農業団体、国民皆保険制度の崩壊につながりかねないと主張する日本医師会など自民党支持団体の強い抵抗は今後も続くだろう。

 主張すべきは主張し、守るべきは守り、譲るべきは譲る。これは全ての外交交渉に通じる姿勢だ。そのさい常に国益に資する判断を行わなければならない。

 強調しておかねばならないことがある。自民党はTPP交渉参加に関する委員会の決議で、聖域(死活的利益)確保を最優先し、それができないならば離脱も辞さない、としたが、日本にとってTPPに加わらない選択肢はあり得ないということである。

 これまでのTPPをめぐる議論は参加のメリット、デメリットに終始し、貿易立国や対中戦略の観点からほとんど語られなかった。首相が提起した「アジア太平洋の安全への寄与」という視点で国内議論を深めていけば、おのずと「TPP参加」は正しいという結論が導かれよう。

[産経新聞]


■TPP交渉参加 東北経済界も反応二分

 安倍晋三首相が環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加を表明した15日、東北の経済界からは製造業を中心に輸出拡大につながるとの期待の声が上がった。一方で小売業や建設業からは「安易な市場開放は地方の衰退につながる」との懸念も聞かれた。

 みやぎ工業会の竹渕裕樹会長は「輸出産業に間違いなく有利になる。中国や韓国との競争に打ち勝つにもTPPには入るべきだ。中小にも海外展開のチャンスが出てくる」と語った。

 トヨタ自動車グループの電池製造プライムアースEVエナジー宮城工場(宮城県大和町)の竹下肇取締役工場長は「日本車輸出に追い風になる。関税障壁がなくなれば、国内外でより柔軟な生産体制を敷くことが求められる」と見通した。

 これに対し、みやぎ生協の宮本弘専務理事は「米国企業が活動しやすくなるだけ。農家や中小企業など地方にとっては百害あって一利なし」と批判。医療保険制度や食料品への悪影響が大きいとして「日本の安心安全のルールが根こそぎ変えられる危険性がある」と反対姿勢を明確にした。

 TPPでは公共工事への海外企業の参入も予想される。宮城県建設業協会の伊藤博英専務理事は「海外の業者が安く参入すれば、価格競争になり品質低下の恐れもある。地方建設業の衰退にもつながる」と強調した。

 東北経済連合会の高橋宏明会長は談話で「東北が得意なものづくりや食を世界に広めるとともに観光面でも期待したい」と強調。農業分野については「農業の成長を促進する施策を講じるべきだ」と政府に対策を求めた。

 岩手県商工会議所連合会の元持勝利会長も「早期の交渉参加を期待する。ただ地域経済や農林水産業への影響もあり、対策を具体化し実行することも大切だ」とした。

[河北新報社]

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Posted by nob : 2013年03月16日 07:34