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■甘く見るな、「スマホ症候群」は危険!(2) -「首こり」で新型うつやパニック障害になる!?

 「スマホ症候群」の代表的な症状のひとつである首のこり。大したことはないと放置しがちだが、じつは、新型うつやパニック障害を引き起こす可能性があり、重症になるとほとんどの人が自殺志向になる、極めて深刻な症状なのだ。

 その理由として、首こり研究の第一人者である東京脳神経センター理事長の松井孝嘉医師は、「首に負担がかかると、首に通っている自律神経の働きがスムーズにいかず、自律神経失調が起こり、新型うつを引き起こす」と説明する。実際に、スマホやパソコン、ゲームの広がりとともに、新型うつと診断される患者が急激に増えているそうだ。

副交感神経の働きを低下させる「首こり」

 そもそも首は、脳と体を結ぶ神経や、脳と心臓を結ぶ血管などが通る、人間にとってとても大切なパーツ。しかも、約6キログラムもある頭部を支えているため、首の筋肉にはつねに負担がかかることになる。さらにうつむきの姿勢をとり続けると、首の後ろ側の筋肉に通常の3倍の負荷がかかり、疲労が蓄積されていく。その結果、筋肉が硬化して「首こり」の状態になり、休ませても戻らなくなる。

 これら首の後ろの筋肉には自律神経が複雑に絡み合っている。自律神経は、体内の生命活動をコントロールする最も大切な神経で、活動・緊張に関わる働きをする交感神経と、休息・安静に関わる働きをする副交感神経のふたつから成る。自律神経が正常に働いていれば、活発に行動する日中は交感神経が優位になり、休息する夜間は副交感神経が優位になる。しかし、首こりによってその働きが妨げられると、つねに交感神経が優位になり、心身の健康を保つ上で大切な副交感神経の機能が低下してしまう。

 「副交感神経は、胃腸の動きを活発にしたり、血圧や心拍数を下げたり、たまった疲労を回復させたりする大切な神経。その働きが低下すると、全身倦怠、めまい、のぼせ、発汗異常などの不定愁訴と呼ばれる症状が起こり、幸せを感じられなくなる。さらに悪化すると90%以上が新型うつになる」(松井医師)

単なる「首こり」のはずが、新型うつ、パニック障害の原因に!

 では、新型うつとはなんだろうか? 新型うつは、精神病のひとつであるうつ病とは異なるもの。そして、自殺率が高いことで社会的に問題になっている。

 「自律神経失調によって起こる新型うつは、抗うつ剤を飲んでも治らない。しかし、精神病と診断されるケースが多く、うつ症状が悪化して、重症になると高い確率で自殺に至ってしまう。正しい治療で首の筋肉のこりを改善すれば、自律神経の働きが正常になり、新型うつの98%は治すことができる」(松井医師)

 さらに首こりによる副交感神経の働きの低下は、新型うつのほかに、慢性的に頭が締めつけられるように痛む緊張型頭痛などの身体的な不調や、突然激しい動悸に襲われたり、冷や汗が出て呼吸が困難になったりするパニック障害など、以下の表に挙げた17種類もの不調の原因になると松井医師は言う。

緊張型頭痛
頭が締めつけられるように痛んだり、石が載っているように重く感じたりする慢性的な頭痛。頭痛の70%を占める

自律神経失調症
めまいや耳鳴り、情緒不安定など、さまざまな不定愁訴が心身ともにあらわれる

パニック障害
突然の激しい動悸や、冷や汗が出て呼吸が困難になるなど、苦しい発作が起こる

自律神経性新型うつ
精神病のうつとは異なり、全身倦怠、めまい、のぼせ、発汗異常などの体調不良が主にあらわれる

更年期障害
50歳前後の女性に多く、女性ホルモンの分泌量が急激に低下することで頭痛、めまい、のぼせなどがあらわれる

慢性疲労症候群
朝だるくて起きられなかったり気力が低下するなど、身体的にも精神的にも、ひどい疲労感が半年以上続く

ドライマウス
唾液の分泌量が少なくなり、虫歯や歯周病、強い口臭など、口腔環境を悪化させる

VDT症候群
パソコンやゲームなど、ディスプレイを長時間使うことで起こる心身の不調

過敏性腸症候群
下痢や便秘を繰り返すが、検査をしても異常が認められない

ドライアイ
涙が不足し、目の表面が乾いて傷つきやすくなるほか、殺菌力・洗浄力が落ちる

血圧不安定症
上の血圧が200前後になったり、100前後になったり、乱高下する

機能性胃腸症
検査をしても異常がないが、胃もたれや吐き気などの不快症状が続く

機能性食道嚥下障害(きのうせいしょくどうえんげしょうがい)
口から胃までのぜん動運動の機能低下により、食べ物、飲み物、唾液などが飲み込みづらくなる

めまい
回転性めまいのほか、フラフラ感、フワフワ感など、なんとなく体が不安定な感じがする

ムチウチ
追突事故やスポーツ中の事故など、何らかのアクシデントの後遺症として発生する

多汗症
全身に多量の汗をかく全身性多汗症と、体の特定の部位に多量の汗をかく局所性多汗症がある

不眠症
睡眠障害の一種。十分な睡眠が取れず、昼間の活動に支障をきたす状況が1カ月以上続く

首の状態をセルフチェック

 さまざまな不調の引き金となる首こりだが、首の筋肉は疲労を感じづらい。そこで、以下のチェックリストを活用し、今の自分の首の状態をセルフチェックしてみよう。

1.首こり、肩こりがある。
2.慢性的な頭痛がある。
3.めまい、フワフワ感、フラフラ感がある。
4.ドライアイやかすみ目などの目のトラブルがある。
5.吐き気や食欲不振、便秘などの胃腸症状がある。
6.疲れやすく、起床時に体が重たい。
7.原因不明の微熱など、風邪気味のことが多い。
8.寝つきが悪く、夜中に目覚めることが多い。
9.天候によって体調がよくなったり、悪くなったりする。
10.何もする気になれず、気分が落ち込む。

●該当する項目が1〜2個
 軽症程度。自分の力で治すことが可能な状態なので、うつむきの姿勢を改善するなど、生活習慣を見直そう。

●該当する項目が3〜5個
 中程度の異常。首の筋肉に疲労をためないように心がけ、改善されない場合は専門医に相談を。

●該当する項目が6個以上
 重症。原因不明の体調不良が続いているようなら、できるだけ早く専門医を受診しよう。

首の筋肉をゆるめて、首こり予防

 予防策として有効なのが、スマホを操作する時のうつむきの姿勢に注意することはもちろん、首の筋肉に疲労をためないこと。長時間デスクワークをしている場合、首のうしろに両手をあて、30秒間頭をうしろに倒し、首の筋肉をゆるめよう。15分に一度行うと効果的だ。また、松井医師が考案した、首の筋肉のこりを防ぎ、副交感神経の働きを高める「555体操」というものがある。これを、朝晩2回行うのもおすすめだ。自己流でマッサージをすると筋肉を傷めてしまう可能性があるので、気をつけよう。

 「首こりが改善されると、周囲からも分かるほど表情がいきいきし、肌つやもよくなる。心から幸せな毎日を送るためにも、きちんと首を休ませることが大切」(松井医師)

 電車に乗ると、ほとんどの乗客がうつむいてスマホを操作している——もはや見慣れてしまった光景だが、このうつむいた姿勢こそが深刻な不調を引き起こす原因だ。ほんの少しの時間と工夫で首の筋肉の疲労を解消することが大切。健やかな心身を手に入れよう。

(文/小口梨乃)

[NIKKEI TRENDY NET]


■「首」の555体操 ~副交感神経アップで健康になれる!~

555体操には、背もたれのあるイスを使用し、深く腰掛けて行ってください。

①首の柔軟体操 Ⅰ

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首を左右にゆっくりまわします。
頭を前方に倒して、まず左からゆっくりと一周させます。
続いて右からまわします。この運動を5回繰り返します。

②首の柔軟体操 Ⅱ

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首筋をしっかり伸ばして顔をゆっくりと右に向けます。
このとき体は正面を向いたまま動かさず、左肩を軽く後ろに引きます。
そのあと顔を正面に戻します。これを5回、繰り返します。

続いて先ほどと逆の動きをします。顔をゆっくりと左に向けます。
体は正面を向いたまま動かさず右肩を軽く後ろに引きます。
この運動も5回繰り返します。

③首の後ろの筋肉をゆるめる

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両手を組んで後頭部にあてて、頭をゆっくりと後ろに倒します。

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倒した状態で5まで数えて、ゆっくりと頭を元に戻します。
この運動も5回繰り返します。

④首の斜め後ろの筋肉をゆるめる

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右手を右の耳の後ろにあてて頭を右後ろにゆっくりと倒します。

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倒したまま5まで数えてゆっくりと元に戻します。
手は戻す運動を手助けるようにします。この運動も5回繰り返します。

⑤首の斜め後ろの筋肉をゆるめる

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今度は左手を、左耳の後ろにあてて、
先ほどの反対側である左後ろに倒していきます。
倒したまま5まで数えて、元の位置に戻します。
この運動も5回繰り返します。

⑥首の横の筋肉をゆるめる

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右のこめかみの上あたりに右手の指を2、3本あて、頭を右肩の方に倒します。

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倒したまま5まで数えてください。ゆっくり戻します。
このときも、そろえた手は、戻す手助けをしてください。
次に、左側も同じようにします。左右5回ずつ行ってください。

⑦首の斜め前の筋肉をゆるめる

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左の額に左手をあてて、頭を右肩の上に倒します。

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次にそのまま頭を左へまわしてできるだけ、右耳を胸骨に近づけます。

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このとき顔は左上方を向いています。
この状態で5まで数えて、頭を右肩の上に戻します。

そのあと、首を立ててまっすぐ正中(正面:体の左右の真ん中のライン)に戻します。

左側も同じようにします。
右手を額の右側にあて、左肩の上に頭を倒し、
左耳が胸骨に近づくように首をまわします。左右5回ずつ行ってください。

⑧整理運動

③→②→①の順番でもう一度行ってください。

[東京脳神経センター]

ここから続き

Posted by nob : 2013年04月12日 16:47