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そのとおり!!!Vol.27、、、拍手っ。。。

■社説[原子力規制委報告]政策転換を迫る判断だ

 原子力規制委員会が、二つの重い判断を下した。

 日本原子力発電敦賀原発(福井県)の敷地内断層について、規制委の調査団は、2号機直下の破砕帯を「耐震設計上考慮する活断層」とする報告書を取りまとめた。国は活断層上に原子炉建屋など重要施設の設置を認めていない。国の現行基準では、13万~12万年前以降に動いた断層を活断層とみなしている。原電が判断を覆す新証拠を示さない限り、廃炉は確定的な情勢となった。

 また、規制委は、大量の機器の点検漏れが見つかった日本原子力研究開発機構の高速増殖炉原型炉もんじゅ(同県敦賀市)について、再発防止に向けた安全管理体制の再構築ができるまで運転再開の準備作業を行わないよう命じることを決めた。事実上の運転禁止命令だ。

 いずれも、日本の今後の原子力政策に大きな影響を及ぼす判断である。東京電力福島第1原発事故を教訓に、新たに発足した原子力規制委員会だからこそ導き出し得た結論だといえよう。

 敦賀原発の敷地内断層に関する報告書をまとめた調査団団長役の島崎邦彦委員長代理は、結論の背景を「規制委が推進側と切り離されたことが一番大きい」と指摘した。

 旧原子力安全・保安院は、原子力を推進する側である経済産業省の下にあった。「安全神話」に寄り掛かり、チェック機能が十分働かなかった。

 安全面を最優先に、科学性・客観性に徹した今回の判断を評価したい。

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 一方で、調査団の出した結論は摩擦も生んでいる。

 規制委に廃炉を命じる権限はない。判断は原電に委ねられるが、原電は「合理的な判断と言えず、到底容認できない」との抗議文を調査団に提出した。今後も、活断層を否定するための調査を継続する方針だ。

 原電に出資する大手電力も反発を強めている。廃炉となれば、巨額の廃炉費用が発生する。多額の費用負担が迫られ、経営に影響が及ぶ。

 地元も揺れている。長年、原発立地がもたらす経済効果に依存し、雇用も自治体財政も原発に大きく支えられてきた。原発に代わる新たな基盤を見いだすのは容易ではない。

 気がかりなのは政治の姿勢だ。自民党では、再稼働を視野に「電力安定供給推進議員連盟」が発足した。エネルギーの安定確保に向けた方策を議論し、党や政府に提出する意向だという。

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 今後、事業者などの反発が激化し、規制委に対する圧力が強まることも懸念される。

 だが、調査団の判断を、政治が妨げ、封印するようなことがあれば、規制委の存在自体が問われる事態になる。福島の事故で原子力への信頼は地に落ちたことを忘れてはならない。規制委には厳格な姿勢を貫き通してもらいたい。

 政治がなすべきは、廃炉に向けた具体的なプロセスを示すことだ。

 原発は国が政策として推進してきた経緯がある。地元の不安に対して国が積極的に関わり、払拭(ふっしょく)に努めるべきだ。

[沖縄タイムス]

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Posted by nob : 2013年05月19日 01:16