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■9月に再び「原発ゼロ」 電力不足懸念、解消遠く

 北海道、関西、四国、九州の4電力会社は5日、原子力規制委員会に対し、原発の新規制基準施行初日の8日に再稼働に向けた安全審査を申請する意向を伝えた。東京電力も柏崎刈羽原発(新潟県)の申請に向けて地元との調整を続ける。ただ、現在唯一運転している関電大飯原発3、4号機(福井県)は9月には定期検査で停止し、8日に申請する原発も9月の時点では審査が終了しないのは確実だ。国内で稼働する原発は約1年2カ月ぶりにゼロとなる見通しで、電力不足の懸念解消はまだ遠い。

 平成23年3月の東電福島第1原発事故以降、安全面の不安などを背景に原発は順次停止した。24年5月には北海道電泊原発3号機が停止し、国内の原発50基はいったん全て停止。昭和45年以来、42年ぶりに稼働原発ゼロの状態となった。

 その後、関電管内で電力不足の懸念が高まり、当時の野田佳彦首相が大飯原発の再稼働を決断。平成24年8月に大飯3、4号機が相次いで営業運転に入った。

 大飯3、4号機は新基準施行後も継続して稼働することを認められているが、原発は営業運転開始から13カ月以内に定期検査を受ける必要がある。3号機は9月2日、4号機は同月15日にそれぞれ期限を迎え、運転を停止して検査に入る。再稼働は他の原発と同様、規制委の安全審査をクリアすることが条件となる。

 新基準に基づく安全審査では過酷事故や自然災害、テロなどへの備えを厳しく確認する見通しだ。敷地内に活断層の存在が指摘されている原発は調査が終了するまでは審査に入れない。

 審査期間は不透明だが、「半年はかかる」(規制委の田中俊一委員長)とされる。新基準施行直後に審査を申請した原発でも再稼働するのは早くても年末年始ごろになるとみられる。審査や地元との調整が長引いた場合、電力会社の経営や冬の電力需給に影響が出るのは避けられない。

 特に北海道では泊原発が年末年始に再稼働できないと2年連続で原発のない冬を迎える。昨冬は節電効果で電力不足を回避できたものの、火力発電所を酷使した結果、トラブルが増加。6月末には北海道電の火力発電設備で最大の出力を持つ苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所の4号機が停止したために急遽(きゅうきょ)、東北電力から最大24万キロワットの電力融通を受けた。原発依存度が高い関電や九電でも電力需給は綱渡りの状態。「原発が動かないと冬の需給は相当厳しくなる」(関電)との声があがる。

[産経新聞]

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Posted by nob : 2013年07月06日 11:49