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平和憲法を放棄し軍国化に走り、原発を再稼働させまた途上国に広め、実体なき経済成長の幻想、既得権者たちのためだけの増税、そして誰も責任を取らない、、、みんなこれでいいわけな
■特別寄稿・江川紹子 与党に白紙委任?それともチェック&ブレーキが必要? <参院選・特別コラム>
特定の政党や政治家を強く支持していたり、返さなくてはならない義理がある人を除いて、今回ほど投票意欲の湧きにくい選挙はないのではないか。
何しろ、すべてのマスメディアが、与党の大勝利を「予言」している。いや、「予言」などと言い方は曖昧に過ぎる。「断言」と言った方がいいかもしれない。何しろ、1人区は自民党が総なめの勢いらしい。有権者にすれば、「結論が決まってるなら、今さら…」の気分だろう。それでも、自公大勝で結構、という人はハッピーだろうし、大いに盛り上がればよい。だが、「それはちょっと…」と思う人は無力感が募っているに違いない。
そういう人たちも、定数2議席以上の複数区では、選挙区選挙でも野党議員を選ぶ選択に参加することはできる。しかし、こういう選択は、何やら敗戦処理をしているような気分に陥る。それに、「ここなら」「この人なら」という強烈なインパクトで引き寄せてくれる政党や候補者が、そうそういるわけでもない。誰を選んだとしても、衆参両議院で圧倒的な与党の前に何ができるのかを考えると、これまた途方もない無力感にとらわれていることだろう。
だが、選挙後に思いを巡らしてみると、無力感に身を任せてばかりついているわけにはいかない、ということに気づくだろう。
○3年間の白紙委任、その善し悪し
与党が圧倒的多数を占める衆院を早期に解散するとは考えられず、この参院選の後は3年間、国政選挙は行われない。私たちは、今後3年間、今の政権を全面的に信頼し、全てのジャンルにわたって任せる白紙委任状を渡すのか。それとも、参院にそれなりのチェック機能を確保しておくのか。今回の参院選は、それを決めるものだ。
安倍首相は、選挙戦5日目の8日、街頭演説で目標議席について、こう述べた。
「安定多数により、政治の安定により誇りのある日本をつくっていく」
これを聞いた報道各社は、次のような見出しを打った。
〈首相『安定多数』明言 目標70議席に引き上げ〉(産経新聞電子版)
〈安倍首相「安定多数」に言及=参院選目標引き上げ〉(時事通信)
首相はそれまでの目標を「与党で過半数」と述べ、自民、公明両党で63議席を目指すとしてきた。それを70議席に引き上げ、「安定多数」を得れば、すべての常任委員会で委員長のポストを独占し、委員の半数以上を占めることができる。
その後、安倍首相はこの言葉を引っ込め、「安定的な政治の力を与えてほしい。ねじれを解消する過半数を」という発言に戻った。しかし、単なるノリや勘違いで「安定多数」を口走ったのではあるまい。「与党の70議席は確実」と断言しているメディアもある。「安定多数」発言は、安倍首相の自信の現れと見るべきだろう。
では、与党が「安定多数」を確保した場合、国会はどういう状況になるのか。
衆議院では、自民党単独で294議席を有し、公明党と合わせると、3分の2以上の議席を制する「圧倒的多数」の状態。法案の強行採決はもちろん、秘密会の開催や国会議員の除名も与党議員の出席だけでできる。参議院で否決された議案も、衆議院で再可決できる。また、公明党が慎重な憲法改正については、日本維新の会と組めば、発議に必要とされる3分の2以上の議員を確保できる。
なので、参院で野党が多数派を形成していても、与党が通したい法案は通すことができる。最近の国会で、首相問責が決議され重要法案が廃案になったのも、「ねじれ」のせいではない。法案を可決させたければ、法案の決議を先に行い、その後で問責決議の採決を行えばよかったのだ。なのに、自民党が委員長ポストを握る参院議院運営委員会が、問責決議の先行を決めてしまった。「ねじれ」の弊害を演出するためだろう。
ただ、与党とすれば、「ねじれ」のために思うようなスピードでコトが進まないいらだちはあるはずだ。衆院定数0増5減を決めた選挙改革法案のように、意見が激しく対立している法案については、野党が参院の多数を占めていると、なかなか採決ができない。60日間が経過すれば否決されたとみなされ、衆院で再議決ができるが、与党からすれば著しくスピード感に欠ける。
今回の選挙で与党が大勝し、参院で「安定多数」を得れば、政府や与党議員が提出した法案は、どんどん衆院を通過し、参院でもするすると採決されていくことになるだろう。与党がやりたい政治が、実に効率的に行われることになる。
現政権を支持している人にとっては、この事態は「望ましい」だろう。ただ問題は、今後3年間にわたって、あらゆるジャンルで、支持を続けられるかどうか、だ。
その自信がある、という人にとっては、選択は簡単だ。迷うことなく、与党に1票を投じればよい。
だが、そこまでの白紙委任状を渡してしまうのは不安だ、という人もいるだろう。現政権のある分野の政策は支持しても、別のジャンルについては支持できない、という人もいるはずだ。もちろん、現政権のやることは、ほとんどすべて賛同できない人もいる。そういう人たちにとっては、参議院にある程度のチェック機能は残しておく必要がある。
かつては自民党の中で派閥が力を持ち、党内野党としての役割も果たしていた。その派閥は今では弱体化し、安倍首相に対してモノが言える重鎮もいない。そんな状況では、参院のチェック機能は、より重要になっている、とも言える。
「ねじれ」は、与野党の政争に利用されれば最悪で、政治は動かなくなる。だが、法案を複眼的に検討し、社会の多様な価値観を反映させるために働けば、大いに意味がある。与党が衆院の数を頼みに暴走しそうな時には、ブレーキ役にもなる。そのような機能を参院が果たすには、軽く「ねじれ」ているか、与野党が拮抗するくらいがちょうどいいのかもしれない。
そのためには、無力感を振り払って、投票に行かなければならない。1人区で、もうすでに当選者は決まったも同然、という選挙区の有権者も、比例代表がある。選挙区では勝ち馬に乗り、比例ではチェック役、ブレーキ役を選ぶという選択の仕方もあるだろう。
○ 憲法から「個人の尊重」が消える?
では、今のような状況で、有効に機能してくれそうなチェック役やブレーキ役を選ぶにはどうするか?
私は、まずは自民党の公約集を一読することを勧めたい。その中で、一番気がかりな項目、これから3年間にやって欲しくない事柄を抜き出し、そのジャンルについて、自分の考えに近く、チェック役やブレーキ役としての機能できそうな候補者や政党を選ぶ。与党が圧倒的多数な中で動くのだから、それなりに能力の高い人を見極めたい。
気になる項目は、人によって違うだろうが、私が特に注目したいのは、憲法問題だ。自民党公約集では、経済政策が前面に打ち出され、憲法については最後に書かれているが、実はこれが最も重要な選挙の争点ではないか、と思う。
安倍首相は、憲法改正に並々ならぬ熱意を持っている。参院選後の3年間で、改憲のための道筋をどの程度つけるのかは、今回の選挙結果が大きく影響する。
大切なのは、憲法をどのように変えたいのか、だ。
自民党はすでに憲法改正草案を発表している。自民党のホームページから簡単にダウンロードできるので、投票の前には、ぜひ読んでおきたい。
私は、初めてこれを読んだ時、本当に驚いた。日本国憲法で馴染んできた「個人の尊重」が消えている。基本的人権にも「公益または公の秩序に反しない限り」という条件がつけられる。家族が助け合うといった、私的な領域にまで国民の義務を課される。さらに国民にも憲法遵守義務が課せられる…。その他重要な項目で、私たちに価値観の変容を次々に迫る内容になっている。自衛隊に関しても、「国防軍」と名称を変更するだけでなく、多国籍軍の戦闘行為に参加できるようになる。この改正案が通れば、日本は、これまでの平和主義とは全く違う道を進むことになるだろう。
せっかくなので、現行憲法にももう一度目を通し、比べてみたらどうだろう。今、書店やコンビニで日本国憲法についての本がよく売れている、という。そこそこの規模の書店では、平積みになっている。国民の基本的人権や国の骨格を定めている憲法に、多くの人がもう一度目を向けようという気持ちになったのは、安倍首相の問題提起のお陰だ。
憲法をどうするかで、国民の生活や生き方、国の形が変わってくる。私はどういう国に住んで、どういう人生を送りたいのか。この国を、どんな国にしていきたいのか。3年先と言わず、5年先、10年先、さらにはもっと先の将来のことを考えながら、投票日を待ちたいと思う。
<筆者紹介> 江川紹子 1958年生まれ。東京都杉並区出身。ジャーナリスト。神奈川新聞社を経てフリーに。オウム真理教問題、冤罪事件や災害、教育問題などについて取材活動を重ねる。コメンテーターとしてのテレビ番組出演や雑誌記事執筆、著作も多数。
[gooニュース]
■安倍首相、ついに“封印”解く 9条改正を明言
安倍晋三首相(自民党総裁)が15日、ついに“封印”を解いた。
「われわれは9条を改正し、その(自衛隊)存在と役割を明記していく。これがむしろ正しい姿だろう」
首相は参院選の遊説先で長崎国際テレビ番組のインタビュー(12日収録、15日放送)に応じ、憲法9条改正の必要性を明言した。これまでの選挙戦でも憲法改正の発議要件を緩和する96条改正に意欲を示してきたが、いよいよ“改憲の本丸”に攻め込んだ格好だ。
21日投開票の参院選は、自民党の歴史的大勝が現実味を帯びている。産経新聞社とFNNの合同世論調査でも「与党圧勝」の流れは鮮明だ。
首相の9条改正発言は当然、こうした選挙情勢を踏まえたものだ。しかし、それは圧倒的優位からの余裕ではなく、むしろ危機感からの発言だといえる。
憲法改正の発議には衆参両院で3分の2以上の議席を確保する必要があり、参院では162議席が必要。憲法改正に慎重な公明党を除くと、今回の参院選で101議席を得なければならない。改憲に前向きな新党改革などの非改選2議席を加えても99議席と、ハードルは高い。
今回の世論調査によると、自民党は69議席を獲得するものの、憲法改正で選挙後の連携を想定していたみんなの党と日本維新の会は各7議席にとどまる見通しだ。3党では計83議席となり、101議席に遠く及ばない。首相の危機感というのは、まさにここにある。
「もう少し候補者を出せばよかった…」。首相側近からは最近、こんな声が聞かれる。
自民党内には、複数区への2人擁立を東京(改選数5)、千葉(同3)にとどめた石破茂幹事長への批判もある。
参院選後、首相は「3分の2」確保に向けた連携先を探さなければならない。
「政治は志(こころざし)だから、民主党の議員も党派ではなく、この歴史的な大事に自分の信念、理念に沿って参加してもらいたい。党の枠組みを超えて呼び掛けたい」
首相は4日の産経新聞のインタビューでこう述べていた。そして15日の発言で、自らの改憲への志を明確にした。
「民主党は潰れる運命にある。党を飛び出す改憲派との連携が憲法改正を実現する上でカギを握る」
自民党憲法改正推進本部の幹部は15日、こう語った。(加納宏幸)
[産経新聞]
■原発週報:8日〜14日 説明つかない汚染拡大 /福島
■福島第1原発の建屋海側の地下水汚染問題で、観測井戸の測定値の急上昇が相次いだ。2号機建屋東側の新設井戸「NO1−2」で、放射性セシウム134が1リットル当たり1万1000ベクレル、137が2万2000ベクレルと前週の100倍強に跳ね上がった。東京電力は、水をろ過し土を取り除いたところ前週並みの数値だったと発表、セシウムが付着した土の混入が上昇の原因との見方を示す。今回の汚染の発生源である疑いが強いと東電がみている事故直後の高濃度汚染水漏えい場所は、この井戸のすぐそば。このため地中に濃いセシウムが残っている可能性も高い。ところが、こうした想定と反対方向にある南側(3、4号機寄り)の観測井戸「NO2」「NO3」でも、ベータ線を出す放射性物質が同1700ベクレル、1400ベクレルに急上昇。海側全域に汚染が広がっている模様で、過去の漏えいだけでは説明がつかなくなった。東電は8日から、北側の護岸の土に水ガラスを流し込んで固め、海への汚染水流出を防ぐ工事を始めたが、汚染が広がる南側2カ所にも対策を迫られることになった。
■4月に汚染水漏えいが発覚した、建屋陸側にある地下貯水槽1号周辺の観測井戸4カ所で10日、これまで検出限界値(同28ベクレル)未満だったベータ線を同最大150ベクレル検出。汚染水は移送済みだが、周辺土壌への汚染拡大が濃厚になった。
[毎日新聞]
■本当に金利が上昇すれば、日本財政はもたない 米国の金融緩和終了後の世界は、どうなるのか
FRB(米連邦準備制度理事会)のベン・バーナンキ議長が、金融緩和から脱却する可能性に言及した。もしそれが実現するなら、10年以上の期間にわたって続いた世界のマクロ的経済環境は、大きく変わることとなる。
ただし、バーナンキは、脱却のためにはいくつかの条件が満たされなければならないとした。したがって、脱却が本当に実現するのかどうかは、分からない。実現するにしても、いつになるかは、はっきりしない。
ただし、世界経済の新しい均衡がどのようなものになるかを考えておくことは有意義だろう。特に、その均衡の中で日本経済がどのような状態になるかは、重要な問題である。
これまでは、金融緩和のために投機資金が世界中の経済を不安定化させてきた。リーマンショック後の世界は「ニューノーマル」といわれたが、安定的な均衡状態には達していなかったわけだ。本当の意味のニューノーマルとは、安定的な均衡である。その世界はどのようなものか?
現在と比べての最大の変化は、金利が上昇することだ。それによって、投機資金を低利で調達できる時代が終わる。そこで、リスクの高い投資対象から資金が引き上げられる。
市場はこのような変化を見越して、すでに調整を始めている。まず、新興国からの資金流出が起きている。アメリカの金利はそれで下がるのではなく、むしろ上昇している。これまでのアメリカでは、実質金利を計算するとマイナスになっていた。これは異常な状態だったので、是正が生じているのだ。5月中旬まで2%未満だった10年国債利回りは、6月25日には2.6%を超えた。それにつれて日本の金利も上昇している。
[東洋経済オンライン]
Posted by nob : 2013年07月18日 07:24