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■【福島第1原発の現状(9月17日)】 制御できないトラブル続出 首相発言と程遠い第1原発

 福島第1原発の汚染水問題をめぐる安倍晋三首相の「状況はコントロールされている」発言から1週間。汚染水が今も海に流出し続け、地上タンクから漏れた高濃度汚染水は地下水に拡散している。13日には東京電力幹部が首相発言を否定して波紋を呼んだ。実際の現場はトラブル続きで、とても制御下にあるとは言えない状況だ。

 政府の試算では、第1原発1~4号機海側の敷地からは、放射性物質を含む地下水が1日約300トン海に流出している。安倍首相は国際オリンピック委員会総会で「影響は港湾内0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」と言い切った。

 護岸には流出防止のための地中を薬液で固める「土の壁」が設けられ、港湾内には「シルトフェンス」と呼ばれる水中カーテンが設置されている。ただ港湾内の放射性物質濃度は高止まりしたままで、シルトフェンスも放射性物質を完全に遮断できるわけではない。東電は潮の干満で1日に港湾内の水の半分が外洋と入れ替わるとみている。

 一方、地上タンクから300トンの高濃度汚染水が漏れ、一部が直接外洋(港湾外)に流出した問題も影響が広がっている。首相発言後の12日には、汚染水が流れ込んだ排水溝の除染作業で、洗浄後の放射性物質を含んだ水が排水溝内に漏れたことが判明。一部は排水溝からそのまま外洋に出たとみられる。

 漏えいがあったタンクから北に約20メートルの観測用井戸では、トリチウム濃度(法定基準は1リットル当たり6万ベクレル)が上昇。8日に採取した水では4200ベクレルだったが、日を追って数値が上がり13日採取分では15万ベクレルになった。東電は汚染水の地下への拡散を認めている。

 東電幹部が「今の状態はコントロールできていない」と発言した13日、政府は外洋で放射性物質濃度が基準を下回っていることを根拠に、首相発言を「影響が港湾内にとどまっていることを指したもの」と反論。東電もこれに追随する見解を表明し、火消しに躍起となっている。

[47NEWS]


■放射性濃度低い雨水、地面に放出…福島第一

 東京電力は17日、台風18号による大雨の影響で、16日に福島第一原子力発電所のタンクに設けた漏水対策用のせき7か所から放出した雨水の総量は、計約1130トンだったと発表した。

 放出した水は、放射性ストロンチウムなどの濃度が最大で1リットルあたり24ベクレル。国の放出基準(同30ベクレル)より低いことから、緊急措置として、排水弁を開くなどして地面に放出した。水の一部は近くの排水路を通って海に流れ出た。

 東電は記者会見で「雨水なので問題ないと判断して放出した」と説明した。

[読売新聞]

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Posted by nob : 2013年09月17日 14:28