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恋愛、、、突き詰めればプラトニック。。。

■不倫や浮気は「時間と精神をただただ消耗しただけの恋愛」だった ~その男、あなたが本当に追いつめられた時、助けてくれますか?~

「恋はするものではなく、おちるものだ」

江國香織さんの『東京タワー』という小説に出てくる一節です。

これを初めて読んだ時、私には小説の登場人物の心情や行動の意味が、まったくといっていいほど理解できませんでした。その当時はまだ恋愛観が浅かったのだと今なら思います。

ただただ、言い回しの綺麗さや雰囲気のオシャレさだけに心奪われていた感じですね。大人の女性や恋愛への憧れや、好奇心に近いような感覚だったのだと思います。あとは、岡田准一さんのファンだった(映画化された時、岡田准一さんが主役でした)。

しかし大人になって、自分もそれなりに恋愛の酸いも甘いも味わった今、読み返すと、うーん。なんか分かるなと急に物語に登場する女性が愛らしく思えたのです。旦那が居るにも関わらず若い男の子との恋愛に溺れる、世間的に見たらどうしようもない女性たちなのですが……。興味のある方は是非読んでみてくださいね。

不倫や浮気。この世が男女ふたつの性によって成り立っている以上、永遠のテーマとしてさまざまな議論が繰り返されるでしょう。もし、当事者になってしまったならば、私たちを酷く悩ませる種となります。

不倫愛や浮気心と無縁の世界に生きて来た人たちは……そういう歪んだ愛に対して「理解できない」と拒否反応をおこすかもしれないし、経験者は……何というのでしょうか。私の周りでは、「時間と精神力をただただ消耗しただけの恋愛だった」と言う人が多くいます。

ちなみに、そのように言う友人は全員、彼女や奥様から最後まで「彼」を奪えなかった切ない女たちです。しかし、これ以上ダラダラと長引けば自分がもたない! と、もうこの恋に未来などないのだと悟って自らを律し、泥沼劇場の舞台から降りた強い女たちでもあります。

浮気はダメ。不倫なんてもってのほか! そんなことは常識だし、本人達も頭では分かっているのです。それでも溺れる泥沼地獄。

恋はするものではなく、おちるもの。

果たしてどれほどの人が、「不倫してやろう」と思って、不倫をするのでしょうか。おそらくほとんどの人がそうではないと思います(浮気だったら少しのお気楽感があるかもしれないですが、不倫となったらまた別です。なんてったって家庭があるのですから)。

気付いたら、もう、好きだった。側にいたいという感情を、理性では制御できない。この人に触れたらどんなふうに感じるのだろう。この人に触れられたら、どんなにしあわせなのだろう。

そんな感情が渦巻いて、お互いの波長やタイミングの歯車が合った時に、始まってしまうのでしょう。ダメだと分かっていても始まったら最後。天国と地獄を行ったり来たりの長い長い試練が始まります。

私も、過去に一度だけ経験があります。私の場合は、不倫ではなくお付き合いをしている女性がいる年上男性との恋愛でしたが。まぁ、簡単に言うと浮気相手ですよね。

今思うと、あれは一種のファンタジーだったように思います。一緒にいる時は、この世の何とも比較できないくらいに甘たっるい時間。しかし、彼が彼女の元へとひとたび帰って行けば、罪悪感と孤独と何とも言えない虚しさが容赦なく襲ってくる。

どんなに調子のいい事を言われても、結局、私はサブなのだという現実。会えない時にたったひとりで耐える時間の辛さ……。

今思い出すだけでも苦しい恋愛でした。でも考えたら、私と会っている時は彼女はひとりで耐えていたんですよね。今なら彼女の痛みが分かるのですが。宇多田ヒカルさんの歌詞の中に「私の涙が乾く頃、あの子が泣いてるよ」とありますが、まさに! この恋愛を続けている以上「僕らの地面は乾かない」です。

現在、絶賛浮気愛・不倫愛中の読者の皆さん、私は「止めなさい」とは言いません。いい大人同士の恋愛なのだから。人に止めろと言われて止められる程度の気持ちならば、そもそもこんなリスキーな恋愛選ばない。私もどんなに周りに心配されても聞く耳さえ持てなかったひとりでした。

ただ、考えて欲しいのは、「その男、あなたが本当に追いつめられた時、助けてくれますか? 何を差し置いても駆けつけてくれますか?」ということと、「浮気をされても変わらず愛情を注ぐ事ができますか? (自分のした事は必ず自分に返って来ます。それに男の浮気癖はなかなか治らないから!)」ということです。

本来、あなたはそんなに苦しまなくても、幸せな恋愛ができるチャンスはいくらでもあるはずです。見えていないだけで。「イケナイ恋愛」のファンタジーに溺れていると、本当に色々な事が見えなくなってしまうんですよね。もったいないくらいに。

続いて、現在、相手の浮気・不倫に勘づいている皆さん。大丈夫、あなたたちは相手よりもひとつ上のステージにいるのです。

だから、相手の女性云々ではなくて、まず自分たちふたりの関係において問題は何かを考えて、解決に取り組んでみてください。そこがクリアされれば、結構あっさりと男性は戻って来るもの。ただでさえ、浮気していてもあなたと別れないんだから、あなたやあなたとの思い出に未練タラタラなんです。

みんなが同じだけ幸せとか、みんなが平等に恋愛ができるとか、そんな理想郷はどこにもありません。残念ながら。人間は欲深い。『東京タワー』の映画が完成した時のインタビューの中で主演の岡田准一さんはこう言ったそうです。

「恋には落ちてはいけないと思っています」。

恋は時に、仕事や夢の邪魔をする。逆もしかり。恋愛感情を理性的にコントロールできたらとっても生きやすいのに。

本能的に恋愛を楽しむのも、理性的に恋愛を嗜むのも、極めればおそらくどちらも本当に魅力的な女性でしょう。

でも、それって本当に難しいのです。理性的になろうとすればするほど本能がうずくし、本能が暴走し始めれば不思議と理性的な自分が状況を客観視して分析している。

正解やゴールが無い物だからこそ、私たちは悩むし、苦しむ。だけど、恋愛でしか得られない喜びがあるのも確かなこと。痛い恋愛を若気の至りと、もう笑い飛ばせない私たちは、ひとつひとつの恋愛を大切にしていきたいものですね。

全女史に幸あれ!

eNA
(ファッション評論家/コラムニスト/ファッションイラストレーター)

[ANGIE]

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Posted by nob : 2014年02月17日 20:44