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人間力とは、、、Vol.2/人間力=直感+想像力=創造力

■『ある意味で人間は感性や勘が全て、です
「ななつ星in九州」(JR九州)の車両をデザインした水戸岡鋭治氏に聞く』からの抜粋

——その、センスや感性っていうのは…

水戸岡氏:感性っていうのは経験値です。たくさんの今まで経験したことが自分の中に積み重なって得られる、瞬間的にセレクトできる力ですね。たくさんの蓄積されたノウハウがまさに感性です。

 「勘で選びました」「あ、勘ですこれは」っていうのは、すごく蓄積されたノウハウがそこにあるから、瞬間的にできることなんです。まあ勘で決めましたっていうときは、うまく行ってヒットしたときに言うことで、失敗したときに勘で決めたとは絶対言わないですけれどもね、誰も。

 でも、勘でこの色がいいとかこの形でいいとか決めて当たったときは、それはその人が蓄積したノウハウがたくさんあるからであって、それは十分一生懸命生きてきた証と言っていいと思います。勘が悪いっていうのは一生懸命生きてない、一生懸命ものを考えこなかったとか、感動したことがなかったということです。

 ある意味で、人間は勘が全てではないでしょうか。誰かに会ったとき、ぱっと、ああこうしようって思ったり、顔や着る物を見ただけで、話す言葉だけで、これはきっとこういう意味や考えだろう、とまずは思うわけじゃないですか。で、どんどん対話しながら質問していくともっと実体的に分かってきて、「いや全然違う人だった」とかいう場合も含めて、勘っていうのはものすごく大事ですね。

——勘は、うまく働くときと、そうでないときがあるように思います。

水戸岡氏:勘が働くかどうかは、相手やものごとに興味を持つかどうかで決まります。興味を持たない人は勘も何もない。勘を利かすというのは、あらゆることに対して敏感に反応していることの証です。それは情熱がある、好奇心がある、人間の持っている最も大事な生きていくための力があるっていうことです。

 そういうものがなくていくら学習してものを覚えても、あとで使えない。いっぱい入れても引っぱり出せない、情熱がないから。たくさん頭の中に入っていても、入っているものを出すためにはエネルギー、つまり情熱が要るわけで。学問に情熱を組み合わせて初めて覚えたものが形として出てくる。そうなるには訓練が必要ですよ。

——その訓練は、学習とは違うのですか。

水戸岡氏:訓練が必要だっていうのは、何て言いますか、人はものを思うことは誰でもできるんですけど、考えることは難しい。アイデアを形として出すには、思ったことを活字にしたり、数字にしたり、素材にしたり、色にしたり、いろんなものに置き換えていかなくちゃいけません。自分で通訳翻訳して相手に分かるような形で表現しないと、考えたことになりませんから。ほとんどの人はみんな、思っているだけで、考えてないですよ。

 「思っている」と「考えている」は違うんだってことをしっかりと教えないと。「いやぼくは考えてますけど」って言うなら、「考えているなら出してごらんよちゃんと」って。具体的に「文字にしてごらん」「数字にしてごらん」って。全部自分の勘で決めたことを数字に置き換えてごらんなさいって。味覚、視覚、聴覚、触覚、嗅覚と五感があるんだけど、五感を数字に置き換えたらどうなりますかって。

 音楽はそれを見事に、数字に置き換えていますね。音符っていうのは数字(音の高さと長さ)ですから。色もちゃんとしたこうマンセル表色系っていう記号の体系があって。しかし味はどういうふうに表現しているんでしょうか。味や触覚は、まだ一般的なことばになっていませんけれども。

 数字にすると、次の世代に教えられるんですよ。音符とか色見本にすれば。味をどう表現するかについては、まだみんなが理解できる形にしている人がいないですが、もしできれば大発見になるでしょ。

[TechOn]

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Posted by nob : 2014年02月26日 10:36