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また旅立つ君へVol.41/やりたい人はやれば、やめたい人はやめれば、その時々の納得の基準を自他どちらに求めるかだけの差、、、自らの内なる心の声に従えばいいだけのこと。。。Vol.2
■自分のために生きる勇気~人生の舵をとるために考えたいこと
成功に不可欠なのは
「人材の借り物競争」!?
―――白木夏子×南壮一郎対談後編
金融の世界から体ひとつでスポーツビジネスへ転身し、そして最近ではインターネットの世界で起業した株式会社ビズリーチの南壮一郎氏と、ジュエリー業界の経験ゼロからブランドを立ち上げたHASUNAの白木夏子さん。人生に迷いがある人に絶対に読んでほしい、『自分のために生きる勇気』刊行記念対談後編。
何もないから、頑張れる
南 前回、「持たない生活」のお話を白木さんがされていて、僕もそういえばいつも捨ててきたな、とふと思い出しました。
白木 捨ててきた、というと?
南 僕は小さいころからずっとマイノリティでした。幼稚園で突然父親の転勤でカナダに移住して、唯一のアジア人になった。中学・高校は田舎の町の帰国子女。大学ではまたアメリカに行き、体育会サッカー部に入るも、体育会では珍しいアジア人。金融の世界に入ったと思ったら、今度はスポーツビジネスに飛び込む。そして気づいたら今はインターネットの世界へ。――いつも、「お前は何者だ」と言われてきたわけです(笑)。常に積み上げたものを捨ててきて。
白木 長い時間をかけて構築したコミュニティや文化を持ったことがなかったのですね。でも、お父様の転勤は致し方ないとして、ビジネスの世界に入ってからは、あえてご自分で捨てているように見えます。それは意図的なのですか?
南 うーん、結局、リセットした方が頑張れるんですよ。自分がゼロからのスタートだと、何かひとつ知識を得るごとに急激なカーブを描いて成長できる。でも、しばらく経つとその成長度合いは急激にゆるやかになっていきます。経済学的に言うと「限界効用逓減の法則」に近いのかな。
白木 みるみる成長していくから、初心者って楽しいですものね。
南 だから、ゼロの状態からイチをつくっていく、何かを得ていく、というプロセスにものすごく歓びを見出すようになって。
白木 なるほど。
南 20代は、自分が人生でいちばん楽しいと思える瞬間ってよくわかっていなかった。けれど、30代になって、僕は「何もない状態」が楽しめるとわかってきました。頑張っているとき、つまり夢中になっているときが楽しくて。だから、自分でそういう場を選んだりつくったりしています。
「できる理由」から始める
南 ビズリーチをアジアに展開させようと決めたとき、僕、日本のオフィスにある自分の席もなくして飛び込んでいったんです(笑)。
白木 ええっ。周りの方、困られなかったですか?
南 僕がいないなら、他の人がやるしかありません。僕、もともと父親の影響で駐在員になる夢も持っていたのですが、起業したときにこの夢はあきらめていて。でも、途中で気づいたんです。「自分で辞令出せばいいじゃないか!」って。
白木 あはは、社長ですものね。
南 「社長がいないと会社が回りません」とさんざん言われましたが、そんなはずはない。僕ができないなら、誰かがやればいいだけの話ですから。
白木 自分じゃなくてもいい、できる人がやればいい、と。
南 僕は「できる理由から始めよう」を大切にしています。みんな、できない理由ばっかり並べるんですよ。できる理由から始めて、課題を解決していけばいいはずなのに。
白木 その方が面白いことが起こりそうですね。
南 そうです。人生も仕事も、課題が多い方が頑張れるじゃないですか。人間なんてだいたいフェアにできているので、環境や課題を与えられれば、みんなわくわくして頑張ると思います。でも、そういう環境に飛び込まないと課題にはぶつかれない。「課題解決を楽しんでやる!」と思ってあえて壁にぶつかりに行けばいいのではないでしょうか。
白木 そうですね。実は、私も将来、東京のほかにどこか2ヵ国を拠点にして、一年の3分の1ずつをそれぞれの国で過ごしたいな、と考えていて。それが直近の目標です。
南 おお、いいですね。
白木 将来的にHASUNAの海外展開も視野に入れていて、それなら、その場所に住めばいい、自分の手で展開していけばHASUNAのビジネスも個人の夢も両立するじゃないか、と気づいたのです。
南 なるほど。
白木 新しい土地に住んだり挑戦したりすると、新しい自分やぜんぜん知らなかった才能に気づいたりしますよね。きっと南さんもそうじゃないかと思うのですが。そういう、常に刺激がある人生を送っていきたいと思っています。
南 白木さんは本当に人生に前向きですよね。今まで、後悔するようなことはなかったのではないですか?
白木 いえ、とんでもないです! 後悔なんて数え切れないくらい、いっぱいありますよ(笑)。
南 へえ、それは意外です。たとえばどのような後悔ですか?
白木 そうですね。いちばん大きいのは、バックパッカーで旅していたとはいえ、もっと世界中を自分の目で見ておけばよかったということでしょうか。これは心から後悔しています。
南 どうしてできなかったのですか? お金がなかったから? 時間がなかったから?
白木 後回しにしていたのです。世界一周旅行は大学院に行く前の春休みにまとめて行こうと思っていて。でも、途中で「貧困を救うのは援助ではなくビジネスだ」と思い立って、結局大学院に行かずに日本に帰ってきたので、その機会を逸してしまいました。
南 そうだったんですね。
白木 だから、そのときの後悔を今のビジネスで実現しているのです。学生時代のときにお金もスキルも知識もなくて達成できなかったことを、今ならできる。時間をかけてでも「できる」になっている。そういうことが嬉しいですね。
いろいろな人の力を「借り物競争」する
白木 私、南さんの二冊目の本『ともに戦える仲間のつくり方』がとても好きで、「一歩を踏み出したいすべての人が読むべき」と、いろいろな方に薦めています。
南 ありがとうございます。
白木 特に、「自分より優秀な人を巻き込む」というところが印象的で。何かを始めようというとき、「自分で全部やらないといけない」「自分の言うことを聞いてくれる人を集めなきゃ」と思ってしまいがちですから。
南 そうですね。ただ、僕がラッキーだったのは、いざ立ち上げようとしていたインターネット事業について、僕がいちばん詳しくなかったということ(笑)。つまり、みんな自分より優秀だったんです。普通、事業を始める人って「自分ができること」で始めるじゃないですか。
白木 そうですね。興味がある、詳しい、実績がある。たいてい、そういうところから選びますよね。
南 そうすると、自分の発想を表現しがちになるんです。もし僕が金融業界で会社を立ち上げていたら、経験もあるし土地勘もあるから、もっと口を出してしまっていたと思います。あえて知らないことを始めるというのは、ひとりよがりな自分を抑えるコツです。なぜかと言うと、誰かにやってもらわないと絶対にできないから。
白木 力を借り続けなければできないですよね。
南 多くのIT企業の創業者はITエンジニアではないですよね。頼らざるを得ないからこそ、自分も会社の中でひとつの役割分担になる。その方が絶対うまくいくと思います。
白木 私も最初のころは自分ひとりで会社を回していたので、まったくわからないことばかりでした。経営はどうするのか? 百貨店のバイヤーと出会うにはどうすればいいのか? PRやマーケティングはどうすればいいのか? ――そういう、自分にできないことをその道のプロフェッショナルに助けていただくしかなくて。人材の借り物競争、という感じでした。
南 ああ、「借り物競争」。まさにそういう感じですよね。
白木 「白木さんだからできたんじゃないか」と言われることもたくさんありますが、とんでもないです。私の右腕になってくれているデザイナーがいなければあんな素敵なジュエリーはつくれないし、ジュエリー業界歴十年以上のプロフェッショナルがいるから全店舗を統括できるし、数字を見てくれる役員がいるから安心して経営できます。みんなの力を少しずつ借りているだけなのです。
南 僕もそうです。「なぜ挑戦できたんですか?」「南さんだからできたんじゃないですか?」って聞かれることがとても多くて。白木さんと同じで、ぜんぜんそんなことないんですけどね。
あ、そういえば僕、社員に「南さんの口癖は『わからないから教えてください』だ」と言われるんですよ。
白木 それは、社員の方に対しても外部の方に対しても、ですか?
南 そうです。新入社員にも子どもにも、わからないことがあったらどんどん聞いてしまいます。何よりも「知ること」が楽しくて。自分が知ってることなんて、本当に少ししかないから。でも、たぶん人より不真面目だからすぐに聞いちゃう。
白木 不真面目?
南 本を読むより二十人の専門家に聞いた方が早いと思っていて。みんなが読んだり経験したりして解釈してくれたものを吸収できるじゃないですか。
白木 確かに(笑)。
南 誰しも、知識を伝えたいという本能があると思うんですよ。だから、知識の共有って、聞く側も聞かれた側もみんなハッピーになれると。もちろん、利用しているわけではないのですが。
白木 ええ、わかります。
振り返ったときに映画みたいな人生を送りたい
南 「優秀な人を巻き込む」という話をしましたが、僕はいつもいろいろな人に「とにかく巻き込み、巻き込まれよう!」と言っていて。
白木 巻き込むだけでなく、「巻き込み、巻き込まれる」?
南 そう。新しいことを始めることが偉いわけではありません。面白いことをやっている人を見たら、すかさず巻き込まれにいくことがとても大切で。
白木 ええ。
南 飲み会もイベントも面白そうだと思ったら無償で手伝えばいい。面白いチームの中にいれば、自然と「次は自分がやってみたい」と思うようになりますから。僕は楽天イーグルスの立ち上げに参画しましたが、言いだしっぺだったわけでも、トップだったわけでもありません。それでも、本当に楽しかったですよ。だからこそ、次は自分が、と思えた。
白木 やりたい仕事があったら、プロボノでもいいから職場体験をした方がいい、とは私もよく言います。何かを一生懸命にゼロから創り出そうとする姿を見るのはとても大切だから、と。
南 そういう人の近くにいると、トライすることへのハードルが下がりますよね。僕にとって、楽天イーグルスの立ち上げはある意味で練習試合だったのです。
白木 その感覚、とてもよくわかります。私がかつて勤めていた不動産投資会社はベンチャー企業だったのですが、創業社長の近くで仕事ができたことはとても大きな経験でした。私にとっては、あれが練習試合だったような気がします。
南 今ビズリーチにいる社員が将来、「僕にとってビズリーチは練習試合だった」と言って飛び出してくれれば、とてもうれしいですね。最大の学びは自分でやってみることですから。
白木 南さんは、10年後どうなっていたい、といったプランはありますか?
南 そうですね……そもそも、30歳のとき、「40歳になったら自由になっていたい」ということを目標にしていて。
白木 自由?
南 いつでも、どこでも、誰とでも、自分がやりたい仕事に就き、どんな状況やお客様に対してでも、付加価値をちゃんと創り出せるようなビジネスマンになりたいと。それが僕にとっての自由です。それが実現できるような力をこの10年でつけたい。そう30歳のときにひとつの目標にしたのです。
白木 なるほど。素敵ですね。
南 僕は「一生をかけてこれがしたい」というものが絶対的にあるわけでもなく、さまざまなステージで、その都度やりたいことが変わってきました。だからこそ、やりたいと思ったことはすぐやってみて、一つ一つの場面を思い出しながら「楽しかった!」と笑えるような人生にしたいのです。
白木 やっぱり南さんは「ネタになる」と同じく、「振り返ったとき」ですね。
南 そう、まったく未来志向ではなくて(笑)。今は、映画の1シーンをせっせとつくっているイメージです。将来子どもや孫に「映画みたいな人生だね!」と言われるような人生を歩みたいと思っているからこそ、リスクを楽しめているのかもしれません。
白木 私も勇気がわいてきました。今日は本当にありがとうございました!
■夢は9割叶わない。
弘兼憲史
“まあいいか、それがどうした、人それぞれ”
人生を心から楽しむための3つの言葉。
悩みを抱える。問題に直面する。人がうらやましくなる。人生は、自分の思い描いた通りにはなかなかいかないものです。そんなとき、あなたの心の支えとなってくれる「3つの言葉」をご紹介します。
苦しいときこそ、
この3つの言葉を思い出していた。
生きていく上で、僕は3つのキーワードをいつも大事にしています。
それは「まあいいか、それがどうした、人それぞれ」です。
この3つの言葉を思い描いていれば、たいていのことはやり過ごすことができます。
最初の「まあいいか」は、いい意味での諦めを指します。
松下電器時代、上司に怒られることはたくさんありました。漫画家になってからも、常に順風満帆で、最高の作品を連続して描けたわけではありません。周囲の人とちょっとしたトラブルになることもあれば、「良かれ」と思ってやったことが、かえって反感を買ったこともあります。
そんなとき、とにかく僕は「まあいいか」と思うようにしています。
たいがい人は「どうにもならないこと」をくよくよ悩んでいるものです。「過ぎてしまったこと」「起こってしまったこと」にいつまでも怒っている、というケースも多いのではないでしょうか。
でもそれは精神衛生上良くないし、そもそも時間と労力の無駄遣いではないでしょうか。
「それがどうした」。
思い切って、開き直ってみる
だから僕は、すぐに「まあいいか」と諦めてしまいます。そうやって気持ちを切り替え、すぐ次のことを始めたほうがいいからです。
その次の「それがどうした」は、言ってみれば開き直りです。
この本を読んでいる多くの人も「些細なこと」できっと悩んでいるはずです。職場で上司とうまくいかない。営業成績が上がらない。友人とケンカをしてしまったなど、いろんな悩みがあるでしょう。
でも、それはよくよく考えてみれば、どれもたいしたことではないはずです。「何かあったって、自分は今生きているじゃないか」、そう思えば、たいていのことはどうでもよくなります。
何らかの策を講じることで問題や悩みが解決するなら、すぐに動き出せばいいし、どうしようもないことなら「まあいいか、それがどうした」とやり過ごしてしまったほうがいい。そうは思いませんか。
「人それぞれ」。
自分と他人を比較しても、つらいだけ
最後の「人それぞれ」は、人と比較しないための言葉です。
人間は、自分と他人を比べることで、どんどん自分を追い込んでしまいます。
例えば、あなたが主任に昇進して大喜びしていても「同僚が課長になった」と聞けば一気に気持ちが暗くなる。
「なんで俺が主任で、あいつは課長なんだよ」といった卑屈な思いもわき起こってくるでしょう。
収入や生活レベルにしたって同じ。別に生活に窮しているわけでもなく、それなりに楽しく、満足した暮らしができているのに、「あいつは自分より給料が多い」なんて話を聞くと、どんどんストレスがたまってくるものです。
僕も松下電器を辞めるときには「おまえ、収入が下がるぞ」「みんなが高給をもらっている中、自分だけひもじい生活になってもいいのか?」とよく言われました。
「自分が楽しければ、
それでいいじゃないか」
実際は、収入が落ちるようなことはなかったのですが、もしあのときに、
「同期の連中に比べて、俺だけひもじい暮らしをするのは嫌だな」
「そんなの恥ずかしいな」
「プライドが傷つけられる」
などと思っていたら、大企業を辞めて漫画家を目指すことなど絶対にできなかったでしょう。
「自分が楽しければ、それでいいじゃないか」という発想があったからこそ、僕は僕なりの道を歩き始めることができたのです。
自分と他人を比べることに、ほとんど意味はありません。それどころか、自分自身を苦しめ、どんどんストレスをためるだけです。
だから人生は「まあいいか、それがどうした、人それぞれ」の精神で生きていったほうがずっと楽しいし、自分らしくやっていけます。悩みを抱えたり、問題に直面したり、人がうらやましくなったときには、ぜひこの言葉を思い出して下さい。少しは気持ちが軽くなるはずです。
[いずれもDIAMOND online]
Posted by nob : 2014年05月27日 18:25