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人はいつでもどこからでも変われる、、、思い込みを棄て覚悟さえすれば。。。
■誘惑を断ち切れる体質になるには「できない」ではなく「しない」と言うべき:研究結果
きっぱり「ノー」と言うスキルは、ぜひとも身につけるべきです。特に、生産的で健康な生活を送るうえでとても役に立ちます。する必要のない仕事にノーと言えれば、疲れを癒やすための時間が手に入ります。日々の気晴らしをうまく断れれば、大切なことに集中する余裕もできます。
逆に、きちんとノーと言えないと大きな失敗につながります。成功を収めている起業家たちも、それを大きな過ちとして挙げています。「ノーと言うなんてかなり難しい挑戦だ...」と考えるかもしれませんが、実はほんのちょっとした工夫次第です。科学的研究によって明らかになった「うまくノーと言うための心がけ」を紹介します。
きっぱり「ノー」と言うには...科学が明かす最善の方法
米学術誌『Journal of Consumer Research』で、120人の学生を2つのグループに分けて行われた実験結果が発表されました。
実験は、それぞれのグループで「誘惑に直面した際、自分に言い聞かせる言葉」を変えるというもの。片方のグループは「~できない」、もう一方は「~しない」です。例を挙げると、「アイスクリームを食べられない」なのか、「アイスクリームを食べない」なのかの違いです。
「〜できない」、「〜しない」のフレーズを何度も繰り返したあと、学生たちは研究とは関係のない一連の質問に答えて、解答用紙を提出しました。学生たちは「これで研究は終わり」と思っていましたが、実はここからが本番。学生が部屋を出る際に、1人ずつご褒美を渡します。ご褒美は、チョコレートバーか、ヘルシーなグラノーラバー(穀物、ナッツ、フルーツなどをミックスしたもの)のどちらか好きなほうを選ばせます。どの学生がどちらを選択したのかを、研究者は解答用紙に書き込みました。
その結果、こんなことが起きました。
「〜を食べられない」と自分に言い聞かせていた学生の61%が、チョコレートバーを選びました。一方、「〜を食べない」と言い聞かせていた学生のうち、チョコレートバーを選んだのはわずか36%でした。言葉をほんの少し変えただけで、ヘルシーな食べものを選択する確率が大幅に向上したのです。
研究でわかったのは、それだけではありません。次のセクションでは、その内容を紹介しましょう。
「正しい言葉」を使えば、誘惑を退けるのが楽になる
私たちのほとんどは、一度だけならチョコレートバーを断れても、いつかは誘惑に負けてしまいます。仕事にしても同じです。時間に追われていれば集中できるかもしれませんが、日々変わらず非生産的な行動を避けるためには、いったいどうしたらいいのでしょうか。この疑問に答えるべく、この研究チームが実施した別の結果を取り上げます。
研究では、仕事を持つ女性30人を対象に「健康に関するセミナー」を開催しました。セミナーでは、まず参加者全員に「自分にとって重要な健康上の長期目標」を考えてもらい、次に参加者を10人ずつの3グループに分けました。そして、誘惑に駆られた瞬間に自分に言い聞かせる言葉を変えてもらうのです。
グループ1には、目標達成を妨げそうな誘惑に駆られたら、単純に「だめ」とだけ言うように指示しました。
グループ2は「〜できない」です。たとえば、「今日のエクササイズをさぼることはできない」という具合です。
グループ3は「〜しない」です。「エクササイズをさぼらない」となります。
その後、10日にわたって次のようなEメールを参加者に送り、進捗状況の報告を求めました。「10日間、あなたにメールを送信します。このメールはあなたへの指示を確認し、効果の有無を報告するのを忘れないようにするためのものです。効果がなかった場合、その旨を連絡すれば、メールの返信をやめてしまって構いません」。そして10日後、以下のような結果が得られました。
グループ1(だめ)では、10日目まで目標を守り続けられたのは10人中3人。
グループ2(できない)では、10日目まで目標を守り続けられたのは10人中1人。
グループ3(しない)では、10日目まで目標を守り続けられたのは10人中なんと8人にのぼりました。
つまり、正しい言葉を使えば、個々の場面で良い選択ができるだけでなく、長期的な目標を守るうえでもプラスの効果が得られるというわけです。
「できない」よりも「しない」が効果的な理由
使う言葉によっては、自信や支配の感覚を生む効果があります。さらに、脳にフィードバックのための回路を作り出し、その後の行動にも影響を与えます。
たとえば、胸の内で「できない」と言うたびに、脳では「自分の限界を思い出させる」フィードバック回路が作られていきます。この言葉は、自分の欲求とは逆のことを無理やりしようとしている状況を表すものです。それに対して、「しない」と言う時には、「その状況における支配力や決定権を自分が握っていることを思い出させる」フィードバック回路が構築されます。これぞまさに、悪い習慣を打ち破り、良い習慣を身につける方向へ自らを導くフレーズなのです。
コロンビア大学のモチベーション科学センター長を務めるヘイジ・グラント・ハルボーソン(Heidi Grant Halvorson)博士は、「しない」と「できない」の違いについて、次のように説明しています。
「しない」という言葉は「選択」として体験するため、自分が決定権を持っているように感じられます。これは、自分の判断力と意志力を肯定する言葉だといえます。対して、「できない」は選択ではなく「制約」であり、あなたに課されるものです。「できない」と考えると、意志力や主体性の感覚が弱まってしまうのです。
つまり、同じ「ノー」を意味するフレーズでも、「できない」は心理的な力を弱め、「しない」は心理的な力を強める言い方なのです。
日々の生活に応用するには
何かに「ノー」と言わなければならない状況は、毎日のようにやってきます。エクササイズをサボりたくなった時、メールやツイートに気を散らしてしまう時...ひとつひとつを見れば、どのような対応をしても状況にそれほど違いはありません。私たちが「できない」という言い方で片付けてしまっても、たいしたことではないような気がするのはそのためです。
けれども、あなたをもっと力づける言葉を常に使うようにした場合、積もり積もってどれほどの効果が出るのか想像してみてください。
「できない」と「しない」は同じような言葉ですが、私たちはたいてい、この2つを特に使い分けてはいません。しかし、実際は異なる心理的フィードバックを生み出し、最終的には行動をも変える力があります。単なる「言葉」や「フレーズ」ではなく、あなたの信条や行動の理由を裏打ちし、目標を思い出させるものなのです。
誘惑に打ち勝ち、きっぱり「ノー」というスキルは、身体的な健康だけでなく、日々の生産性や精神的な健康を守るうえでも欠かせません。
つまりはこういうことです ── 自分の言葉の犠牲になるか、それとも自らの力で言葉を操るか。あなたなら、どちらを選びますか?
A scientific guide to saying "no": How to avoid temptation and distraction | Buffer
James Clear(原文/訳:梅田智世/ガリレオ)
■「コーヒー抜きの1カ月」で学んだこと:思い込みを捨てれば、人生のあらゆることは変えられる
「Zen Habits」のライターであるLeo Babautaさんは、7月に入ってから、「○○抜きの1年」というチャレンジを始めました。これから1年の間、毎月何かひとつ、特定のものや習慣を抜いた生活を送り、その月の終わりに、そこから学んだことを記事にするというのです。
今後は砂糖やアルコール、新しいものの購入、インターネットなどを断つつもりだそうですが、記念すべき最初のターゲットに選ばれたのは「コーヒー」でした。では、この1カ月の様子を報告してもらいましょう。
「○○抜きの1年」の最初の月となった7月、私はコーヒーを断ちました。そもそも大好きな飲みものですし、今まで何度もコーヒー断ちに挑戦しては無様に失敗しているので、そう簡単にはいかないだろうと思っていました。でも今回は、コーヒーなしの生活がすっかり気に入ってしまったのです。われながらとても驚きました。初日も、最初の1週間も、まったくつらいとは感じず、何の問題もなくコーヒーとお別れできました。
成功のカギは、代わりになる良い習慣を見つけ、それがとても気に入ったことです。飲めなくなったコーヒーについてくよくよと考えるのはやめて、毎朝おいしいお茶を飲もうと決めたのです。おいしいお茶を飲める喜びのおかげで、コーヒーのことなどすっかり忘れてしまいました。というわけで、「○○抜きの1年」の最初の1カ月はそれほど苦労もなく終わったのですが、その中でいくつかわかったことがありますので、以下でご紹介しましょう。
コーヒーを断ってみて気づいたこと
コーヒーのない生活について、気づいた点をまとめました。
* どうもシャキッとしないとか、頭痛がするとかいった禁断症状が出るのは覚悟していました。でも、そうした症状はまったく出ませんでした。代わりに飲んでいたお茶に、多少カフェインが含まれていたおかげかもしれません(ただし、薄めのお茶だったので、それほど大量ではなかったはずです)。早朝の時間帯でもきちんと目覚めていましたし、集中力もキープできました。
* また、自分以外の人がコーヒーを飲んでいるのを見ると我慢できなくなるのでは、という心配もありましたが、こちらも全くつらく感じませんでした。
* 唯一、「ああ、コーヒーが欲しい!」という衝動を感じたのは、香りを嗅いだ時でした。あの匂いって、本当に驚くほど魅力的ですよね。あんな香りはめったにありません。(妻の)Evaがいれたコーヒーの香りにはたまらないものがありました(もちろん、豆も上質のものを使っていましたから)。でも衝動は、それほど強烈ではありませんでした。
* この1カ月で一番コーヒーを飲みたいと思ったのは、ちょっと油っ気のある、ピリ辛の料理(オリーブオイルで炒め、チリパウダーで味をつけたもの)を食べた時でした。しかも目の前にはEvaが飲むコーヒーがあって、良い香りが鼻をつきます。どうやら私の場合、スパイスと油、コーヒーの強い香りという組み合わせが、強力なトリガーになっているようです。衝動はしばらく続きましたが、水を飲んで口の中からスパイスと油の後味を流し去り、コーヒーの匂いがしないところへ移動してやり過ごしました。
* 7月中にポートランドへ出かけたのですが、その時にも面白い体験をしました。同行した妻のEva、友人のJesse JacobsとJosh Jacobsが、「この街の素敵なコーヒーショップめぐりをしたい」と言い出したのです。私は車のハンドルを握って3人をお店に連れて行き、さまざまな名店で一級品のコーヒーの香りを楽しみましたが、一滴も口にすることはありませんでした。この1カ月で一番自分の決心が試されるシチュエーションだと思っていたのですが、それほどつらくはありませんでした。すばらしい香りだけで十分だったのです。
* Evaのために「Blue Bottle Coffee」へ立ち寄った時も、豆乳を使ったジブラルタル(ショットグラスよりちょっと大きめのグラスで供されるミルクたっぷりのコーヒー)を飲みたくなってもおかしくなかったはずです。でも、そうはならずに、無事にやり過ごせました。
この1カ月で学んだこと「思い込みを捨てれば変われる」
「○○抜きの1年」は、自分自身をより深く知るための実験です。自分の衝動や欲求を把握し、生きていくのに欠かせないと自分では思っている習慣を変えることに、どれだけ抵抗感を覚えるのかを確かめたくて始めました。
「これがなければ生きていけない」というものをとりあげられそうになったら、誰だって抵抗します。でも実際には、「生きていけない」なんてことはないはずです。生きていくために欠かせないものは、思っているほど多くありません。そうした思い込みを捨てれば、人生のあらゆることを変えられるはずです。
では、この1カ月で私は何を学んだのでしょうか? いくつかわかったことがあります。
* コーヒーがとても恋しくなると思っていたのですが、それほどでもありませんでした。事前にあれこれ悩んでいても、いざやってみるとそれほど大変ではなかった、というありがちなパターンです。コーヒー以前にも、何度もそういう経験をしています。チーズのない生活なんて無理だろうと思っていました。自家用車を手放した時も、肉を断った時も、しょっちゅう食べていたジャンクフードやファストフードをやめた時も同じです。毎回、実に簡単に縁を切ることができて、そのたびに驚かされたものです。
* 代わりになる良い習慣を身につけると、何かを断つのは本当に楽になります。やめたもののことばかり考えていると、つらくなるだけです。でも、代わりに始めた良い習慣について考えるようにすれば、気分も明るくなります。
* 禁を破りたいという衝動は、どんなに強烈なものでもそれほど長くは続きません。それに、ほとんどの衝動は軽いものでした。人はとかく衝動に屈しやすいものですが、今回はやすやすと抑え込むことができました。一番強烈な衝動でも、しばらくは続きましたが、そのうちにどこかに行ってしまいました。そうした衝動と向き合い、じっくりと感じ、不安に身を委ねてみたら、実はそれほどつらいものではないことがわかりました。不安を受け止め、それに身を委ねるのは、とてもためになる体験でした。
* あらかじめ限度を決めておくことは、衝動に対抗する有効な手段になります。人が衝動に屈してしまうのは、多くの場合、歯止めがないからです。「ピザ1切れ、あるいはクッキー1枚だけなら、別に良いのでは?」と思ってしまうわけです。でも、自分にルールを科し、限度を決めておけば、衝動に抵抗しやすくなります。これもコツの1つですね。
* また、目標を公言しておくのも役立ちます。あらゆる人に(この記事を読んでくださっているみなさんも含めて)、「コーヒーを飲まない」と宣言しておいたおかげで、決心が揺らぐリスクはかなり下がったはずです。
お茶の良さを知ったからコーヒー断ちできた
人間の衝動について学んだことのほかには、これが1カ月のコーヒー断ちで得た一番のメリットでした。旅行中も含め、お茶を毎日飲む習慣がつきました。今後もぜひ続けたいと思っています。お茶の習慣についてわかったことを、ここに記しておきましょう。
* 起き抜けのお茶は格別です(今回のチャレンジ以前は、お茶を飲むのは午後がほとんどでした)。身体に負担がかからず、必要以上に目が冴えることもありません。また、集中しながらゆっくり飲むと、豊かな香りに気づかされ、意識を高めるきっかけにもなります。
* 加えて、お茶を飲むようになって、前よりも健康になった気がします。コーヒーの健康上のメリットについては疑わしい点もあります(賛否両論があり、私にも何とも言えません)が、お茶の効果にはほぼ疑問の余地はないでしょう。お茶には癒やしと覚醒、両方の効果があると思います。
* お気に入りの朝のお茶は、サンフランシスコのティーショップ「Samovar」で購入した「Bai Mudan white tea」で、これを薄めにいれるのが好みです。朝の早い時間には本当にぴったりですよ。「Monkey Picked Iron Goddess of Mercy oolong」や、「Breakfast Blend Black Tea」もおいしいのですが、朝のすきっ腹には、最初に挙げた薄めの白茶が一番です。
* 旅先には、この携帯型ストレーナーを持っていきました。とてもシンプルで持ち運びやすいところが気に入っています。
* 友人でSamovarの創業者であるJesse Jacobsから、この自動式ティーメーカーをもらいました。絶対に必要な品ではありませんが、これはまさに逸品です。ちょっと贅沢をしたい人や、お茶好きの友人を気の利いた贈りもので喜ばせたい人にとっては、最高のティーメーカーだと断言できます。
* Jesseのおすすめに従い、茶葉を多めに使って抽出時間を短めにするようにしました。少なめの茶葉で抽出時間を長くする人も多いのですが、それよりもずっとおいしくなります。
* おおまかに言うと、私の好きなお茶は烏龍茶や緑茶ですが、白茶やプーアル茶でも、質の良いものであればおいしいと思います。
これからもコーヒー断ちを続ける?
ゴールの7月31日を過ぎてもコーヒーを断ち続けるか、それともまた飲み始めるか。この問題は1カ月間ずっと、私につきまとっていました。正直に打ち明けると、最高のコーヒーを出してくれるお店を訪れた数回以外は、コーヒーを本気で恋しく思うことはありませんでした。朝のお茶を心から楽しんできたのも事実です。とはいえ、コーヒーを飲むと自殺のリスクが下がるという記事を読んで、迷いが出てきました。多少であれば、気分に応じて飲んだほうが良いのではないか、と。
というわけで、今後についてはこう決めました。朝はコーヒーではなく、今まで通りお茶を飲み続けます。ただし、最高のコーヒーショップが淹れてくれる極上のコーヒーであれば、1~3口(限度はカップ半分)くらいは飲んでも良いことにしました。これくらいがちょうど良いバランスだと、今は思っています。
A Month Without Coffee | Zen Habits
Leo Babauta(原文/訳:長谷 睦/ガリレオ)
[いずれもlifehacker]
Posted by nob : 2014年12月16日 17:33