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■「午後の睡魔」に打ち克つには、これをしよう
ガムを噛んだりしなくても、これなら簡単

安達 純子
医療ジャーナリスト

ガムや飲み物がないとき、午後の眠気をどう振り払う?

新年度が始まった。電車に乗るとわかるが、いろいろな行事で何かと多忙なのか、お疲れ気味の人が少なくない。加えて、春のポカポカ陽気で、特に午後になると強い眠気に襲われることがある。

頭の回転はスローになり、まぶたも下がり気味。飲物があれば、ひと口飲んで眠気を吹き飛ばすことも可能だが、そういうときに限って飲み物がない。しかも、ガムや清涼菓子を気軽に口に入れられる雰囲気ではなく、こっそり手の甲をつねっても、痛みよりも眠気が勝る。さて、こんな「午後の睡魔」に対し、道具を使わずに打ち勝つ方法があるのだろうか。

日本ブレインヘルス協会理事長でもある、古賀良彦・杏林大学医学部教授(精神神経科学教室)がアドバイスする。

「生体リズムには、眠くなる時間帯が昼も夜も2時~4時で、これを睡眠圧力といいます。午後の2時~4時の会議では、眠くなりやすいのです。このとき、自律神経のひとつ交感神経を優位にすると、眠気を覚ますことは可能です。一般的に、リラックスするため副交感神経を優位にする自律訓練法は、よく聞かれるでしょう。それを逆にすると交感神経を優位にすることができます」。

古賀教授が伝授する眠気を吹き飛ばす方法は次のとおり。①心の中で「額が温かくなる~」と、自分に言い聞かせる。②次に、「お腹が冷える~」と思う。たったこれだけ。

「交感神経が優位になると、額は温かく、内臓は冷える傾向にあるのです。それを意識して心の中で自分に言い聞かせると、緊張感も高まり、眠くなりにくくなるといえます。もうひとつ、たくさん息を吸い込むことでも、交感神経を高めることは可能です。ただし、息を吸い込み過ぎると、特に若い女性は、過呼吸になりやすいので、あまりお勧めはできません」(古賀教授)。

昼休みに「目覚めの条件づけ」をする

とはいえ、「額を温かく、内臓を冷やす」、と自己暗示をかけても、簡単に眠気を吹き飛ばせない人もいるだろう。そんなときには、昼休みを活用するのが一考だ。

「人間の身体は、『条件づけ』をすることで、眠ったり、覚醒したりすることができます。朝起きたときに、歯を磨き、コーヒーを飲みながら朝食をとり、スマホなどをチェックする。これを繰り返すと、条件的に脳の覚醒が促されるようになるのです。それを昼休みにも応用すると良いでしょう」(古賀教授)。

たとえば、昼食後にコーヒーを飲み、ハミガキをして、スマホやパソコンを見る。スマホやパソコンのブルーライトには、睡眠を妨げる作用もある。その作用を最大限に活かすには、朝起きてスマホを見るときに、天気予報、通勤電車状況、ニュースなど、順番を決めておく。そのサイトを昼休みにも見るのがコツ。「朝のスマホの目覚めの儀式」を昼休みに繰り返すことで、睡眠圧力を退けることも可能になるそうだ。

「お昼休みに5分程度スマホのゲームをするのも良いでしょう。職場でスマホをチェックしづらいのであれば、ストレッチなどで身体を動かすのも効果的です。コミュニケーションと運動は、目を覚ますのに役立ちます。それでも眠気が強い場合は、20分以内の『ショートナップ』を活用しましょう。昼食を食べると、副交感神経が優位になって眠気が強くなる傾向があります。ちょっとだけ睡眠をとることで、午後の眠気を防ぐことができるのです。ただし、20分以上寝てしまうと、夜の睡眠に影響を及ぼすので注意が必要です」(古賀教授)。

昼間の睡魔をつくっている原因は何だろうか。例えば夜にスマホのSNSやゲームを行うと、前出のように睡眠を妨げる作用があり、目はギラギラ。深夜2時の睡眠圧力によって眠りにつくものの、早朝6時台の起床時間では頭がボーッとしてしまう。このような睡眠不足の状態では、昼間の眠気も強くなりがちだ。

夜しっかり眠るための条件とは?

「日本人の平均睡眠時間は6時間台と報告されています。米国の疫学調査で、7時間の睡眠時間は死亡率が低いとの結果もあるだけに、日本人は睡眠時間が短いといえます。20代~50代の睡眠障害の人も多い。しっかり目覚めるには、まずは夜の睡眠を7時間とることをお勧めします」(同)。

夜ぐっすり寝るためには、昼間の目覚めるための方法を逆にするだけだ。夕食をとり、歯を磨き、スマホは見ずに翌日の準備を整え、本を読み、音楽を聞くなどして、副交感神経を優位に導き、リラックスする。そして、布団の中で「額が涼しくなる~」「お腹が温かくなる~」と、昼間とは逆のことを繰り返すと、寝つきが良くなりやすいそうだ。

「睡眠不足の状態が続くと、食欲を増進させるホルモンの一種グレリンが分泌されやすくなり、体重が増えるだけでなく、生活習慣病などに結びつきます。不眠による糖尿病や高血圧の発症リスクは、そうでない人と比べて2倍以上といわれているのです。昼間しっかり起きるためだけでなく、健康のために毎日7時間の睡眠時間を確保するようにしましょう。また、うつ病の人の自覚症状として、不眠や食欲不振なども特徴的です。夜眠れないだけでなく、早朝覚醒といって夜中に目が覚めてしまうのです。眠りたいのに眠れないときには、一度、専門医に相談してみると良いと思います」と古賀教授はアドバイスする。

[東洋経済ONLINE]

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Posted by nob : 2015年04月07日 11:54