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自己責任による選択の問題

■安いなら「ジェネリック医薬品で…」
その選択があなたの寿命を決めている?

クスリを処方されるときに、ジェネリック医薬品を勧められたことはありませんか? 中には「同じ成分で値段が安いなら……」と勧められるがままに、ジェネリック医薬品を選んでいる人も多いのではないでしょうか? 果たしてジェネリック医薬品は本当に安全なのか……。『「先生が患者ならどうします?」医師が自分のために選ぶクスリ・治療法』の著者であり医学博士の岡田正彦氏にジェネリック医薬品の安全性について伺いました。

安いなら……と安易に
ジェネリック医薬品を選んでいませんか?

 今、ジェネリック医薬品の品質を懸念する声が高まっています。なぜなら、新薬のように厳格な臨床試験を行う必要がなく、成分が同じだからという理由で簡単に発売が認可されているからです。
 成分が同じなら、わざわざ臨床試験をする必要はないのでは?というのが、大方の意見かと思います。ジェネリック医薬品とは、特許の切れたクスリを模したものです。製造・販売しているのは専業メーカー、大手製薬企業など合わせて約20社。一番の特徴は値段が安いことです。

 しかし、クスリを製品化するには、薬用成分の化学構造だけでなく、ほかにも大切な技術が必要となります。たとえば服用したあと、さっと効くクスリもあれば、徐々に吸収して一日中、ゆっくり効果を発揮するクスリもあります。胃では溶けずに腸から吸収するようにしたクスリもあるなど、高度なノウハウが結集されていて、それらは別途、特許が申請されています。その製法特許が切れていなければ、それまでのクスリをそっくりまねをすることができません。

 つまり、ジェネリック医薬品は、新薬と同じもの、ということは言えないのです。

ジェネリック医薬品の効果を
追跡調査した結果……

 ジェネリック医薬品は、「後発医薬品」とも呼ばれますが、その発売後、新薬のほうも少し高い薬価で発売は続けられ、呼び方も「先発医薬品」と変わります。米国では、ジェネリック医薬品の製造・販売の認可を受ける際、次の諸点を証明しなければならないことになっています。

・先発医薬品と剤形、分量、服用方法、品質、効能、適応疾患が同じこと
・服用後の血中濃度変化を24~36人の健康人で調べ、先発医薬品と80~125%の範囲で一致していること

 日本でも、これに準じた基準があるようです。
 しかし、これだけの条件で先発医薬品とジェネリック医薬品が同等であるとは、とても言えません。長期間、服用を続けるとどうなのか、健康でない人が飲んでも同じなのか、などの疑問がいろいろ思い浮かびます。

 幸い、高血圧症の患者を2グループにわけ、それぞれ先発医薬品とジェネリック医薬品を服用してもらった追跡調査が多数行われています。それらの論文を集めて検証したレポートによれば、先発医薬品とジェネリック医薬品との間に、「血圧を下げる効果」と「心臓病、脳卒中を予防する効果」において、有意差はないと結論される、とのことでした。

本当にジェネリック医薬品は
先発医薬品と同じ効果をもたらすのか?

 しかし、これらのレポートには問題がいくつかあります。血圧のクスリについて行われた調査の多くが、数週間~数ヵ月しか追跡が行われていなかったことと、対象者数が数十人程度でしかなかったことです。

 血圧のクスリのように、長期間にわたって服用するとコレステロール値や中性脂肪値が上昇する人がごくわずかに増える、など微妙な副作用のせいで「総死亡率が改善しない」という事実がありますから、もっと大規模に、もっと時間をかけて調査を行ってほしいものです。高血圧のクスリ以外では、このような調査さえ行われていないのが実情で、ジェネリック医薬品についてはわからないことだらけです。

 したがって安心して服用できるのは、新薬でもジェネリック医薬品でもなく、(発売後かなり時間が経っている)先発医薬品ということになります。

 もし私が患者さんに「ジェネリック医薬品は安全ですか?」と問われたら、「今のところ、不明です」とお答えするでしょうし、私自身、安いからという理由で、安易にジェネリック医薬品を選ぶことは決してしません。

[DIAMOND online]

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Posted by nob : 2015年07月23日 15:33