« 医療は外傷や急性疾患時の緊急避難手段として、、、慢性疾患には生活習慣の見直しと食養生、自らつくりだした疾患は自ら解消できる。。。Vol.3 | メイン | そのとおり!!!Vol.50/過去への反省と謝罪は、健全な未来への第一歩。。。 »

医療は外傷や急性疾患時の緊急避難手段として、、、慢性疾患には生活習慣の見直しと食養生、自らつくりだした疾患は自ら解消できる。。。Vol.4

■がんを克服するための感情マネジメント
全米ベストセラ―『がんが自然に治る生き方』(3)

ケリー・ターナー=文

治癒不能といわれたガンが自然治癒する現象が、実際の医療現場で話題になることはまずない。 しかし筆者が目を通した1000本以上の医学論文において、ガンが自然に治癒した事例を報告していた。医師は治すのが仕事なのでこうした事例を追跡研究することはなく、「たまたま」治ったという話は「偽りの希望」を与えるだけだとして積極的に口外することもなかったために、自然治癒事例は事実上放置されてきたのである。全く科学的にメスを入れられていないこのテーマを解明するために、「劇的な寛解」事例を報告した医学論文をくまなく分析し、日本を含む世界10カ国で寛解者と治療者のインタビューを行った結果、ガンの自然治癒を体験した人々には、「9つの共通する実践事項」があった。それらは、がんの治癒のみならず、予防としても役に立つものである。発売と同時に米アマゾン1位“がん部門”にランクイン、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーとなった話題の書『がんが自然に治る生き方』。
デカルトの心身二元論はもう古い――心と身体を別ものとして考える時代は完全に終わりました。過去50年のあいだ、科学者たちは心と身体が単に結びついているだけではなく、密接に絡み合っていることを明らかにしました。

心身二元論に最終的に決着をつけたのは、心、脳、免疫システムの相互作用を研究する精神免疫神経学(PNI)から得られた知見でした。1991年にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された初期のPNI研究で、研究者たちは大規模なグループを対象に質問用紙に記入させ、その後一般的な風邪のウイルスか塩水の入った点鼻薬スプレーを渡しました(被験者は自分がどちらかのスプレーをもらうことを了解していました)。その結果、ストレスの大きい人は風邪を発症し、ストレスの少ない人は風邪ウイルスを撃退しました。そしてこの結果には年齢、体重、食生活など他の多くの要素にはまったく関係なかったのです。

なぜストレスが病気を引き起こすのか

それから15年後、研究者たちはなぜストレスが身体の病気を引き起こすのかを突き止めました。PNIの研究は、恐れや怒りなどストレスをもたらす感情は脳下垂体にコルチゾール、アドレナリン、エピネフリンなどのホルモンを放出するようシグナルを送ります。これらのホルモンは、敵と戦ったり、敵から逃げたりするような緊急事態であると身体に伝えます。 休息したり回復したりしている場合ではないというわけです。その結果、わたしたちの体は食べ物を消化吸収したり、体内の病原菌と戦ったりすることをいったんやめて、目の前の猛獣から逃げるために血圧を高めようとするのです。

私たちは猛獣に追いかけられるような生活をもはやしていませんが、終わりなき「TO-DOリスト」に追われています。そして何かに失敗するのではないか、誰かに嫌われるのではないかと常に怯えています。そしてやっと休暇を取って「戦うか逃げるか」というモードを休暇モードに切り替えたときに何が起こるでしょう。そう、病気になるのです。なぜなら「TO-DOリスト」から過去何カ月も逃げているあいだに、あなたの身体はあえてウイルスの侵入やバクテリアへの感染を「時間ができるまで」放置していたからです。休暇になってほっとした途端、病気になるのはそのためです。

なぜ幸福な人は健康なのか

どうすればよいでしょうか。脳下垂体は私たちがストレスや不安を感じるたびに免疫を抑制するホルモンを出しますが、私たちが幸せや安らぎを感じているときには免疫を増進するホルモンを出します。これらの「自家製ドラッグ」にはセロトニン、ドーパミン、リラキシン、オキシトシンなどがあります。これらの強力なホルモンが血液中に放出されると、より多くの免疫細胞をつくるように指令を出します。たとえば1日5分間笑ったり、嬉しいと感じたりするだけでも白血球やナチュラルキラー細胞の数は大幅に増えるのです。

がんを克服するための感情マネジメント

PNIの研究からわかった感情と免疫系の関係を考えれば、私が研究しているがんの劇的寛解者たちが回復の途上で自分の感情にとりわけ関心を寄せたのは当然のことだといえるでしょう。過去10年間、私は非常に厳しい状況からがんを自力で克服した何千人という人たちの事例を研究しています。拙著『がんが自然に治る生き方』では、彼らに共通する9つの実践事項を抽出しましたが、そのうち3つは感情と直接的な関係がありました。

●抑圧された感情を解き放つ
●より前向きに生きる
●周囲の人の支えを受け入れる

運動をしたり、ユーチューブを見たり、ペットのネコと遊んだり、方法はさまざまですが、がんの劇的寛解者たちは毎日ストレスから自らを開放して深い呼吸をすることを毎日魚油のサプリメントや処方された薬を飲むのと同じくらい重要であると考えていました。 がんと闘うには免疫力を強めておくのはなによりの戦略です。がんの劇的寛解者たちはあらゆる方法でそれを試みています。そしてRNIの研究が明らかにしたように、感情をうまくコントロールするのは免疫力を高めるのに非常に有効です。

そしてがんの患者だけでなく、健やかに生きたいすべての人にとって、免疫力を高めることは理にかなっています。だから今日1日、5分だけでも自分を甘やかしてあげてください。

※この原稿はケリー・ターナー博士のオフィシャルブログ http://www.drkellyturner.com/blog/ を翻訳したものです


■最善のがん治療は「直感」が教えてくれる
全米ベストセラ―『がんが自然に治る生き方』(4)

ケリー・ターナー=文 長田美穂=訳

治癒不能といわれたガンが自然治癒する現象が、実際の医療現場で話題になることはまずない。 しかし筆者が目を通した1000本以上の医学論文において、ガンが自然に治癒した事例を報告していた。医師は治すのが仕事なのでこうした事例を追跡研究することはなく、「たまたま」治ったという話は「偽りの希望」を与えるだけだとして積極的に口外することもなかったために、自然治癒事例は事実上放置されてきたのである。全く科学的にメスを入れられていないこのテーマを解明するために、「劇的な寛解」事例を報告した医学論文をくまなく分析し、日本を含む世界10カ国で寛解者と治療者のインタビューを行った結果、ガンの自然治癒を体験した人々には、「9つの共通する実践事項」があった。それらは、がんの治癒のみならず、予防としても役に立つものである。発売と同時に米アマゾン1位“がん部門”にランクイン、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーとなった話題の書『がんが自然に治る生き方』から抜粋してお届けする。
私は、医師に「あらゆる手を尽くしたがこれ以上はなすすべがない」と言われながらも自分で生活を変えたり代替治療法を実践したりしてがんを克服した人たちについて研究をしています。彼らのほとんど全員が、回復過程で自らの直感に従って決断を下していました。直感や第六感といったものの研究から、彼らがなぜそのような行動をとったかが見えてきます。

直感は危険を察知する

科学者たちは人間の脳は2つの運転システムを備えていることを発見しました。第1のシステムは、高速稼働し、直感的で、無意識的に働きます。第1システムを支配するのは、右脳と、脳の中でも太古から存在する「大脳辺縁系」と「間脳」です。第2システムは、ゆっくり稼働し、分析に力を発揮し、意識的に動くものです。左脳と、有史以降に発達した新しい部分「前頭葉」がこのシステムを支配しています。

直感は第1システムから生じるということが、科学的に明らかになっています。直感の訪れが唐突で、合理的なものに思えないことが多いのはそのためです。要は直感的な判断とは、慎重に状況判断をして下すものではなく、本能的に沸き上がってくるものなのです。

けれども腹で感じる直感が「信頼に足る」という根拠はあるのでしょうか。脳の第1システムが「答え」を出す速度は、実は第2システムよりずっと速かったということを報告した研究があります。「勝てば賭け金がほぼ全額手に入る」というルールのカードゲームを使った実験がありました。

実はこの実験には、被験者には知らされていない仕かけがほどこされていました。カードの山は2つ。片方の山は、勝てば大きいが負ければ大損をする山です。もう片方は、勝っても儲けは少ないが、損はほとんど出ない山です。被験者は、50回ほどカードをめくったあたりで安全な山はどちらかを勘づきはじめ、80回目には2つの山の違いを説明できるようになりました。興味深いことに、10回目の時点で、被験者の手のひらの汗腺は、危ない山のカードを触るたびに少しだけ開いていました。

また被験者は10回目あたりから、なんとなく安全なカードの山の方を好むようになっていました。つまり被験者の分析的な脳が状況を認識するずっと前に、被験者の身体は危険を感じ取り、自然と安全なほうへと向かっていたのです。

人間は本能で2、3秒後に起きることを予測している

類似の実験を、コンピューターでおこなったものもあります。モニターを見て、被験者は2枚のカーテン画像のどちらの背後に絵が隠れているかを当てます。カードの実験と同じように、研究者は被験者の身体反応を調べました。

驚いたことに、被験者の手の汗腺は、コンピューターがどちらのカーテンに絵を隠すか決める2、3秒も前に、答えを正しく予測していたのです。もっとも手の汗腺の開きをみるかぎり被験者はほぼ正解を予測していたのに、自分の手のひらの反応に気づくことができず、誤答していました。人間には、2、3秒後の未来の予測能力があったのです。カードゲームをするギャンブラーにとっては、貴重な教訓でしょう。自分の手のひらの汗腺の動きがわかるほど身体の声に耳を澄ませば、次に来るカードを予知できるようになる、というのですから。

直感に従って決断した人の満足度は高い

直感は信頼に値すると示す実験を、さらに紹介しましょう。ある実験によると、どの家を買うか、誰と結婚するかといった人生における大きな決断では、頭で論理的に考えた末の選択よりも直感で決めた方がよい結果をもたらすことがわかりました。車の購入時、情報収集をして熟考の末に決めた人のうち、買ったあともその車に満足していた人は、わずか25パーセントでした。それに対して直感で即決した人は、60パーセントが満足していたのです。

似たような実験に、複雑な問題に対してじっくり考える時間を与えられた被験者群と、急に答えを出すよう求められた被験者群では、直感で即座に答えた後者のほうが概して正解率が高かった、とするものがありました。

この研究に取り組んでいるあいだ、わたし自身も、さまざまな直感を得たおかげで、ずいぶん作業がはかどりました。そのときは不思議な感じがしましたが、研究するうちに、わかってきました。直感とは、わたしたちが頭で答えを出す前に、どうするのがいちばんいいかを教えてくれるものなのです。直感を司る脳の部位は、人間が藪に潜む猛獣を避けながら暮らしていたような太古の時代に発達しました。差し迫った危険を感知したり、安全な場所を見きわめたりする能力を備える部位です。

幸いにして、現代のわたしたちの日常は、格段に安全になりました。脳のこの部分を稼働させる必要はほとんどなくなったので、いざというときにも、わたしたちには使い方がわかりません。脳からのメッセージにも気づきません。けれども、わたしたちは直感力を失ったわけではありません。実際、劇的な寛解を遂げた人々は、直感力をうまくつかって生命の危機を克服した人々なのです。

※この原稿は、『がんが自然に治る生き方』からの抜粋です。


[いずれもPRESIDENT online]

ここから続き

Posted by nob : 2015年07月20日 00:05