« 自らの過ちを悔い改め謝罪するのは至極当然のこと、、、中傷批判を怖れず信念を通す鳩山氏に賛同支持します。。。 | メイン | 112万7000柱。。。 »

言葉ではなく行動に真実は表われる。。。

■村山元首相、安倍談話を痛烈批判「さっぱりわからん」

平塚学、稲垣千駿

 「談話は出す必要がなかった」。14日、安倍晋三首相が発表した戦後70年談話について、記者会見した村山富市元首相(91)から批判の言葉が次々と発せられた。「何を言いたかったのか」「中身について評価するところはない」。20年前の首相当時、戦後50年に際して談話を発表した村山氏。「各国から評価された」という自負がある村山氏にとっては、許容できないものに映ったようだ。

* 安倍談話「おわび」「侵略」言及 目立つ引用・間接表現
* 村山元首相、安倍談話を批判 「引き継がれた印象ない」
* 安倍首相の戦後70年談話全文

 安倍氏が首相官邸で談話を発表したのは同日午後6時。村山氏はその2時間後の午後8時から、大分市中心街にある「全労済ソレイユ」ビルの会議室で記者会見した。会場には、中国のテレビ局を含む県内外の記者が詰めかけた。

 会見で村山氏はこう言った。「全体を通して見ると、焦点がぼけて言葉を薄めて述べている」

 「植民地支配」や「侵略」への「痛切な反省」という村山談話の理念について、「言葉は使っているが抽象化して不明確になっている」。批判は続いた。「過去の歴史に対する反省を素直に認めて端的に表現すべきだった」「村山談話を否定も踏襲もしていない。さっぱりわからん」「最初から『継承する』と言えば出す必要もなかった」

 自身が出した戦後50年の談話について「節目に清算して、けじめをつける必要があると思った。内閣に課せられた歴史的な課題だった」と振り返る村山氏。かねて、安倍首相が出そうとしている戦後70年談話について「なぜ、いま出すのか」と批判してきた。今年に入ってから、国内だけでなく、海外メディアからも取材依頼が殺到。取材対応や講演のため、東京に頻繁に足を運んできた。

 安倍政権が進める安全保障関連法案や、集団的自衛権の行使容認の憲法解釈変更についても、村山氏は護憲の立場から反対する。国会周辺の集会にも顔を出し、現在も精力的に活動を続けている。この日の記者会見では、こんな言葉も口にした。

 「(安倍談話は)美辞麗句を並べているが、安保法案との関係で、また懸念を深めると思う」「未来志向といったって、『積極的平和主義』とひとこと言っただけ。憲法を変えて戦争のできる国にしようと言ってるんだから」(平塚学、稲垣千駿)

     ◇

 〈村山談話〉 自社さ連立政権時代の1995年、当時の村山富市首相が戦後50年を機に閣議決定を経て日本政府の公式見解として出した首相談話。歴史認識については「国策の誤り」と「植民地支配と侵略」を認め、「痛切な反省」と「心からのおわび」を表明した。談話の内容は戦後60年の小泉談話も踏襲し、歴代政権で政府の基本路線になってきた。

[朝日新聞]


■中国「直接のおわび回避」、韓国「誠意がない」

 【北京=五十嵐文、ソウル=宮崎健雄】中国外務省は14日、同省の張業遂(ジャンイエスイ)次官が木寺昌人中国大使に対し、安倍首相の談話に関して中国の「厳正な立場」を表明したとウェブサイトで発表した。

 同省の華春瑩(フアチュンイン)副報道局長は「日本は当然、被害国の国民に誠実におわびすべきだ」と主張、「実際の行動でアジアの隣国と国際社会の信頼を得るよう促す」と述べた。

 中国国営新華社通信は14日、安倍首相の談話は「直接のおわびを回避」と報じ、「首相は日本が今後おわびを続ける必要はないと表明した」と解説した。中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報(電子版)も社説で「中日関係をさらに悪化させる導火線にはならないが、大きく改善させる動力にもならない」と論じた。

 習近平(シージンピン)指導部は、安倍首相が村山首相談話などに盛り込まれた「おわび」「反省」などを盛り込むよう求めていた。習指導部は、天津市の大爆発や中国経済の後退で社会不安が高まることを警戒しており、政権批判につながりかねない反日世論の広がりを避ける狙いもあった。

 「おわび」などが明記されたことで、習政権は日本との経済協力や民間交流は引き続き推進しながら、首相の歴史観にはなお不信が残るとして歴史をめぐる対日圧力は緩めない可能性が高い。

 一方、韓国の主要紙電子版やテレビは、安倍首相談話について、「誠意がない、過去形の謝罪」(公共放送KBSテレビ)などと一斉に批判した。聯合ニュースは、安倍首相が「我が国は繰り返し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきた」と発言したことについて、「自分の声で謝罪する代わりに、『過去形』で謝罪に言及するにとどまった」と指摘。その上で、「村山、小泉談話よりも大幅に後退した」と不満を示し、「歴史認識をめぐる日韓間の葛藤は相当の間続く見通しだ」と報じた。

[読売新聞]


■首相70年談話:四方気配りの末に=政治部長・末次省三

 14日に閣議決定した安倍晋三首相談話から、外交的配慮はうかがえる。しかし、多方面への気配りからか、焦点がぼけた印象は否めず、また、いろんな読み方ができる余地を残した部分があるなど、20年前の村山富市首相談話と比べて訴求力は今ひとつのものとならざるを得なかった。

 節目の終戦記念日を迎えるにあたり、日本の首相が談話を発する。基本的に歓迎すべきことだろう。

 「植民地支配」と「侵略」を明確に認め、「反省」と「おわび」を盛り込んだ村山談話。異論があることを承知で言えば、「日本の外交資産」と言ってもいい存在となった。毎年の靖国神社参拝で物議を醸した小泉純一郎元首相も10年後、ほぼ踏襲する談話を出すことになる。

 ところが、安倍首相は当初、「全体として引き継ぐ」としながらも、一方で「同じ言葉を入れるなら談話を出す必要はない」と繰り返した。さらに「今まで使った言葉を使わなかった、あるいは新しい言葉が入ったというこまごまとした議論にならないよう、70年談話は70年談話として新たに出したい」という踏み込んだ発言もあった。

 村山談話の上書き−−。安倍首相にその思いが強かったのは間違いない。

 しかし、物事は出発点とは違う方向に進んでいく。中国などの近隣諸国、欧米をはじめとする国際社会、さらに「丁寧な議論」を目指して招集した私的諮問機関のメンバーら。一方で、首相のもともとの支持基盤である保守系の政治家、評論家など……。多方面に気を配る必要は日に日に増していった。

 その結果、いろんな要素を盛り込まなければならなくなるのは必然で、村山談話、小泉談話の3倍程度の長さになる。「がんじがらめ」になったと言っては言い過ぎだろうが、強く訴える内容にすることの優先順位は下がっていったとみられ、メッセージ性は薄れることになった。

[毎日新聞]

ここから続き

Posted by nob : 2015年08月15日 05:45