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解りやすい。。。
■知っておこう!がんの基礎知識
がんを治すなら早期発見
がんは、正常な細胞のブレーキが壊れ、増殖し続けるようになったものです。私たちはもともとがんになりやすい遺伝子と、がん抑制遺伝子を持っています。生活習慣の改善で、ある程度、がん遺伝子を活性化させないようにできることがわかっています。
◆ 悪性腫瘍は脳、内臓、皮膚、骨、筋肉、血液など、からだのあらゆるところに発生します。医学的には、悪性腫瘍のうち「がん」は内臓の粘膜や皮膚などの上皮細胞というところに発生するものを指します。一方、「肉腫」と呼ばれるものもあり、骨や筋肉など、上皮細胞ではないところに発生し、非上皮性悪性腫瘍とも呼ばれます。骨肉腫や軟部肉腫、また白血病なども含まれます。ここでは、悪性腫瘍全体を指して、「がん」といいます。
◆ 私たちの細胞は必要に応じて増殖し、必要数に到達したら増殖をやめるようにプログラミングされています。しかし、なんらかの誘因でこのプログラムが障害され、細胞の増殖が止まらなくなってしまうのががんです。がん細胞は遺伝子の変異を続け、性質を変化させ、さらに広がって増殖を加速させるようになります。
◆正常な遺伝子ががん遺伝子になる可能性のあるものを「がん原遺伝子」と呼びます。一方、細胞の増殖を抑制し、遺伝子に生じた傷を修復する、いわばがん化を防ぐものもあり、これは「がん抑制遺伝子」と呼ばれます。
◆ がん原遺伝子ががん遺伝子になってがんを発生させるには、進行の速いがんを除いて、5年以上、10年単位の時間が必要です。がん遺伝子が発生しても、がん抑制遺伝子や自己免疫の働きで、がん遺伝子を消滅させて増殖を食い止めることも可能です。体内では目に見えない攻防が日々繰り広げられているといってもいいでしょう。
◆がんの発生・進行にかかわるリスク要因は、
①喫煙(ほぼすべてのがん)
②肥満(食道がん、結腸がん、乳がん、腎臓がんなど)
③過度の飲酒(口腔がん、咽頭・喉頭がん、食道がん、肝がんなど)
④運動不足(結腸がん)
などです。また、紫外線が皮膚がんの原因になり、放射線や化学物質などもさまざまながんの発生に関与しています。
◆ 一般的に早期発見のがんほうが標準治療が確立され、治療法の選択肢も多いので、仕事や家庭など、事情に合わせた治療法を選ぶこともできます。もっとも進行の速いがんの場合、健診と健診の間にがんが発生して大きくなっているようなケースもありますが、統計的な頻度としてはそれほど多くないといえるでしょう。
◆がん発生機序の解明や抗がん剤をはじめ治療法の開発は日進月歩です。治療だけでなく、予防という観点でも調査・研究が進んでいます。医療を受ける側からも、2人に1人の発症リスクをしっかりと受け止めて、がんを予防するヘルスケアに努めたいものです。
(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳)
[ケータイ家庭の医学SP]
Posted by nob : 2015年12月10日 13:00