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すべての食材は諸刃の剣、、、何が正しいのか、何がその時々の自分に合っているのかを見極める目を養うことが肝要。。。
■日本人が実践する健康法の「大ウソ」このままでは寿命が縮みます!
ウコンは肝臓に悪い、海藻で髪は生えない…
週刊現代の特集「逆さま健康法」には大きな反響があった。信用に足るかどうか怪しい情報が溢れているのは、食品も同じ。身体に良かれと思っていた食生活が、実は寿命を縮めていた――。
ウコンは肝臓に悪い
二日酔い対策のため、飲み会の前にウコン入りのドリンクをコンビニで買って飲む――。ウコンは肝臓の機能を回復させ、アルコールの分解を促進するため「身体にいい」と思い込んでいる人は少なくない。ところが近年そのウコンが人によっては、健康被害をもたらしていることが明らかになっている。
「以前、全国の肝臓学会の会員施設に対して、健康食品が原因となった肝障害について調べた結果、原因の1位になったのがウコンだったのです」
こう語るのは名古屋大学大学院医学系研究科・教授の石川哲也氏だ。同氏によれば肝機能が落ちている人は、ウコンを飲むことでかえって肝障害を悪化させる危険性もあるという。
「肝機能の数値が悪いのを回復させようとしてウコンを飲むのはおすすめしません。特に、C型慢性肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は肝臓に鉄分が溜まりやすい病気です。そのため鉄分を多く含むウコンを飲むと余計に悪化してしまう危険性がある。
肝臓の数値が悪いからと自己判断でウコンを飲み続けると、知らないうちに肝障害がより悪化する危険もある。
まずは医者に相談し、正しい診断を受け、ウコン入りの健康食品を摂る場合は成分表示をしっかり見て鉄分量を確認してください」(石川氏)
ウコンは、別名ターメリックと呼ばれ、胆汁の分泌を促すというメリットもある。しかし、それ以上に「同時に鉄分を摂りすぎてしまう」というデメリットのほうが大きいのだ。
帝京大学ちば総合医療センターで消化器内科を専門とする小尾俊太郎医師が解説する。
「体内の鉄分が多くなってくると、肝臓の中に余剰となった鉄分が蓄積されます。すると活性酸素というタチの悪い酸素ができやすくなる。活性酸素は大気中に含まれる酸素に比べ、反応性が高く、周囲の細胞(DNA)を傷つけます。
こうなると肝臓の働きがますます悪くなり、肝臓に沈着した脂肪が活性酸素に刺激され脂肪肝炎を引き起こし、肝硬変や肝がんの原因になりかねないんです。
もちろん、鉄分は人間にとって必要な栄養素の一つです。特に女性の場合は月経により貧血になりやすいので、鉄分を多めに摂っても問題ないのですが、男性の場合は普通に食事をしていれば鉄分が不足することはありません。むしろ摂りすぎに注意するべきなんです」
実際、飲酒による肝機能低下を防ぐ目的でウコンとシジミエキスを毎日摂取した結果、数ヵ月後に劇症肝炎を発症した例もある。
さらには、二日酔い防止にウコンを多量摂取したら肝機能が劇的に低下し死亡したり、肝硬変を患っていた女性が、ウコンの粉末を毎日スプーン1杯程度飲み続けたところ、かえって症状が悪化し、3ヵ月後に多臓器不全に陥って死亡したケースもある。
昔から二日酔いにはシジミの味噌汁がいいと言われ、シジミ=「肝臓にいい」と思いがちだが、これもウコンと同じく、鉄分の摂りすぎにより、よけいに肝臓が悪くなる危険性がある。肝臓そのもののレバーも肝臓にいいとされがちだが、鉄分が多いので注意が必要だ。
前出の小尾氏が言う。
「肝炎や肝臓の病気の原因となっていたものが、昔と今とではガラっと変わっています。歴史的にみると、日本は栄養が不足する時代がありました。そうしたことから古来より、ウコンも肝臓に良いとされてきたわけです。
ところが、現代では生活の質も変わってきて、肝臓が悪くなる原因はむしろ肥満やアルコールといった生活習慣病による脂肪肝になってきた。そのためウコンの鉄分が逆に体を害するようになってきたのです」
社会の変化と共に、病気も変化している。過去の常識にとらわれず、まずは自分の体と向き合うことが先決だ。
ブルーベリーは目の健康に無関係
ブルーベリーは目にいい――。いつの間にか常識のように刷り込まれている情報である。だが、実際はそれを証明する客観的データはない。
彩の国東大宮メディカルセンターの眼科医である平松類氏が言う。
「巷にはブルーベリーは目にいい、視力が回復すると謳った健康食品が溢れていますが、視力回復にはあまり効果がないのが事実です。ブルーベリーに含まれるアントシアニンが目にいいとされていますが、目に特異的に効くものではありません」
国立健康・栄養研究所のホームページには「ブルーベリーは、視力回復に良い、動脈硬化や老化を防ぐ、炎症を抑える、などと言われているが、ヒトでの有効性・安全性については信頼できるデータが十分ではない」といった趣旨のことが明記されている。
そもそもなぜ「ブルーベリーが目にいい」と言われるようになったのか。そのきっかけは第二次世界大戦中のこと。イギリス人のあるパイロットが『暗がりでも敵機がよく見える』と言うので、彼の食生活を調べると、毎日ブルーベリージャムを塗ったパンを食べていたという。
そういった逸話が現在まで一人歩きしてきたにすぎない。そこにブルーベリーのサプリメントが発売され、NHKやワイドショーが紹介したことで一気に火がついたのだ。
「確かにアントシアニンには、抗酸化作用と、視神経の伝達物質であるロドプシンの再合成を助け、疲労を回復する作用があるので、目の疲れによる景色のかすみやぼやけなどの症状を改善する可能性はあります。ただしそれはあくまで一時的なもので、ブルーベリーをいくら食べても、視力自体が回復することはありません」(平松氏)
では、本当に目の健康に効果がある食材は何なのか。
「近年注目されているのは『ルテイン』という成分です。これはほうれん草などに多く含まれる成分で、白内障や黄斑変性の予防に効果的であることが明らかになりつつあります。また青魚に含まれるDHAも目の健康にいいとされています」(平松氏)
昨今、パソコンやスマホの使用時間が増えたため「ドライアイ」に悩まされる人が増加。眼球が乾いた状態が続くと、目の老化を早めると指摘されている。効果が実証されていないブルーベリーを無理に食べるより、定期的に目を休めることに気を配ったほうが、よっぽど効果的だろう。
海藻を食べても毛は生えない
海藻をたくさん食べると毛が生えてくる。逆に海藻を食べないと薄毛になる。昔からよく言われていることだが、こちらもブルーベリーと同じく、根拠がはっきりしない。真実はどうなのか。
発毛治療を専門とするAGAスキンクリニック新宿アイランドタワー院の西垣匠院長が語る。
「髪の毛は主にタンパク質の一種であるケラチンを主成分としています。このケラチンの合成を促進する作用を持つのがミネラルです。海藻類はミネラルを多く含んでいるので『ワカメなどの海藻が髪にいい』のは間違いではありません。ただ海藻を一生懸命に食べると髪が増えるかというと、それはまったく別次元の問題です」
薄毛には遺伝的要素や普段の生活環境、ストレスなど様々な要因がある。そのため海藻を食べたからといって髪が生えるほど単純なものではない。
それどころか海藻を食べすぎることによって、思わぬ弊害が身体に出ることもあると、西垣氏は言う。
「海藻はヨウ素を含んでいます。このヨウ素を取り込みすぎると、甲状腺の機能にダメージを与えます。ホルモンバランスを司る甲状腺に異常が出ると、すぐにイライラする、手足が痺れる、無気力で鬱状態になる、などの症状が現れます。
本来、ヨウ素にはタンパク質や炭水化物、脂質の代謝を高める働きがありますが、摂りすぎると、それが過度に働きすぎて逆効果になってしまうのです」
海藻に多く含まれるヨウ素だが、その中でも昆布に含まれる量は、ワカメやひじきに比べて極端に多い。特に昆布の食べすぎには注意が必要だ。
髪の毛を生やすために効果的なことは何か。
「人間の体は、基本的に主要な臓器に優先的に栄養が行き渡るようになっています。つまり心臓や脳にまっさきに栄養分が行き、髪の毛は最終地点なのです。髪の毛まで栄養分を巡らせるためにも血流を良くすることが大切です。
また、髪の毛の成長を促すホルモンは、夜の10時~2時に最も多く分泌される。この時間にいかに睡眠を取っているかが重要です」(西垣氏)
ひたすら海藻を食べるより、普段の生活を整えることが、髪にも健康寿命にも効果がある。
油っこいものは食べたほうがいい
ダイエットの天敵といえば「揚げ物」。痩せたいのなら、まず油っこいものを控えるのは常識だ。
しかし「それは大きな間違い」と語るのは、沖縄徳洲会・こくらクリニック院長の渡辺信幸氏。同氏は『唐揚げダイエット』の提唱者でもある。
「未だに多くの人が肥満の原因は油だと思っていますが、それは誤解で、実は太る一番の要因は、白米やパンなどの『糖質』なんです。そのため油っこいものを食べてもまったく問題はないのです。我慢しているほうがよくない。
肉の脂身もしっかりと摂ることで、身体の代謝が上昇し、脂肪燃焼の働きも良くなるので、痩せやすく太りにくい体質に変わっていくのです。まずはお腹がすいたら、コンビニでおにぎりを買うところを唐揚げに代えてみてください」
タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルは「必須栄養素」と呼ばれる。つまり、痩せるためだけでなく、人間が健康に生きるためにも肉や油はちゃんと食べる必要がある。
ただ、一つ注意したほうがいいのは油の種類だ。
「揚げ物などをする時は、植物性油より、ラードやバターなどの動物性油を使用することをおすすめします。理由は動物性油のほうがより人間の脂に近いからです。そのため吸収、消化がよく健康的です。さらに植物油より必須脂肪酸のバランスもいい」(渡辺氏)
とはいえ、そんなに揚げ物ばかりを食べていると、コレステロールが気になるという人もいるだろう。だがそれも心配ない。基本的に摂りすぎた脂質は、肝臓で分解されて水分と二酸化炭素として排泄される。コレステロールは悪だという考え方はもはや古いのだ。しかも、こんな相乗効果もある。
「高齢者の中には便秘に悩んでいる人も少なくありませんが、実は脂質をしっかり摂ることで便秘も解消できるのです。大概の人が食物繊維の豊富なゴボウやニンジンなどの根菜類を一生懸命食べていますが、それでは便秘は改善されません。
なぜなら人間は元来、食物繊維を消化する酵素を持っていないから。特に根菜類は固い細胞で覆われているので、消化しきれず、便がより大きくなってしまうのです。その解消法が実は油なんです。吸収しきれなかった油は排出されるので、それによりお通じが良くなります」(渡辺氏)
油は体を元気にする。まさに「潤滑油」なのだ。
野菜ジュースよりコーヒーのほうが身体に良い
一本で一日分の野菜が摂れるとして、毎日市販の野菜ジュースを飲み続け満足している人は多い。だがそれは実は危険な行為だとしたら……。管理栄養士の梅原祥太氏はこう警鐘を鳴らす。
「ジュースにすることで、野菜に含まれる水溶性ビタミンなどが、かなり壊れて無くなってしまう。野菜は本来アルカリ性食品ですが、ジュースにすると酸性食品に変化するため、野菜本来の恩恵がほとんど受けられません。
それどころか野菜ジュースは糖質がほとんどです。100%の野菜ジュースでも、たいていは糖質が入っている。野菜ジュースに含まれるのは、ショ糖(ブドウ糖+果糖)が多く、そういった液体の糖質を空腹状態で飲むと、急激に吸収されてしまい、脂肪になりやすくなってしまいます。
また一時的に血糖値も上昇してしまう。すると体は血糖値を下げようとするので、血糖値の上げ下げが激しくなり、体に負担がかかるのです」
健康にいいと思って飲んでいた野菜ジュースが、知らぬ間に肥満を促進し、糖尿病や高血圧のリスクを上昇させているのだ。
一方でコーヒーはどうか。コーヒーは大好きだけど、健康によくないからと我慢している人もいるだろう。
だが、近年の研究によると、コーヒーには、害どころか様々な効能があることが解明されてきた。
たとえば'15年にはハーバード大学が「コーヒーを一日4杯以上飲んでいる人は、大腸がんの再発リスクが抑えられる」と発表。さらに国立がん研究センターの研究によれば、「コーヒーをまったく飲まない人に比べ、一日3~4杯飲む人は、死亡リスクが24%も低い」ことが明らかになった。
健康増進クリニック院長の水上治氏が力説する。
「私はコーヒーを『天然の薬』だと考えています。コーヒーには、カフェインとクロロゲン酸が含まれていますが、このクロロゲン酸はポリフェノールの一種で、老化の原因となる活性酸素を抑えることがはっきりと証明されている。
つまりコーヒーは、がん予防だけでなく、動脈硬化を防ぎ、血糖値を下げる効果もあるので生活習慣病も改善する可能性があるのです。
それでいて薬と違って副作用もないので、安心して飲める。もしコーヒーがダメな人は、日本茶やココアでも同じ効果が得られます」
砂糖たっぷりの野菜ジュースを飲むより、コーヒーを飲んだほうが、メリットは明らかに多い。
サプリメントにも気をつけろ
最近、「トクホ」という言葉をやたらと見聞きする。トクホとは「特定保健用食品」の略称。血圧、血中のコレステロールを正常に保つことを助ける、お腹の調子を整えるなど、国から特定の保健効果があると科学的に証明されている健康商品だ。
普通に考えれば「国がお墨付きを出しているのだから、当然効果がある」と思うだろう。しかし、実際はそうとは限らない。
文教大学・健康栄養学部教授の笠岡誠一氏が解説する。
「たとえば、あるメーカーのトクホ炭酸飲料などは、食後の中性脂肪の上昇が抑制されると謳っていますが、その実験条件としては、一日に必要な脂質を一度に摂るような食事をしてから、トクホの炭酸飲料と普通の炭酸飲料の効果を比べていたりするんです。
つまり、かなり限られた条件下で実験が行われている可能性があるのです。それにもかかわらず、誰にでも効果があるかのように、メーカー側が販売している点には疑問を持っています」
管理栄養士の梅原祥太氏はトクホについて、さらに手厳しい。
「トクホは、健康に何の意味もないと思います。トクホのコーラやお茶は、水溶性の食物繊維である『難消化性デキストリン』というものを添加しただけ。ただの水にこれを入れたら、もうトクホになっちゃうんです。
トクホのコーラを飲み続けるとよけいに脂肪過多になる可能性もある。なぜならコーラ自体に糖質や人工甘味料が含まれているからです。難消化性デキストリンで脂質を抑えるメリットより、コーラを飲むことで摂取する砂糖のデメリットのほうが大きい」
手軽に足りない栄養素を補えるとして今や多くの現代人が飲んでいるサプリメント。様々な種類が出ているが、その効果のほどは定かではない。
「人間の体は、いわゆる体内でエネルギーを作ることができる物資以外は、異物として認識します。サプリメントは、そういった体の条件を無視したものが多い。そのためいくらサプリを摂っても、体が必要ないと判断し、便として体外に排出してしまうのです」(吉備国際大学・地域創成農学部教授の金沢和樹氏)
『病気になるサプリ』の著者である左巻健男氏もこう指摘する。
「今、高齢者の間で一番人気なのが『グルコサミン』です。関節の動きを滑らかにして膝などの痛みを軽減させると宣伝されていますが、効果はないとする研究もあります。それどころか長期にわたり摂りつづけると、血糖値、血圧、コレステロールが上昇するリスクもある。
老化を防ぐとして、売り上げ上位に位置する『コエンザイムQ10』も、実際に効果があるというデータはない。肌を綺麗にするコラーゲンも定番の人気サプリですが、体内でアミノ酸などになって吸収されるため、飲んでも肌にそのまま届くわけではない。
以前『この商品を飲めばうるおう』と宣伝していた健康食品メーカーに問い合わせたところ『飲むときに喉がうるおう』と回答されました。このようにいい加減なサプリメントは、世の中にごまんと出回っているのです」
飲むだけで健康になる――そんな魔法のようなサプリは存在しない。
[週刊現代]
Posted by nob : 2017年02月14日 10:39