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呼吸、姿勢、歩行が健康づくりのキホンのキ。。。

■あの人のカラダマネジメント術
正しい姿勢で「ドローイン」それだけで体幹は鍛えられる
人気トレーナー・木場克己さんのカラダメンテ術

松尾直俊=ライター

 年齢を重ねるに従って筋力は低下し、そのまま高齢になると健康な生活を送れなくなってしまう。それを防ぐために日々できることと、自らが実践している方法を体幹トレーニングで有名なトレーナー、木場克己さんに聞いた。

 木場克己さんは、サッカーの長友佑都選手をはじめ、多くのアスリートや有名人、将来を有望視されるサッカーのジュニアユース選手などに“体幹バランストレーニング”を指導し、実績を上げている人物。第1回「腹を凹ますだけ! プロ直伝、太りにくい体になる体幹トレーニング」では「ドローイン」を紹介したが、今回は、体幹部や下肢の強化につながる「姿勢の正し方のコツ」について教えてもらった。

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 第1回では「ドローイン」について話しましたが、ちょっとしたコツを覚えると、より効果的にドローインで体幹深層部にある筋肉、インナーマッスルを鍛えることができます。そのコツとは「姿勢を正すこと」です。実は、日常生活の中で正しい姿勢を意識するだけでも、体幹を強化していくことができるのです。

 最近は会社での長時間のパソコン作業や、電車の中などでのスマートフォン(スマホ)いじりなどの影響で、背中の丸まった、いわゆる「猫背」の人が増えています。猫背は見た目が悪いばかりでなく、胸を圧迫するために呼吸が浅くなり、体に十分な酸素を取り入れられない状態を作り出します。また、頸椎(けいつい)の自然な湾曲がなくなる「ストレートネック」の原因にもなり、肩こりや頭痛、ひどい場合は頚椎ヘルニアになることもあります。さらに、脳から頸椎を通って全身に張り巡らされている神経を圧迫したり、脳への血行を阻害したりするために、内臓の不調やうつ症状を促すという医療関係者もいます。

正しい姿勢のコツは、肩甲骨を意識すること

 猫背になっていないかをチェックするには、まず、いつも通りの姿勢でまっすぐに立ってみてください。この時に、ご自分の手が太ももの横にまっすぐに来ていれば、まず大丈夫です。しかし、猫背になっている人は、手が太ももの前に出ます。この状態だと頭が前に下がって重心が前になるので、脚を引き上げられずに階段や段差でつまずきやすくなるんです。

まっすぐに立った時、自分の手が太ももの真横に来ていればOK。猫背になっている人は、手が太ももの前に出る。

 正しい姿勢を作るコツは、胸を張るよりも肩甲骨を意識することです。多くの人が長時間のパソコンやスマホ操作のために肩が前に入り、肩甲骨周りが広がっています。つまり胸の大胸筋が縮んでしまっているんです。それが猫背の原因ですが、是正するにはまず腰に軽く手を当てて、肩甲骨を背骨に寄せるようにします。肩こりがある人は、それだけでも気持ちがいいはずですよ。

 そして自然に肩周りの力を抜き、頚椎の上に頭部がのるように意識します。すると横から見た時に、背骨が自然なS字を描く姿勢をつくることができるのです。

 姿勢を正して体を固定すると、体幹部や腰の周りの筋肉を使うので、その強化につながります。そうして膝とつま先をまっすぐに前に向け、膝をしっかり引き上げて歩けば、全身に刺激が入ります。

 これは私も意識して実行していることで、特別な時間を作らず、日常生活の中でできる体幹バランストレーニングの方法です。そうした姿勢で日々過ごしていると、体幹にある太ももを引き上げるインナーマッスル(腸腰筋)が強くなりますから、下肢もよく動かせるようになります。すると、脚全体の筋肉の衰えを防ぐこともできます。買い物や通勤途中の移動、散歩の時などに試してみてください。

正しい姿勢でドローインをすると、より効果的
今こうして話している間もドローインをしています。

 正しい姿勢でドローインをすると、インナーマッスルの腹横筋や多裂筋、腹斜筋群、腸腰筋などをうまく刺激することができます。時間がある時には、ドローインをしたまま3秒で鼻から息を吸って、5秒かけて吐き出すというのを10回くらい繰り返してみてください。息を吐き出す時に、ドローインした腹部が緩まないように気を付けることが、効かせるためのコツです。そうすることで効率良くインナーマッスルが鍛えられます。

 正しい姿勢を保つことやドローインは、今こうして話している間にもできます。実際に私も取材や打ち合わせの時、そして移動で電車に乗っている時や歩く時にも、肩甲骨を引いて胸を開き、ドローインを実践しています。そうすればわざわざトレーニングの時間を取らなくても、常に体幹を鍛えることになりますから。

 ただ、最初のうちは四六時中やっているのは難しいかもしれません。その場合は、日常生活の中で気がついた時に、正しい姿勢とドローインを30秒から1分くらい維持することから始めるのでもいいです。

 インナーマッスルは加齢とともに衰え、その衰えは、首・肩のこりや腰痛、脚の筋力低下、ダイエット後のリバウンドしやすさなど、様々な体の不調につながります。そのインナーマッスルを鍛えるのに役立つ体幹トレーニングは、1回や2回で効果を出すことを求めるのではなく、地味な運動と心がけを継続することが大切です。選手たちにもそう言って指導しています。私も50歳を過ぎましたが、インナーマッスルを意識しながらここで紹介したような方法で日々体を鍛えています。こうしてメンテナンスしながら、求められる限りはトレーナーとしての仕事をやっていこうと思っています。

木場克己(こば・かつみ)さん
鍼灸師、柔道整復師、日本体育協会公認アスレティックトレーナー

[日経Gooday]

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Posted by nob : 2017年04月06日 21:17