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楽しいことを楽しいときに楽しめてるだけやることから。。。
■「頑張らなくてもできる」自己投資の3カ条
藤野 英人 ,
CONTRIBUTOR
カリスマファンドマネージャー「投資の作法」
「自己投資」とは必ずしもお金や時間をかけなくてはできないものではない。好きこそものの上手なれー。少し肩の力を抜いたほうが人は成長できるのだ。
本連載では、「投資」というテーマについてさまざまな切り口で展開している。これまでも述べてきたが、私は「エネルギーを投入して未来からお返しをもらう」ことが、広い意味での投資だと考えている。今回は、投資の中でも、人生において非常にリターンの高い「自己投資」にフォーカスしてみたい。
自己投資という言葉から、教育・学術機関に通ったり、資格の勉強をしたりというようなことを連想する人が多い。もちろん、それらは立派な自己投資であるが、スキルの習得には体力とお金がかかる。強い意志や根性も必要だ。
私は「自己投資はそんなに頑張らなくていい」と思っている。そこで、私が実践している自己投資のコツをご紹介しよう。それは以下の3カ条である。
(1)自己投資はゼロ円でもできる
(2)自己投資は三日坊主でいい
(3)自己投資はプロセスを楽しむ
お金がなくても自己投資はできる
まず、(1)から見てみよう。大事なのは、「自己投資はお金がすべてではない」ということ。「お金はないけれど時間や情熱はある」といった人でも十分に自己投資はできる。お金をかけずに自分を磨く手段は、山ほどあるのだ。
これまで私は成功した経営者を大勢見てきたが、多くは「お金もモノもないが、情熱だけはあった」という人である。元からお金持ちであったケースはむしろ少数派。ほんの小さなことでも、今までの自分を変えようとすることが大事だ。
例えば、毎朝会社に行ったら「おはようございます!」と元気にあいさつしてみよう。周りの人の気持ちを明るくできる。周りの気持ちが明るくなれば、きっとあなたもそうなる。1日を明るい気持ちでスタートできれば、あらゆることに前向きに取り組める。
さらに、人はあなたのことを「周囲を明るくさせる存在」として評価するようになるだろう。少し行いを変えるだけで確実にリターンが見込めるのだ。私もフェイスブックやツイッターで、毎朝のあいさつとして「はろはろやっほー」とつぶやいている。これも私にとっては「自己投資」である。たったひと言で明るい人という印象を持ってもらえるかもしれない。
ほかにも、「人を褒める」「メモを取る」など“ゼロ円”でできる行動を心がけている。いずれも相手との円滑なコミュニケーションが生まれるだけでなく、「相手から学ぶ」姿勢を身につけることもできる。私が尊敬する経営者の方々はこうした行動が徹底しているように思える。
NHK の語学講座なども、廉価なテキストで優良な講義を受けることができる。一流の先生がわかりやすく、懇切丁寧に教えてくれる。NHKのラジオ講座を徹底的に勉強して英語を話せるようになった人はいくらでもいる。多くの人が、うまくいかない理由として資金や才能がないことを嘆いたりしているが、本当の理由はただやらないということが多いのではないか。
三日坊主になってもガッカリしない
次に(2)だが、「人は必ずしも完璧である必要はない」という意味である。「継続は力なり」だが、しばしば「完璧主義」が私たちの成長を阻んでしまう。
私はいつも「三日坊主上等!」といっている。途中で諦めることがあっても、継続できないのは当然、と自分を許してあげよう。続けられない人ほど、自分への期待値が高すぎるのだ。
「続けられなかったこと=挑戦に失敗した」と捉えて必要以上にガッカリし、自己嫌悪に陥ってしまう。それは何だかもったいない。そもそも続けられなくて当然、というくらいの気持ちを持とう。やろうと思っていたことが途切れても再開すればいいだけのことだ。
先ほどの語学講座も三日坊主になる典型的な例だが、しばらく聞いていなくても、がっかりせずに再開できるかが重要なのではないか。継続できない理由のほとんどは“完璧主義”にある。継続するために重要なのは「再開力」である。
これに加えて、「5分だけやる」というルールも有効だ。例えば、◯◯の勉強をするというと、だいたい1時間くらいの予定を立てがちだが、なかなか1時間も取れない。ならば、まずは5分やる習慣を身につけるほうが意味はある。
1時間を毎日やるのは大変だが、5分捻出するだけならばなんとかなる。まずは5分だけやることを習慣化できれば、それを10分、15分、30分と、月を追うごとに増やしていけばいい。
1時間やらなければいけないと思うと気持ちの準備が必要だが、5分ならば気持ちの準備などいらない。すぐに着手できる。すぐに着手する習慣が身につけば、継続への道は開けたも同然だ。
結果でなくプロセスを楽しむ
最後の(3)もとても大事な考え方である。確かに、自己投資は自分のスキルを磨く「手段」ではあるのだが、同時に、その行為自体を「目的」として楽しめることがベストだろう。
ジャーナリストの立花隆氏はこんなことを話している。
「私にとって取材は本を書くための手段である。でもじつは違う。私は取材そのものが楽しいのだ」(文藝春秋編『立花隆のすべて』より)
私はこの言葉にとても共感する。自己投資に限らず、投資という行為は結果だけを求めてしまうと、報われないときの失望が大きく、つらいものになる。また、効率のよい方法ばかりを追い求めると、その時間が味気ないものになってしまうのだ。
私自身は調査の仕事は、投資で成果を上げるための苦役ではなく、調査そのものが楽しみであり、目的でもある。立花氏とまったく同じだ。プロセスを楽しんでいるからこそ、長く現役で仕事ができている。そして長く現役で仕事ができれば、ノウハウもたまるし、そういう経験値の蓄積が誰にも負けない武器になる。
人は楽しいからこそ熱中するし、成長意欲がわいて工夫し続けることができる。結果や効率にこだわりすぎず、プロセスを楽しむことに取り組むのがいい。
いかがだろうか。自己投資が少し気楽になったのではなかろうか? 楽しむことで人生そのもののチャンスが増え、人生をより良くすることにつながると思う。自己の成長を感じることこそ、人生の極上の喜びだ。
文=藤野英人
[フォーブスジャパン]
Posted by nob : 2017年10月02日 16:20