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■太平洋のマグロ:50年間で6割以上減る

 漁業の影響で、太平洋のマグロ類が過去50年間に6割以上減ったとの分析を米ハワイ大などがまとめ、15日付の米科学誌サイエンスに発表した。メバチマグロやキハダマグロについては、現在、サモアで開催中の「中西部太平洋まぐろ類委員会」が資源管理に関する議論を進めている。

 調査した魚はメバチ、キハダ、ビンナガのマグロ類、マグロと近縁のカツオ、マグロと混獲されることの多いヨシキリザメの大型魚5種。

 サメを除く4種類の魚計30万匹に標識をつけて体重や体長などを追跡調査、1950~2004年に太平洋で漁業をした二十数カ国の漁獲実績と合わせて、海域ごとの資源量の推移を分析した。

 その結果、現在の資源量は、50年以降に漁業が実施されなかったと仮定した場合に比べると、太平洋中西部のキハダが64%、北太平洋のビンナガが62%、太平洋全体でのメバチが61%、太平洋中西部のカツオが26%それぞれ減ったことが分かった。食用頻度の少ないヨシキリザメは北太平洋で9%減だった。

 マグロ類の資源量をめぐっては、カナダの研究者が03年、漁業活動が始まる前に比べ10分の1に激減したと英科学誌ネイチャーに報告した。しかし、報告は調査海域が日本近海に集中するなどしていたため、データの信頼性に疑問も出ていた。

 水産庁は「マグロ類が減少していることに変わりはなく、各国に資源保護を訴えたい」と話している。

 遠洋水産研究所の岡本浩明・熱帯性まぐろ研究室長の話 長年蓄積されたデータを、種や海域を考慮して分析した妥当な結果と言える。漁業の持続には、科学的な資源評価を尊重し、各国が協調して管理に取り組むことが大切だ。【田中泰義】

〔毎日新聞〕

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Posted by nob : 2006年12月15日 14:27