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■喫煙率の数値目標また断念 業界・自民の抵抗なお強く
喫煙率に数値目標を定めて禁煙を進めようとしていた厚生労働省が、方針を転換して数値目標を断念する方向で検討に入った。「禁煙希望者がすべてやめる」といったスローガンは掲げる。同省は00年にも数値目標の設定を目指したが、たばこ業界や自民党などの反発を受けて引っ込めた経緯があり、今回も各界に配慮したとみられる。
喫煙率の目標値はもともと、厚労省が生活習慣病予防などのため00年に作った「健康日本21」に盛り込む予定だった。このガイドラインは、食生活など約70項目について「食塩摂取量は1日10グラム未満」などと2010年までにめざす数値目標を挙げたのが特徴。喫煙率も当初案は「男女とも半減」と明記したが、その後撤回。数値目標がない数少ない項目の一つだった。
昨年度から中間見直しを始めた厚労省は、04年調査の喫煙率(男性43.3%、女性12.0%)を踏まえ、(1)男性30%、女性10%(禁煙希望者がすべて禁煙した場合)(2)男性35%、女性10%(たばこ依存症以外の禁煙希望者が禁煙した場合)(3)男性25%、女性5%(ガイドライン作成当時の喫煙率を半減)――の3案を専門家の部会に提示。今月15日の部会では、多くが(1)案を支持していた。
一方、自民党は10月、「行政が一方的に数値目標を設定し国民を誘導することは憲法の趣旨から問題」「たばこは財政物資として国や地方の財政に大きく貢献している」などと決議。たばこ業界への配慮を求めた。日本たばこ産業(JT)も同月、記者会見で「たばこは個人の趣味。行政が数値を示して介入するのは強制だ」と主張した。
結局、厚労省は数値目標の代わりに、「すべての禁煙希望者が禁煙を実行する」という内容のスローガンを掲げることにした。現在の喫煙率と禁煙希望者の割合を添えて、(1)案の「目標」がイメージできるようにする。「数字ばかり躍っても、達成できなければ意味はない。わかりやすいスローガンで国民にアピールしたい」という。
同省によると、海外では韓国が「10年までに男性30%、女性5%」との目標を掲げている。米国や英国、フランスも数値目標を定めている。
〔朝日新聞〕
Posted by nob : 2006年12月24日 19:53