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介護居酒屋

ある古くからの日本酒居酒屋に一見(いちげん)の客として出かけた時のことです。

その夜は、たまたま白血病を克服して退院してきたという店主が久しぶりに店に顔を出す日とのことで、留守の間店を一人で実質切り盛りしてきたというおかみさんが、近所だとはいうものの店主を迎えにいく30分ほどもの間、営業のすべてが止まってしまったのです。

追加の注文はおろか会計もできませんし、まあ急ぐ旅でもなしと、出かける直前に振舞っていってくれた希少な大吟醸酒をゆっくりと呑みながら、勝手知ったる様子の他の常連客達と待つことになったのです。

やがて店主を連れておかみさんが戻ってきたのですが、病を克服したとはいえども、もう車椅子で口調ももうろれつも回らない見るからに病み上がりの店主が、それぞれの席を順番に回って挨拶をし、またそれを歓迎するもう三年ぶりという常連達の和気あいあいとした様子を見て、これで立派に通ってしまうスローな居酒屋もなかなかにいいものだという気がしました。

これから本格的な高齢化社会を迎えて、あちらこちらで当たり前の日常の光景としてこんな場面を目にするようになっていくのでしょう。

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Posted by nob : 2007年02月08日 14:33